2001東京おもちゃショー開幕。右も左もロボットだらけ
キラリとアイディアが光る面白ロボットも登場

3月22日 開幕

入場料:1,000円

 おもちゃを中心としたトレードショー「2001東京おもちゃショー」が東京ビッグサイトにおいて開幕した。2000年の東京おもちゃショーでは多くの犬型ロボットが登場したほか、一部のメーカーから2足歩行型の人型ロボットが参考出展されていた。今年はその流れをもう一歩押し進め、人型ロボットが数多く出展されていた。

 ただし各社から出展されたロボットの多くは、キーワードをコミュニケーションとした似通った内容のものが多く、昨年の“驚き”から“慣れ”に変わってしまった印象を受けた。ただし、そんな中にも奇抜なアイディアが盛り込まれた製品も数多く展示されていた。


■ インターネットからデータをダウンロードできるコナミの“ネズミ”ロボット

 コナミ株式会社は、健康産業からカードゲーム、テレビゲームまで幅広く出展していたが、そのなかでも目を引いたのは小型のネズミロボット「デジタルロボット DiDiTiTi」だ。基本的にはセンサーを搭載したロボットで、走り回っているだけ。例えば手をロボットの前にかざすと反転したりする。すばしっこくてカワイイが、外見的に目新しいものはあまり感じられない。

 ところがこのロボット、それだけではない。実はインターネットからゲームをダウンロードしたりする事が可能となっている。ではロボットとPCとのインターフェイスは? というと、なんと直接ディスプレイから読みとるのである。
 「DiDiTiTi」の専用ホームページにアクセスすると、そこには真っ暗なウィンドウが表示される。そこに「DiDiTiTi」のお腹にある光センサーをかざしWEB上のボタンを押すと暗いウィンドウが激しく明滅し始める。その明滅を「DiDiTiTi」のお腹のセンサーが読み取るのだ。ダウンロードできるゲームはトラックを走るかけっこや丸い土俵上で相撲を取るといったゲームが用意されている。

 ダウンロードするのはゲームだけではない。「DiDiTiTi」はお腹がすいてエサを欲しがるときがある。このときインターネット上からエサをダウンロードし与えてやらなければならない。このほか、病気になる時があるという。病気になると全く言うことを聞かなくなってしまう。このとき薬を与えなければならないのだが、それもインターネットからダウンロードすることで行なわれるのだ。

 実は「DiDiTiTi」には男の子 (DiDi) と女の子 (TiTi) がいる。彼らには年齢というものが設定されており、6歳に達すると恋に落ちるという。2匹の感情がうまくシンクロすればウエディングマーチが流れめでたく結婚というわけだ。

 小さいボディ (手のひらサイズ) に数多くのアイディアが詰め込まれた「DiDiTiTi」は、秋頃に3,000円から4,000円程度での発売が予定されているという。

小さくてカワイイネズミ君。かなり多くの遊びが詰め込まれている こんな風にディスプレイに「DiDiTiTi」のお腹のセンサーをくっつける こちらは「DiDiTiTi」のお腹。見えづらいが、上方にヤツメウナギのようにいくつかの光センサーが搭載されている


■ 新ロボット王国、「セガトイズ」

 「プーチ」の大ヒット以来、数多くのロボットの発売を予定しているセガトイズ。今回のおもちゃショーでも新規開発製品を数多く出展していた。

 ブースの入り口には先日発表されたばかりの「シーボ (C-BOT) 」がズラッと出迎えてくれる。「シーボ」は人型のコミュニケーションロボットで、目のセンサー部分に文字を表示することもできるようになっている。これまでのように曖昧な感情だけでなく、積極的に文字会話を行なうという。残念ながら歩行することはできないが、腕と首をかなりハデに動かして感情を表現してくれる。このほかにも携帯やPHSを接続してユーザー同士でコミュニケーションを取ることも可能だという。こんご、このシリーズは発展していく予定で会場にも参考出展ながら、2足歩行も可能な「ヨッチ (Y-BOT) 」や「ウィルボ (W-BOT) 」が展示されている。

 さらに歩を進めると、4月28日発売予定の花型ロボット「ペタルーチ」が大量に展示されているほか、7月に2,980円での発売が予定されているロボ型ココロ回路を搭載した「ロボチ」、セガトイズのロボットシリーズで最も激しいとされる「ディノッチ」などを展示。

 これらのロボットの中で注目なのは赤ちゃん型ロボット「BABY ROBO (仮) 」。はじめは「あ~」などとしか話さないが、成長すると「バブバブ」、「ママ~」といった言葉を憶えていくという。お腹がすくと泣き、ミルクを上げると泣きやむお食事イベントのほか、おしっこイベントや、あやしてあげると眠りにつくねむねむイベントなど数多くのイベントが用意されている。また、機嫌がよいと音の鳴る方にハイハイで近づいてきたりもする。なかなかカワイらしいのだが、ここまできたかという気もするのもまた事実だ。

 このほかではTIGER ELECTRONICSが開発した。PCから無線を通じて遠隔操作できるロボット「クリジット (CREGIT) 」が展示されている。こちらはPC上で、かなり高度な行動プログラムを組むことができるのが特徴となっている。

シーボ。単純なデザインだが、なかなかカワイらしい。 「ウィルボ」はまだ開発中で、カタカタと動いていた。シーボに比べちょっとサイバーなデザイン こちらは「ヨッチ」。「ウィルボ」と「シーボ」の間といった感じ
ココロ回路を搭載したココロボシリーズの最新作「ロボチ」 赤ちゃんまでロボット化! なかなかよくできていてカワイイんですが…… ちょっと外国的なデザインの「クリジット (CREGIT) 」。ロボットのデザインは変更される可能性もあるとか


■ ラジコンメカ搭載「MS-06F ZAKU II」完成間近!

