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Electronic Entertainment Expo 2001現地レポートMicrosoftブースはXbox向けタイトルの |
会場:Los Angeles Convention Center
■ MicrosoftブースにXboxタイトルを求める来場者が殺到
昨日のPress Conferenceでの予告のとおり、E3会場のMicrosoftブースにはXboxタイトルのプレイアブルデモが多数用意され、実際に来場者がコントローラを手に楽しめるようになっていた。展示されていたタイトルは表1にまとめた18種類で、ブースではそれぞれのソフトにつき1~8台ほどのデモ機が用意されていた。確かにPress ConferenceではMicrosoftブースに20種類ほどのソフトが展示されると予告していたが、それら全てがプレイアブルデモという形で展示されるとは思っていなかったので、ブースに駆けつけたときにはかなりの衝撃を受けた。
今年のE3では、任天堂の「GAMECUBE」に並んでXboxは目玉的な存在ということもあり、大勢の来場者がMicrosoftブースに駆けつけることは容易に想像できていたが、これだけの数のプレイアブルデモが用意されていることも手伝って、実際にソフトを楽しもうとする来場者がMicrosoftブースに殺到。特に人気の高いソフトの周りには何重にも人垣ができ、実際にプレイするのに30分近く待たなければならないといったものもあるほどで、1日中大盛況であった。
そこで初日のレポートは、Microsoftブースに展示されていたXbox向けタイトルの中から、特に完成度が高く、さらに日本市場でも成功する可能性が高いと感じたタイトルをいくつか紹介することにしよう。
表1:Microsoftブースで展示されていたXbox向けタイトル | |||
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タイトル | ジャンル | メーカー | 発売時期 |
4x4 Evolution 2 | レース | GodGames | 未定 |
Airforce Delta Storm | シューティング | Konami | 未定 |
Amped:Freestyle Snowbording | スポーツ | Microsoft | 2001年秋 |
Azurik-Rise of Perathia | アクションRPG | Microsoft | 2001年秋 |
Blood Wake | シューティング | Microsoft | 2001年秋 |
Cel Damage | レース | Electronic Arts | 未定 |
Dark Summit | スポーツ | THQ | 未定 |
F1 2001 | レース | Electronic Arts | 未定 |
Fuzion Frenzy | パーティ | Microsoft | 2001年秋 |
Halo | シューティング | Microsoft | 2001年秋 |
Mad Dash Racing | アクション | Eidos | 未定 |
NASCAR Heat | レース | Infogrames | 未定 |
NFL Fever 2002 | スポーツ | Microsoft | 2001年秋 |
NHL Hitz 2002 | スポーツ | Midway | 未定 |
Nightcaster | アクションアドベンチャー | Microsoft | 2001年秋 |
Oddworld:Munch's Oddysee | アクション | Microsoft | 2001年秋 |
Project Gotham Racing | レース | Microsoft | 2001年秋 |
Tony Mawk's Pro Skater 2x | スポーツ | Activision | 未定 |
■ Project Gotham Racing
ドライビングスタイルを競うニュースタイルのレースゲーム
「Project Gotham Racing」は、コースの走行タイムを競うのではなく、いかに”クール”な走りができるか、つまりドライビングスタイルを競う、これまでにないゲーム性のレースゲームだ。プレイヤーが操る車としては、フェラーリやポルシェ、BMWなどの実際に存在する高級車やスポーツカーが25種類以上用意され、走行するコースもニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、東京といった実在の都市の街並みが忠実に再現されている。
