インタビュー

「セガ3D復刻アーカイブス」インタビュー

「スペースハリアー」が再び甦る!? 初公開の新要素などに迫る!!

奥成プロデューサー(左)と堀井社長(右)
12月18日 発売

価格:3,980円(税別:パッケージ版/DL版)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)

 12月18日、ニンテンドー3DS向け「セガ3D復刻アーカイブス」がリリースされる。これまでダウンロードタイトル「セガ 復刻プロジェクト」として、「3D スペースハリアー」から「3D サンダーブレード」までを手がけてきたセガとエムツーのタッグによるパッケージタイトルだ。

 本誌で(結果的に)連載(となった)インタビュー記事をご覧になられてきた方々には「あれ? セガ 3D復刻プロジェクトは『3D サンダーブレード』で終わりになったんじゃないの?」、「第3期は未定だったんじゃないの?」、「なんでパッケージ版が出るの?」という疑問をお持ちの方も多いと思われる。そこで、改めて製作途中のお忙しい中、セガの奥成洋輔プロデューサー、そしてエムツーの堀井直樹社長にお話を伺う機会をセッティングしていただいた。

 インタビューの場に選ばれたのは、セガの体感ゲームをはじめとするビデオゲームなどが眠る倉庫。なぜこの倉庫が選ばれたのか……は後々ご紹介するとして、その模様をお伝えしていこう。

【収録タイトル】
「スペースハリアー」
「ファンタジーゾーン オパオパブラザーズ」
「アウトラン」
「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」
「エコー・ザ・ドルフィン」
「ザ・スーパー忍II」

ターゲットは「セガ 3D復刻プロジェクト」を知らない方

―― まず、「セガ3D復刻アーカイブス」がリリースされることになった経緯を教えてください。

奥成氏: 「セガ3D復刻プロジェクト」のシリーズを総括するメモリアルソフトとして、より多くのお客さんにシリーズの存在を知ってもらおうという企画です。「セガ 3D復刻プロジェクト」は、「3D サンダーブレード」でいったん終了したのは前回のインタビューでお話した通りなんですけど、次が作れないなら、別の方向で展開してみようと。

 きっかけは、第2期を制作している頃、第3期をそのまま続けるのは難しいぞ、と思っていたところに、うちの営業部のほうから「パッケージ版をやらないか?」という提案を受けたんですね。

 「せっかくいいもの作ったのにダウンロードソフトのままで終わるのはもったいない。パッケージでも出そうよ」って言うんですよ。僕はここ数年、ダウンロードソフトばかりをメインで手がけてきたので、その辺の感覚が鈍っているということもあったんですが、「ニンテンドー3DSを持ってらっしゃる方の中には、そもそもネットワークに接続されていない方もまだいるだろう、Wi-Fi環境はあっても、ニンテンドーeショップまでたどり着いていない方々がまだいらっしゃるだろう」と。

堀井氏: PCとスマホはつないでも、3DSは(ネットワークに)つないでらっしゃらない方はいそうですよね。

奥成氏: そんないろんな理由でダウンロードソフトを買ってらっしゃらない方がいるだろうし、「そもそも『セガ 3D復刻プロジェクト』のタイトルがリリースされてきたことすら知らないという方がいるだろう」と。彼らはそう言うんです。

 それと、「ダウンロードソフトの場合、例えばCMを打ったり、広告を打ったりということができないが、パッケージソフトの場合、店頭においてあればそれは宣伝と同じ」と彼らが言うんですね。

 プレイステーション 2の「SEGA AGES 2500」シリーズを続けていた時もそうだったんですが、お店に置いてもらえれば、廉価ソフトなので長い期間おいて頂くことが多くて、いずれお客さんがパッケージを目にする機会があって、買っていただけることもあったんです。お店の方も、ちょこちょこ売れる単価の安いソフトなので、置いてくれる、という好循環があった。最後に出したPS2の「ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」はいまだにリピートがかかっているみたいなんですよ。リリースしたのは2008年ですから、もう6年前なんですけど。

堀井氏: すごいなー。

奥成氏: そういう形の売り方もあったなと。ソフト自体は自信を持って送り出しているので、「セガ 3D復刻プロジェクト」を知らないお客さんの手に届くのであれば、「いいチャンスだな」と思いまして。

