【特別企画】

「ディビジョン2」オープンベータテストレポート

PvPモード「コンフリクト」や、ダークゾーンにおけるローグの仕組みも紹介

【OBT】

3月1日~5日開催

 ユービーアイソフトが3月15日に発売する「ディビジョン2」のオープンベータテスト(以下、OBT)が、日本時間の3月1日18時より3月5日18時までの4日間に渡り開催された。

 今回は誰でも参加可能なベータテストで、2月に行なわれたプライベートベータテスト(以下、PBT)とほぼ同等の内容に加え、新たなミッションと新スキルなどが解禁となった。全体的な内容に関してはPBTのレポート記事で触れているので、本稿ではそれを踏まえてもう少し踏み込んだレポートをお届けしていきたい。なお、今回もまだベータテストの段階なので、仕様に関しては製品版で変わる可能性がある。

OBTはメインミッションが1つ追加された関係で、レベル上限が8に上がった

アンロックされた新たなスキル「ケミランチャー」に注目

 政府組織「ディビジョン」のエージェントとして、市民とともに崩壊したワシントンD.C.の秩序を取り戻すために戦う本作。ミッションの展開はPBTとほぼ同じながら、オープンワールドで展開する本作は行動に自由があり、以前とは違う流れを意識してミッションに挑んだという人も多いだろう。

 筆者も最初のホワイトハウスでの戦いは、周囲から回り込むことで、できるだけ敵と戦わずにホワイトハウス前にたどり着くことに成功した。またコミュニティとなるシアターの開放でアンロックされるミッションも、エージェントのスキルやPERKをアンロックできるアイテム「SHDテック」を優先して入手できるように進めておくと、後のミッションが少しだけ楽になるということもわかった。

スタート地点西側にある遊園地の廃墟を回ると敵がおらず、すんなりホワイトハウス前に到着した
OBTの新ミッション「ビューポイント博物館」では、トゥルーサンズから博物館を奪還する

 「スキル解除」と「SHDテック」によって開放できるエージェントのスキルは、今回のOBTで新たに「ケミランチャー」が使えるようになった。これは化学薬品を撃ち出すランチャーで、4種類あるうち「ファイアスターター」と「ライオットフォーム」が使用できる。

薬品を射出するケミランチャー。効果は4種類あるようだ

 前者は着弾地点に爆発性のガスを漂わせるもので、射撃などによって起爆できるというもの。前作の「粘着爆弾」と似ているが、こちらは撃った場所にガスが漂い、相手の射撃などで爆発するという特性を持っている。爆発に巻き込んだ対象を炎上させる効果があり、敵の足止めにも有効だった。また任意の起爆も可能なので、トラップのようにして使うこともできるだろう。

 一方後者は、粘着性のある泡を噴射し、対象の動きを止めるというもの。足止めに使うのが基本となるわけだが、動く敵に的確に当てるのが少々難しく、足止めできたとしても銃に持ち替えている間に敵が動き出してしまうようなこともあり、筆者は早々にファイアスターターに持ち替えてしまった。ライオットフォームの装備時の画面に「フォームHP」という値があり、束縛を解くまでにその数値ぶん攻撃をする必要があるのかもしれないが、PvP時にライオットフォームを使ってくるプレーヤーがいなかったので、自分が撃たれたときにどんな感じになるのかはわからなかった。

銃撃による起爆の他、遠隔操作でも起爆できるファイアスターター
ライオットフォームが敵を拘束。拘束時間はあまり長くない

 ケミランチャーには2、3発の弾薬が装弾されていて、全弾打ち尽くさなくても時間経過でチャージされていく特性がある。その一方で構えるまでが遅いので、使い方を覚える必要がありそうだ。

前作以上に組み合わせるのが楽しくなったエージェントの装備

 前回のPBTレポートでは触れていなったエージェントの装備の詳細についても説明しておこう。本作でエージェントが装備できるメインウェポンは「アサルトライフル」、「サブマシンガン」、「ライトマシンガン」、「ショットガン」、「マークスマンライフル」の他に、新たに「ライフル」のカテゴリーが加わっている。ライフルはマークスマンライフルに次いで攻撃力と射程が期待でき、通常は単発だが種類によっては3バーストのものもあり、非常に使いやすいカテゴリーだ。特に今回、マークスマンライフルは撃ったときの反動が大きめに設定されていたため、このOBTではライフルを使うことのほうが多かった。

 また、本作では武器に装着するマガジンやスコープなどのMODは、PERKの取得とクラフトによって作るものとなり、1つ作れば対象の武器全てに付けられる仕様となった。MODはアイテムのカテゴリーから外れ、持ち物や保管庫を圧迫することがなくなり、武器を手放すときに外し忘れて困ることもない。

 さらにMODは武器に装着したときに、例えばその武器の「命中率」は上がるが「安定性」は下がるといった具合に、メリットとデメリットが生じるようになった。これによりMODは全ての武器に無条件に取り付けるのではなく、装着する武器の性能とのトータルバランスを考える必要が生じている。

