インタビュー

どうにかルナを愛してもらいたかった。「DOAXVV」6周年までの1年を作田プロデューサーが語る!

新女神、トゥルーカラーアップデートの製作秘話を直撃!!

【「DEAD OR ALIVE Xtreme VenusVacation」】

11月15日 6周年

 コーエーテクモゲームスのPC用バカンスゲーム「DEAD OR ALIVE Xtreme VenusVacation(DOAXVV)」が11月15日についに6周年を迎える。ゲーム内ではこれに合わせて6周年を記念したアニバーサリーコーデ&プライベート専用コーデ、最大70連無料ガチャなど見所満載のイベントが開催されている。

 6周年に突入してさまざまな面で進化している「DOAXVV」だが、システム面の新機能、新女神やトゥルーカラーアップデートなど、気になる開発の裏側のエピソードを作田プロデューサーに伺ったので、本稿でお届けしよう。

「DOAXVV」プロデューサー・作田泰紀氏

トゥルーカラーアップデート第三弾がルナだった理由

――5.5周年から6周年にかけて、大きな出来事などありましたでしょうか?

作田氏:5.5周年から6周年って、当たり前なんですが半年間なんですけど、こういう日を迎えられるのはありがたいなぁといつも感じ、同時に何回経験しても(半周年ではなく)周年は大変だなと思っています。5.5周年以降ですと西沢5ミリ先生とのタイアップ企画、過去に実施して反響をいただいた、よむ先生とのタイアップ企画を再び行ったりと、開発チーム外の作家さんと一緒にやらせていただく機会があったのが、運営において大きな事の1つかなと。あとはルナのトゥルーカラーアップデートや新女神「しずく」の追加などのアップデートなどもありましたね。

漫画家の西沢5ミリ先生、イラストレーターのよむ先生のデザインした水着が登場し、ユーザーからは好評であった

――半年の間だけでもいろいろありましたね。

作田氏:あと運営をやっていく中で、6年くらい経ってくると開発スタッフも入れ替わっていくので、私がプロデューサーになってから初めて関わるスタッフも多くなっています。そのため“何がVVにとって大事なのか”という部分をちゃんと共有できてるかを今一度話し合いました。“これはやった方がいい”、“これはやらない方がいい”というのはスタッフがわかっている前提でいたのですが、改めて“ここはなぜ大事にしているのか”といった話をしました。これは内々で一番大きな出来事ですね。

――先ほども挙がりました新女神のしずくについて、ケモノ系という今までにない新しいタイプの女の子ですが、誕生した経緯など伺えますか?

作田氏:しずくは、開発チームから新女神は“ダンデレ”(ダンマリだがデレるキャラクターのこと)でいきたいと提案が最初にありました。私は「ダンデレ」という言葉を知らなかったのでいまひとつピンと来ておらず、追加で質問したところ、基本的には自分の感情は出さない女の子なんだけども、秘密を共有し合ったオーナーにだけは普通の女の子以上に心を許してしまうというキャラを作りたいと。そこまで言われて理解したのですがちょっとわかりにくいなと。もう少しわかりやすい魅力が欲しいよねっていう中で、前に検討してたけどまとまらなかった狐ってあったよね? という話になりまして。

――狐の案は前々からあったんですね。

作田氏:そうなんですよ。そのときの九尾狐の案はもっとダークサイドな感じで、この方向でまとめるのは難しいかなってことで止まっていました。ダンデレであれば性格的な問題は特になかったですし、女天狗や鬼のカンナなどの人ならざる者っていう存在はここ最近出ていないため、ここで狐の要素を持ってくるってことになりました。ケモノの女の子が好きなオーナーさんも一定以上はいるだろうと、そういった経緯で妖狐の女の子にまとめた感じです。

10月末に追加された新女神「しずく」。妖狐という秘密をオーナーと共有している

――登場してからまだあまり日は経っていないですが、ユーザーからの反響などはありましたか?

作田氏:生放送で発表したのもあってダイレクトに反応していただいたのもありますし、それ以降もSNSで投稿していただいているのを見ると、ご好評いただいてるのかなと思っております。ダンデレという要素が伝わらないかもという懸念はあったんですけど、そんなことはなく、羊宮妃那さんの素晴らしい演技もあってオーナーさんの心をグイっと掴んだのかなと。

――天狗、鬼、妖狐ときましたが、「DOAXVV」に出すにあたって“この属性の女の子はアウト”とか、そういったラインはあるのですか?

