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★ PCゲーム ファーストインプレッション ★
ラリーといえば、車と人間、そしてコースとの壮絶な戦いが繰り広げられるレーシングカテゴリー。「プロラリー2001」は、広さを感じさせるステージとの戦いが印象的なラリーの醍醐味を味あわせてくれる一作。
■ 自然の中を走りぬけるラリーそのものが再現されたステージの造形 大自然の中を走るサンドコースや、市街地の道路を封鎖して作られるターマックコースなど、このゲームのステージはその成り立ちを象徴するようにかなり広い範囲でモデリングされており、決して緻密というわけではないだろうが、まさにラリーの気分を味わえる。 渡河のシーンでは水しぶきがあがり、コースアウトして砂地や踏み固められていない雪に突っ込むと砂や雪煙があがったり、コースにはきちんとスリップサインも残る。天候も変化し、その様子がはっきりと画面で確認できるなど、情報過多というほどでもなく、ほどよくポイントを押えたコース描画が行なわれているのはすばらしい。 だが、コース幅はラリーそのものの狭さになっており、マシンの制御にかなり気を使う。
解像度は1,600×1,280(32bit)まで対応しているが、高解像度でもそれほど重い印象はない。ネットワークを使ったマルチプレイに対応しているせいかもしれないが、グラフィックの豪華さと軽さのバランスを取ったエンジンの設計になっているようだ。
■ マシンもかなり細かく造形を再現。走行感覚はやや安定指向か? マシンは中にセットされているスペアタイヤや、ドライバーおよびナビゲーターのモデル、バケットシートやシートベルト、コンソールやステアリングなど、かなり細かいパーツが再現されている。障害物への激突や転倒など、アクシデントが続いて車にダメージが蓄積されると、車は変形し、いろんなパーツが故障するところも現実そのもの。 ダメージが過ぎるとパンパーは取れ、ガラス類はヒビがはいり、ランプも転倒しなくなるなど悲惨そのもの。操縦性も悪化し、まっすぐ走ることも困難になる。「Championship」モード以外は修理してもらうことができないため、こうならないようにダメージに気を使いつつ、なるべくコースアウトしないようにドライブするしかない。
マシンチューニングも可能だが、レースコース上にいる限りは、基本的に安定指向のハンドリング。FF車ではタックインも起こるし、セッティングによってはリアを振り出しやすくできるのだが、ノーマルセッティングはややアンダー気味なので、サイドブレーキを活用して積極的に車の方向を変えるラリーらしいドライブテクニックが要求される。
また、コースアウトするといきなりグリップレベルが悪化し、かなり不安定なドライブを強いられる点にも注意。
■ どこかで見たゲームモードの区分け ゲームモードの主なものは、大きく分けて「School(ドライビングスクール。ドライビングテクニックをテストされる練習モード)」、「Time Attack(タイムアタック)」、「ARCADE(規定タイム以内にコースを走行。敵車を追い抜くことで制限時間が伸びる)」、「Championship(現実のラリーに則して、各SS毎にポイントを加算し、チャンピオンシップ全体での順位を算出するポイント制レース)」の4つ。「Championship」は、設定された規定ポイントをクリアしないことには上のレベルのレースに出場することはできなくなっており、最初のチャンピオンシップにチャレンジするには、「School」の全規定をクリアしなければならない。 「School」モードの難易度だが、序盤はすべてターマックのいわゆる「ジムカーナ」形式のコースで、マシンが毎回変わる。2、3個目までは簡単にクリアできるが、それ以降になると途端にコースレイアウトが難しめになるため、狭い場所でのドライブテクニックを鍛える=マシンのリズムを覚えていかないと規定を突破できない。ラリーゲームならではの難易度だと感じた。
また、画面分割による対戦が可能な「Split Screen Multiplay」、最大99人まで同時対戦可能な「Network Multi Play」モードもある。対戦するならやはり「Network Multi Play」を選びたい。
■ 美しいグラフィックがやはり印象的 アップはもちろん、ロングカメラでのリプレイが美しい「プロラリー2001」。ゲーム的には骨太だが、このグラフィックにお金を出せるという人はぜひチャレンジしてもらいたい。 個人的に気になったのは、やはりコースレイアウトの広さに対して、衝突による停止がなかなかシビアなところ。また、リトライが多くなりがちな「School」モードで途中でポーズをかけたとき、なぜ「再スタート」がないのかが気になった(「Time Attack」にはあるのに!)。コンシューマと比較してグラフィックで優位にたち、丁寧さではやや分が悪いというところだろうか。
だが決してデキが悪いということではなく、むしろ十分ラリーの世界を堪能できる一作。車の挙動や路面に対してのリアクションなど、ドライブゲームに手応えがほしい、という人には十分のレスポンスとボリュームが待っている。
Made under license from Toyota Motorsport GmbH
□イマジニアのホームページ (2001年4月27日)
[Reported by 佐伯憲司] |
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