★ PCゲームレビュー ★

子供さんと一緒に楽しく遊ぼう
レゴランド




 世界のあちこちに“レゴランド”なるテーマパークが実在するのを知ったのは、つい最近の話。「要するにレゴブロックだらけの遊園地でしょ」と軽く考えていたら、実際そのとおりなのだけれども、イギリスのパーク内に使われているレゴブロック総数が3,000万個とか聞かされて驚いてしまった。遊びに行くぶんにはいいけれど、作る側は言葉にし難いとてつもない苦労を味わったのではないか。などというようなことをつらつら考えていたら、アイドスから「レゴランド」の製品版が届いた。パークでこつこつブロックを積み上げる作業に従事した人には申し訳ないが、こちらは、クリックひとつでアトラクションがどかんと建つ、まったく苦労がいらない痛快レゴランド経営SLGなのである。


 子供向けの遊園地経営SLG

 いまやアイドス・インタラクティブの「トゥームレーダー」に次ぐ人気っぷりを獲得している「レゴ」シリーズ。この「レゴランド」で通算6作目となる。シリーズを経るごとに、当初からの狙いなのか徐々にエンターテインメント性が高くなり、レゴランドに至っては大人でも楽しめる内容に仕上がっている。レゴっぽさもシリーズ最高峰で、レゴシリーズの4種類のテーマ「レゴランド」「キャッスル」「ウェスタン」「アドベンチャー」の各モデルを、アトラクションとしてゲーム中のテーマパーク内に建てることができ、来場するお客と一緒にプレイヤーまで楽しめる。特に日本未発売の高価なレゴセットが、ボタンひとつでどかどか建つのはホントに気持ちがいい。レゴ好きなお父さんと、レゴ好きにならざるを得ない運命にある子供さんのふたりで遊ぶと、最高に楽しめそうだ。

これがプレイモード選択画面。大きなボタンでわかりやすい
 ゲームの内容は、ステージごとにサイズ/形の異なるレゴランド予定地に、歩道を引き、アトラクションを建て、道と建物の間を植物で飾りつつ、多くのお客を集めてテーマパークを上手に経営していくというもので、エレクトロニック・アーツ・スクウェアの「テーマパーク」やマイピックの「ローラーコースタータイクーン」といった既存の遊園地経営SLGと基本的な部分はよく似ている。
 が、レゴシリーズは子供を対象としたゲームシリーズなので、遊園地経営シミュレータというより、遊園地を作る雰囲気楽しむ環境ソフトといったほうが感覚としては近い。たとえば、建物の建設費が安すぎたり、アトラクションにあらかじめ歩道が用意されていたり、アトラクションが壊れやすかったりなど。遊びながら実感したのは、プレイヤーに対してとにかく何らかのアクションをさせ続けることで、シミュレータでは当たり前の“ほっておかれ感”をシステム的に皆無にしている作りのうまさで、さすがは子供に優しいレゴシリーズといった感じである。


「レゴランドゲーム」でミニランドマップ選択画面。LEVEL4ニューヨークでは、ミニランドニューヨークが建てられる
 これは体験版を紹介した際にも触れたが、本作には、お金のことはもちろん、来場者のことさえ考慮外に置いて、好きなことだけできる「フリープレイモード」も用意されている。ただし、最初は「レゴランドゲーム」しか選べない。このモードは、それぞれミニランド(大都市をレゴブロックで描いたミニチュア)の異なる10枚のマップで遊べるメインのモードだ。が、ミニランド付きのマップは、すぐにはプレイできず、まずはチュートリアルから強制的にプレイさせられる。この辺にも“レゴ”らしさが伺えるが、チュートリアルはひらがなが読め、マウスが操作できさえすれば簡単にクリアできるような内容になっている。5つのチュートリアルレベルをクリアすると、ミニランド付きのマップが遊べるようになるほか、フリープレイモードもプレイできるようになる。


チュートリアルの様子。お花が少ないというから、画面いっぱいに植えてあげたら、それでOKだから腰砕け。子供心には楽しいけれど
こちらはフリープレイモードの様子。ミニランドは無料で建てられるので、まずはミニランドをどかどか置いて、準備を進めていくといい 「レゴランドゲーム」でゲーム中に挿入されるムービーのワンシーン

 今回のごほうびはアトラクション!

草木を植えると、庭師がすたすた歩いてきて、にょきにょき生やしてくれる。ゲーム中に雇える庭師とメカニックは、掴みあげることもできる
 話は変わるが、レゴシリーズではおなじみの要素といえる“ごほうび”は、レゴランドでも取り入れられている。レゴランドゲームでマップをひとつクリアすると、ミニランドがひとつ貰えるほか、ゲーム中に新しいアトラクションが使用可能になったりする。今回のごほうびは、これらがフリープレイモードで使えるというもの。逆に言うと、ある程度レゴランドゲームを進めないと、フリープレイモードでは少しのアトラクションしか建てられないことになる。

 ゲームをひととおりプレイしてみた印象では、かなりいい加減に遊んでもまるで問題なく経営できる程度の難易度設定になっており、ゲーム中に「とりあえずレゴランドテーマの建物をぜんぶ建ててみよう!」とか、「歩道沿いにお花を植えてみて」といった具合にひっきりなしにナレーターが指示を出し、大人の視点から見ると、意外と縛りのキツいゲームになっている。そういう意味では、レゴランドは大人が全力で遊ぶゲームではなく、いつもは子供に遊ばせて、ときおり手ほどきする程度のつきあい方がちょうどいい。全体の雰囲気やレゴ人形の動き、各アトラクションの端々に至るまで、非常に丁寧に作られているので、子供さんのいる家庭にはぜひオススメしておきたいタイトルである。


一定時間ごとに「レゴランド検察官」のチェックが入る。これにすべてマルがでればマップクリア。評価は最大10回まで受けられるので、ゲームオーバーというのはほとんどないといっていい 「大変だ!」というわけで、来場者が落としたお金を探すためにアトラクションを削除しないといけないようだ。えー!


(C) 2000-2001 The LEGO Group and Krisalis Software Ltd. Windows(R) is a registered trademark of the Microsoft Corporation. For sale in Japan only.


【動作環境】
  • CPU:Pentium II 233MHz以上 (Pentium II 266MHz以上を推奨)
  • メモリ:32MB以上 (64MB以上を推奨)
  • HDD:300MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
  • ビデオカード:VRAM8MB以上 (16MB以上を推奨)
  • 解像度:640×480ドット固定


□アイドス・インタラクティブのホームページ
http://www.eidos.co.jp/
□「レゴランド」の公式ページ
http://www.eidos.co.jp/title/Lego/Land_Body.htm

(2000年3月16日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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