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★ ゲーム ファーストインプレッション ★
プレイステーション、ワンダースワンとシリーズ化されたアクションゲームの最新作。今作はフルポリゴンの3D仕様で制作されているが、方向キー+2ボタンの2D感覚の操作感と、3Dの特性を活かした大胆なカメラワークが特徴。 ■ シンプル操作で多彩なアクションが可能 使うボタンは方向キー+○or□と×or△ボタンというシンプルなもの(Lボタンを使う“アクションボタン”については後述するが、使わなくてもプレイに支障はない)。これだけのボタンで、クロノアは実に多彩なアクションをこなしてくれる。 まず、○or□ボタンによる攻撃。1回押すと風だまを発射し、相手を膨らませ、キャッチできる。このまま歩いたり、ジャンプも可能。その状態からもう一度攻撃操作を行なうと、つかまえた敵を投げる。これで他の敵を攻撃する。攻撃の際、方向キーを併用することで、画面手前や奥の敵をつかまえたり、手前や奥に攻撃することも可能。つかまえられない敵もいるが、風だまで攻撃すれば動きがとまったり、一定時間膨らんだりするなどの特徴があるので、いろいろ試してみよう。
×or△ボタンのジャンプは、1回押すことで軽いジャンプが可能。ジャンプ中にボタンを押しっぱなしにすることで、一定時間滞空できる。敵をつかまえた状態でジャンプ中に再度ジャンプボタンを押せば、つかまえた敵を足場にして2段ジャンプもできる。これだけ覚えておけば、あとは攻撃とアクションを組み合わせるだけ。2段ジャンプする際、足場にした敵は下方向へ叩きつけられ、これも攻撃となることを覚えておくぐらいで十分楽しめるだろう。
■ ファニーなキャラとゴージャスな背景、雰囲気にマッチしたBGM ビジュアル面の特徴は、なんといっても完成されたグラフィックと魅力的なキャラクタたち。輪郭を強調したキャラクタは視認しやすく存在感がある。主人公のクロノア、そしてヒロインのロロをはじめ、登場キャラクタはアップはもとよりプレイでの縮小表示にも耐えられるだけの完成度を誇る。また表情もとても豊かで、“パペットDISP.”と呼ばれる会話シーン中などでは、その魅力がさらにアップしている。個人的には読みやすいフォントも注目なのだが。 敵もステージの雰囲気にマッチしたものがそろっていて、風だまでつかまえると丸くなる姿が愛らしく、用もないのに、ついつかまえてしまいがちなぐらい。動きも凝っていて、キャラクタの個性を引き出している。 “つい”といえば押してしまうのがL1、L2のアクションボタン。プレイ中に押すと、クロノアがパーソナルアクションを起こすのだが、これをうまく使うことでよりクロノアらしい演出が可能。アップになったときにピッと押せば、実に見栄えがする。誤って押してしまったからといっても、他の行動にすぐ移れるので安心。 背景も細かく作り込んであり、見ているだけでも楽しい。特に冒頭の“泪の海”の荒れ狂う海や、“喜びの国ジョイラント”の背景にある花火などは必見。PS2になって、近景と遠景の区別がうまくついて、よりプレイしやすくなった印象を受ける。 フルポリゴン(プレイステーション版は2Dをうまく使っていた)になったことにより、カメラアングルに凝った演出も多く見られる。“パペットDISP.”はもとより、通常のプレイ時でも、プレイの妨げにならない程度に大胆なカメラアングルが採用され、手に汗握ることもしばしばあった。
また、それぞれの場面にマッチしたBGMも秀逸のデキ。柔らかい音色で聞きやすく、緩急をつけたサウンドはゲームを盛り上げてくれる。
■ メリハリのついた小気味いいアクション+頭脳プレイも適度なバランス 基本行動は最初に述べた通りだが、プレーヤーの考えることは、この行動をいかに組み合わせていくか、ということだけ。通常は左右に自由にスクロールさせることができるので、各所の仕掛けはゆっくり考えることができ、じっくりプレイできる。 また、時には超高々度へ移動したり、急降下したり、敵に追いかけられたりとスペクタクル感覚あふれるプレイも要求される。ボードで川(?)を下ったり、大砲で打ち上げられたりと3Dならではの動きも堪能できる。全体として、ゆったりとした感覚と、スリリングさのバランスがうまくとれており、ストレスはあまり感じない。 また、頭をひねって急場を凌ぐ場面も随所に用意されているが、何度かトライすれば切り抜けられるものばかり。理不尽に感じることもなく、何度もトライしたい気分にさせられるし、慣れてくればあっという間にクリアできる。今作は敵を利用することを重点に考えていけば、仕掛けを突破しやすいだろう。やりこみ派は、ぜひノンストップで、魅せるプレイやタイムアタックに挑戦してほしい。
限られた時間でプレイした限りでは、数多く出てきたアクションゲームのよいところをうまく取り入れ、「クロノア2」流に昇華しているという印象。とくに対ボス戦は、アイデアが満載で、弱点を見付け、攻撃することがとても楽しい。通常のプレイ時にも大事なことだが、仕掛けには必ず、何らかの対処法のヒントが隠されている。それは直接的な指示などではなく、背景やキャラクタの動き、位置などに表われており、ゲームのテンポを崩すことはない。行き詰まったらまず、まわりの様子をよく観察することがポイント。
■ ゲーム全体から伝わってくる“優しさ” とにかく、このゲーム、あらゆるところに心配りがなされていて、アクションゲームがあまり得意でない人にも受け入れられようとする意識が感じられる。わかりやすいところでは、今作から導入されたサポートモードがそれ。 通常の2人同時プレイとは違い、2P側は、1Pのクロノアをサポートする“ポプカ”となって、□ボタンを押すことで、シングルプレイ時にはできないもう1回だけのジャンプ“サポートジャンプ”が可能になる。 プレイしているそばで、ピンチのときだけ手伝ってあげる、という、観客もゲームに引き込もうという意図に、優しさがうまくミックスされた仕掛けといえよう。実は余計なところでサポートジャンプすることでジャマすることもできるのだが……。 いずれにせよ、レビュープレイ中、他に何もやらずにひたすら遊んでいたのには個人的にも驚いた。プレイが進んだら、またレポートを掲載したい。
【プレイ時間:5時間】
(c)1997 2000 NAMCO LTD.
□ナムコのホームページ (2001年3月15日)
[Reported by 佐伯憲司] |
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