★PS3ゲームレビュー★
発売初日に国内出荷50万本を記録!
15周年記念タイトルがPS3でリリース!
「PlayStation 3 TALES OF XILLIA X EDITION」
ジャンル:
  • 揺るぎなき信念のRPG
発売元:
開発元:
プラットフォーム:
  • PS3
価格:
8,379円
発売日:
2011年9月8日
プレイ人数:
1人(戦闘時のみ1~4人)
レーティング:
CERO:B(12才以上対象)

15周年記念タイトル「テイルズ オブ エクシリア」が遂に発売! この秋、1番の話題作と言っても過言ではないだろう

 9月8日、株式会社バンダイナムコゲームから、「テイルズ オブ」シリーズ15周年記念タイトル「テイルズ オブ エクシリア」が発売。通常版だけでなく、オリジナルデザインのPSを同梱した「TALES OF XILLIA X(クロス) Edition」も同時に発売されている。

 本作は15年も続いている人気RPGシリーズの最新作で、浜崎あゆみさんの書き下ろしテーマソングや新宿マルイワンとのアパレル製品とのタイアップなど話題性も非常に高い。発売初日に国内出荷50万本を記録しており、現在プレイしている方も多いことだろう。

 プレイするにはゲームデータのインストールが必須。インストールには本体HDDの空き容量が2,300MB以上必要で、CECH-2500Aの環境でインストールには約4分かかった。ロード時間は待たされていると感じさせることがなく、町での家屋の出入りもスムーズだった。

 早速、本作の魅力を紹介していきたい。



■ 選べる2人の主人公!キャラクターデザインは藤島康介氏、いのまたむつみ氏が担当!

精霊術による文化を基盤として発展した世界、リーゼ・マクシア。
そこには人間と多くの魔物、そしてあまねく精霊たちが存在していた。

人間は、脳の「霊力野(ゲート)」と呼ばれる器官から、
世界の根源エネルギーである「マナ」を発することができ、
マナを糧として生きる精霊は、人間からマナを受け取り、その見返りとして術を発動させる。
これが精霊術の仕組みであり、
この共生関係こそが、リーゼ・マクシアの文明の根幹を担っていた。

精霊術は、人により得手不得手があるものの、
誰もが使える一般技術で、生活の隅々にまで浸透していた。
照明を灯すこと、家を建てること、大きな船を動かすこと、
すべてを行っているのは精霊術である。

しかし精霊の姿そのものは、特別な方法で実体化していない限り、
人間の目でとらえることは難しい。
日常的に精霊術の恩恵にあずかってはいても、
実体化した精霊を見ることは非常に稀である。
そんな精霊たちを、太古から束ねる主は、
元素の精霊マクスウェルだと言われている。

 人間は脳の霊力野からマナを発し、精霊に与え、精霊はその見返りとして精霊術を発動してくれる。これが当たり前となっている世界、リーゼ・マクシアが本作の舞台。ある日、王都イル・ファンの病院で研修中のジュード・マティスは担当教授が仕事で向かったという軍の研究所を訪ねる。一方、下界の様子を伺っていた精霊ミラ=マクスウェルは、イル・ファンで大量の精霊が1度に消滅したことを感知。精霊と人間に危機が迫っていると判断し、真偽を確かめるべく、イル・ファンへと向かう。精霊消滅の原因と思われる軍の研究所へ侵入を試みようとしていたミラはジュードと出会う。成り行き上、2人は研究所で行動を共にし、ジュードは教授の姿を、ミラは精霊消滅の原因を求めて探索するも研究所は異様な雰囲気に包まれていた。2人は厳重に閉ざされた扉の奥で、軍の最重要機密を知る。これにより、2人は重罪人として追われる立場になってしまう。

 本作ではゲームスタート時にジュード・マティス、ミラ=マクスウェルの2人から主人公を選択する。一緒に冒険する仲間なので、どちらを選択しても軸となる部分は同じだが、それぞれが違う場所にいる際のエピソードなどは選んだ主人公により異なる。2人の視点からストーリーが楽しめるわけだ。