作田氏:最初は、さすがにこういう子は駄目かなと思うときもあるんですけど、よくよく考えると鬼も天狗もいる世界ってなると何でもありなんじゃないかなっていう(笑)。最終的には可愛くてみんなに愛してもらえるような女の子であれば良いんじゃないかと、そういった方を優先しています。

しずくとは違って、鬼のカンナや女天狗は特に正体を隠している素振りもなく普通に存在している

――以前行なわれたトゥルーカラーアップデートの第三弾はルナでしたが、ルナが選ばれた理由は何ですか?

作田氏:トゥルーカラーアップデートは基本的にはコンセプトが固まった女の子から追加していくようにしています。みさきとマリーとルナは私の方でコンセプトを固めていて、何でルナが早めにコンセプトが固まったかというと、ルナのことを皆さんに愛してもらいたいなって気持ちが実は私の中でずっとあったんですね。

――それはどういった理由からですか?

作田氏:第一弾のみさきは「DOAXVV」の顔で、第二弾のマリーはトゥルーカラーの元となった企画で、「DOA」のマリーをもう一度届けたいというところからトゥルーカラーが完成しました。それでルナはどうだったかというと、今の(近年実装された)女の子達をオーナーさん達に喜んでいただいているような“魅力”を感じてもらいたいという思いからですね。

みさき、マリーに続き、女の子がより輝くトゥルーカラーアップデートの第三弾として8月にルナのイベントが開催された

――ルナには足らなかったところがあったのですか?

作田氏:少し話がそれますが、ルナってサービスイン前から作っていたんですよ。サービス開始前なので、当然遊んでいただけるオーナーの皆さんが何を求められるのか、わからないことが多くて難しいんです。

――確かにサービス前だとユーザーの求めているものが明確じゃないですよね。

作田氏:サービスインのタイミングから登場したみさきは、オーナーの専属サポーターということもあり、おのずとオーナーと近い存在として親しみを感じやすかったので、そこまで心配していませんでした。

 一方、ルナはサービス開始後3カ月目に登場しましたが、本編の「DOA」シリーズの女の子が来るんじゃないかと思われていた中で、ルナという全く新しい新女神が登場することにどう思われるのか、その中でどうやったら可愛がってもらえるかを探り探りの中で制作していました。ルナはすこし変わった何を考えているのかわかりにくい不思議な女の子なので、ルナってどんな女の子なのか知りたいって思っていただいたオーナーさんには喜んでもらえたんですが、逆にオーナーさん自ら関心を持っていただけないと魅力が伝わりにくかったかなと思っています。

――魅力を伝える押しが弱かったと。

作田氏:今のオーナーさんたちがトゥルーカラーで求めているものは“彼女感”だと思うんですよ。そういうところと一番程遠い感じにルナはなってたのかなと。彼女感という部分でのルナの魅力をどう伝えるかをコンセプト立ててお届けしました。ここでルナを何とかしたかったんですよね。私の想定が甘かったいで不憫だったので。

――トゥルーカラーアップデートのメインとなる、トゥルーカラーコーデと特別エピソードについて伺えますか?

作田氏:ルナのトゥルーカラーコーデは大変でしたね。トゥルーカラーコーデっていうのはその女の子のためだけにデザインした水着なんですけど、オーナーへの彼女感を感じるものにしなければいけないんですよ。ルナらしい水着を作ろうとすればするほど彼女感が薄れて、彼女感を出そうとするとルナらしさが薄れるというのがすごく難しかったですね。

――ルナらしさと彼女感の共存はたしかに難しそうですね。

作田氏:ルナがオーナーに好きになってもらう“オーナーを攻略するための水着”を作って、髪型も変えてイメチェンして、オーナーに喜んでもらうって設定なので、まずはオーナーの皆さんが好きそうなデザインを意識して作りました。でも最後に“コレってルナらしさってある?”となり模索していった中でデザイナーから「今までの全部抜きにしてルナらしい水着作りました」として出てきたデザインが背中にウサ耳が付いている水着でした。そこで、確かにルナらしさってこうだよねと気づきました。

 ルナがオーナーに好きになってもらうために最強のウサ耳を付けよう考えるはず、と思えたので決定しました。デザイナーの力によってなんとかまとめ上げることができました。

ルナらしさが詰まったトゥルーカラーコーデ。背中にはトレードマークのウサ耳が

作田氏:あとはエピソードですね。オーナーのことを攻略しようとしたルナが、最終的にどうやって両想いになるのかを描いていく中で「ルナだったらこういう風な感じできっと本当の想いになるんじゃないか――」というのを一個一個紐解いていきながら、シナリオを作るプランナーと試行錯誤して何度も作り直してできました。

 今までルナにそこまで興味を持っていなかったけど好きになったっていうオーナーさんや、前からルナを推していたけどさらに好きになったというオーナーさんもいらっしゃいました。ただ、これまでルナが好きだったオーナーさんの中には“僕の思ってるルナはこうじゃない”といったご意見もいただいたりもするのは認識しています。