Project Gotham Racingは、3月に米国ワシントン州レドモンドの米Microsoft本社で開催されたゲーム発表イベント「Microsoft Gamestock 2001(以下Gamestock01)」で発表済みだが、その時は車の走行に関する物理計算が全く行われておらず、さらにグラフィックも大部分が未完成で、ゲームと呼ぶにはほど遠いものであった。しかし、E3で展示されていたバージョンでは、グラフィックのクオリティが大幅に向上し、車の操作性や挙動もレースゲームとして満足できるレベルに達していた。
特に、グラフィックに関しては現状でもほとんどのユーザーが「すごい」と感じるほどのクオリティに進化していた。アスファルトや石畳などの路面がヘッドライトに照らし出される様子、建物の細部まで忠実に再現された街並み、周囲の街並みが車のボディやガラスに映り込む様子など、どれをとってもレースゲームとしてトップクラスのクオリティといえる。先日発売されたPlayStation2用ソフト「グランツーリスモ3」と比較しても全く負けていないと感じるほどだ。もちろんゲーム中の視点切り替えも可能で、車内や車外後方からの視点でプレイできる。コース周回時に、それまでのベストの走りをゴーストカーとして表示するという機能も用意されていた。
ところで、Project Gotham Racingでは、クールな走りを追求するゲームのため、一般的なレースゲームとは異なるゲーム性となっている。例えば、コーナーをうまく走り抜けたり、路上に置かれたパイロンの間をうまく走り抜けると、プレイヤーにポイントが与えられ、そのポイントに応じて走行できるタイムが増える。壁にぶつかったりスピンしたりしていると走行タイムが増えずにゲームオーバーとなってしまうわけだ。
実際にプレイしてみたところ、従来のレースゲームのようなタイムアタックばかりに明け暮れるのではなく、クールな走りを追求するという部分が新鮮に感じた。特に、ドリフトでコーナーをスムーズに走り抜け、高いポイントが与えられたときなどは、かなり爽快な気分が味わえる。ただ、このデモバージョンでは、車の操作性や挙動にまだ詰める部分が多分にあるように感じたのも事実で、まだまだ完成には時間がかかるという印象だった。
グラフィックに関しては全く心配する部分がないものの、これまでのレースゲームにはない独自のゲーム性がプレイヤーに受け入れられるかどうかははっきり言って未知数だ。そのため、ユーザーの支持が大きくわかれる可能性もあるだろう。
■ Mad Dash Racing
見た目はアクションゲームだが中身は純然たるレースゲーム
スクリーンショットを見ると、Mad Dash Racingはキツネやアルマジロ、オオカミなどのコミカルなキャラクターが登場するアクションゲームとしか感じないだろう。しかし、実際にはこのゲームは、それらコミカルなキャラクターを操作してコースを走り抜けるという、純粋なレースゲームなのだ。つまり、指定されたコースを他のキャラクターよりも早く走り抜けることを競うのである。
コースは雪に覆われた山岳地帯や、溶岩が流れる火山地帯などがあり、コース上には、ダッシュするときに必要となるエネルギーカプセルや、プレイ時に有利となるアイテム、スピードアップポイントなどが配置されている。コースは道だけでなく、渓谷や川などもあり、崖を飛び越えたり、川を泳ぐ必要もある。また、それぞれのキャラクターには、体を丸めて坂を転げ落ちたり、空を飛んだりできる特殊能力が用意されており、ダッシュや特殊能力を駆使しながらコースを走り抜けることになる。
操作性はアクションゲームそのもので、初めてのプレイでもすぐに楽しめることができた。また、実際にプレイしてみても、プレイ感はレースゲームと言うよりアクションゲームだと感じたが、プレイ中のスピード感や爽快感は申し分なく、他のキャラクターよりも先にコースを走り抜けるという点は確かにレースゲームであり、かなりアツくなれる。十分期待できるタイトルいって間違いないだろう。
■ Blood Wake
ウォーターワールドを彷彿とさせる洋上シューティング
強力に武装されたボートを操り、登場する敵を片っ端から倒していく。Blood Wakeは、映画「ウォーターワールド」を彷彿とさせる洋上シューティングゲームだ。
プレイヤーが操作するボートには、バルカンやロケット砲などが装備されており、それらを駆使して、敵ボートを撃沈したり、海岸にある敵基地拠点を撃破していく。ゲームに特別なシナリオは用意されておらず、各面ひたすら敵を倒すことが中心となる。
このゲームの特徴は、なんと言ってもそのグラフィックだ。水面が波うつ様子や水面にボートの姿が映り込む様子、走行時に水しぶきが飛び散る様子などは、今回デモが行われているXbox用タイトルで水面が登場するものの中でもベストといっていいほどで、まるで実写の水面を見ているかのような錯覚すら覚えるほどだ。また、ジョイパッドの振動機能に対応し、バルカンやロケット砲を使ったときにはパッドがぶるぶる震えて臨場感が増す。また、ロケット砲が敵ボートに命中し、高い水柱が上って敵ボートが沈没すると、かなりの爽快感が味わえる。
