「ディビジョン2」レビュー

ディビジョン2

実物と違わぬスケールのワシントンDCで、前作以上の密度の濃い戦いへと身を投じよう

ジャンル:
  • オンラインRPG
発売元:
  • ユービーアイソフト
開発元:
  • ユービーアイソフト
プラットフォーム:
  • PS4
  • Xbox One
  • Windows PC
価格:
8,400円(税別)より
発売日:
2019年3月15日

 ユービーアイソフトが贈る、オンラインRPG「ディビジョン2」が、3月15日に発売となった。前作から約3年、舞台を夏のワシントンDCへと移し、新たな戦いへと挑んでいくディビジョンエージェントの姿を描いた本作。今年に入り2度のベータテストが行なわれ、弊誌ではその都度レポートをお届けしているが、今回はいよいよ製品版のレビューとなる。

 過去のベータテストを踏まえて、製品版がどのように完成したのか、そしてベータテストでは一部しか行けなかったオープンワールドのワシントンDCの見どころ、そしてゲームクリア後のエンドコンテンツなどについても触れてみたい。なおこのレビューではプレイステーション4版を使用してのゲームプレイやスクリーンショットの撮影を行なっている。

ベータテストの成果を製品版に反映。懸念されたネットワーク障害も心配なし

 この「ディビジョン2」は、オープンワールドのTPSにRPGの要素を導入するという独自のゲームシステムを前作より継承し、一般的なTPSとは少し趣の違ったプレイフィールを備えている。アクション性の高いカバーシューターでありつつ、プレーヤーや敵にはレベルとHPの概念があり、条件が揃わなければ敵を1発で倒せるようなことは少なく、カバーリングを駆使しながら1体ずつ倒していくという戦闘が展開する。ステルスキルは実質不可能で、誰かを1人でも倒すと周囲の敵が必ず気づき、プレーヤーの場所を認識して攻撃してくるというのも、RPGのエンカウント的な仕様だ。

キャラクターは3人までクリエイト可能。いくつかのプリセットの顔から細かく調整もできる
エージェントがワシントンDCへ飛ぶ前の戦いが、操作のチュートリアルとなっている

 もちろんTPSとしてのゲームデザインがおろそかにされているようなことはなく、ヘッドショットや弱点を狙うことで大きなダメージを与えられるなど、腕によって有利な状況を作ることができ、さらに後述するスキルの使い方次第で立ち回り方を自在に変えられるなど、アクションゲームとしての完成度も高いものとなっている。

 なお、本作はオンラインRPGとジャンル付けされているが、ゲームプレイにオンライン環境が必要というだけで、マルチプレイが必須というわけではない。ソロでも問題なくゲームは進められるし、もしソロで進めるのが難しくても、ミッション開始時や途中で倒れてしまったときに、オンラインの誰かに援護を求めることもできる。ミッションなどをマルチプレイで進めるときは、プレーヤーの強さが標準化されるので、レベルの差を気にせずにプレイをすることが可能だ。

ワシントンDCの各地にミッションが出現。メインミッションを進めるとストーリーが進んでいく
敵に攻撃がヒットしたときに与えたダメージがポップアップするのもRPGらしい仕様だ

 事前に行なわれたプライベートベータ(予約購入者が対象)と、オープンベータ(希望者全員が対象)の2回のベータテストの成果は確実に反映されているようで、筆者が気づいた範囲の不具合は解消されていることがうかがえた。また、例えば前者の記事で筆者が触れた「OPTIONボタンで開くメニューのカーソルが最初に『ソーシャル』の項目に合っている」という点も改善(普通に押すとメニューが開き、長押しすればキャラクターの装備に直接アクセスも可能)されているなど、不具合以外の部分にも手が入っていたのは嬉しいところだった。

 また、前作を踏まえて懸念のあったネットワーク接続の不具合なども、3月12日のアーリーアクセス時から現在まで筆者がプレイした限りでは一度もなく、ベータテスト時に時折出ていたサーバ側の接続に関する警告なども見られず、プレーヤーは一安心といったところだろう。

