インタビュー

5周年突入! 「DOAXVV」をもっとも知る作田泰紀プロデューサーに直撃インタビュー!!

新水着や新要素、さらに新ヴィーナスのこぼれ話も必見!

【「DEAD OR ALIVE Xtreme VenusVacation」】

11月15日 5周年

 コーエーテクモゲームスがDMM GAMES・Steamで運営中のPCゲーム「DEAD OR ALIVE Xtreme VenusVacation(DOAXVV)」が、11月でついに5周年を迎える。これを記念して、本作をもっとも知る人物であるプロデューサーの作田泰紀氏へインタビューを行なうことができた。どのような苦労の末に5周年で大きく進化したのか、その開発秘話を伺ったので是非チェックしてもらいたい。

本作のプロデューサー・作田泰紀氏

原点回帰で生まれた5周年記念水着! プライベートコーデはネタ水着になりかけた!?

――「DOAXVV」がついに5周年を迎えましたが、4.5周年から5周年にかけての半年間はどういった感じだったんでしょうか?

作田氏:サービス開始から続けてきたことを5年間やっていくなかで、この先「DOAXVV」がどうやって広がっていくのが良いのかというところを開発チームと一緒に考えていました。すでにリリースして体験していただいているものや、今回の5周年に合わせたものなどを1つ1つを仕込んでいた期間でした。

――その仕込みの中でも大きな目玉の5周年アニバーサリーコーデかと思いますが、今回のテーマは「ヴィーナス誕生」というテーマなんですね。この経緯はどういったものでしょうか?

作田氏:今回「ヴィーナスバケーション」が5周年という大きな節目なので原点回帰といいますか、自分たちの中で1番良いヴィーナスとは何なのかを考えたら“絵画のヴィーナスの誕生”がイメージに浮かんで、そこで女神らしい水着を作ろうという方向に決まりました。ただ、周年にふさわしい豪華さやセクシーさが無いと楽しんでいただけないだろう考え、海底神殿家具と合わせてどういったデザインにするのかというところでいろいろと挑戦しました。

5周年アニバーサリーコーデ「デア・マリーナ」。ヴィーナスにぴったりな華やかな水着だ

――なるほど。今回の5周年コーデにはそういった経緯があったんですね

作田氏:これまでドレス系を周年ごとに繰り返してきた中で、4.5周年でテイストを変えてバニーの水着で喜んでいただいたんですけど、全く違う題材ばかりに行ってもしょうがないなという話になりました。周年っぽい豪華さがありつつも単なるドレス系にならないよう、ヴィーナスをよりフィーチャーしたデザインになりました。

夕焼けの空をイメージした3.5周年アニバーサリーコーデ「ソレイユクーシャン」
和のテイストを取り入れた4周年アニバーサリーコーデ「花鳥風月」
新体制になって斬新な切り口で生まれた4.5周年アニバーサリーコーデ「バニー・クロック」

――ヴィーナスの誕生をモチーフにした「デア・マリーナ」ですが、これが排出される5周年アニバーサリーコーデガチャが最大70連無料なのは熱いですね

作田氏:「5thアニバーサリーコーデ」を下取りでもらえるリメイクコーデコインで招待済の女の子の好きな「5thアニバーサリーコーデ」と交換もできます。アニバーサリーコーデを好きな女の子に着せてお祝いしたいオーナーさんの想いに、少しでも応えることができれば幸いです。

下取りで好きな女の子の水着が交換できるのはうれしいポイントだ

――周年に合わせてサーフィン衣装風のプライベートコーデも実装されますが、こちらはどんな経緯でサーフィンに?

作田氏:これまで野球、テニスとスポーツ系の水着が続いていて5周年は何にするかというときに、海があるんだからマリンスポーツのもので考えた方が良いんじゃない?ってところから小道具と合わせて考えていってサーフィンは外せないねって話になりました。それでサーフィンが絵になるコーデということで今回の水着が完成しました。

サーフウェア風のスポーティーな「なみのりヴィーナス」
入手してすぐに着くずれも可能。いろいろと出ていてギリギリなビジュアル

――今回も小道具を使ったギミックがありますね

作田氏:最初はサーフボードに乗せて終わりだったんですが、砂浜でボードに乗るだけなのはさすがにネタ過ぎるだろうとなって、波打ち際で乗るような形になりました。最初は丘サーファーだから砂浜で良いんじゃないかって話もあったんですけどね(笑)。