 「テイルズ オブ」シリーズ誕生15周年を記念するだけあって、本作ではこれまでのシリーズとは大きく異なる点がいくつもある。その1つが、ジュードは藤島氏、ミラはいのまた氏のように、キャラクターデザインを藤島康介氏、いのまたむつみ氏の2名が担当していること。両氏の描く個性的で魅力的なキャラクターが見事に調和している。また、頭身が上がったことも本作の特徴的な点といえるだろう。

ジュード・マティス
CV:代永 翼
戦闘タイプ:拳法使い
本作の主人公。まだ幼さの残る少年だが、医師になるべく、1人故郷を離れ、王都イル・ファンの医学校で学んでいる。現在はインターンとして研修中。賢く冷静で、何事も要領よくこなす優等生だが、物事の割り切りも早い、いまどきの子。一方で、お節介ともいえるほどの世話焼きな面もあわせもつ。そのせいで何かとやっかいごとに巻き込まれがちな、お人好しである。争いごとは好まないが、戦いにおいて優れた集中力を発揮し、仲間のピンチを救う事も多い。自分にはない、特別な使命感を持ったミラに憧れの念を抱き、力になりたいと思うようになる
ミラ=マクスウェル
CV:沢城みゆき
戦闘タイプ:術剣士
本作の主人公。地水火風を司る四大精霊を従え、自らを精霊の主マクスウェルだと名乗る謎の女性。性格は冷静沈着。世界を律する精霊マクスウェルとしての責任感が思考の基準となっており、使命を果たすための行動には一切の迷いがない。同時に、なすべき事をなそうとしない存在を嫌悪する。精霊としてかなりの英知を持っているものの、人間的な生活能力は皆無。人間やその文化に対する好奇心が旺盛で、ひとたび興味をもつと徹底的に知りたがる。使命に臨む場面以外では、かなり天然かつ、素直である。ジュードと出会い、共に旅をするうちに、少しずつ人間の感情を理解するようになる
アルヴィン
CV:杉田智和
戦闘タイプ:銃剣士
自称「フリーの傭兵」。リーゼ・マクシア各所を渡り歩いてきたと言うだけあり、その腕は確か。誰に対しても気さくでフランクに接し、常に大人らしく余裕ある態度を見せる。勝手気ままに行動しているように見えて、実はかなり計算尽くなところがある。他人の気持ちを敏感に感じとり、相手が望んでいる言葉や行動を選んで返すのが得意。その一方で、自分自身のことは多く語らず、親しげな態度の裏に、本心をうまく隠してしまう。お金で動くと言いながら、ジュードたちに同行するのには、何か目的があるようだが……
レイア・ロランド
CV:早見沙織
戦闘タイプ:棍術使い
ジュードの幼馴染で、明るく元気、感情表現豊かでさっぱりした性格。家族で営む宿屋の看板娘を務めつつ、ジュードの実家の治療院で、看護師見習いをしている。相手を思いやる優しい心の持ち主だが、そのために気を使いすぎて、悩みを抱え込んでしまうことも。格闘技やスポーツなどの勝負事に目がなく、すぐに盛り上がって熱くなるが、勝ち負けの結果よりも、全力を尽くして努力することが大事だと考えている。失敗して凹んだりしながらも、いつも一生懸命さを失わない頑張り屋さんである
エリーゼ・ルタス
CV:堀中優希
戦闘タイプ:精霊術士
12歳という年齢には不相応なほど、高度な精霊術を使いこなす少女。いつも「ティポ」という、しゃべって動く不思議なぬいぐるみを抱えている。特殊な環境で育ったため、対人経験が極端に少なく、会話の距離感をはかるのが苦手。初対面は特にもじもじしてしまうが、それは人馴れしていないだけで、決して人嫌いではない。友達という存在に強い憧れを持っている。そのため、初めて友達だと言ってくれ、広い世界に連れ出してくれたジュードたちに信頼を寄せ、なんとか役に立とうと頑張る
ローエン・J・イルベルト
CV:麦人
戦闘タイプ:精霊術士
大国ラ・シュガルの高級貴族の1つである、シャール家当主に仕える老執事。どんな時も落ちついていて、丁寧で品のある物腰を崩さない。精霊術を得意とし、一行を力ではなく、経験と作戦でフォローするブレイン的存在であると同時に、緊迫した空気を冗談でさらりと緩めたりする、お茶目なムードーメーカーでもある。幅広い知識と、卓越した分析力、状況判断力を持ち、一手先を読むことに長けている。時折垣間見せる鋭い眼光には、普段の柔和な表情からは想像もつかない迫力がある

