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発売目前!!「GRAN TURISMO 3 A-spec Reception」レポート |
今回も多数設置されていたバケットシート装備のデモ機。シートはチューニングファンにはおなじみのスパルコの「コルサ」ということが判明 |
会場には、東京ゲームショウ2001春のSCEIブースで展示された、バケットシート+「GT FORCE」のセットによるiLINKで接続された6台に加え、10台の試遊台、さらに6枚のプラズマディスプレイが設置された2セットのデモ機が設置され、赤坂泰彦氏の司会とともに2時間のレセプションがスタートした。
まず、ポリフォニーデジタル・プレジデント山内一典氏が登場、自ら「GT3」についてプレゼンを行なった。
34コース、200台近くのマシンを擁する「GT3」は、6台のプレイステーション 2と、6枚のソフト、6つのモニタを使用してのiLINKによる通信対戦が可能なことは既報通り(接続にはiLINKのHUBも必要となる)。さらに今回、マルチモニタによるシングルプレイが可能ということが明らかにされた。iLINKで接続した6セットの「GT3」を使い、画面の広さが6倍に広がるというもの。この機能は製品版においても取り入れられており、「実際にユーザーさんがプレイなされるかはわからないが、過剰なスペックというのは常に『GT』の特徴」と山内氏から説明があった。
ほかにも、ガレージは200台までが収納可能。マシンを購入するための中古車コーナーはなくなり、すべて新車コーナーに収録されるなどの「GT3」ならではの変更点を紹介。また、新たに加わった「GT AUTO(いわゆるカーショップ)」において、シリーズおなじみの洗車ができたり、オイルを交換することで若干のパワーアップが可能で、200~300km走行すると効果がなくなる、オイル交換を実演。ホイールの交換については、「ホイールの再現度を今までのシリーズよりも充実させた結果、車のボディ1台分よりもホイール1つにCPUパワーを割いており、実際に作ってみたらホイールは複雑な形状をしていることがわかった」とこぼれ話も披露。
さらに、リプレイの新機能についても紹介。BGMに同期しながら、自動でリプレイ画像を生成する「ライブリプレイ」という機能で、ドラムのアタックなどに合わせて、カメラが切り替わるだけでなく、モーションブラーやネガポジ反転など、画像に多様なエフェクトがかかる。このライブリプレイの実演でBGMをチェンジする際、レニー・クラヴィッツの「Are You Gonna Go My Way?」が「GT3」のBGMとして提供されていることが明らかになった。これは「GT3」のゲーム中のみに流れるポリフォニーオリジナルMIXというオリジナルチューン。彼の他にも、数組の海外アーティストの楽曲が提供されていることも発表された。「Are You Gonna Go My Way?」は、ポリフォニーデジタル側がレニー・クラヴィッツ氏に楽曲提供を依頼したという。
最後に山内氏は、赤坂氏の「『GT3』のどこを一番見てほしいですか?」という問いかけに対して「レースゲームの一番の魅力は、操作に対しての車とプレーヤーのフィードバックサイクルの瞬間。どんな運転をしても、今車がどんな状態にあるのかをどんな人にもわかるようにフィードバックを返すということに気を使って制作した」と語り、「いろんな切り口で遊ぶ方法を用意したので、3ヵ月は遊んでいただけるのではないか」と「GT3」についてのプレゼンを締めくくった。
かなり自然なイメージで作られているCMなので最初は違和感もないが、とんでもないことをしている |
おそらく発売前後は大量にCMが投下されると思われるので、オンエア時は要チェックだ。
その後、「こんな機会もなかなかないものですから、『GT』の未来についてもお話をしたいなと思います」と山内氏が口を開いた。
まず、「GT3」のリプレイについて触れ、60フレーム/秒のレートで、640×480の解像度の画面をリアルタイムに生成している。実際に映像生成のシードとなっているのは、ユーザーの操作情報だけだと語った。これはiLINK対戦機能などの制作を通じて得られたノウハウだろう。
