【特別企画】
稚内に多数のプレーヤーが訪れた!極寒の地で開催された「Frostpunk」体験会レポート
寒い!「Frostpunk」よりマシだけどそれでも寒い!
2020年1月27日 18:00
- 2月27日 発売予定
- 価格:3,980円(税別)
- CEROレーティング:C(15歳以上対象)
DMM GAMESは、2月27日発売予定のプレイステーション 4/PC用シミュレーション「Frostpunk(フロストパンク)」において、北海道・稚内市の稚内港北防波堤ドームにて「極寒体験会」を1月23日に開催した。
「Frostpunk」は突如襲った大寒波により壊滅的な被害を受けた世界で、数少ない生き残りの民衆を率いるリーダーとなって生き残りを図るサバイバルシミュレーション。ゲームはリアルタイムで進行していき、遺された1基のジェネレーター(発電機兼暖房のようなもの)を中心に、何もないところから住人たちの住居や食料を確保しつつ、テクノロジーの研究や法律の制定を経てコミュニティをより大きく、豊かに成長させ、再び迫りくる大寒波を乗り越えるための準備を整えていくというタイトルだ。
そんな極寒の地を舞台にした「Frostpunk」について、日本の極寒の地で体験イベントをやろう!と言い出したのが、ここのところ割とニッチでコア寄りな"洋ゲー"のローカライズやパブリッシングを次々と手掛けているDMM GAMES。寒いし遠いし、正直体験会には誰も来ないのではなどと思っていた(失礼)のだが、"寒いところで寒いタイトルの試遊会をやる"というド直球な発想を実際に実施までこぎつけてしまうその漢気やよし。ということで、弊誌も取材のため一路北海道に赴いた。
極寒の体験会にはなんと(!?)30人超の参加者が!
稚内空港に降り立つと、そこは一面の雪景色。北海道では建物の防寒対策がしっかりしており、空港内は寒さに備えて着込んできたこともあって暑いほどだったが、屋外は晴れていて日差しこそ暖かいものの風は身を切るように冷たい。埼玉生まれで初の北海道訪問の筆者は、着込んでいてもなお寒いという極寒体験を早くも味わうことになった。
そこからバスで会場付近のホテルにチェックインしつつ、会場に向かう。会場の稚内港北防波堤ドームはローマやギリシャを感じさせる太い円柱と曲線からなる、美しい半アーチ状の北海道遺産だ。かつて防波堤として建立されたドームは今なおその雄大な姿を保っており、その姿は見るものを圧倒する……のだが、"半"アーチ状の構造ということで、中は吹きっ晒しで風が通り抜ける構造だ。当然海沿いに位置していることもあり、めっちゃ寒い。さらに試遊台はあえて外に設置されていて、併設された2張りのテントは暖を取るための休憩場。命綱は設置されたストーブと温かいスープのみ、という塩梅だ。
寒さに震えつつこれはいろんな意味で厳しいイベントだぞ、などと思っていたのだが、蓋を開けてみれば開幕前には既にテントで待機している人の姿も見え、試遊には30人超のファンが参加した。聞くところによれば皆さんはTwitterや各媒体に掲載されたニュース、さらに地元の地方紙「稚内プレス」に掲載された告知記事などを見てイベントを知り、参加を決めたのだという。中には先行して発売されているSteam版をプレイ済みのコアなプレーヤーもいれば、日頃ゲームはプレイしているが「Frostpunk」をプレイするのは初めてという方、さらには会場を通りかかってなんとなく、という参加者もいて、プレーヤー層もかなりバリエーションに富んでいた模様だ。
「極寒体験会」では本作のプロデューサーを務めるDMM GAMESの早稲田誠氏、ディレクターの小守寛章氏、さらに11 bit studiosの位置するポーランドよりマーケティングディレクター Patryk Grzeszczuk氏、MCとして荒木美鈴さんが登壇。「Frostpunk」のゲーム概要が紹介されたほか、実はイベントの企画段階では東京で冷凍庫を借りての実施も検討していたが、手配上の都合となにより「東京での人工的な寒さではなく、実際に寒いところでやろう」、そして「やるなら北海道だろう」という不思議なコダワリによって会場が稚内は稚内港北防波堤ドームに決定されたことが明かされたり、早稲田氏からは「もし50万本売れたらDMM GAMESが『Frostpunk』で雪まつりに出ます!」という宣言もなされ、会場は大いに盛り上がった。
無い無い尽くしの極寒の地でコミュニティを導くリーダーとなれ!
会場では黒いコントローラーが恨めしくなるほどの冷気を放つなか、弊誌もPS4版を試遊することができた。
そもそも「Frostpunk」は"極寒のなにもないところからスタート"ということから薄々感じ取れるように、ゲーム自体はかなりシビアでそこそこな高難易度を誇っている。ジェネレーターを稼働させる「石炭」やテントを建てるための「木材」などの資材は常に枯渇気味で、序盤は人力で集めることになるため作業員たちは寒波にやられて次々と病気になっていく。病気の人を治療する診療所は常に満タンで、人手が減ればジェネレーターを動かすことすらままならなくなり、ジェネレーターが止まれば死者が出る。そうするとプレーヤーはリーダーとしての資質を問われ、住民たちの「不満」がたまり、「希望」は失われていく。コミュニティが全滅したり、希望がゼロになったり、不満が溜まり切るとゲームオーバーとなってしまい、正直チュートリアルですら初見でクリアするのは至難の業だ。
さらにときには大のために小を捨てる、つまり"生き残る人を自らの手で選ぶ"という選択も必要であり、トリアージ(患者の重症度に応じて治療の優先度を決定する医療用語。ゲーム内にも実際に「法律」のひとつとして登場する)のような決断を迫られることもある。こうして無い無い尽くしの中で常に非情とも言える決断を続け、コミュニティをなんとか生かしていくというところに本作の面白さがあるのだ。
こうしたプレイフィールは戦場という極限状態の中で一般人として生き残りを図る同スタジオの「This War of Mine」と共通したテーマも感じられるが、Patryk氏によれば実は本作の「寒さ」というファクターはゲーム的な要素としてあとから取り入れたもので、コアとなるテーマは「どう社会を構築していくか」というところにあったそう。そして「寒さ」がただツラいだけの要素ではなく"スパイス"となるよう、ゲームとしての完成度を高めていったのだという。
また、本作は所謂ストラテジーゲームに属するため、生産や設置はもとより、テクノロジーの研究や法律の制定、住民の管理などなど操作は比較的複雑で、見るべきリストやパラメータも多い。この複雑な操作をコントローラーに最適化するのはかなり大変なようにも思われるが、ここは「PC版と同じ体験を味わってもらえるように(Patryk氏)」1年もの時間をかけて綿密に調整を進めていったのだという。実際コントローラー操作で導入された、リング状のメニューから各システムにアクセスするような操作体系は最初こそボタン操作の多さに戸惑うものの、慣れればかなり快適に操作できるように感じられた。
あとひと月ほどで発売を迎えるDMM GAMESの「Frostpunk」。極寒を体験したことがある人もない人も、本作で是非極限状況下での生存にチャレンジしてみて欲しい。
Published in Japan by DMM GAMES. 2020 © 11 BIT STUDIOS S.A., FROSTPUNK and 11 BIT STUDIOS are trademarks and/or registered trademarks of 11 BIT STUDIOS. All other marks and trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.