インタビュー
水着は制服が人気!? 「DOAXVV」4周年記念、作田プロデューサー直撃インタビュー
2021年11月16日 22:00
- 【DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation】
- 2021年11月15日 4周年
コーエーテクモゲームスのPC用バカンスゲーム「DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation(DOAXVV)」が、2021年11月15日でついに4周年を迎える。
「DOAXVV」は、これまで本作のディレクターを務めていた作田泰紀氏が2021年6月よりプロデューサーとなり、新体制での開発が動き出した。駆け抜けてきたこの1年について、そしてこの先のについて、作田氏にインタビューを行なうことができた。気になる実装予定の新要素や今後の構想など、ファン注目の内容なので、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
尖ったデザインだけではダメ! キャラクター・水着・髪型の制作で考えることとは
――4周年おめでとうございます。昨年の3周年のときはコロナの影響で開発現場はかなり大変だったと伺いましたが、今年はどうでしたか?
作田氏:開発環境は去年と同様に基本的にはリモートワークをベースに進めています。ですがリモートワーク2年目ということで大分慣れてきました。運営していく中では、オーナーの皆さんが何を一番大事だと思っているか、何を楽しんでいただきたいかという所にフィーチャーして、今やれる中で最大限楽しんでいただけるようやってきました。こういう環境でやっていくしかないという覚悟の中で頑張っています。
――状況は変わらずとも、去年よりも適応している感じですね
作田氏:昨年は一時期本当に危ないなと思った時もあったんですけど、今年は今まで通りにオーナーさんに楽しんでもらえるようにペースを立て直せたかなと思っています。まあ、スタッフがこれを聞くと皆色々思うところがあるかもしれないですけど。どれだけ大変かわかっていないとか(笑)。
――今年1年もいろいろなことがあったと思いますが、中でも印象に残ってることはありますか?
作田氏:チーム内の話になって恐縮なんですけれども、今年の6月に新体制として私がプロデューサーになって、新しいディレクターが開発の中心となって進めるという役割の変更がかなり大きかったかったです。
今まではずっと運営計画とかを私の方で計画立ててやっていたんですけど、現状はディレクターが立てた運営計画を各リーダーが実現していく、最後リリース前に私がチェックして、何か問題があれば「ここをもっとこうした方がいいんじゃない?」とフィードバックをしながら作っています。
新しい女の子を追加する場合も、以前は企画段階からどういうコンセプトをどう立てようかとか、ガッツリ話し合いに入って進めていたのですが、現状は担当プランナーとディレクターが立てた企画をもとに、コンセプトの確認とフィードバックくらいですね。ある程度はもう彼らに委ねています。
――それは今までと作品への関わり方が大きく変わりましたね
作田氏:「エリーゼ」が実装される頃がちょうど移行期で、エリーゼはコンセプトを立てるときからガッツリ関わっていましたが、先日追加された「こはる」は、新ディレクターと現場のスタッフが中心となって作っています。いろいろなリアクションを見る限り、恐らくお楽しみいただけてるように感じていますので、これは新しいメンバーの頑張りだと思います。
――新しい風が吹く感じでいいですね。4年も続いているタイトルなので、水着の案なども頭を悩ませていると以前言われていましたので、そういった意味でもどう変わっていくのかが楽しみですね
作田氏:それについては私も楽しみでもあり、不安でもありですね(笑)。
――こはるが新体制ということは、4周年のアニバーサリーコーデも新メンバーで作られたという感じですか?
作田氏:そうですね。私は製作が進んで形になったものを「次はこんな水着なんだ〜」って見せてもらっていた感じです。現場の話では、アニバーサリーなので豪華でドレッシーな水着をやりたいと、これまで和風の正統派なデザインというものがなかったので和の方向で固めたようです。スラっとした印象を出したいというこだわりがあったようなんですけど、スラっとしたシルエットって布の挙動が結構難しくそこが難航したようです。今はフレアスカートみたいな感じなんですけど、マーメイドタイプとかタイトスカートとかいくつかのパターンいろいろ試して、足を開いたときに一番綺麗に見える今のデザインになりました。
――もう1つの、テニスウェア風の新水着「ヴィーナスエース」ですが、前回の野球ユニフォームに続きスポーツ系ですが、これは何か狙いがあったのですか?
