【特別企画】
「ドラキュラ伝説」ゲームボーイ版が35周年! わずかな操作ミスが命取りに……。スリル満点の名作アクションをプレイバック
2024年10月27日 00:00
- 【ドラキュラ伝説】
- 1989年10月27日 発売
1989年10月27日にコナミが発売したゲームボーイ用ソフト「ドラキュラ伝説」が、本日2024年10月23日で35周年を迎えた。
本作は、1986年にファミコン用ソフトとして第1弾が登場した「悪魔城ドラキュラ」シリーズの1タイトルで、元祖「悪魔城ドラキュラ」の100年前の世界が舞台となるアクションゲーム。主人公のクリストファー・ベルモンドを十字キーと攻撃(ムチ)、ジャンプボタンで操作して敵を倒したり、障害物を避けたりしながらマップ上を進み、最終地点に出現するボスキャラを倒すとステージクリアとなる。1周全4ステージで、ラスボスを倒すとエンディングを経て2周目に突入する。
以下、筆者の当時のプレイ体験を元に、本作ならでの面白さを改めて振り返ってみた。
気持ちよくムチを振りまくり、比較的カンタンに最終面に到達
筆者は当時ゲームボーイ本体を持っていなかったが、学校の部活の遠征や合宿時に、同級生や後輩が持っていた本体をしばしば借りては、主に「テトリス」や「役満」などを遊んでいた。あるとき、遠征に向かう車内だったか、それとも部室の中だったか、後輩から「どうしてもクリアできないッス……」と託されたのが、筆者と「ドラキュラ伝説」との最初の出会いだった。
「可愛い後輩の頼みとあれば、クリアしないわけにはいかない!」と本体ごと借り受け、早速自宅に持ち帰ってやり込んだ。ファミコンやMSX版に比べると各ステージのマップがコンパクトで、敵キャラやアイテムの種類こそ少ないが、モノクロ画面でありながら不気味さ抜群のビジュアルは、まさに「悪魔城ドラキュラ」そのもの。BGMもすごくカッコイイので、一度プレイしただけですぐに気に入った。
水晶のアイテムを取るとムチの威力がアップするのも、元祖「悪魔城ドラキュラ」と同じだが、さらにもう1個水晶を取ると、過去のシリーズ作品には存在しなかった、ムチを振るたびにファイヤーボールが発射できることに気付いたときも大いにテンションが上がった。十字架や聖水など、過去のシリーズ作品ではおなじみのサブウェポンが本作には登場しないは正直寂しかったが、ムチで敵を倒すのは実に快感だった。
ただし、本作は過去のシリーズとは異なり、クリストファーが敵や敵弾に触れてダメージを受けるとムチが1段階パワーダウンするので、最初は正直面食らった。とはいえ、しばらく遊んでいるうちに、同時に出現する敵はせいぜい2体程度で、移動スピードもそれほど速くないので、ムチをパワーダウンさせてしまってもさほど苦にならないことがわかってきた。ボスキャラの攻撃のバリエーションもそれほど多くないので、特にハマる場所もないまま最終ステージの4面まで順調に到達した。
「なんだ、割と簡単じゃないか。これなら速攻で全面クリアできそうだな」と、思ったのだが……。
本当にクリアできるのか? 最終面のギミックに隠された唯一の「謎」
「特にハマる場所はない」と書いたが、2面以降は初見で突破するのは少々難しい、着地すると急激に落下する狭い足場、あるいは触れただけで即ミスになるトゲが付いた外壁など、「悪魔城ドラキュラ」シリーズらしいプレイヤーの緊張感を高めるギミックが随所に出現する。
また3面では、途中から強制スクロールに移行し、グズグズしていると後方から迫る針のムシロに串刺しにされ即死してしまうので、息を継ぐヒマが一切ない。ミスをしたときは本当に悔しくなるが、これらの仕掛けが生み出すスリル感も実に楽しかった。
本作で筆者が最も悩まされたのが4面の中盤、ロープにつかまった状態でジャンプし、触れると落下する足場に着地してから最奥部に飛び移る場面だった。
ここだけはコンティニューを繰り返しても先に進めず、毎回最後のジャンプに失敗して画面外に落下してしまう。ロープからジャンプする位置や、足場の上で移動する歩数など、その都度細かく調整しながら試しているハズなのに、なかなか「正解」が見付からない。実は、後輩が筆者に本作を託した理由は、まさにこの場面がクリアできないからであり、いざ自身も同じ場面に遭遇したら「ナルホド、これは手強いな……」と、彼の気持ちが痛いほどよくわかった。
その後、何日かかったのか忘れてしまったが、試行錯誤を繰り返した結果、ついにジャンプのパターンを編み出し、程なくしてラスボスの撃破にも成功。無事エンディングに到達するとともに、後に難関の攻略法を見せ付けて先輩面を存分に吹かすことができ、独り悦に入っていたのであった。めでたし、めでだし。
本作で筆者が最も悩まされたのが4面の中盤、ロープにつかまった状態でジャンプし、触れると落下する足場に着地してから最奥部に飛び移る場面だった。
ここだけはコンティニューを繰り返しても先に進めず、毎回最後のジャンプに失敗して画面外に落下してしまう。ロープからジャンプする位置や、足場の上で移動する歩数など、その都度細かく調整しながら試しているハズなのに、なかなか「正解」が見付からない。実は、後輩が筆者に本作を託した理由は、まさにこの場面がクリアできないからであり、いざ自身も同じ場面に遭遇したら「ナルホド、これは手強いな……」と、彼の気持ちが痛いほどよくわかった。
その後、何日かかったのか忘れてしまったが、試行錯誤を繰り返した結果、ついにジャンプのパターンを編み出し、程なくしてラスボスの撃破にも成功。無事エンディングに到達するとともに、後に難関の攻略法を見せ付けて先輩面を存分に吹かすことができ、独り悦に入っていたのであった。めでたし、めでだし……。
そんな若き日の思い出がある本作を、本稿の執筆にあたり超久々にプレイしたが、ムチの最強パワーアップ状態を維持したままボス戦を迎える、つまりザコ敵の攻撃を受けずに道中を進むのが想像以上に難しかった。各種ギミックをかわす、あるいはジャンプするパターンもすっかり忘れていて、当時と同様にミスを連発したが、突破に成功するとすこぶる快感で、無事エンディングを迎えたときは何とも清々しい気分になった。
実は筆者、今でもゲームミュージックアルバムで本作のBGMをたまに聴いているのだが、どの曲もプレイしながら聴くとテンションが上がりまくることを再認識した。特に、3面の強制スクロール地帯は、ビジュアルとBGMが絶妙にシンクロすることで、スリル感がいっそう高まるように感じられた。サウンドのクオリティの高さも、本作をより面白くしている要因であることは間違いないだろう。
「ドラキュラ伝説」はNintendo Switch/プレイステーション 4/Steamで配信中の「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」に収録されているので、今でも手軽に遊ぶことができる。どのプラットフォームでも好きなタイミングでセーブしたり、リプレイを再生したりなどの便利機能が搭載されているので、かつて本作でエンディングに到達できなかった人は、ぜひ「アニバーサリーコレクション」を利用してリベンジに挑んでみてはいかがだろうか。
さらに「アニバーサリーコレクション」には、続編の「ドラキュラ伝説II」に加え、各タイトルの貴重な開発資料も収録されているので、こちらも併せて存分に楽しみたい。
・Switch版「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」のページ
・PS4版「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」のページ
・Steam版「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」のページ
(C)Konami Digital Entertainment