オープニングやゲーム中に挿入されるアニメーション製作は、ufotableが担当。馬場プロデューサーいわく「15周年ということで、アニメにも新しいものを取り入れたい」ということでufotableに依頼したそうだ。また、テーマソングは浜崎あゆみさんが歌う「progress」。浜崎さんに本作の膨大な資料を渡し、書き下ろしてもらった楽曲で、「progress」の初回生産特典にはミラ専用の衣装「歌姫」のプロダクトコードが封入されている


■ 2人をペアにして戦う新たなバトルシステムを採用!

 シリーズ従来のアクション性の高いバトルシステムはそのままに、本作では2人のキャラクターをペアにして戦うDR-LMBS(ダブルレイド リニアモーションバトルシステム)やリンクモードが搭載されている。

 通常、マップを徘徊する敵シンボルに接触すると戦闘へと突入する。敵シンボルの背後から接触するとアドバンテージエンカウント(敵にダメージを与える)、気づかれない状態で接触するとアドバンテージエンカウント+(敵にダメージを与え、気絶状態に)となり、有利に戦闘できる。逆に敵に背後を取られるとバックアタックエンカウントとなり、敵に囲まれた状態で戦闘に突入してしまう。さらに、敵シンボルとの接触する際、近くに別の敵シンボルがいると、エンカウントリンクとなり、それらの敵シンボルに含まれる敵が同時に戦闘に出てきてしまう。

 敵シンボルに走って近寄ると足音を感知してこちらに向かって走ってくる。その移動速度はプレーヤーキャラクターより早くはないし、一定時間で停止するので逃げるのは簡単だ。アドバンテージエンカウント+を狙うなら、歩いて近寄るか、一定時間逃げて停止した敵シンボルに背後から接触すればいい。アドバンテージエンカウントであれば、走りながら旋回して背後を取れば、歩いたり、一定時間逃げ回るよりは短い時間で戦闘突入できる。

フィールドを徘徊する敵シンボルに接触すると戦闘になる。背後から接触すればアドバンテージエンカウントとなり敵にダメージを与えて戦闘がスタート。さらに敵に気づかれずに背後から接触すればアドバンテージエンカウント+となり敵にダメージを与え、気絶状態に陥らせることが可能

 戦闘はリング状の戦闘フィールドで行なう。操作するキャラクターはターゲットとした敵を中心に行動する。画面左に操作キャラクター、右に敵がいる場合、左アナログスティックの←で後退、→で前進、↑でジャンプする(↓は移動には使わない)。左上や右上に入力すると入力方向にジャンプする。誤ってジャンプしてしまう方は、操作モードを「マニュアル」から「セミオート」に設定したり、左下や右下と意識して入力すれば、ジャンプせずに移動できるので試していただければと思う。

 ○ボタンで通常攻撃、×ボタンで術技攻撃を繰り出す。通常攻撃は連続して入力すればコンボとなり、←/→/↑/↓と同時に入力することで攻撃が変化。打ち上げたいなら↑方向と、ダウンさせたいなら↓方向と使い分けられる。術技は武身技、精霊術、奥義といった強力な効果のあるもので、×/↑+×/←→+×/↓+×、左アナログスティックの上下左右の計8種セットできる(特定条件を満たせば最大16種セット可能)。これらの行動にはACとTPというポイントが必要になる。ACは通常攻撃、術技で消費され、どの行動でも1ポイントを消費する。消費したポイントは行動後に自動で回復する。TPは術技発動に必要なポイント。1回術技を発動すると、AC1と、術技に応じたTPが同時に消費され、ACがなくなるまで連続して行動できる。TPは通常攻撃で回復できるため、基本は通常攻撃×n→術技とつなげることで、効率良く戦闘できる。