作田氏:私もデザインが上がったのを見て、「またスポーツタイプか〜」と最初は思ったんです。先に出した野球水着のときの話にちょっと遡るんですけど、元々野球ユニフォーム風の水着を作るにあたって、背番号を選べる機能を用意して、それを好きな女の子に着させて遊んでもらえると楽しんでもらえるのではないかとの狙いがあり、ガチャじゃない形式になったんです。さらにバットもセットに付けて撮影もはかどる商品構成にしました。実際に多くのオーナーさんに楽しんでいただけたのかなと。
――小道具が付くのはたしかに面白かったですね
作田氏:水着と小道具をセットにした方が楽しみやすいのかなと。それで今回はテニスウェア風のデザインがあったので、それに合わせてテニスラケットを付けたという感じです。結果としてスポーツ寄りになってしまいましたが、別にスポーツにこだわっているとかはないです。今後、また別の機会で何か小道具と合うデザインがあれば、セットでお届けできればと思っています。
――今年もいろいろな水着が誕生しましたが、今年1番のお気に入り水着は何ですか?
作田氏:完全に個人的な意見なんですけ、魔法少女風水着の「まじかるヴィーナス」ですね。あれは小道具も込みで良かったと思ってます。ステッキのエフェクトも気合の入り方が異常で、これはぜひオーナーさんに動いている所を見てもらいたいと思って、PVとかのワンカットだけじゃなく。そこで、生放送でお見せしようってなりました。やっぱり、このデザインはつくしに絶対に着せたいというのがあったのですが、「ななみ」が登場のタイミングの生放送に、ななみ役の島袋美由利さんのほかに、つくし役の指出毬亜さんにご出演いただくことができて、それじゃあ、このタイミングで配信しようよ、と決めました。あれはいろんな奇跡が重なった瞬間でしたね(笑)。
――魔法少女はインパクトありましたね。インパクトで言うと今年のハロウィンで登場したキョンシー風の「月影」も良かったですね
作田氏:キョンシーは1年前のハロウィンに、国際版、海外の方であのデザインって実は初めて登場したものなんです。海外チームがオリジナルのデザインを海外で遊んでいるオーナーの皆さんに届けたいっていう強い気持ちで。
国際版って日本の約1年か1年半ほど遅れた内容になっていて、ネットで日本の情報を調べると次の新水着とかある程度わかっちゃうんです。このゲームってやっぱり、「次は何が来るんだろう」っていうのが楽しみの1つだと思うので、それがないのは残念だろうなって。我々としても、「次は何だろう……なんだコレ!?」みたいな楽しみ方をしてもらいたいなと思ったので、オリジナルの物を入れてみようっていう提案にはOKを出しました。
――海外先行だったんですね
作田氏:海外のオーナーさんにも楽しんでいただけましたし。その情報を聞きつけた国内のオーナーさんからも「何あれ? 早く欲しい!」という声をいっぱいいただいていたので、今回のハロウィンに実装しました。
――毎回面白いデザインで話題になっていますが、実際には反響の波はありますか?