 そもそも、このプロジェクトはWiiのバーチャルコンソールから発展した形でプロジェクトが立ち上がったんで、最初からダウンロードソフトとして展開してきたものです。1タイトルなりまとめてなり、パッケージ化というのは想定していませんでした。

―― 開発当初から、最後にパッケージ版としてまとめて出すつもりはなかったと。

奥成氏: そうですね。最初の8タイトルが何とか出せて、そのあと5本も何とか続けていけるということができて、続いてきたシリーズなので。

―― 私個人も「3D サンダーブレード」でひとつの区切りが付いたと考えていましたので、インタビューもそういった形で締めさせていただきました。

奥成氏: その一方で、「パッケージ版を出してください」という声も昔から何度かいただいていて。「でも、ダウンロードソフトなんで難しいですね」という話をしていて……。パッケージ版を作るということは、ダウンロードソフトにはないリスクを負うことになりますし。

 今回、営業部の後ろ盾を得られたことでパッケージ版を出すことができるので、そういった一部のお客さんの声にも応えられるかな、というところもありました。

 前回「3D サンダーブレード」のインタビューを収録した7月時点では企画も通せるかどうかわからなかったのでお話することはできませんでしたが、最後のひとことで言った「何度でも甦るさ!」という言葉に込めた気持ちのひとつはこれのことです。

―― ネットワークにつなぐのが当たり前、というお客さんがいる一方で、ダウンロードソフトの敷居の高さというものは、現在も確実にあると思います。

奥成氏: 店頭で品定めするというお客さんの層はいらっしゃって、そのうちニンテンドーeショップには行かないお客さん、というのもまだいらっしゃるのかなと。

 それで、営業サイドと話を詰めていった中で、まず最初に出てきたのは、「3,980円で行きましょう」という話です。ソフトの価格帯というのは重要なポイントなので、今回は5,000円以上の価格で売るような商品ではなく、廉価な価格帯の商品にしましょうと。

 最初の提案として価格が決まったので、それなら、その範囲でソフトをチョイスしていこうと。「ダウンロード版を買ったお客さんが損をしたように思わないボリュームで、かついろんなジャンルのソフトを入れていきたい」ということで検討しました。

 シリーズ内のジャンルとして、1番多かったのは3Dシューティングでしたから、まずそこから「スペースハリアー」、そして2Dシューティングからは「ファンタジーゾーン」、レース/ドライブから「アウトラン」、ベルトアクションから「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」……横スクロールアクションから「ザ・スーパー忍II」、あとはアドベンチャーで「エコー・ザ・ドルフィン」という形で6本を選んでいきました。

 ダウンロード版の価格で計算しても、これで4,000円程度になるので、ちょうどいいなと。営業部長からは「最初からこのラインナップをそろえたら、次に困るんじゃない?」って冗談で言われたんですけれども、出る計画のない2本目まで考えても出し惜しみになるので……。

 これは私個人の反省なんですが、かつてPS2で「セガ メモリアルセレクション」(※)という5本のゲームのオリジナルとアレンジを入れたゲームを出したんですが、「これはシリーズでリリースできるかもしれないから、最初は初期のものから」って言って始めたら、初期すぎたからか「収録されているゲームのどれも知りません」と言われちゃって全然売れなくて(笑)、次が作れなかったんですよ……。それで「出し惜しみしてはいけない」という気持ちがありまして。今回は第2作目というところはあまり考えず、ジャンルと人気で選んでみました。

「セガ メモリアルセレクション」……「ヘッドオン」、「トランキライザーガン」、「「ボーダーライン」、「コンゴボンゴ」、「どきどきペンギンランド」とアレンジバージョンを収録。「PlayStation 2アーカイブス」で配信されている。

―― なるほど。

奥成氏: それから最終的に社内の承認が出たのが8月の下旬で。「3D サンダーブレード」はもちろん開発は終わってましたし、本当にいったんプロジェクトは終わっていたんです。

 それからなんとかプロジェクトが蘇生して、今まさにがんばって作っているというところです(このインタビューは9月の下旬に収録された)。

堀井氏: いまだに冬野(灰馬)さん(※)と「3D サンダーブレード」の打ち上げもできてませんからね。

※冬野灰馬氏……「3D アフターバーナーII」、「3D サンダーブレード」でビジュアルデザイン等を担当。

奥成氏: 年末発売を目標に置いたので、いきなりクライマックスになっちゃったんで。

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(佐伯憲司)