左スティック、○ボタン、×ボタンの操作が戦闘の基本となる。これらの組み合わせで気持ちよく、連続攻撃を決めることができる。もし、ボス戦では全滅してしまってもメニューでセットアップしてから戦闘からやり直すことが可能なのが嬉しい

 本作ならではのペアでの戦闘を行なうにはキャラクター同士をリンクさせる必要がある。リンクは方向キーで行ない、画面下に表示されているキャラクターと同じ方向に入力すれば、その相手とリンクできる。リンクするとキャラクターの枠が青or緑色になり、キャラクター同士がその色の線で結ばれる。バトルには4人が参加できるので、最大で2つのペアが形成されることになる。

 リンク状態で攻撃をヒットさせると画面左の共鳴術技(リンクアーツ)ゲージが上昇。ゲージ上部にある剣のアイコンが光ったら共鳴術技の準備完了。術技を繰り出し、キャラクターに剣のアイコンが表示された際にR2ボタンを入力すれば2人が協力して共鳴術技を繰り出す。非常に強力なので惜しみなく使っていきたい共鳴術技だが、共鳴術技となる技の組み合わせは、ジュード:三散華+レイア:三散華=六散華、ミラ:コンディムネイション+アルヴィン:ヴァリアブルトリガー=爆陣散画などと決められているので、リンクする相手との繰り出せる共鳴術技を把握し、セットしておくことが重要だ。

共鳴術技ゲージ上部にある剣アイコンが光ったら共鳴術技のチャンス。共鳴術技対象技を繰り出し、キャラクターの剣アイコンが光ったらR2ボタンを入力すれば共鳴術技が発動する。攻撃系だけでなく、回復系の共鳴術技も存在する
どの術技が共鳴術技となるかはメニューからチェック可能。事前に確認して、操作キャラクターの術技をセットしたい操作キャラクター以外のキャラクターには細かな作戦指示、オートアイテムの設定が行なえ、賢く行動してくれる。また、全てオートにして戦闘を任せることも可能だ。オートで動くキャラクターを見て、戦い方を勉強するといった使い方も

 さらに共鳴術技ゲージがMAX(5段階)の状態で共鳴術技を繰り出すとオーバーリミッツ(OVL)状態となる。OVL中はACを消費せず行動が可能で、攻撃を受けても仰け反らなくなり、連続して共鳴術技を繰り出す共鳴術技チェインが可能に。共鳴術技チェインは同じ共鳴術技を2度使うことはできず、入力時間もそれほど長くないので、素早く異なる共鳴術技可能な術技を繰り出す必要がある。ちなみに共鳴術技チェイン中にリンク相手を変更し、共鳴術技チェインをすることもできる。状況に応じて、回復系共鳴術技を挟むことなどができるので有効利用したい。なお、通常時は共鳴術技を使用してもゲージが減っていくことはないが、OVL中は時間経過でゲージが減り、0になるとOVL状態が解除される。

共鳴術技ゲージMAXで共鳴術技を繰り出すとOVL状態になり、共鳴術技チェインが可能に!素早く次の共鳴術技を入力し、チェインさせて大ダメージを与えよう

OVL状態で奥義を当て、○ボタンを入力し続ければ秘奥義が発動。高威力な秘奥義は、その演出も見ものだ

 OVLは共鳴術技チェインだけでなく、大きなダメージが期待できる秘奥義が使える点でも重要。秘奥義を出すには、OVL中に奥義をヒットさせ、○ボタンを押し続ける必要があり、秘奥義を出すとOVL状態は解除される。このため、OVL中は共鳴術技チェイン(共鳴術技ゲージがなくなる前にチェインを終了)→秘奥義とすれば、共鳴術技チェインだけでゲージを使い切るよりも高いダメージが与えられる。奥義をヒット→秘奥義の流れは秘奥義を使ってくる一部の敵にも当てはまるため、そのような敵と戦う場合には敵OVL中の奥義を受けないようにしたい。OVL状態解除まで逃げ回れば確実だ。