作田氏:やっぱり波はありますね。その水着がどの女の子用のものなのかというところでももちろん。SNSとかでは皆さん喜んでいるんですけど、意外と持っている人が少ないなんてものもあります(笑)。
――やはり好みは千差万別なんで難しい所ですよね
作田氏:これは女の子の場合も同じで、「ななみ」をリリースしたときも気をつけたことなんですけど、「なぎさ」や「つくし」のようにポイントをある程度絞った尖っているものも必要だけど、すべてのオーナーさん楽しんでもらえるようなものも重要なんです。水着なら「制服(風水着)」みたいな。ななみに関しても、すべてのオーナーさんに受け入れてもらえるような女の子にしようというコンセプトを立てていましたね。
――ななみは尖りのないナチュラルな女の子なんで、キャラ付けだったりが難しそうですよね
作田氏:そうですね。なぎさやつくしのように尖っている女の子は、ある程度イメージが共有しやすいので、アイデアも出しやすいですし、ファンの方も受け入れやすいのだと思います。逆に言うと、「自分には合わないな」という方も当然います。全てのオーナーさんに受け入れてもらうならど真ん中の正統派だろう、そしてこれまでだと「みさき」以来出ておらず、そろそろ追加してもいいのではないかと思い、「ななみ」をど真ん中の女の子として追加することを決意しました。
当然ななみを見て「自分には合わないな」って感じそうな箇所があってはだめなので、これは違うと感じるポイントをひたすら削っていって形を作っていました。我々としても大きなチャレンジだったと思います。
話が水着に戻るんですけど、水着の場合もみんなが好きであろうデザインのものと、尖ったデザインのものでリズムをつけてお届けしています。
――すこし前にカンナの新髪型が追加されて、あれがめちゃくちゃ可愛かったんですが、新しい髪型を作る際に作田さんの中でルールなどはあるんですか?
作田氏:やっぱりわざわざ作るんだったら、こうしたいよねという前提では考えています。まずは女の子の新しい魅力が生まれるような印象が変わるものを作ろうと。カンナでいうと、可愛い女の子っていうイメージじゃないですか、1014歳ですけど(笑)。とはいえ、1,000年生きているからこその魅力であったりセクシーさ、大人を感じるような印象を持っていてもおかしくはないんじゃないかと思っていて、そういう一面が見えるような髪型にしたいといろんなパターンを作ったんです。ロングとかもいろいろ試して、その結果今回のショートポニーテールがコンセプトと一番近いかなということで決定しました。
作田氏:もう1つ、別の視点で気をつけていることは、最初の髪型って女の子の印象づけたいデザインを優先しすぎて、髪の挙動が我々から見て怪しいところがある場合もあります。でも可愛いからデザインを優先しちゃおうみたいな(笑)。実際に撮影をしているオーナーさんからも「あそこの角度が撮り辛い」みたいなご意見もいただくことがあって申し訳ないと思っていますので、この2つ目に関しては今後はもっと撮影をしやすい髪型にしたいと気をつけています。髪型のルールはその2つですね。印象を変えるものと、撮影しやすいもの。
――なるほど、そういったルールがあるんですね。今後も続々増えていくのが楽しみですね
作田氏:髪型は基本的に、多分皆さんご存知だと思うんですけど、追加された女の子順で、その女の子の誕生日が来るタイミングで今は追加しています。いっぱい作ることができないので、せめてその女の子が主役となる誕生日しかないよね、と思って。正直に言うと途中からそうしようって決めたところもあります(笑)。フィオナは誕生日前日のバレンタインデーで追加して、たまきも8月19日、なぎさは5月5日という感じです。新髪型の追加はやっぱり望まれているので、そこになんとか応えたいと思っています。せめて誕生日ぐらいはなんとか頑張って作ろうと。今後は新しいディレクター次第ですが、守って欲しいとはお願いしています。
“遊びやすさ”を見直したい。「DOAXVV」の今後の進化について
――新要素の温泉が発表になりましたが、これはいつ頃から考えられていたんですか?