ただ、残念なことに肝心の操作性が悪く、思い通りにボードを操縦できるようになるまでにかなりの時間を要する可能性が高いのは大きな問題だ。実際にプレイしたときも、数回プレイするまでボートをうまく操縦できず、あっという間にやられてしまった。これは、我々日本人がプレイするゲームでの基本となる操作性と、アメリカでの基本となる操作性が若干異なっているからだろう。いつものゲームをプレイしている感覚でボートを進めようとしても、全く進んでくれないのだ。そういった意味では、日本人にあった操作性に変更することで、プレイ感は大幅に向上する可能性もある。ゲーム性は悪くないので、日本で発売される場合には、操作性の考慮を期待したい。
■ Halo
アメリカで最も期待の大きなアクションシューティング
ゲーム性やQuakeやUnrealシリーズを彷彿とさせる、オーソドックスなアクションシューティングで、強力な武器を駆使して敵要塞に潜入し、登場する敵を片っ端から倒していけばよい。こちらもProject Gotham Racing同様、既にGamestock01で発表済みだが、グラフィックのクオリティが向上し、臨場感が増している。特に、風景の描き込みや、環境マッピング、バンプマッピングなどによる映像効果が以前のバージョンよりも明らかに向上し、より高いレベルのグラフィックが実現されている。
また、Haloはネットワークプレイに対応しており、Microsoftブースでも実際に対戦プレイが可能となっていた。アクションシューティングではネットワークプレイは欠かすことができないが、標準でネットワーク機能を搭載するXboxならネットワークプレイも簡単に楽しめるわけだ。
こういったアクションシューティングは、操作性の難しさや、ゲーム自体の難易度の高さなどもあり、日本ではあまり受け入れられないことが多い。難易度に関しては、プレイできたのがゲーム序盤部分のみということもあり、それほど難しくは感じなかったが、操作性の悪さはかなり目立ち、なかなか思い通りにプレイできなかった。マウスとキーボードを駆使した方がプレイしやすいと感じるような操作性では、特に日本では厳しいだろう。ゲーム自体は十分おもしろく、個人的にもプレイしてみたい1本ではあるが、もし日本市場もターゲットにしているのであれば、操作性をもっと工夫する必要があるだろう。
Haloのネットワーク対戦プレイのデモの様子。「RED」と「BLUE」の2チームによる対抗戦が繰り広げられていた | Haloはアメリカでかなり人気が高く、常に多数の来場者がプレイのために行列を作っていた |
■ F1 2001
「EA Sports」の人気タイトル「F1」シリーズ最新作
おなじみElectronic Artsのスポーツゲーム「EA Sports」シリーズの中でも、日本でも人気の高いF1を忠実に再現した「F1 2001」。Xboxバージョンは、従来のF1シリーズの中でも最高のグラフィッククオリティが実現されており、見た目は非常にリアルだ。
マシンのカラーリングやステッカーのロゴ、コース形状、周辺の看板や景色などが本物忠実に再現されているのはもはや当たり前だが、そのクオリティは格段に高い。また、ハンドル操作時の手の動きや、コーナリングや振動でドライバーの頭が振られる様子など、細かな部分までもリアルに再現されており、その完成度は非常に高い。
操作性は従来とほぼ同じで、どちらかといえばやや大味だ。しかし、リアルシミュレータのように、慣れるまでまともに走行できないということがなく、ゲームとして楽しむにはこういったゲーム性のほうが有利だろう。
こういった定番タイトルは、地味ではあるもののハードの普及に不可欠であり、この完成度を考えると十分貴重な存在のソフトといっていいだろう。
明日は、Microsoftブースでデモが行われているソフトの中で今回取り上げなかったものや、サードパーティメーカーのブースでデモが行われているソフトなどを紹介する予定だ。
□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□Xboxホームページ
http://www.xbox.co.jp/
□関連情報
【3月14日】Microsoft Gamestock 2001開幕・Xboxの同時発売タイトルなどを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010314/ms1.htm
(2001年5月18日)
[Reported by 平澤寿康]
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