「Xbox Series X」プレビュー

Xbox Series X

史上最速&最高性能のXboxが日本に襲来! 圧倒的なロードの短さとクイックレジュームに酔いしれる

ジャンル:
  • ゲームコンソール
発売元:
  • Microsoft
開発元:
  • Microsoft
プラットフォーム:
  • Xbox Series X
価格:
49,800円(税別)
発売日:
2020年11月10日

 ゲーム機史上最高性能を謳うゲームコンソールXbox Series Xがいよいよ11月10日に発売になる。日本はXbox 360以来のTier 1復帰で、日本のXboxコミュニティも久方ぶりに活況を呈しているようだ。

 9月25日からスタートした日本での予約受付も即完売。筆者も新型Xbox予約の連続失敗記録を更新したが、今回も無事プレビュープログラムに参加することができた。余談ながら、新型コロナの影響で到着がずいぶん遅れて、10月上旬にようやく到着した次第で、他誌よりもずいぶん出遅れてしまったが、それから1週間ほど、できるだけ時間を作って触り倒したので、プレビューをお届けしたい。

 なお、スペックや基本機能については、過去に何度か取り上げているでここでは繰り返さない。下記リンクを参照いただければと思う。にも関わらず記事が長くなったので複数ページで展開しているが、「とにかくその圧倒的なパフォーマンスがどうなのか知りたい!」というせっかちなゲームファンは5ページ目からお読みいただきたい。

グローバルローンチ、“その先”に向けて日々進化するXbox Series X

 今回、Microsoftはグローバル規模でプレビュープログラムを実施している。10月1日以降、国内外の様々なゲームメディアでインプレッションが掲載されているのでご存じの方も多いだろう。

【Xbox Series X到着!】

 今回のプレビュープログラムのポイントは、日頃、日本でXbox情報などほぼまったく扱わないようなメディアも参加するほど大規模なものであること、Microsoft自身がXbox Series X|Sがまだ“未完成”であることを認めた上で、プレビュープログラムの実施に踏み切ったことだ。

 どれぐらい未完成かというと、ダッシュボードをはじめとしたUIはすべて最終版ではなく、到着時点で試せるXbox Series X|Sタイトルはなんとゼロ。評価コンテンツはXbox Game Pass頼りだが、肝心の互換性が確保されておらず、初期時点で動作するのは、Microsoftが豪語する“4世代数千タイトル”中、わずか200タイトルに過ぎない。

 日本のゲームファンにとって親和性の高いタイトルはというと、「Apex Legends」や「Beyonetta」など数えるほどしかなく、そもそも次世代機の“標準モニター”であるHDMI 2.1世代のゲーミングモニターはどこにもない。だから、セールスポイントのひとつである可変フレームレートや自動低遅延モードも試しようがない。率直に言ってレビュー難度が極めて高いハードウェアだ。

【Xbox Series Xプレビュープログラム】
プレビュープログラム時点でのXbox Series Xのトップメニュー。背景がアニメーションする壁紙で固定されているところ以外は、Xbox Oneから変化がない。ローンチのタイミングで変化する見込みだ
今回度々見られた残念な表示。「Forza Horizon 4」がプレイできないなんて……
というわけで筆者のダウンロード版ラインナップが火を吹くことはなかった
同様にXboxのウリであるサブスクリプションサービスXbox Game Passもほとんど動作しなかった

 このため何が予想されるかというと、このハードをきちんと正しく評価できないメディアも出てくるだろうということだ。日本時間の10月15日22時より一斉にプレビューが解禁され、日本でも無数の記事が公開されるはずだが、その内容は正しいのか、妥当だと言えるのか、読み手側がしっかり吟味すべきだ。

 仮に、「ローンチタイトルも満足に遊べない、後方互換に対応したタイトルも少ない、頼みの綱であるXbox Game Passも動かないタイトルが多い、だからXbox Series X|Sはおすすめできない」、という次元の記事が存在したとすれば、そのサイトはXbox情報はおろか、基礎的なゲームシーンが理解できていないので、まったく読む価値がない。なぜそう言い切れるかというと、今回のプレビュープログラムは、次世代機向けタイトルの試遊にまったく力点を置いてないからだ。

【Xbox Series X|Sタイトル】
Xbox Oneにもゲームを探す際のフィルターに「Xbox Series X|S最適化タイトル」が新設されている。これはXbox One Xの画面だが、Xbox Oneは当然動作しないので、リストには何も表示されない
Xbox Series X|Sで「Xbox Series X|S最適化タイトル」を選択すると4タイトルがリストアップされた

 Xbox Series X|S、そしてプレイステーション 5の両次世代機が我々ゲームファンにもたらすものは、大迫力で美しいグラフィックスのゲームではなく、ゲーム体験そのものの変革だ。

 もちろん、グラフィックスは最大で8K、フレームレートは120fpsまで向上するし、インタラクティブ性を深化させる3Dオーディオも強化され、AR/VR的な進化の余地も残されている。それらがもたらす新たなゲームは、今世代よりもずっと素晴らしいものになるはずだ。だが、繰り返すが“今回の次世代機”はそこがセールスポイントではない。

 今回の最大の特徴は、「Xbox Velocity Architecture」と呼ばれる独自アーキテクチャの採用によるゲーム体験の進化だ。PS5も特に名称は設定していないものの、同様の施策を導入しており、ディテールは微妙に異なるものの、それ自体がゲーム体験を大きく変えるという点では一致している。本プレビューでは、この点について検証し、そのインパクトをお伝えできればと思う。

【Xbox Series X - Xbox Velocity Architecture Trailer】