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★ “桜の季節に”遂に発売! ★
数多くのファンを持つ、セガの人気アドベンチャーシリーズの最新作「サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか」が、遂に発売された。'96年9月にセガサターンで発売されて以来、'98年には2作目と着実に進化。3作目はドリームキャストへとプラットフォームを替え制作され、1作目、2作目共にドリームキャストに移植されているが、ドリームキャストの各種機能を考慮して制作されたのは始めてだ。どこが魅力的なのかを探ってみたい。
つい先日、海外のゲーム制作スタジオにお邪魔する機会があった。海外の事務所は、まぁ、たいがいパーティションで区切られていたりなんかして広々と個室状態。フィギュア飾りまくり、ポスター貼りまくりで、自分の“城”状態だ。 こういった話を引き合いに出すまでもなく、今回発売された「サクラ大戦3」はまさに日本だけでなく世界中が待ち望んだ作品のひとつだ。魅力的なキャラクタ達に、練り込まれたストーリー。ドリームキャストの機能を使った新機能など楽しませてくれる要素がたくさん用意されている。
「サクラ大戦3」ではオープニングなどのほかに、随所にアニメパートが織り込まれている。このアニメは、かなり気合いの入った出来だ。'99年の制作発表時に見たときから思っていたことだが、3Dと2Dが本当に違和感無く同居している。 例えば登場する5人の主人公達「巴里華撃団・花組」が踊っているシーンにカメラが回り込むシーンなどはバックが3Dで表現されており、その立体感は2Dだけでは表現できないし、キャラクタのあでやかさは逆に3Dだけでは表現しにくい部分だ。そういった何げないすごさが詰まっているが、もちろんそんなことはどうでもいい話で、ただ見ているだけでカッコイイし、「サクラ大戦3」の魅力が十分以上に伝わってくる。
■ LIPSシステムも多彩になりバージョンアップ
「サクラ大戦」シリーズでは各章ごとに、アドベンチャーパートと戦闘パートに別れており、プレーヤーは華撃団の隊長“大神一郎”となりストーリーを進め、隊員の信頼度を高めていく。
ゲームの流れは変わらないが、「サクラ大戦3」の「LIPS」は多彩なものとなっている。これまで通り選択肢が表示され、一定時間以内に選択肢を選ぶことでストーリーは進んでいく通常のLIPSがメインには変わりはない。この時間制限はいつも同じではなく、短いときもあれば、ゆっくり進む時もある。さらに時間以内に選択しないと言うのも選択肢の1つとなる。プレーヤーの優柔不断な部分が現われる一瞬だ (もちろん悪いだけではないが) 。
今回はそれに加えて新しいシステムが導入されている。一番大きいのは「アナログLIPS」。これは感情をアナログ方向キーで表現できるというシステム。このとき選択肢は一つだが、強く感情を表わしたければ方向キーでメーターを上げて決定すればいいし、それほど思っていなければ逆に下げればいい。
このほかにも制限時間内にいくつかの選択肢を選択していく「ダブルLIPS (ダブルとはいえ、2回とは限らない) 」や、一定時間内に画面上を何度かクリックして隠されているものなどを探し出したりする「クリックLIPS」などが用意されている。もちろんこれらも答えられなくても、それなりにストーリーは進展していく。 また、実際にゲームを進めていけばわかるが、LIPS以外にもプレーヤーは至るところで選択することを迫られる。もちろんゲームだから当然なのだが、この選択する時が“来る!”と言う緊張感が心地よいし、ストーリーを進めていくために選択すると言うよりは、この状況を自分ならどう処理するか? という状況選択的なものが多いため、よりストーリーにのめり込めるのではないだろうか。 このほかで驚かされるのが携帯キネマトロンの存在。キネマトロンは通信機のことで、他の場所にいるキャラクタと話ができるという装置だ。キネマトロンはこれまでのシリーズにも登場した装置だが、「サクラ大戦3」ではこのほかに「携帯キネマトロン」というものが登場する。携帯キネマトロンを入手時に、コントロールポートAのコントローラの拡張ソケット1にビジュアルメモリがあると、手元のビジュアルメモリに「ピルルルル!」という音と一緒にメッセージが表示される。さらにぷるぷるぱっくがあれば振動も加わる。携帯キネマトロンは緊急のメッセージとなるのでなかなか驚かされることが多い。これもフットボールゲームや麻雀などでは考えられるアイディアだが、アドベンチャーゲームではこれまでにないアイディアだろう。
とにかく、これらの多彩なシステムによる分岐がこのゲームを奥深いものにしていると言えるだろう。 ■ いざ出陣! 戦闘パートもパワーアップ
ストーリーが進み、戦闘パートに突入し、敵と戦わなければならなくなる。巴里華撃団・花組の出撃だ。これまでのシリーズでも緊張感の溢れるカッコイイアニメ&CGが流れたが、今回も負けず劣らずカッコイイ。「戦いに突入するぞッ」っていう緊張感が高まっていく。
戦闘パートもシステム的に変化している。これまでは移動して攻撃や防御などの行動を選択していたが、今回はARMS (Active & Realtime Machine System) という行動できるポイントを表わしたゲージに従って攻撃するシステムに変更されている。
攻撃や守り、移動などの行動にはポイントが設定されており、行動を起こすたびにARMSのゲージが減っていき、無くなればそのターンは終了となる。そのゲージ内であれば“攻撃”を何度も行なうこともできるし、“守り”に徹することもプレーヤーの自由だ。たとえば、最大5回まで連続攻撃できるが、これだけの攻撃を行なえばザコ敵であれば1ターンで撃破できてしまうほどの破壊力となる。
フィールドは3D表示され、視点の切り替えなども自由に行なうことができる。また、建物の上と下という具合に、3Dの地形を考慮した上で戦わなければならないマップも存在する。
これまでのシリーズでも用意されていた必殺攻撃や合体攻撃は、今回グラフィック的にパワーアップしている。特に協力攻撃は凄まじいものがある。
もちろん戦闘パートにおいてもLIPSは発生する。アドベンチャーパートより精神的な余裕がないためか、個人的にはドキッとすることが多く感じた。より素が出るということか。 ■ 魅力的なキャラクターとの交流 「サクラ大戦」シリーズはやはり好きなキャラクタとの交流を、どう楽しむかと言うことになるだろう。個人的にこのタイプのゲームの場合、曖昧な質問に対して限られた選択肢から選択するシチュエーションが多く、自分の想いとは別の選択を迫られそれがストレスになることが多かった。「サクラ大戦」のLIPSの場合、行動の選択を迫られることが多く、自分の想いと選択肢とのズレが少なく感じるため、ゲームに感情移入することができる。また、戦闘パートをクリアすることで、達成感を得られるし、キャラクタの絆もより深まることだろう。 一つ残念なことがあるとすれば、イベントシーンでセリフをボタンで送っていかなければならないことだ。容量の問題もあるので仕方がないと思うが、アニメーションなどで一気に見せて欲しいシーンがいくつかあった。ボタンを押すことでほんの少しの“間”が入ってしまうため、テンションが若干下がってしまうのだ。
最後に、「サクラ大戦」はプレイするたびにいつも困ってしまう。あの娘にしようか、この娘にしようか……と迷ってしまうからだ。これって贅沢な悩みだけど、もしかして性格が出てるんでしょうか?
(C) SEGA / OVERWORKS, 2001
□セガのホームページ (2001年3月26日)
[Reported by 船津稔] |
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