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日本ファルコム、トークショウで近藤社長が数々の最新情報を明らかに!
続編タイトルは王道の「閃の軌跡II」。制作中の新作は「ワイエス……?」
(2014/1/26 00:00)
日本ファルコムは1月25日、新宿ロフトプラスワンにおいて「Falcom Acoustic Live & Talk Show ~近藤社長に聞く!「閃の軌跡」続編と謎の大型タイトル~」を開催した。イベントチケットは早々に完売する人気となった。イベントには近藤季洋代表取締役社長とFalcom jdk BANDでドラムを担当するオカジこと岡島俊治さんがトークを繰り広げた。
まずは前半にアコースティックライブを開催。そして後半には近藤氏と岡島氏のトークが展開。今年はストーリーRPG「軌跡シリーズ」が生誕10周年を迎えるということで、これまでの作品を振り返るだけでなく、すでに発表となっている「英雄伝説 閃の軌跡(センノキセキ)」の続編となる軌跡シリーズ最新作、さらには企画・制作が進行中の「謎の超大型タイトル」に関しても最新情報が明かされるとあって人気を集めたわけだ。
アコースティックライブは岡島さん、小寺可南子さん、ツインギター構成で宮崎大介さんとテル(井上)さんの4人編成。岡島さんは今回はウドゥ(壷)を使用。エコーのかかった独特な音色を新宿ロフトプラスワンに響かせた。1曲目を終えいきなり小寺さんの提案でステージにビールが運び込まれ乾杯となり、一気に盛り上がりを見せた。
今回、近藤社長との対談するにあたり、「閃の軌跡」をクリアしてきたという岡島さん。かなりの気合いを見せながらも、ライブはまったり進行。小寺さんも「音数が少ないから客席に音が染みこんでいくみたい」と独特の雰囲気を表現。「バラードばかり歌いたくなった」とスイッチが切り替わり、しっとりと聴かせていった。
岡島さんによれば、2014年は新宿ロフトプラスワンでのライブを増やしたいということで、客席から大きな拍手が巻き起こった。そしてFalcom jdk BANDはラストはやはりこの曲ということで「PANDRA」の大合唱でライブコーナーは幕を閉じた。
【セットリスト】
1.もっと近くで〈英雄伝説 空の軌跡FC〉
2.寮に帰ろう(英雄伝説 閃の軌跡)
3.星の在り処(英雄伝説 空の軌跡)
4.波音のレクイエム(ドラゴンスレイヤー英雄伝説)
5.誰かがあなたを愛してる(ぽっぷるメイル)
6.PANDRA(Ys6 - Song of Zemeth)
爆弾発言満載の近藤社長×岡村さんのトークショー
ホームページのお知らせでは第2部は「軌跡シリーズ10周年振り返りトークショー」となっていたが、再度の乾杯のあとは、秘蔵の資料を公開してのいきなりの新発表大会となった。
まずは「英雄伝説 閃の軌跡」の続編のタイトルだが、「英雄伝説 閃の軌跡II」で王道のタイトル付けとなった。公開されたロゴは正式のもので、近藤社長は「フェイクじゃないです」と断りを入れたほど。近藤社長は「“SC”と予想された方もいらっしゃったようですが、『閃の軌跡II』としたのは、それだけ『閃の軌跡』というタイトルに気合いを入れていると言うことです」と続けた。
「閃の軌跡」の終わり方を引き合いに出した近藤社長は「続きを早くという意見があり、それに応えるために絶賛開発中」だという。進捗については、現在シナリオが完成したところなのだが、近藤社長によれば「引き続きモテまくりです」ということだ。さらには新システムの導入についても触れて「前作のラストに出てきますから、それを踏まえたものとなります。リーンは刀だけではないです。属性多いですね」と語った。
「続編についてすごいところは?」という岡島さんの問いに「全部ですよ!」と自信たっぷりに応えた。「閃の軌跡」は初めて3D化した作品であるため、制作側としても限られた時間内での制作で納得いかない部分もあったため、今回はキャラクターのモーションをすべて作り直しているのだという。とはいえ、1番の見所はやはりシナリオ。帝国で内戦が勃発し、実際のところ帝国がどうなるのか? といった気になる話が展開する。