たどり着いたエリアでは、ランダムでアクティビティが発生。クリアすれば報酬があるほか、コミュニティの発展に繋がる場合も

レベルに応じて強い装備を身に付けられる成長システムを採用

 プレーヤーとなるSHD(Strategic Homeland Division)エージェントは、敵を倒すと経験値を得て成長し、レベルが上がっていく。マップ上にあるボックスや倒した敵、あるいはミッションクリアなどで手に入る武器や防具にはレベルがあり、エージェントのレベルが上がればそれに準じて強い装備が手に入り、身に付けられるという仕組みだ。

レベルアップ時は装備が入ったキャッシュが手に入る。中にはレベルに準じた装備品が入っている

 彼らが使う「スキル」はディビジョンの科学力で作られたガジェットであり、規定のミッションをクリアする入手できる「スキル解除」と「SDHテック」というアイテムによって取得し、同時に2種まで装備が可能だ。特殊な電波を放出する「Pulse」、自動攻撃を行なう固定砲台「タレット」、無数の小型のドローンが攻撃や回復を行なう「ハイブ」、着弾点に薬品を散布する砲弾を撃ち出す「ケミランチャー」、敵にまっすぐ飛んでいって特殊な効果をもたらす「ファイアフライ」、球状の爆発物が敵に対して転がっていく「追尾マイン」、マルチコプターが目標を補足して様々な効果をもたらす「ドローン」、盾を展開して防御しながら攻撃を行なう「シールド」の8つのカテゴリがあり、それらがさらに複数の効果を持っていて、好みで解除と選択が可能だ。使用効果が発揮されたあとはスキルごとに異なるクールダウンの時間があるので、使いどころの見極めが必要となる。

スキル解除でカテゴリーと1つの効果を解除し、以降はSDHテックで別の効果を解除できる
スキルとは別に、常に効果が発揮される「PERK」もSDHテックで解除する。プレイスタイルに応じて選ぼう

 スキルは実際に取得してみないと使い勝手がわからないので悩みどころなのだが、ここでは筆者が実際に使ってお薦めと思ったものをいくつか紹介していきたい。まず最初に選んだのは、タレットの「アサルト」だ。これは前作にも存在したスキルで、周囲の敵を自動で攻撃してくれるだけでなく、スキルボタンで対象の選択が可能で、さらにある程度の耐久力があり、タレット本体が敵のヘイトを集めてくれるので、特にソロプレーヤーにとっては心強い味方となる存在だ。

 そして次に薦めたいのが、ケミランチャーの「レインフォーサー」。これはアーマーを修復するガスを噴霧するスキルで、マルチプレイ時の味方に対して撃つことで効果を発揮するが、スキルボタンを短く押すと自身を中心にガスが広がってその場でアーマーを修復できるのだ。アーマーキットのように完全修復はできないものの応急処置には十分で、他のアーマー修復効果のあるスキルよりもクールダウン時間が短く使い勝手がいい。ゲーム開始後はまず、この2つのいずれかを選んでみるのがいいかもしれない。

自分にも使えるレインフォーサー。連続で3回まで使え、1回ごとのクールダウン時間が短いのも使いやすい理由だ

 もう1つ面白かったのはハイブの「スティンガー」だ。これは配置または投擲すると効果範囲の中に敵が入ったときに無数の小さなドローンが飛び出し、敵に大ダメージを与えてくれるというもの。タレットと違うのは攻撃回数が決まっているため、複数の敵には向かないものの、ボスや名前付きなど単独の強い敵に対しては効果が高い。ただしクールダウンの時間が非常に長いので、使うタイミングが少々難しい。

 ちなみに前作にも登場し、筆者も愛用していた周囲の敵の位置を知るためのPulseの「スキャナー」は、効果範囲がかなり狭くなり、クールダウン時間も長いため、個人的に使う機会はグッと減ってしまった。これに限らず、本作のスキルは全体的にクールダウン時間が長く、前作よりも補助的な存在となった印象も受けた。

プレイスタイルによって使い勝手も違うので、いろいろと試してみよう

1/1のスケールで作られたワシントンDCを、観光気分で駆け回れる

 本作の舞台となるワシントンDCは、前作のニューヨーク以上に緻密に作り込まれている。ユービーアイソフトは“1/1スケールのワシントンDC"をうたっていて、実際にそれほどの広さと現実感を体感できるだろう。

