【特集】
【トロスキー城編】「キングダムカム・デリバランスII」序盤の要、トロスキー城で統治者の景色を味わう
2025年4月23日 11:00
- 【キングダムカム・デリバランス II】
- 2月5日 発売
- 価格:8,090円~
チェコ現地を取材し、「キングダムカム・デリバランスII」(KCD2)ゆかりの地を巡る企画。今回お送りするのは、トロスキー城編だ。
トロスキー城は、プラハから北東に100kmほど進んだ先にある城。丘の上、巨大な岩の上や周辺に建てられており、一帯のランドマークとしてもかなり目立つ。現在は跡地が残るのみだが、観光地として中に入って見学が可能となっている。
「KCD2」では、トロスキー城は序盤に訪れる重要な場所だ。そびえ立つ岩の形状を利用して作られているため、岩と一体となっているような形状をしている。
「ボヘミアン・パラダイス」のシンボル、トロスキー城
「KCD2」では、トロスキー城は馬などでかけていくとわりとあっさりたどり着くことができるが、実際はかなり山道。まずふもとまでバスで向かい、そこからさらに10分ほど坂道を登っていく。標高は400mに位置する。
「KCD2」では城の南側に木造の門があり、東からぐるっと回り込むようにして北側の城壁入口にたどり着く。現在は地形の変化もあり、木造の門や柵、東回りの道はなくなっている。代わりに、西側から回ることで、直接城壁入口にたどり着くことができた。
トロスキー城は巨大な岩山は、マグマ噴出による玄武岩。東側と西側に盛り上がりが2つあり、この頂点にそれぞれ塔がある。見た目的に双子のようだが、西側の低い方は「老婆」、東側の高い方は「乙女」と呼ばれる。
トロスキー城の伝説としては、その堅牢さが挙げられる。その高さと上からの見晴らしの良さで敵を近づけさせず、また内部は備蓄庫に井戸まであって籠城にも向いており(地元に味方が多く、こっそり食料が運び込まれることもあったそう)、攻略は困難だったとされている。1424年にはフス派戦争の英雄とされるヤン・ジシュカも攻めてきたが、退けたそうだ。
現在のトロスキー城はほぼ廃墟であり、中に入っても石垣などにその痕跡を見ることができる程度となっている。2つある塔のうち、西の「老婆」には足場が組まれて登ることができるが、東の「乙女」はかつてあった通路が失われており、アクセスできなくなっている。断崖絶壁の上にあるため、現在では調査にもなかなか立ち入ることができないそうだ。
しかしながら、「KDC2」をプレイしていると、不思議なほど城の中で「ここは馬具職人がいたところ」「ここは大工がいたところ」などとゲームの記憶が蘇ってくる。そのため事前知識なしで訪れるより、圧倒的に楽しむことができた。メインクエストで何度も城内を行き来したり、潜入したり、自然と内部の構造を覚えるほどプレイした甲斐があったというものだ。
2つの塔どちらも入れなかったのは残念だが、少なくとも「老婆」からの眺めは素晴らしかった。トロスキー城を含む一帯は「ボヘミアン・パラダイス」と呼ばれており、森の中にいくつもの砂岩が屹立した環境が自然保護区域に指定されている。トロスキー城はその象徴的存在であり、塔からは周囲をどこまでも見通せた。「KCD」ファンならずとも、統治者の気分を味わえるという意味で貴重な体験ができる場所だ。