 リンクするメリットは共鳴術技だけではなく、リンク対象からサポートを受けることができる。ジュードならダウンさせられた際、回復してくれる「レストア」、ミラなら一定確率で敵を拘束してくれるバインド、アルヴィンなら敵のガードをブレイクし、気絶状態にしてくれる「ブレイカー」、エリーゼなら一定確率で敵からHPとTPを還元してくれる「ティポドレイン」、ローエンなら敵の術攻撃時にマジックガードを発生させてオートでガードしてくれる「オートマジックガード」、レイアならダウン状態の敵から一定確率でアイテムを盗んでくれる「アイテムスティール」とキャラクター毎にサポート内容が異なる。頻繁にガードしてくる相手ならアルヴィン、アイテムを集めたいならレイアと、敵や状況に合わせてリンク対象を切り替えていくといいだろう。さらにリンクすると敵を挟みこむ形となり、背後から攻撃を与えるとクリティカルが発生しやすく、高いダメージを与えやすい。気絶状態を解除してくれるというメリットもある。

リンク対象により、サポート効果が異なる。戦闘中でも控えにいるメンバーとすぐに交代できるので、敵や状況に合わせてリンク対象を変えていきたい

 リンク対象だけでなく、操作キャラクターも自由に変更可能。それぞれのキャラクターは戦闘タイプ、習得する術技などが異なり、別のキャラクターを扱うだけで戦闘の印象が大きく変化する。先ほどサポートについて述べたが、サポートとは別にそれぞれのキャラクターには特性というものがある。ジュードなら敵の攻撃をバックステップで回避すると一瞬で背後に回りこむ「集中回避」、ミラなら術を使用する際、×ボタンを短く押すと魔技と呼ばれる技に変化し、×ボタンを長く押すと術になる「魔技」、アルヴィンなら技を使用した後、×ボタンを押し続けると銃と剣が合体したチャージ状態になり、全ての技が強力に変化する「チャージ」、エリーゼならアピールすることでティポ(エリーゼがいつも抱えている、しゃべるぬいぐるみ)がエリーゼにくっついたり、離れたりし、術や技に影響を及ぼす「スイッチングティポ」、ローエンなら術使用後にキー操作をすることで術に変化を起こす「術後調律」、レイアなら敵の攻撃をバックステップで回避すると一定時間、武器が光を纏いリーチが長くなる「活伸棍術」と様々で、これらを有効活用することで、キャラクターの性能をより引き出すことが可能となる。

 操作キャラクターを変えずともゲームを進めることはできるが、変えることで戦闘の印象がガラっと変わり、新鮮な気持ちで戦闘に臨める。闘技場という施設ではシングル戦という1人で戦うバトルもあるので、1度は試していただければと思う。



■ 新育成システム「リリアルオーブ」により、成長させるパラメーターの優先度をプレーヤーが決められるように!他にも多くの育成・強化要素が!

 育成・強化要素として本作からリリアルオーブという新システムが追加された。リリアルオーブはレベルアップで獲得したGPを消費して、網目上に配置された腕力、体力、知性といったノードを開放し、キャラクターを育成するシステム。1番最初に開放できるノードは中心に近いものからで、それ以降は開放済みノードに隣接したノードが開放できる。また、各ノードに囲まれているスキルや術技は周囲のノードを全て開放すると習得できるようになっている。開放するノードは自由なので、育成するパラメーターや術技などの優先度を自分で決められるわけだ。

一定以上のノードを開放すると、リリアルオーブが成長し、外側に新たなノードが追加されていく。さらに成長をさせていけば、2枚目のリリアルオーブが追加される。なお、どう開放していいか決められない方や6キャラクター全てをやるのは面倒という方には、オートナビ(自動でノードを開放してくれる機能)が便利だ

 リリアルオーブで開放したスキルは、ストレングス(腕力が5%アップ)、ウェルガード(ガード時のダメージが50%軽減)、エアリアルガード(空中でガード可能)、メンタルアップ(戦闘終了時に1%の確率で最大TPが1%アップ)、リミッター(OVL状態が2秒長くなる)といったものがあり、ステータスアップ、アクション追加、リンクモード強化などその効果は様々。中にはリンクしたパートナーにも影響のあるスキルも存在する。それぞれのスキルにはSPが設定されており、キャラクターの最大SPの範囲内でスキルをセットすることができる。