ネタ水着になりそうだったが、ナイス判断により波打ち際でボードに乗れるようになった

作田氏:実は誕生日の水着も新しくなります。誕生月の星座をモチーフにしたステラコーデから始まって、それ以降はジュエルコーデっていう誕生石をモチーフにしました。その次が誕生花、果物のドルチェコーデと続いてきまして、ジュエルコーデ以降は基本的に“結婚式”の雰囲気を連想させるものにしてきました。それでいよいよもうウェディングドレスっぽいものは作り尽くしちゃったし、オーナーさんからももう少し別のバリエーションのものが見たいという声を頂きましたので、今回の新しい誕生日水着はテーマから変えようと決めました。

星座をモチーフにしたステラコーデ
全身に宝石があしらわれたジュエルコーデ
花がいっぱいで華やかなブーケコーデ
現在最新のドルチェコーデ

――それでは、これまでとは違った方向のものになるんですね

作田氏:「メイクアップコーデ」というテーマで、女の子をより美しく輝かせるといったイメージですね。具体的に言うと「香水」っていうところもモチーフにしています。各月に設定した香水から連想されるイメージを水着のデザインに落とし込んでいます。1番最初が11月19日の女天狗ですね。

――香水というモチーフだけだと、どういったものになるのかが読めなくて楽しみですね

作田氏:今までは「こんな感じだろう」とある程度予想はできたと思うんですけど、今回は絶対わからないと思います。なので我々もすごく苦労しています。先日も12月の水着を作りながら、あと10か月分も続けられるコレ? って(笑)。

メイクアップコーデ第一弾は女天狗。一体どのような輝きを見せてくれるのだろうか

むしろバレーすらいらない!? 国内と海外で求められるゲーム性

――5周年の大きな新要素として「ヴィーナスボード」が追加されますが、実装にあたっての経緯を伺えますでしょうか

作田氏:5周年の節目で女の子とより深く楽しめる要素を追加したいなというところがありました。既存の「女の子レベル」を上げていくことで報酬がもらえるという要素はあったんですけど、1本道過ぎるなというのがありました。それぞれのオーナーさんごとに求めているものが違っているので、そのニーズに応えられていなかったなと思っております。

 最後のエピソードが獲得できる女の子レベル80まで上げるのも大変な中、今の形でその先を用意しても「いつ体験できるんだ!」ってなってしまうので、新規のオーナーさんも含めてすべてのオーナーさんが一緒にスタートラインに立てる新コンテンツを作りたいと思っております。「この女の子とはコミュニケーションを楽しみたい」とか「この子は水着を開放して撮影を楽しみたい」みたいな、オーナーさんごとに、さらには女の子ごとに楽しめるもの作るにあたって、一番良い形がヴィーナスボードでした。

――エピソードや水着などが開放できるだけではなく女の子の能力も上げられるそうですが、フェスなどのゲームバランスの調整などはあるのでしょうか?

作田氏:基本的にヴィーナスボードの追加にあわせてフェスなどを調整する予定はありません。先ほどの話もそうですがオーナーさんによっては女の子を強くしたい訳ではないので、バランスを調整していくと強くすることが必須になってしまい、そうすると本作のコンセプトとも合わなくなってしまうと考えております。この先0ではないかもしれませんが、この5年間ほぼほぼインフレしていないゲームなのでそんなには変わらないと思います(笑)。

新要素の追加後もフェスなどのゲームバランスは変わらない方向のようだ

――プレーヤーとしてはヴィーナスボードの開放のしやすさというのが気になるところですが

作田氏:まさにその部分は絶賛調整していまして、これってすごい大変にしようとすればいくらでも大変にできるんですよ。でもそれではオーナーさんも「こんなんじゃ話にならないよ」となってしまうので、ここは難しいところですね。女の子全員をまんべんなく開放する人もいれば、逆に推しの女の子だけを集中して開放する人ももちろんいると思うんですよ。ピンポイントで開放していったら当然早いタイミングで全開放してしまうと思うのでバランス感が重要ですよね。

――ヴィーナスボードで開放される撮影機能に「女の子の回転機能」という新要素がありますが、これはカメラアングルを回すのとどこが違うのでしょうか?