作戦基地となったホワイトハウス。もちろん内部も見て回れる

 このワシントンDCには、最初に訪れるホワイトハウスの東西と南に、後述する「ダークゾーン」を含む16のエリアが存在している。エリアは全て地続きで、特別なイベントが関係しない場所には最初から行くことができるが、各エリアには登場する敵の初期レベルが設定されているので、レベル差のある場所で敵と遭遇すると瞬殺されてしまうので注意が必要だ。一方で敵のレベルはプレーヤーのレベルに準じて規定の数値まで上がっていくので、プレーヤーが強くなりすぎてヌルくなってしまうこともない。

昼夜や天候によって街の雰囲気も変わっていく
フォトモードを使うと、ワシントンDCの各ロケーションでの撮影が楽しくなる

 今回、ゲームプレイの参考のためにワシントンDCが掲載された旅行ガイドを買って眺めながらプレイしていたのだが、ベータテストのときのように普通にプレイするよりも俄然楽しめることがわかった。ホワイトハウスをはじめ、国立公文書館、アメリカ歴史博物館、航空宇宙博物館、リンカーン記念堂、国会議事堂など、実在する建造物がミッションとなっているときは、その内部なども含めどこまで再現されているのか比較するとともに、そのバックグラウンドもガイドブックで知ることができる。コミュニティの「シアター」や、メインミッションのある「ジェファーソントレードセンター」、「宇宙局本部」など、本作独自の名称が付けられている場所もモチーフとなる場所があり、そちらも同様に楽しめるはずだ。

ゲーム中盤の山場となる航空宇宙博物館。展示物もかなり忠実だ
ポトマック川沿岸にあるリンカーン記念堂。トゥルーサンズとの激しい戦いが展開
コミュニティのシアターは実在する「フォード劇場」がモデル

 その一方、本作ならではの、フィクションのワシントンDCが作られているのも醍醐味の1つであり、パンデミック後の崩壊から自然化が進む街並みや放置された無数の乗り物、エリアを支配する勢力によって不自然に改築された建造物など、現実を踏まえているからこそ、興味が沸いてくる点だと思う。

国会議事堂前に墜落したエアフォースワンは、敵のコントロールポイントだ
トゥルーサンズの基地として改築された国会議事堂は、恐らく最後に赴く場所
有名なウォーターゲート事件の舞台となったビルも存在。ここには入れないが、こういう名所を見つけるのも楽しい

 もう1つ面白かったのは、このワシントンDCの美術館や博物館に実物が保存されている有名な美術品や歴史ある遺物が、ゲームのコレクションアイテムとしてマップ内に散逸しているという点だ。ダ・ヴィンチやゴッホ、フェルメールの絵画や「水晶ドクロ」、「山木松の盆栽」など、ワシントンDCに由縁のあるものが道ばたや建物の中などに転がっている光景は、なんとも言えない味わいがあった。それぞれにもまた歴史があり、街並みと同様にバックグラウンドを調べてみると、ゲームの楽しさがさらに広がるはずだ。

発見した美術品は「アーティファクト」としてコレクションできる

 また、今回もマップ上には危険な隔離エリア「ダークゾーン」が設けられている。このワシントンDCのダークゾーンは3カ所存在し、単体では前作ほど広くはないが、その中に入れる建造物が数多く存在していて、迷路のような複雑な構造をしているため、慣れないうちは迷うこと必至だ。

この中では、特別な手順を踏まなくても自然にPvEやPvPが発生し、さらにエージェントがディビジョンの精神に一時的に反目する「ローグ」になれるなど、本編とはひと味違った遊びが展開する。基本的な内容についてはベータテストと同じだったので、詳細はオープンベータの記事を参照していただければと思う。

DZサウス、DZイースト、DZウェストの3カ所が存在。一般市民が立ち入らず、廃墟化が進んでいる

 今回のダークゾーンは、あくまでコンテンツの1つという位置づけという印象があり、装備のハクスラを楽しめる場所もここに限らないため、前作やベータテスト時と比較すると、他のプレーヤーと遭遇する機会が少々減ったように感じられた。時間帯などが関係していることもあるかもしれないが、何より本編が非常に面白く、ダークゾーンでなくともユーザーライクな環境でPvEやPvPを手軽に行なえるので、現状を割り切って遊ぶのが正解だと思う。今後のアップデートなどで、このダークゾーンに入るモチベーションが上がるような要素が追加されることにも期待したい。

