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メトロワークス、ゲームキューブ用開発ツールをリリース |
挨拶をする植田省司氏 |
価格:345,000円 (1ユーザー、4月末まではキャンペーン258,000円)
デバッグのプレゼンテーション時に、ゲームキューブSDKに収録されている任天堂が制作した映像が公開された |
メトロワークスはゲーム開発ツールをメーカーに提供してきた会社で、ニンテンドウ64やプレイステーション2、Dreamcastなど数多くのコンシューマゲーム機の開発ツールを開発してきた。同社はPower PC用のソフトウェア開発ツールの制作に対して実績があり、また同社の米国法人Metrowerksは現在Motorolaの傘下にあることもあり、Power PC系のCPU「Gekko Processor」を搭載したゲームキューブに関しては、OSの制作から関わっていた。
こういった背景から、ゲームキューブのOSやライブラリは「CodeWarrior for NINTENDO GAMECUBE」で制作されており、発表会に参加した任天堂の嶋村隆行氏によれば現在、任天堂において開発中のゲームキューブ用ソフトもCodeWarriorにより開発されているという。
「CodeWarrior for NINTENDO GAMECUBE」は、コンパイラ、アセンブラ、リンカ、ソースレベルデバッガと、エディタなどを収録したIDE統合開発環境などから構成されている。ソフトのインターフェイスは、CodeWarriorの他のプラットフォーム制作ツールと同じで、これまでにCodeWarriorを使用したことのあるユーザーであれば戸惑うことはないとしている。
デモでは任天堂がゲームメーカーに配布しているSDKに収録されているデモを、実機によりコンパイル、デバッグすることでそのスピードや利便性などをアピールした。デモ映像は複数の車をコントローラによってリアルタイムに視点を変えて見るタイプのもので、美しい映像が高速で表示されていた。また、コンパイルに要する時間に関しても数十秒と短く「Gekkoに合わせてチューニングしてある」としている。
今後はボトルネックなどソフトの性能を解析するツール「CATS for GAMECUBE」のリリースも予定している。同社の植田省司代表取締役社長によれば、「これまで職人気質のゲーム制作者はハードを徹底的に研究し、ツールなども自分で制作しボトルネックなども全て自分たちで発見していたが、そういった制作者が少なくなり、ゲームの規模が大きくなり多人数で制作するようになった現在ではこういった解析ツールの存在が有効だと思う」とコメント。任天堂の嶋村氏も「これまではハードを動かすことに60%ほど力を割いていた。これからはそう言ったことがなくなるので、ゲーム性を追求することができるようになる」と答えた。
「CodeWarrior for NINTENDO GAMECUBE」の画面写真。指定したオブジェクトに関してリンク先を表示させる機能の付いたテキストエディタなども搭載している (リンク先画像容量:163KB) | 「CodeWarrior for NINTENDO GAMECUBE」に収録される内容 | ゲームキューブのOSやライブラリもCodeWarriorで制作されている |
(2001年1月24日)
[Reported by 船津稔]
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