作田氏:わかりやすく説明すると、大きく違うのは背景の見え方が変わる点ですね。例えば今までは背中側が海だったものが90度回転させることで別の背景になります。これまでずーっとご要望をいただいてはいたんですけど、実は女の子が可愛く見えるようにライティングをこだわって作っていまして、そこで回転できるようになるとライトをすべて1つ1つ当てていかなくてはならないんですよ。そこが現実的な作業量ではなく実装が難しいという状況でした。しかし今回、実装に向けて頑張ろうとなり、システムで少しでも簡略化できないか検討に検討を重ねて、なんとか実現に至りました。

光の当たり方まで計算されていたアングル。苦労の末、回転機能が追加された

――苦労の甲斐あって、撮影の幅が大きく広がりそうですね。撮影の幅といえばフィルターも新しく3つ追加されますが、作田さんの中のイチオシはどれですか?

作田氏:イチオシは水滴フィルターですね。みずみずしい感じがより爽やかなバカンス感を演出してくれるので絵として面白くなると思います。

バカンス感の出る1枚が撮影できる「水滴フィルター」
四隅に白と黒の効果を付ける「ビネットフィルター」
全体を明るくする「グローフィルター」

――システム面でも年々遊びやすさが増して、今回は「ショップ一括交換」が追加されましたが、作田さんの中では次はここを調整したいっていう部分はありますか?

作田氏:たくさんありますが、ディレクターと話していて早めにやりたいと思っているのが水着のレベルを90まで上げる工程ですね。まずレベルを40まで上げて上限解放して60とか段階を踏まないといけないんですけど、みなさん上限解放アイテムなどは飽和している状態だと思うんで一気にレベルを上げられるようにした方が良いとは思っています。それと個人的には画面間の繋がりとかも整理したいですね。ここからフェスコーデに繋がった方が良いんじゃないかとか。これを言っちゃうと実装しないといけなくなるから開発チームには怒られそうですが(笑)。

水着のレベルを最大まで上げるには、数回に渡って上限解放をしなければならない
5年に渡って拡張してきたので、UI周りの調整も考えているようだ

――初心者向けのパネルミッションも追加されますが、新規ユーザーは今でも増え続けているのでしょうか?

作田氏:新規に始めていただいたオーナーさんは現在も増えていっておりますし、それだけじゃなくて初期の頃に遊んでいたけど最近プレイしていなかったという方も復帰していただいている印象もありますね。このゲームの良さって“いつでも入れる”、“いつでも戻ってこれる”というところだと思うんですよ。結構前に最強に鍛えていた水着がまだ使えるじゃんみたいな。ヴィーナスボードもですけど、新しい要素を追加したことによって復帰が難しくなるようには絶対したくないと思っています。新要素はあくまで遊びの幅を広げる形にするのであって、“やらなきゃいけない”、“やらざるをえない”というゲームにはしたくないですね。

――確かに「DOAXVV」は良い意味で変わらないゲームバランスですよね。こういった運営型のゲームって1年以上離れてたらかなり置いて行かれますもんね

作田氏:他のプレーヤーと戦う要素、競い合う要素があると「もうついていけないや。」って思ってしまいますよね。「DOAXVV」に関してはそういった要素も無いですし、国内のお客様は求められていないのかなと思っています。ご要望があれば考えますが。

――プレーヤー同士の対戦要素も多少視野に入れている感じですか?

作田氏:実は少し前に国際版(海外版)の方でPvPとされる「ヴィーナスアリーナ」というモードを実装したんですよ。海外のオーナーの皆さんは自分の育てたキャラクターがどれだけ強くなったかというのを自分の中で完結させるというよりかは、人と競い合うことに対してモチベーションを持たれている方が多いので、そういった体験をできる場所を試験的に入れてみました。

――国際版だけのオリジナルモードが実装されていたんですね

作田氏:そうなんですよ。一方、国内の皆さんはどうかというとあまりそういうのは求めていなくて、推しの女の子と仲を深めて、そういった様子をオーナーの皆さん同士で共有したいといった感じですので、競い合いたいという意見は少ないのかなという印象です。PvPを知った国内のオーナーさんは「これ、まさか5周年に入れるつもりじゃ……」ってざわざわされているのを見ましたが、今のところ国内で実装する予定はありません。とは言ったものの、そのモードをやってみたいという声が多かったときは考えます。