「ランドマーク」に現われる敵の集団を倒すと報酬が手に入る

ワシントンDCを根城とする3勢力がエージェントに迫る

 このワシントンDCを根城としている敵勢力は3種類がいて、敵対するプレーヤーや他勢力に対して攻撃的な動きを見せる。マップには彼らの支配地域が表示されていて、メインとサイドの各ミッションやランダムで発生するアクティビティに出現する敵や、そしてエリアを徘徊している敵の種類は大まかに決まっている。

兵種によって異なる戦い方が必要となる場合もある

 「ハイエナ」は、このワシントンDCで恐らく1番最初に出会う敵で、アウトブレイク後に複数のギャングが共同の評議会を作ってできた組織だ。ガスマスクをしているのが特徴で全体的に細身のルックスで、戦闘の経験が乏しく、他の組織と比べるとまとまりがないのが特徴でもある。そのぶん怖いもの知らずで、死ぬのを恐れずプレーヤーの前に出てきて、その多くがスキップをするようにようにフラフラと近づきながら攻撃してくるので、狙いが付けにくく意外に手強い。序盤から強力なグレネードランチャーを撃ってくるような兵が存在するのも侮れない。

 「アウトキャスト」は、アウトブレイク発生時に強制的に隔離された市民が団結した組織で、自分たちを閉じ込めた者に対する報復という共通した意識を持っている。バイオハザードのマークが入った黄色っぽい色の衣服が共通の意匠で、隔離されたワシントンDCの西のルーズベルト島がその根城である。ハイエナよりも組織力が強く戦術にも長けていて、あまりこちらに近づかずに攻撃してくることが多いが、アウトブレイクによる感染者が爆発物を身に付けて自爆するという危険な兵も存在する。

 そして「トゥルーサンズ」は、前作の後に崩壊した国家組織JTF(Joint Task Force)に所属していた兵達で構成される非合法軍事組織で、その多くは軍隊や警察の訓練を受けていて実戦経験もある兵が揃っている。装備も軍のものを使っていて、黒塗りされたアメリカ国旗を身にまとっているという見た目の特徴がある。ゲームをプレイしていて特に手強かったのが、エージェントのスキルの1つ「ライオットフォーム」と同様の粘着性のある泡を吹き付けてくる「イモビライザー」と呼ばれる兵種で、誰よりも早く倒さないと一定時間動きが取れなくなり、その間に蜂の巣にされるという恐怖を筆者は何度も経験した。

 これらの敵は全てにおいて前作以上に賢く、カバー移動もかなり素早いので、全体的に手強くなっている印象がある。また勢力ごと兵種も大幅に増えていて、かなり個性的かつ強力な攻撃を行なってくる兵も存在するので、倒し方の順番を意識したり、有利なところまで退いたりするなどの戦略を考える必要がある。

名前の付いた敵はボス的な存在で、強敵だが倒すとアイテムをドロップすることが多い

プレイ実績がグループの実績となり、報酬を得られる「クラン」が登場

 本作のオンラインプレイは、マップに他のプレーヤーを招いたり、誰かのマップに赴いたりしてのミッション進行のほか、「コンフリクト」によるPvPモード、そしてダークゾーンでのリアルタイムマッチングなどが存在している。事前のインタビューなどで開発者から語られたレイドバトルに関しては現状まだ未実装のようだ。

 本作ではこうしたオンラインプレイにあたり、「クラン」という便利な機能が用意されている。クランは「ディビジョン2」のサーバ上に作られるプレーヤーのグループのようなもので、自分で作ることも、既存のものに参加することも可能だ。クランは原則として立ち上げたプレーヤーが管理者となり、名称やプロフィールの他、プレイスタイルや活動時間、ボイスチャットの有無、言語と地域などを設定して、プレーヤーはそれらを参考に参加することになる。また検索でヒットしない非公開のクランもあり、その場合は管理者からの招待が必要となる。