スキルのセット次第でキャラクターの性能は大きく変化する。序盤、スキル数や最大SPは少ないが、リリアルオーブを成長させることで増加していく。どんな組み合わせが良いか迷ったなら、攻撃タイプ、防御タイプ、バランスタイプと、選んだタイプに合ったスキルを自動でセットしてくれるおすすめ機能を使ってみるといいだろう

 本作での装備箇所は武器、頭防具、体防具、装飾品の4つ。これらの装備はショップやダンジョンなどで入手できるのだが、一風変わっているのがショップの品揃えがストーリー進捗や町に依存していない点。ショップビルドというシステムが採用されており、ショップに素材を納品、ガルド(ゲーム内通貨)を渡す、買い物をすることでショップレベルが上昇し、新アイテムが追加され、追加されたアイテムが割引されていく。ガルドでのショップレベルアップは効率が良くないので、素材を納品してショップレベルを上げて、ガルドで追加されたアイテムを購入するのが基本的な流れだ。極端な話、ガルドでもショップレベルは上げられ、装備にはレベル制限がないため、ガルドさえあれば、低レベルであっても強い装備が使えるシステムになっている。

ショップに素材やガルドを納品することでショップレベルが上昇。アイテムが追加され、追加されたアイテムが割引されていく。ショップは道具屋、武器屋、防具屋、装飾品屋、料理屋があり、納品時にはショップ毎により多くポイントが得られるボーナス素材カテゴリが設定されている。ボーナス素材は時間経過や戦闘で変化する

 シリーズに欠かせない料理だが、今回は作るといった要素はなく、アイテムとして使用する。料理には、戦闘後にHPやTPが回復、戦闘中に物攻、魔攻アップといったステータス強化、取得経験値やガルドアップの主に3パターンの効果がある。連戦なら回復系、強敵相手ならステータスアップ、稼ぎたいなら取得経験値やガルドアップなど、状況に合わせて食べる料理を決定したい。それぞれの料理には効果とは別に、効果時間が設けられている。効果時間は戦闘回数で、決められた戦闘回数をこなすと料理の効果がなくなる。序盤のお金がない時機だと頻繁に使うのは難しいが、ある程度お金に余裕が出てきたら使っていきたい。

取得経験値やガルドアップなど、食べておいて損のない料理。戦闘回数制限を効率良く消化したいなら、わざとエンカウントリンクさせるのも手だ


■ アタッチメント、サブイベント、称号、GRADEによる周回プレイ、DLCなど、長時間遊べる要素が満載!

 戦闘、レベルアップ、リリアルオーブ、スキル、ショップビルドと、これまで紹介した以外にも、やり込み、お楽しみ要素が多数存在する。

 キャラクタービジュアルを楽しみたい方にオススメなのがアタッチメントとパーソナルの着せ替え要素。アタッチメントでは頭や体に付けるアイテムを最大3箇所に付けることができ、パーソナルでは髪型と衣装が変更できる。アタッチメントのアイテムは、頭や右手など、アイテム毎に装備箇所が設定されており、セットするだけで着せ替えが楽しめるのだが、驚きなのがアタッチメント編集機能のエディットの多様さ。基準位置調整、移動、回転、サイズ変更、カラー変更までが可能。同じアイテムであってもエディット次第で全く異なる印象に。

キャラクターの着せ替えが楽しめるアタッチメントやパーソナル。ステータスアップなどはなく、あくまで見た目だけだが、アイテム次第では別キャラクターかと思えるほどの変化が。アタッチメント編集機能を使えば、さらに個性的に自分だけのキャラクターを作ることができる