 バンダイも、ロボットを数多く展示していた。中でも注目なのはやはりラジコンメカを搭載した、歩く! BB弾を撃つ! 「MS-06F ZAKU II」だろう。
 昨年は上半身と下半身が分離しており、マシンガンを構えた上半身からはBB弾を発射し、腕のないボディで2足歩行を行なっていた。今年展示されていたものは全てのパーツが組み合わさったもので、ディスプレイを搭載したプロポもほぼ完成したもの。展示されていたものはまだ試作段階で、歩いている内にバランスを崩し、倒れそうになる一幕もあったが、製品版では調整がされ、そのようなことはなくなる。ザクのモノアイにはCCDカメラがセットされており、プロポにセットされたディスプレイからその景色を見ることができる。今回見たところではキチンと対象物が判別できる程度の画質だった。

 注目の発売時期だが、2001年冬の発売となり、そのお値段はズバリ98,000円 (予価) だ。販売方法に関しては未だ決定していないようだ。高価な商品ではあるが、注目するだけの価値はあるだろう。

かなりの迫力。ザクを操縦する、あの夢がいまかなう! プロポもかなりの大きさ。そりゃディスプレイ搭載なので

 バンダイブースで見ておきたいのは、参考出展されているワンダーボーグの次期製品「SPEED RACER」だ。現在販売中のものは“動くこと”に主眼が置かれているが、今回のテーマはズバリ“スピード”だ。今回ワンダースワンで設定するのは直線でのスピードやカーブでの減速率などだという。より遊びに近寄った設計になると言う。まだまだ設計段階と言うことで、発売などに関しては未定。展示されていたものも丸裸だが、早く登場して欲しい一品だ。

 バンダイはブースの表側に設置されたステージでロボットの紹介を一定時間ごとに行なっている。近く2度目の予約が開始される「BN-1」のほか、恐竜型やネコ型のロボットを見ることができるほか、ウルトラマンに登場する怪獣“ピグモン”のロボットも登場する 。体を動かすことができるほか、目玉を動かしたり鳴いたりするデモンストレーションが行なわれている。興味のある人は一度は見てみることをオススメする。

ワンダーボーグ2nd、開発名「SPEED RACER」まだまだ開発の初期段階のようだ。 「コミュニケーションモンスターピグモン (仮) 」。ロボットならば“ガラモン”と言う気もするが…… こちらは恐竜型の巨大なロボット。のっしのっしと歩いていく


■ トミーでも赤ちゃんメカ発見! 数多くのロボット商品を企画

 トミーのブースでも多くのロボットが展示されている。昨年のおもちゃショーで話題を呼んだ「i-Cybie」が今年も展示されていたが、商品化の目処も立ち、かなり完成度を高めているようだ。カワイイサルの動きを再現する予定のロボットのモックアップや、PDAのようなリモコンで操作する予定のロボットのモックアップなど開発中のものが多い印象だ。

 そんななかキチンと動いているものとしては、赤ちゃんのハイハイしている仕草がなかなかカワイらしい「BABYROBO 001」が人々の注目を集めていた。また、巨大でリアルな恐竜のロボット「恐竜を育てよう! (仮) 」も展示されていた。この恐竜は飼い慣らすと歩いて近寄って来るという。センサーは近くにモノがあるか、音、触覚の3つを搭載。大きな恐竜なので、部屋の中を歩き回るとかなりの迫力だ

BABYROBO 001。ハイハイの仕草がなかなかカワイイ こちらはPDAのようなリモコンで動作する予定のロボット。まだ全く決定していないようだ
かなりの迫力の恐竜。これが部屋の中を動き回るかと思うとちょっと恐い気もする こちらもモックアップ。サルのロボット。デザインはカワイイ

 昨年、トミーのブースで見かけた小さな2足歩行ロボット「WALKING ROBO-06」だが、今回は影も形もない。どこに行ったのかと思っていたら、意外な場所で見かけた。アーティストの明和電機などの商品を販売している株式会社キューブのブースで展示されていた。担当者の話によれば、制作はキューブで行なっていたもので、強度の関係などでトミーは商品化を断念。しかし、もったいないので、キューブが独自に商品化したという。動きなどは昨年とそのまま。リモコンが付属しており、前進、後退のほかスピード調節を3段階でできるという。価格は15,000円程度で、夏頃を予定しているという。

あの愛らしい歩行スタイルが再び! リモコンで前進後退、スピード調節も可能 外装などは組み立て式となっている。ただし、簡単なものだ


■ このほかにもロボットだらけ

 トミー、バンダイ、タカラの3社が同じ規格の上でロボットを制作し、パーツの交換までできるという「RoboCupToys」のキックオフセレモニーが開催された。今後、サッカーの大会なども開催される予定で盛り上がりそうだ。また、海外からハズブローも参加するということで、世界的な規模となりそうだ。

サッカーをしているところ。かなりのスピード感だった このようにどんどん分解でき、各社パーツを組み合わせることができる

 このほかにも各社ロボットを用意しており、今後もロボット熱は冷めそうもなさそうだ。

タカラの「DREAM FPRCE 01」。我々の思っているロボット玩具に一番近いかも。ミサイルなども発射してカッコイイ ツクダオリジナルのロボット。こちらはモックアップ

□東京おもちゃショーのホームページ
http://www.toys.or.jp/
□出展社一覧
http://www.toys.or.jp/list.htm
□関連情報
【3月22日】2001東京おもちゃショー開幕!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010322/toyshow.htm

(2001年3月22日)

[Reported by 船津稔]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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