――個人的には面白そうなモードだと思いますけど

作田氏:そういう声もあるとは思うので絶対やらないとは言わないですけど、皆さんがやりたいなという雰囲気ができない限り、やっては駄目なのかなと思っています。

――確かに推しを愛でているだけで満足という空気感はありますよね

作田氏:むしろバレーすらいらないまでありますね(笑)。

海外と違い、国内では女の子を愛でることでゲームを楽しまれているようだ

“アンニュイ”に大苦戦! 新ヴィーナスの裏話

――8月に登場した新ヴィーナスの「シャンディ」ですが、これまでいそうでいなかった大人なキャラクター性で話題になりましたね

作田氏:大人の女性は1番最近だと「エリーゼ」なんですけど、エリーゼって大人なんだけど若さを感じる。そこがエリーゼの良さだったりするんですけど、もっと大人と思ったときに誰がいたかを考えたら「たまき」だったんですね。長いこと大人なキャラクターがいなくて――正確には「さゆり」もいるんですけど、さゆりはちょっと難しいラインですよね優しい可愛い系といいますか。

――確かに可愛いカテゴリーですね

大人な雰囲気が漂う新ヴィーナス「シャンディ」
正統派な大人なヴィーナスは、2018年に追加された「たまき」以来だそうだ
大人ではあるものの可愛さに寄っている「エリーゼ」と「さゆり」

作田氏:たまきが持っているような大人の美しさかつセクシーさみたいなところをより具体化させるにはどうするかというところで“ミステリアスな夜の美女”という要素が挙がりました。ミステリアスな夜の美女ってどんな感じだろうと考えたときにアンニュイな女性って良いよねって話になって、そこから形にしていきました。夜のバーにいたらカッコ良いねって感じで職業がバーテンダーになり、夜の色合いに合った髪やコーデをデザインしていきました。

――シャンディを除いて既に27人も女の子がいて、他と被りのないキャラクターになったのはすごいですね

作田氏:CGのディレクターも言っていたのですがシャンディは相当苦労していて、1着目の水着もほぼ完成まで来ていたものの「ん~やっぱりこれじゃない」となって1から作り直したりとか。髪型も初期のデザインだとたまきと食い合ってしまいそうで、もっと差別化を図ろうと試行錯誤しました。

――想像を絶する苦労があったんですね

たまきと被らないよう、デザインが完成するまでは多大な苦労があった

作田氏:シャンディのテーマが決まったとき、1番難しいだろうなと思ったのは“アンニュイ”という点です。アンニュイって聞くと美しい女性をイメージはするんですけど“これがアンニュイだ”っていう明確な定義が無いんですよ。なのでそのアンニュイさをどうやって感じることができるのか、モデルや水着、モーションや演出、そして演じられる声優さんの声など、それぞれのパーツごとに作って組み合わせたときにアンニュイになっているのかという、最後の最後まで完成形が見えない苦労はありました。

――確かにアンニュイってふんわりした要素ですもんね

作田氏:ある意味それがアンニュイなんですよね。「コレだ!」っていう明確なのって実際アンニュイじゃない気がしています。ツンデレとかだとこれをやっておけばツンデレだってわかりやすいんですけど(笑)。

表情や所作の1つ1つにアンニュイな要素が詰まっている
シャンディを迎え入れていれば、プライベートコーデとしてデア・マリーナも入手できる

――最後に、今回5周年を迎えて、その先の展望など聞かせていただけますか

作田氏:5周年の節目という区切りですので、4周年から5周年にかけての1年は次の未来を作っていくという体制でやってきまして、チーム内でも議論して久々に激しくぶつかりました。そうやって形になったものがヴィーナスボードや周年の水着、追加機能だったりします。さらに、これ以降の1年間で公開していく予定の要素も色々と準備しております。これらの要素で女の子と仲を深めていくのをオーナーさんに体験してもらいたいと思っています。ここから6年目以降も、女の子と送る日常がこれまでのバカンスと異なる新しい日々として始まっていくことを期待していただきたいと思います。

――ありがとうございました