【特集】
【プラハ編】「キングダムカム・デリバランス」は聖地巡礼が熱い! 中世の香り残る現地旅の魅力
2025年4月23日 11:00
- 【キングダムカム・デリバランス II】
- 2月5日 発売
- 価格:8,090円~
中世時代のチェコの風景や当時の空気感を余すことなく楽しめる「キングダムカム・デリバランスII」。弊誌ではチェコ現地に赴き、開発元Warhorse Studiosスタッフへのインタビュー記事を掲載している。
インタビューではゲーム開発のポイント、歴史考証をどうゲームに落とし込むかなど、「キングダムカム・デリバランス」シリーズ開発の背景を探ったが、本稿ではゲームの舞台となったチェコの各所を巡る現地取材の様子をお届けしたい。
チェコでは体験型ツアー「Kingdom Come: Deliverance LIVE」(KC:D LIVE)が5月より始動する予定となっており、訪れた場所とはこちらのツアーともリンクしている。今回ご紹介するのは、プラハだ。
中世時代を没入体験する「KC:D LIVE」
現地の様子をお伝えする前に、「KC:D LIVE」についてあらかじめご紹介しておきたい。
「KC:D LIVE」は、「キングダムカム・デリバランスII」の世界をリアルな体験として楽しむことができるツアー。プランは色々あるのだが、今回の取材のベースとなっているのは「Medieval holidays」で、バスでの移動や宿泊、ご飯までまるごと用意される3日間のパッケージツアーとなっている。出発地と到着地はプラハ。プラハにさえたどり着けば、「あとはなんとかなる」ツアーだそうだ。
「Medieval holidays」は5月から9月まで各月1回(6月は2回)開催され、価格は865ユーロ(約138,000円)より。言語は英語に対応する。記事執筆時点では、は6月以降のツアーを予約受付中だ。
ツアーで訪れる場所は、トロスキー城、マレショフ砦(要塞)、そしてクトナー・ホラ。ただ現地を巡るだけでなく、マレショフ砦ではグランピング施設に2泊し、中世料理の食事や「KCD」世界をベースとした謎解きゲームなどが実施される。
別記事で詳しくご紹介するが、マレショフ砦は21年かけて施設を修復、改築した現オーナーの並々ならぬ熱意によって、中世時代の生活が再現できるようになっている。こちらも、ぜひ合わせてご覧いただきたい。
歴史的かつ過ごしやすい街、プラハ
さて、まずは「KC:D LIVE」の発着地であるプラハについてご紹介する。
プラハはチェコの首都であり、その歴史地区全体が「プラハの歴史都市」として世界遺産にも登録されている美しい街だ。
厳密に言えば「キングダムカム・デリバランス」シリーズには(今のところ)プラハは登場しないのだが、現地に行けば見るべきものが多いので、ぜひとも堪能したい。
今回見ることができたのは、国立博物館を臨むヴァーツラフ広場、旧市街広場、カレル橋など。どこへ行っても絵になる風景ばかりだが、特にカレル橋から眺める景色は格別。雄大なヴルタヴァ(モルダウ)川と、赤い屋根が並ぶ街並み、そしてプラハ城。戦争の被害も少なく、過去1000年以上の歴史が残っているという風景は、まさにこの地ならではだ。
ここからは観光情報だが、まずお酒が好きであるという場合はぜひビールを飲みたい。チェコは1人あたりのビール消費量が世界一というほどビールを飲む国であり、レストランでもスーパーでもビールをよく見かける。
銘柄として最も有名なのは「ピルスナー・ウルケル」だ。どこのレストランでもピルスナー・ウルケルの看板がかかっている。ヴァーツラフ広場近くには「Pilsner Urquell Experience」なる博物館もあり、展示の体験や試飲ができる。日本語ガイドもあるということだ。
なおピルスナー・ウルケルについては2017年にアサヒビールが買収しており、日本でも缶や瓶、場所によっては樽生も流通している。
ここでチェコ プチ情報をひとつ。チェコ国内ではQUICPayが使用でき、かなり便利だった。チェコではタッチ式のクレジットカードが普及しており、あらゆる買い物や精算がこれで済むのだが、QUICPayを試してみたら決済できた。
QUICPayは市内を走るトラムでも使用でき、いきなり乗車して券売機にピッっとタッチするだけ。これだけで移動が格段に楽になった。タッチ式のクレジットカードを持っていなくても、代替手段としてQUICPayを導入してみるのがオススメだ。
今回はトラムを利用して、市内のゲームショップに行ってみた。巨大デパートの一画にある店舗で、店頭のイチオシは「アサシン クリード シャドウズ」(取材は3月末)。2月発売の「KCD2」は「アサシン クリード シャドウズ」に次ぐ2番目くらいに推されていたタイトルだった。
なお「KCD」シリーズに関しては、チェコでの知名度は抜群である。このゲームショップで「KCD2」のTシャツを購入し、帰国日に着ていたのだが、プラハ空港で出国審査と荷物検査の2回、もれなく「そのTシャツいいね!」と声をかけられた。
プラハ空港の職員はよほど熱心なゲームファンが揃っているのかと思ったら、ゲーム自体はプレイしていないという。でもゲームの名前や内容もばっちり知っているからこそ声をかけてきたという感じだったので、その知名度の高さがよくわかる。
見るべきもの、食べるべきものが多く、なにより過ごしやすいプラハはとてもいい街なのだが、現在は日本からの直行便がないのが非常に残念。「キングダムカム・デリバランス」シリーズなどをきっかけに、ぜひチェコ人気が高まることを期待したい。