クランはシアターのイベントを進行すると、専用のスタッフがホワイトハウスに派遣され、参加できるようになる
主な参加方法は検索をするのが早い。好みの項目を選択すると該当のクランが表示される

 クランに参加すると、メニューからメンバーのオンライン状態がわかるようになり、通知などの表示設定も可能だ。メンバーとマッチングをしやすいというだけでなく、クラン参加後のプレーヤーが獲得した経験値はクラン経験値(CXP)に加算され、規定の量に到達するとクランのレベルがアップし、ボーナスを得られるようになっている。また週ごとのCXPの量や、メンバーのゲームプレイによるプロジェクトの達成により「ウィークリーキャッシュ」の報酬が獲得できるというお得な要素もあるので、ソロとマルチのどちらを主体としている場合でも、入っていて損はない。

オンラインのメンバーのIDをリアルタイムで確認できる。彼らと一緒にプレイすれば、必然的にCXPも多く入ってくる

クランはゲーム内から検索できる他、SNSや掲示板などでも管理者が募集をかけているので、そちらを参考に参加してみるのもいい。いい条件が見つからなければ、自分でクランを作るのもいいだろう。

クランメンバーの獲得CXP数ベスト3や、クランごとのランキングはホワイトハウスで確認できる

エンドコンテンツでは、新たな勢力「ブラックタスク」がワシントンDCを侵略する

 最後に本作のエンドコンテンツについて触れておこう。本作のプレーヤーであるエージェントはレベル30が上限で、メインストーリーもその上限に合わせた頃合いで一旦幕が下りるバランスで作られているわけだが、ゲーム自体はそこで終わらず、新たに「ブラックタスク」という新勢力がこのワシントンDCに「侵略」してくるストーリーが展開する。ブラックタスクは民間の軍隊で、元米政府のエリート兵で構成されている。黒ずくめの軍装で戦略にも長け、ドローンや小型戦車、軍用ロボットなどを使いこなす強力な兵が揃っている。

ワシントンDCのマップが不穏な赤黒い色になり、混乱に乗じて各地の拠点が敵に占領される

 これまでのメインミッションの舞台となった場所がブラックタスクに侵略され、新たに「侵略ミッション」が発生。それと同時に、これまでのストーリーで開放したコントロールポイントが再び敵組織の手に落ち、コミュニティが封鎖されるなど、ゲーム全体が混沌とした状況へと突入していく。

主なミッションと敵拠点がブラックタスクにて侵略される。同じ場所でも、展開はまったく異なっている
既存の3勢力が持たない戦闘テクノロジーを持っている

 プレーヤーのレベルは30で打ち止めとなるわけだが、ブラックタスクが現われた段階から世界は「ワールドクラス」へと突入。レベル30以上の強さの敵が出現するようになり、非常に危険な状況となるが、ディビジョン側も装備品のランクが「レベル」から「スコア」へと変わり、より強力なものが入手できるようになり、さらに「スペシャリゼーション」という、プレーヤーに特別な能力と強力な「シグネチャーウェポン」をもたらす3種類のロールが選べるようになるのだ。

 ブラックタスクの侵略以降は、“ハードモードな第2部"といった趣で、前作からのヘビーなプレーヤーにはここからが本番と捉える人もいる。難易度が高いぶん、装備品を集めるハクスラの面白さもさらにアップしていくので、心して挑んでみてほしい。

スペシャリゼーションはミッションをクリア時のポイントでツリーを選択できる。これはいつでも選び直しが可能

前作を超える完成度と、止めどきが見つからない面白さを兼ね備えた傑作

 2回のベータテストと製品版のアーリーアクセス時から、ずいぶんとプレイを重ねている筆者だが、今も飽きずにプレイできている事実が、本作の完成度の高さだと理解していただければと思う。ソロでももちろん進められるし、援護の要素やクランの存在により、気分でマルチプレイができる環境が整ったのも嬉しいところだった。

 発売以降のタイミングで、スキルに関する不具合が見られたものの現在は安定していて、今後予定されているアップデートでも細かな不具合は解消されていくはず。ゲームを始めるにはちょうどいいタイミングかと思うので、ぜひこの機会に、広大なワシントンDCでの戦いを堪能してほしい。