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Electronic Entertainment Expo 2001現地レポートE3 2001 キーノートスピーチ
会場:Los Angeles Convention Center
■ 1位と3位がソニー,空いているのは2位だけ? 司会進行役のArcadia Investments John Taylor氏が最初に3人のリーダーたちに聞いたのは「ゲーム業界のリーダー的存在である3社は,それぞれのプラットフォームをどのように展開していくのだろうか。本当のところを聞かせていただきたい」という質問だった。 これに対し任天堂は「ゲーム業界はゲーム機の革新だけでなく,いよいよ様々なエレクトロニクス・エンターテインメントへの統合の時代へ突入しようとしている。その役割を果たすのがGAMECUBEとGAMEBOY ADVANCEだと思う。そのゲーム機は任天堂によって作られる。任天堂こそがゲームなのだ(NINTENDO IS GAME)。」と発言。
これに対しソニーは「PSは全世界レベルで8,000万台,PS2は1,000万台を出荷している。ゲームのバリエーションも多彩,オンラインゲームへの対応はハードとインフラの両面で対応のめどをついている。PS2は最高のエンターテインメントを提供するマシンとなるのは間違いないはずだ」とゲーム業界のデファクトスタンダード的な地位をアピール。また「ほかのプラットフォームもがんばればシェア2位の地位は獲得ができるはず」と挑戦的な発言。さらに「3位もあいていない点に注意してほしい。なぜなら1位はPS2,3位となるのはPS1だからだ」と続け,会場の笑いを誘った。 マイクロソフトは「自社製ゲーム機第一号となるため,ゲームプレイヤー達の意見を積極的に取り入れて採り入れて開発した。オンラインゲームへの対応はご存じの通りすべて標準装備する。オンラインゲームの未体験ゾーンをもっとも体験しやすいプラットフォームはXboxなのだ」「それと我々は今年や来年のシェアのことは気にしていない。しかし5年先にトップにたてることは確信している」とソニーの発言を受ける形で意見を述べた。 こうした表舞台のセッションで互いの発言を意識しあうような展開は珍しい。 ■ ゲーム機のハードウェアスペックはこうして決められる
マイクロソフトは「どんなゲームができるようになるのかを検討して決定した。最高の開発環境,最高のゲーム品質をもたらすことができるハードウェアで構成したのがXboxだ」と述べた。品質はともかくとして,XboxはPCベースのゲーム機であるため,開発の容易さについてはほかのプラットフォームよりアドバンテージがあるのは理解できる。 ■ うちのまねしなさい
この質問に対して「ファーストパーティがサードパーティを引っ張っていくようなスタイルになる。PS陣営はサードパーティが全ソフト供給元の75%を占めており,重要性は極めて高い」とソニー。 これに対し「まぁうちと同じような方針だね。そうやってうちのまねをすれば成功できると思うよ」と冗談とも本気ともとれぬ発言を間に挟んできたのはソニーだった。 ■ オンラインゲーム,積極派と消極派
「オンラインゲームのために生まれたともいえるのがXbox。あらゆるオンラインゲームへの対応ができるようなハードウェア機能を持っている。オンラインゲームのコンテンツ作りにも力をいれており,いかに継続的にプレイヤーに遊ばせるかが大きなポイント」とマイクロソフト。 これだけ聞くとオンラインゲームに対してとても消極的な姿勢のように思えるが,実際にはGAMECUBEもモデムやLAN機能を後付できるシステムにはなっているので,本気になれば「いつでも対応可能」ではある。おそらくほか2社のオンラインゲームへの成功の可否を見極めてから本格的に行動を開始するのであろう。 ■ 余裕のソニー,追い上げ追い越しを狙うマイクロソフト,挽回可能と考える任天堂
このように,当初思っていたよりも非常にアグレッシブな意見交換がなされたキーノートスピーチであった。事実上,セガが退き,ソニー優勢状況である現在も,ナンバーワン・ゲームプラットフォームの座は決して手の届かぬものではない…そう任天堂とマイクロソフトは考えているようだ。 (2001年5月18日)
[Reported by トライゼット 西川善司] |
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