バンダイナムコ、PS3「テイルズ オブ エクシリア」発売記念トークショーを開催

馬場プロデューサー「とにかく隅々まで見てほしい」


9月8日 開催

【テイルズ オブ エクシリア】

価格:8,379円
   32,980円(PlayStation 3 TALES OF XILLIA X(クロス) EDITION)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)



バンダイナムコゲームスの馬場英雄プロデューサー

 株式会社バンダイナムコゲームスは、9月8日、プレイステーション 3「テイルズ オブ エクシリア」を発売した。これを記念し、9月8日、10日に発売記念イベントを行なうが、8日朝、ヨドバシマルチメディアAkibaにて朝から開催された発売記念特別体験会&馬場プロデューサートークショーを取材してきた。

 10時から開催されたトークショーには、スタート前から多数の来場者が集結。ソフトをすでに購入済みの人も多く、PS3同梱版「PlayStation 3 TALES OF XILLIA X(クロス) EDITION」の大きな袋を抱えて来場している人の姿もちらほら見かけられた。

 馬場英雄プロデューサーが拍手で迎え入れられたトークショーは、「平日の朝一番で、どれだけの方にいらしていただけるのかなという思いと、長くかけて作ってきたタイトルなので、ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいなという思いと、来ていただいた皆さんはもうソフトを購入されていると思いますので、『早く遊びたい、早く帰りたい』って思っているんじゃないかなと思うんですが、そんな中残っていただいて、発売記念イベントにいらしていただいてありがたく思います」というあいさつからスタートした。

 発売を迎えた心境としては「ドキドキですよ。ほかのシリーズもそうですが、『TOX』も3年近く多くのスタッフと一緒に作り上げてきたんですね。この3年という月日の中で、小さなことから……物語や遊び、キャラクターの設定など、本当に時間をかけて作り上げてきたタイトルなんですね。たくさんのスタッフ1人1人の『TOX』への思いをシナリオや遊び、キャラクターに詰めて1つの作品として作り上げましたので、発売日を迎えることができて、『やっとここまでたどり着けた』ということと、あとは皆さんに実際に遊んでいただいて、『楽しかったよ』とか、『ここはもう少しこうしたほうがいい』だとか、いろんなご意見を遊んだ後にアンケートで素直な気持ちをお届けいただければな、と思います。とにかく、今日1日どれだけのお客さんに遊んでいただけるのか、ドキドキしています」とのこと。

 「エクシリア」というタイトルにこめられた思いに関しても改めて語られた。「造語なんですが、数え切れない数とか思い、という意味があるんですね。数え切れない数、物事というところに言葉をかけて、生きているといろんな人との出会いや出来事が人生で起きると思うんですよ。そういったさまざまの数あるものというものを、『エクシリア』という言葉にこめました」という。

 ここから観客への質問を絡めたコーナーへ話は進んだ。「『テイルズ オブ』シリーズを遊んだことのない人?」という質問は誰も手を挙げず、来場者はやはりシリーズ作のうちいずれかはプレイしているファンということのようだ。続いて「『TOX』のどこに惹かれた?」という質問には「藤島康介氏、いのまたむつみ氏2人のキャラクターデザイン」、「2人の主人公」といったところがまず挙がった。

 「2人の主人公」という要素について馬場氏は、「ジュードとミラ、それぞれ違った視点で物語を描いていますので、同じイベントでもどちらでプレイしたかによって違ってきます。よくゲームをプレイするとき、クリアするまでを1周、次を2周って数えるじゃないですか。『TOX』ではジュードでクリアして1周、ミラでクリアして2周というわけではなく、僕らとしては2人ともクリアしてもらってはじめて1周だと思っているんです。そういった意味ではすごく時間がかかると思いますので、じっくり遊んでいただければと思います。両方のエンディングを見たときに、『TOX』の世界、ジュードとミラ、ほかのキャラクタたちのことも含めて、いろんなことがわかってもらえるんじゃないかと思っています」とフォローした。

 初めてプレイするときの主人公はジュードを選択するという来場者が多かった。しかし、操作キャラはわりといろんなキャラクターにばらけていたようだ。好きなキャラクターに関しても、それぞれにしっかりファンがついていた。

 作品ごとのテーマをジャンル名にしているシリーズおなじみのジャンル名に関しては、「『テイルズ オブ』は基本的に勧善懲悪を描いてはいない。自分たちパーティキャラクターには彼らの正義がある。ボスや壁になってくるキャラクターたちも、単純に『悪』ではなく、彼らなりの正義を持っている。わかりやすく言うと、原点である『~ファンタジア』の『ダオス』ですよね。ああいう風に、価値観、考え方は違うんだけれども、それぞれ共存できないか、共存できないがゆえに、剣を交えていかなければならない、そういった思いを描いていきたいということと、メッセージを込めていきたい。RPGは物語がある以上、メッセージを入れていきやすいという特徴がある。例えば、『TOX』をプレイし終わったあとに、「何かがんばってみようかな」って思ってもらえるようなメッセージをそれぞれのキャラクターに託して描いている。『TOX』の“ゆるぎなき信念のRPG”というジャンル名は、僕らも含めて、一言でいうと簡単だけれど、実践するとなると難しい。ただ、その中で自分がやるべきこと、目標を持ったときに、あきらめずにやってみよう、がんばってみようという思いがあったら、これは僕らも一緒ですが、いろんなことがあるけれども、それに負けずにがんばってもらいたい。ゲームをプレイし終わったあとに、そういった気持ちになってもらいたいということでつけさせてもらいました」という。

 「TOX」で見てほしいポイントに関しては、「とにかくスタッフの自己犠牲で成り立っている。あたりまえのように土日に出社してくれたりして、とにかくがんばってくれている。そのスタッフ達の思いが隅々までこめられているので、すべての要素は必要だから入れたもの。すべて余すところなく見ていただきたいなと。1周目は急いで遊んでしまうかもしれないが、2周目をプレイする際など、時間があったら、イベントの最中などでもカメラを回して周囲に眼を配ってほしい。イベント版のスタッフ達が、いろんなところに遊び心で、遠くのほうでいろんなキャラクターたちが面白い行動をしていたりします。そういったものを見つける楽しみがあるので、違った角度で楽しめると思います」と語っていた。

 2人で協力して戦うことが可能な「DR-LMBS(ダブルレイド リニアモーションバトルシステム)」に関しては、本作が15周年記念タイトルになることが決まり、主人公が2人になるにあたって、これをゲームの遊びとして落とし込めないか、というところから始まったという。「一緒につながることによって、戦闘の楽しさが増えるというものを作ってみようよ」ということで作ったそうだ。AIも片側が正面から攻撃を仕掛けた場合、相方は背後に回って攻撃するような思考を持っており、「一緒に戦っている感覚を出している」という。

 最後に、来場者への感謝とともに「何回でもお伝えしたいのは、とにかくスタッフの思いが込められていますので、ジュードやミラと一緒に冒険しながら、その思いをぜひ感じ取っていただければ。そして最後に泣いていただいて、次の『テイルズ オブ』に向けて、皆さんのお声をいただけると、我々もがんばれますし。15周年記念タイトルですが、これで終わりというわけではなく、次の1歩に向けて進んでいきたいと思います。引き続き応援していただけますよう、心からお願いいたします」と語り、トークショーを締めくくった。


ヨドバシカメラAkiba1階には特設レジカウンターも用意されたトークショー終了後には試遊会も行なわれている。整理券方式となっている

(C) いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2011 NAMCO BANDAI Games Inc.

(2011年 9月 8日)

[Reported by 佐伯憲司]