 メインストーリー以外に設けられたサブイベントでは、キャラクターや世界観をより堪能できる。ゆったり・じっくり楽しみたい方はサブイベントをクリアしながらゲームを進めてもらいたい。なお、一部のイベントはメインストーリーを進めてしまうと達成できなくなるので注意が必要だ。メインストーリーやサブイベントが発生するとメニューからアクセスできるイベントリストに追加される。メインストーリー、サブイベント、進行中、完了と閲覧しやすいよう分類されており、どんなイベントかの詳細を確認することもできる。

サブイベントは頭上に緑色の「!」が付いているキャラクターに話しかけることでスタートする。クリア報酬で、とても役に立つアイテムがもらえることも。進捗状況やイベント詳細はイベントリストで確認できるので、迷ったら確認してみるといいだろう

 全てのやり込み要素は称号に集約されている。称号に関わる要素は、ストーリー進捗、サブイベント達成数、出会ったモンスターの数、宝箱発見数、ショップビルド、最大連続ヒット数、術技使用回数、サポート発動回数、特定キャラクター同士の共鳴時間など多彩で、称号を得ると称号に応じたGRADEが獲得できる。GRADEはシリーズお馴染みのクリア後の特典に関わるポイント。各種引継ぎ、獲得ガルド2倍など、GRADEに応じて、特典を得た状態で周回プレイが楽しめる。

メニューのライブラリにある称号リストでは、存在する称号、獲得した称号、称号で獲得できるGRADEが確認できる。称号にトロフィーが付いているものは、称号だけでなくトロフィーも獲得できる。周回プレイではクリア後のセーブデータのGRADEを使うため、クリア後にGRADEを稼いでから周回プレイに臨むのも手だ。ライブラリでは称号リスト以外にも、チュートリアルが確認できるバトルブック、出会ったモンスター情報を確認できるモンスター記録、集めたアイテム情報を確認できるアイテム記録、登録されたロングチャットを確認できるチャットリスト、累計プレイ時間、最大連続ヒット数などの記録を確認できるレコードも存在する

 DLCも忘れてはならない要素の1つ。PlayStation Storeでは、9月8日からDLC第1弾として「STAR DRIVER 輝きのタクト」とのコラボ衣装、アタッチメント、ガルドなどが配信されている。中には「カラーバリエーション 衣装セット」、「冒険開始支援金」など、無料のDLCもあるので、プレイするなら忘れずにダウンロードしておきたい。今後、長期に渡り、様々なDLCが配信されていくと予想される。どんなDLCが配信されるかにも注目だ。



■ 最後に

 頭身が上がり、それに合わせて作られた世界、選べる2人の主人公、DR-LMBS・リンクモード・共鳴術技といったバトルシステム、リリアルオーブ、ショップビルドなど、随所に新しさを感じさせてくれる本作。今回紹介した以外にも、シリーズで初めてカメラが自由に動かせるように、進める場所に近づくと○ボタンが表示され、高い場所に登ったり、降りたり、狭い場所をくぐったりとマップアクションにより自由度の上がったフィールドやダンジョン、マップに入る度に再配置されるランダムトレジャー、移動中にキャラクターがつぶやくショートチャットといった新要素も存在する。マップアクションやカメラの自由変更により、従来より迷いやすくなっていそうと思われるかもしれないが、ミニマップや□ボタンで起動するマップが優秀な上、複雑な形状のマップや難しい仕掛けがないので、迷うことは1度もなかった。また、ワールドマップではタウン、ダンジョン、フィールドに瞬時に移動できるため、移動にストレスがない点もお伝えしておきたい。

 筆者のクリアタイムは28時間。短いと思われるかもしれないが、クリアしていないサブイベントは多く、称号もあまり獲得できていない。サブイベント達成、称号の獲得、ショップビルド、クリア後限定のダンジョン、別主人公での2周目、それ以降の周回プレイなどを考えれば、軽く倍以上は遊べると予想される。ボリュームは十分といえるだろう。

 美麗なアニメーション、豪華声優陣、アクション性の高いバトルシステムとシリーズの良さを活かしつつも、数多くの新要素が追加された本作。新要素により、複雑にならないよう配慮されている点も見事。15周年に相応しい仕上がりといえるだろう。


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(2011年 9月 22日)

[Reported by 木原卓 ]