 これが新女神よりもトゥルーカラーアップデートの難しいところなんですが、これまでの「ルナ」も、トゥルーカラーアップデート後の「ルナ」も、同じ「ルナ」という人格であると感じてもらえるように、企画段階では議論・検討して製作していますし、その考えのもとで今後もいろんなルナをお届けしていくことだと思います。いつか皆さんそれぞれの好きなルナを感じていただけるように、これからもルナのさらなる魅力を伝えていきたいと思っています。

不思議少女だけあって、ルナの彼女感には色々なご意見があった様子

アニバーサリーコーデのシンデレラ水着は、元は別イベント用の水着だった!?

――6周年のアニバーサリーコーデはシンデレラがコンセプトの水着ですが、これはどういった流れで決定したのでしょうか?

作田氏:もともとはシンデレラは実は7周年の誕生日水着のテーマとして提案されたんですよ。誕生日コーデだと12か月分変えないといけないのですが、シンデレラってそんなにバリエーションあったかな? って気がして。でもこのシンデレラってテーマは魅力的に見せられるし面白いなって思いまして、だったらこの水着を6周年のアニバーサリーコーデにしてまとめていった感じですね。

誕生日水着からアニバーサリーコーデに変わったシンデレラ水着

作田氏:最初の流れはそんな感じなんですけど、担当スタッフの方でシンデレラというストーリーの中にある変身という要素を水着のデザインやギミックを入れていくことで、周年水着として喜んでいただける方が多いのではないかなと考えて用意してくれました。

――魔法のドレスON・OFFで印象がガラリと変わるのが良いですね。

作田氏:実は1周年のときの水着や4.5周年のバニーガールは色が変わる要素とかがあって喜んでいただいたので、今回はシンデレラですから、灰かぶり姫の姿からお姫様のような姿に変身するっていう要素がうまく繋がっているかなと思っています。小道具にガラスの靴もあって、靴を履いているシーンを撮影して楽しむこともできます。

「魔法のドレス」機能で、灰かぶり姫からシンデレラにチェンジ可能
小道具でガラスの靴を履くシーンを撮影できる

――もう1つの周年の定番となっているプライベートコーデが、今回はチア水着なんですね。

作田氏:もともとスマイルポップという同じテーマの水着があったんですけど、一部の他の女の子にしかないデザインだったというのもあって、他の女の子にも水着を着てもらいたいというところから決まりました。以前からあったスマイルポップは可愛い系の昔ながらのデザインといった感じでしたが、今回はちょっとセクシーな要素も感じさせるようなデザインに仕上げています。小道具としてポンポンもあるのでより楽しんでもらえればと思います。色が変わる要素もあるので。

新しいプライベートコーデ「フレーフレーヴィーナス」。水をかけると色が変わるのも特徴
小道具のポンポンで3種類のアクションが楽しめる
入手した瞬間から着くずれ可能。健康的な水着が一変セクシーな姿に

――6周年アップデートでオーナールーム周りの新機能が追加されましたが、これは要望が結構あったのでしょうか?

作田氏:女の子を自分の好きな位置にいてもらって撮影したいという要望をたくさんいただきました。それを実現しようとすると色々な調整が難しくて、ごめんなさいと言い続けてきたのですが、5周年のタイミングで「まわってホイッスル」という女の子を90度ずつ回転できる機能を追加しました。次に女の子を好きな位置に配置できるかを考えてオーナールームならできそうだったので実現しました。

 なぜなら、オーナールームはある程度どの場所に女の子がいても成り立つようにCGのライティング設定をしていたからです。それなら、もう少し好きな位置に変更できてもいいのではとなり実装しました。

作田氏:もう1つオーナールームのアップデートは家具のレイアウト情報を共有する要素です。レイアウトが上手なオーナーさんのレイアウト情報が共有できれば理想的なんですけど、最低限PVとか生放送で見せたレイアウト情報を運営の方からSNSとかで発信ししようかと思います。それをいれればお手軽に再現できますよ、という感じで。これは要望があったというより主に我々の方から入れようってなりました。

 個人的にもレイアウトが苦手なタイプなので「あのPVのレイアウトデータが欲しい!」って個人的なプレイをしながら思うことがありましたが、今後は楽に楽しめるようになりそうです(笑)。撮影周りのアップデートはそんな感じになります。

――以前は設定からしか変えられなかった時間変更が撮影画面でできるようになったのも便利ですね。

作田氏:そうですね。あれは私がディレクター当時、ヴィーナス諸島からの時差という形でリアリティを出すためにこだわって入れてたんですけど、奥まっていて面倒くさいから撮影画面で変えられるようにしようと今の開発メンバーから提案があって、まあ、そうだよねって感じて実装しました(笑)。