作田氏:実は、温泉を入れたいっていう案はサービス1年目からあったんです。ですが、それと同時に挙がっていたオーナールームの要素を先に入れることを優先しました。その後もいわゆる泡水着の登場でお風呂家具とかは実装されたんですけど、でも温泉はいつかやりたいとずっと考えていて、でもどうやってゲーム内に入れ込むかっていうのがまとまらなくてずっと寝かせた状態になっていました。
それで今回こはるが追加されることが決まって、この子を入れるなら温泉も入れなきゃ駄目だよねってなりました。モニカにおけるカジノと同じですね。一方、レッスンの要素をそろそろ見直さないといけないなとも思っていて。サービス開始した当時はいろんなアプリゲームが指定した時間経過後に報酬をもらうっていう仕様が一般的だったんです。でも、最近のゲームってもうちょっと手軽に報酬がもらえるものが多くなってるので、遊びやすい方向に変わっていかないと「このゲームは古いから遊びづらいね」って遊ばれなくなることもあると思うので。それなら温泉と重ねて見直そうという形に決まり、ただいま絶賛開発中(※インタビュー当日)です。
――遊びやすさの面でいうと、オートプレイの追加など年々ゲームが快適になっていますが、オーナールームの他にここはどうにかしたいという部分はありますか?
作田氏:私言い出すと止まらなくなっちゃうんですけど、ディレクターにはオートフェスチケットを最初から使いたいっていうのはよく言っていまして、イベント開始の初日ってまずは周回するところまで自分で進めなきゃいけないじゃないですか。個人でプレイしてるんですけどなかなかシンドイなぁって(笑)。ゲームの仕様や機能の追加内容全般はディレクターの権限なので、私が何を言っても突っぱねられるかもしれませんが、きっと実装してくれると信じています(笑)。
――それは遊びやすさが格段に上がりますね!
作田氏:このゲームって「DOAX」シリーズにあった面倒臭さを外すことが元々重要なコンセプトの1つでした。例えば「DEAD OR ALIVE Xtreme 3」までの自分でビーチバレーをして水着をプレゼントする……でも受け取ってもらえるかわからない、っていう手間を排除して、写真を撮って遊びたいだけのオーナーの皆さんの希望に少しでも早く辿り着ける形にしたんです。ですが拡張をして要素を入れていくなかで、結構面倒になっている部分も増えてきているので、もう1回整理しないとなと。そこは引き続き手を入れていきたいです。
――温泉以外にも「大道具」の追加も発表されましたが、外でもアイテムが配置したいなどの要望はあったのですか?
作田氏:私が知る限りではなかったと思います。これは今度の誕生日の水着に絡めている要素なんです。ウエディングケーキのような撮影アイテムが誕生日に追加しますが、女の子がケーキをスプーンですくって「あーん」をしてくれるんですよ。その演出を用意するにあたって、オーナールームで撮影するだけじゃもったいないよねってことで、いろんな場所に置いて楽しんでもらえるようにしました。
――新要素がどんどん増えていきますね
作田氏:あとは、最近オーナーさんに「本作のどこを楽しみにしていますか?」というアンケートをとったのですが、やっぱり「新しいヴィーナスと出会えること」という答えが多かったんですね。それと同じくらいに「女の子とより仲良くなれるようなエピソードが見たい」というご要望があって、ここも応えていかなければなと開発のメンバーと話し合っています。これまでも何度も計画は進めてはいたのですがなかなか難しく、手を付けては挫折を繰り返していたんですけど、今度は本腰を入れてやろうと。女の子との絆を深めていくという所を楽しめる形を見つけたいと思っています。
――先の新要素についていろいろ伺いましたが、今後「DOAXVV」はどのような方向に進化していきますか?
作田氏:今後は、女の子の関係性を深めるという部分により“深化”させたいと思っています。今遊んでいただいているオーナーの皆さんが「DOAXVV」を遊んでいて良かったと感じてもらえるよう頑張りたいと思います。
――最後にすべてのオーナーに向けて一言お願いします
作田氏:オーナーの皆さんが楽しんでいただくことが我々の作るゲームの存在意義だと思うので、求めていることに少しでも応えられるように頑張ろうと思います。新しい体制にもなりまして、私の気持ち的には運営1年目に近い状態だと思っています。だからこそ、今までと違った新しい風を吹かせて、楽しんでいただけるよう頑張っていきたいと思います。
――これからの新しい「DOAXVV」に期待しています! ありがとうございました!
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