さらには「謎の超大型タイトル」について話題は広がった。近藤社長は「大作RPGは1本ではない」といきなり発言。日本ファルコムは通常3ラインから5ライン走っており、そういった意味では「ワイエス(『Ys』?)は当然として……」と語りながら制作中のタイトルの世界観やキャラクターなどの極秘資料を公開。
この点について近藤社長は「今までの流れからいえば、過去作のリメイクを出してきたから、まだリメイクしていないタイトルもあるわけで(そういった流れもある)」と語りながら「これまでは1作目を作った先輩のレールの上で作ってきた。しかし(設定的にすべて制作したので)大きな枠は超えた。新しい『Ys』の制作する意欲はある」と完全新作のラインも匂わせた。
近藤社長はユーザーからの意見を反映していることを何度も語り、「『マジ、このキャラクターをパーティに入れてほしい』といった意見があれば、反映されるかもしれない」と常に意見がほしいとユーザーに語りかけた。
軌跡シリーズに関するコアなトークが展開
そして後半は「空の軌跡」を中心としたゲーム開発に関するトークが展開。近藤社長は2001年の企画準備段階から加わっていたことから、すでに10年以上の関わりがあるという。「空の軌跡」制作当初、「英雄伝説 ガガーブトリロジー」の続編を作るという手段もあったが、「それでは超えることはできない」という判断から、「ファルコムっぽいけど、やっていないことをやる。でも『ガガーブトリロジー』の良さを崩したくない……」というところからスタートした。
キーワードとして1番初めに出たのが、勢いのある時代を描きたいということから「産業革命」だったという。そこから朝霧にかすむ街中などのアイディアが出され、スイスやヨーロッパの雰囲気が盛り込まれていった。さらには、シナリオを一緒に手がけた開発者の1人が機械式時計を好きだったことに近藤社長が影響を受け、「機械式時計で魔法をかけられたら?」といった話から“オーブメント”が誕生した……。さらには近藤社長がタイに住んでいたことから、最初の手書きの「リベール王国」の地図などが公開され、実はタイの地図を参考にしたことが明かされた。こういったことから帝国などの関係性が盛り込まれていき、どんどん話が膨らんでいく。ちなみにゼムリア大陸については、まだ半分もできあがってないという。東方について設定上でてきてはいるが、様々な設定が盛り込まれるたびに変わっていっているのが本当のところだという。
多数のキャラクターが登場することについて、まずどこから制作を始めるかについて聞かれた近藤社長は「まず主人公を決める」と切り出した。主人公を中心にどういったキャラが周りにいたらいいか考えていく。もちろん悩むことも多く、実際ヨシュアとエステルは逆だったのだという。そういったキャラクターの配置を決めていく中で、RPGだから成長要素がほしい……周りに先輩がほしい……いやな先輩もいるだろう……といった風にキャラクターを配置していったという。
現在プロのミュージシャンとして活躍する岡島さんだが、「ゲームに関わっていたい」という想いからゲーム制作への興味が尽きないといい、近藤社長との話は尽きない様子。実際、昔1度日本ファルコムに入社しようとしたこともあるという。その愛は今も衰えていないどころか強まっている。
岡島さんとしてはこういったイベントをまた開催したいということで、次回は「英雄伝説 白き魔女」の発売20周年ということで3月29日の昼の部が開催されることが明らかにされた。
最後に近藤社長は「軌跡シリーズが10周年を向かえ、ありがとうございます。台湾で開催されているゲームショウでも10周年に関する発表を行ないます。『閃の軌跡II』の情報も今後発表していきますので、よろしくお願いいたします」とコメントし締めくくった。