撮影画面から時間変更ができるようになり、景観を簡単に変えることができる

――便利になったというとオートプレイ機能の調整とガチャの自動下取り機能が実装されたのも嬉しいですね。

作田氏:最大FPの分だけ連続でオートプレイができるようにしました。今までは15回までしか連続でできなくて、15回で全FPを使える訳ではないので15回のループを何回もやらなければならないので、微妙な空き時間が生まれて快適じゃないなと。だったら一気にオートフェスチケットを使えるようにしようとなりました。

オートスキップチケット所持数だけスキップができるように

作田氏:あと、ガチャの自動下取り機能は昔から入れたいという話はしていたんですけどなかなか対応しきれずにいて。それが今回いよいよやれることになりました。やっぱ下取りするの面倒くさいじゃないですか(笑)。

――年々快適になっていますが、他の運営型のゲームとかだと“わざわざプレイさせる時間を増やす”ような作りの物もありますが、そういった方向と真逆を行っているのは何か考えがあるのですか?

作田氏:まずはこのゲームを遊んでいただいている大半の方は、好きな女の子に好きな水着を着せて撮影して楽しむというのが大きなモチベーションだと思います。そこが他の運営タイトルと大きく違うところですので、他の所でできる限り邪魔しては駄目だなと。可能な限り面倒臭くないゲームにしようよっていうのを初期の頃から意識はしていましたが、これまで以上により意識をしています。

――なるほど。面倒臭い要素は極力排除していくと。

作田氏:はい。でも1個あって、今回「研磨」という要素を新しく入れさせていただいて、あれは面倒臭くなる要素じゃないの? と言われれば確かにそうなんですけど、オーナーの皆さん全員が撮影だけをしたい訳ではありません。ちょっとずつキャラクターを育てていく楽しさを「VV」に感じてもらえているオーナーさんもいると思うんですよ。

 以前は潜在能力をロッククライミングで鍛えて、SSRアクセサリーと揃えて装備させて……といった感じで楽しんでもらっていたんですけど、6年もたってしまうとある程度皆さんやりきっちゃっててロッククライミングで育てたい潜在能力が無いなって感じなんですよ。私自身プレイしていてそう感じていましたので。

 前提として面倒臭い要素を入れてはいけないけど、遊ぶ目的を無くすことに運営として甘えてはいけないと思っています。PPが無限となり潜在能力があまり装備できない状態になっているので、そこに対してメスを入れた感じです。

――研磨によって成長部分がより深くなる訳ですね。

作田氏:でも、研磨前提のゲーム調整になるんじゃないの? と心配される方もいるかと思うんですけど基本はそういう目的ではありません。研磨に合わせて難易度がガンガン上がるというよりは、ただ盆栽として育てていける要素を用意したという感じです。

 今回のアップデートで研磨の追加と同時にフェスの難易度が1ランク上がるので誤解を招きやすいんですけど、これもSSSのフェスをオートでクリアできる方はもっと経験値やドロップアイテムが多く欲しいと思うので。こちらは強い方にとってはさらに遊びやすくなるハズという想定で追加しています。

――アップデートを重ねて、初期と比べると遊びやすさが段違いになっていますね。

撮影だけの遊びではなく、女の子の成長を楽しむ要素もさらに深堀りされた

――最後に、6周年以降の今後の展望など伺えますでしょうか。

作田氏:今回6周年という機会をこのような形で迎えさせていただきまして本当にありがたく思っています。6年を振り返ってみると本当に長くて、最初はこんなに続けられるとは本当に思っていなかったです。ここまで長く続けることができたのは、月並みなんですけどオーナーの皆さんのおかげです。1年1年やっていきながら応援といろいろなご意見をいただいて、5周年をきっかけにトゥルーカラーを始めさせていただきまし、新女神として「ゆきの」や「しずく」も登場しました。どちらも引き続き、お届けしていきたいですし、まだまだ運営として続けられるよう頑張っていきたいと思っています。

 あと、タイアップ企画でよむ先生に描いていただいたイラストや、マリーのトゥルーカラーアップデートでfubukiさんに描いていただいたイラストなどを「東京ゲームショウ2023」でグッズを販売し、ファンの皆様に喜んでいただいているのを感じております。そういった「VV」のゲームの外側の部分でも盛り上げたいなと思っています。できる限り多くの方に「VV」というゲームが愛される存在でい続けたいので、7年目もその部分に向けて頑張っていきたいと思います。

――今後の展開も期待しています。ありがとうございました。