さらに、「これは見方を変えると、リプレイ映像を例えばネットワークで送るとき、非常に小さい情報量で映像の送信が可能になることを意味している。今回の「GT3」は、開発サイドの意識としては、ある意味スタンドアローンのレースゲームとして究極のものを目指そうというコンセプトで制作してきた。今後、時期は未定だが、近い未来に「GT」のネットワーク対応版を作りたいと思っている。その際、自分たちが持っているテクノロジは、このように小さな帯域幅で、多様な映像を送ることができるというテクノロジ。これを利用しようと考えている」と続けた。
映像の帯域幅について山内氏は、「MPEG2、MPEG4の映像による帯域と比較して、GTのストリームデータは0.6~4Kbpsと小さく、ひとつのレースをブロードキャストするのに、4Kbpsもあれば可能。これを利用して、単にレースゲームがネットワークにつながって面白いというだけではなく、きちんとした一般ユーザーにも楽しめるようなネットワークサイトを作りたいと思っています」と語った。帯域幅についてのコメントは、「GT」開発チームが、インフラの拡充や情報量の圧縮ではなく、いかに小さな情報で多様な映像を生成するか、に重点をおいていることを意味している。
続いて、メインスクリーンに「GTN」の文字が表示された。「今、頭の中にはこういう名前のエンタテイメントネットワークのイメージを持っている。基本的にはモータースポーツの楽しさ、車の楽しさがすべてつまったネットワークサービス、あるいはユーザーとユーザーが交差する交差点のようなものを考えている。その楽しさの原動力になるのは『GT3』のコアテクノロジだ」と山内氏。「でも、そこから本当の車が買えるとか、中古車の検索ができるなどといったことには興味がない。というかイメージができない。むしろ、『GT』が7年の間培ってきた、車を運転する楽しさとか、車そのもののパワーを伝えるためのネットワークステーションを考えたいと思っている」と語った。そして、「この構想はそんなに未来のことではないだろう」と締めくくった。
山内氏の頭の中には次の「GT」の構想がすでにある。ブロードバンドに乗る「GT」を見るのは、そう遠い未来ではなさそうだ |
そして、「GT3」のテーマソング「MOON OVER THE CASTLE」を作曲した「T-SQUARE(F1のテーマ曲『TRUTH』で有名)」の安藤まさひろ氏、そして、しばらく同バンドを離れていた伊東たけし氏が、この日だけのユニット「T-SQUARE plus」として登場。
安藤まさひろ(g)、伊東たけし(サックス、EWI)、北島健二(g)、Lenzie Crosby(bs)、山田達也(d)、河辺健宏(kb)というユニットで、「MOON OVER THE CASTLE」、新曲「TRUTH 21 c」、「THE FACE」、「MAYBE TOMORROW」、そしてラストに再び「MOON OVER THE CASTLE」と熱のこもった5曲を演奏。伊東氏は「『T-SQUARE』の曲の疾走感が車に合ってるんですかね」とMCで語った。「MOON OVER THE CASTLE」はギターをメインとした楽曲だが、今回はウィンドシンセを主体としたアレンジが施され、また違ったイメージになっている。
ライブの興奮がさめやらぬまま、レセプションは幕を閉じた。
安藤氏と伊東氏の2人のユニットという形態に変化した「T-SQUARE」。「GT3」だけでなく、フュージョンファンにはたまらない時間が最後に待っていた。「GT3」のプロモーション映像をバックに演奏に熱がこもる |
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□製品情報
http://www.scei.co.jp/sd2/gt3a/
□T-SQUAREオフィシャルサイト
http://www.village-a.com/T-SQUARE/
□関連情報
【4月16日】SCEI、PS2「グランツーリスモ3 A-Spec」試乗フェアを銀座で開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010416/scei.htm
(2001年4月17日)
[Reported by 佐伯憲司]
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