武器にプラス効果とマイナス効果をもたらす武器MOD。入手すれば数を気にせず装着できる

 一方の防具に関しては、前作同様に6つの装着部位のカテゴリーが存在。PBTやOBTの比較的早い段階から「ブランド」の概念があるものが出現していて、同じブランドの防具をセットで装備することでボーナススキルを得られるので、アーマーの値以外の選択肢が存在している。OBTの時点でセットボーナスはブランドごとに3段階あり、1つ装備するだけでも最初の階目のスキルを得られ、3つで全てを得られる。さらに個体別の特性もあるので、前作以上に装備を厳選するのが楽しくなるだろう。

ロゴマークがあるのがブランドの装備。右にはセットボーナスや特性を表示

ローグとなってダークゾーンを駆け回り、トレジャーハントを楽しむ

 このOBTでもミッションの中盤より、マップの東側にある「ダークゾーンイースト」へと入ることができたわけだが、筆者は今回、敵を倒すことよりも、ローグエージェントとしての活動を主としていた。

 PBTの記事でも触れたとおり、複数のプレーヤーがリアルタイムで行動しているこのダークゾーンでは、特定の「ローグアクション」を行なうことでプレーヤーに「ローグプロトコル」が働き、一時的にディビジョンの精神に反目する「ローグエージェント」になることができる。前作では他のプレーヤーを攻撃するなどPvPに直接絡む行動が必要だったが、本作でローグになるための行動は「SHDターミナルのハック」や「コンテナのロックピックでの解錠」、「他のプレーヤーがドロップしたアイテムや、ヘリが回収中のアイテムを盗む」など、かなりカジュアルに設定されている。

ローグアクションを行なうと、近くのローグアクションができる場所がマップに表示される

 ローグになった状態は他のプレーヤーからも視認できるわけだが、エイムで名前を確認するか、かなり接近した状態(ローグ状態のアイコンが見えると同時に、効果音が鳴る)でないとわからないので、周囲にプレーヤーが存在しなければ、即座に攻撃されてしまうようなことはない。

 ローグになると、ローグプロトコルの制限時間が表示され、それが0になるまで逃げ切れば懸賞金をもらえるのだが、そこで新たにローグアクションを行なうことで懸賞金の額を上げることもできる。このときは当然ローグプロトコルの制限時間も加算され、他のプレーヤーから狙われる確率も上がるわけだが、その状態のままローグアクションを繰り返すと最終的に「窃盗団のアジト」の扉がダークゾーン内のどこかに開き、そこに入ることで最大の懸賞金を得られ、ローグプロトコルが終了となる仕組みだ。

コンテナのアイテムは、汚染されていなければそのまま手に入る
「窃盗団のアジトのトライアンギュレーション」が100%になると、窃盗団のアジトが開く。マンホールやドアなど、ランダムで変わる
OBTのアジトは、「炸裂弾」が入ったボックスがぽつんと置いてあるだけの部屋だった

 PBTやOBTはプレイに制限が多かったため、懸賞金自体にあまり価値はなかったのだが、前述のダークゾーンの要所にあるコンテナにランダムで上級の装備が入っていたことが、ローグプレイのモチベーションを高めていた印象がある。コンテナのある場所は決まっているので、場所を覚えて窃盗団のアジトをゴールとするルートを組み立てて巡回すれば、必然的に装備も潤沢になってくるというわけだ。

 当然、同じことを考えたプレーヤーも多かったようで、コンテナが空になっていることもあったが、そのときは通常のマップに戻り、ランダムで発生するアクティビティなどをこなすなどして一定時間待つことで、復活したコンテナを再び開けて回るといった流れを作り、トレジャーハンティングを楽しんでいた。

ダークゾーンで入手した装備。画像の「MP7」や「USC.45 ACP」は、OBT最後まで使える武器だった

 本作のローグには3段階のステータスがあり、これまで触れた「ローグ」の他に、他のプレーヤーをキルしたときの「ディサバウ」、そしてディサバウの状態でキルを重ねたときの「マンハント」があり、逃げ切ったときに入る懸賞金もさらに上がっていくが、他のプレーヤーから狙われるリスクも大きくなるので、相応の腕や他のプレーヤーとの協力が必要となるだろう。

「ディビジョン2」のルールで戦うPvPモード「コンフリクト」も体験

 最後にPvPモードの「コンフリクト」も試せたのでその感触もお伝えしよう。OBTでは4対4のチーム戦「スカーミッシュ」を、「スタジアム」と「キャピトル廃墟」の2つのマップでプレイすることができた。両チームには15ずつのライフが与えられ、メンバーが倒されるとチームのライフが減り、それが0になった状態で誰かが倒されると敗北となる。装備品やスキルはそのまま使えるが、強さは平均化されるので、使いやすいものを事前に選んでおくといい。

マッチング後のステージはプレーヤーの投票で決定。人数が少なくても始まる場合もあった
対戦中は味方は青、敵は赤のゲージが表示。上に表示された数値がチームのライフ数だ

 前作同様、カバーアクションを基本としたPvPが行なわれるわけだが、スキルに新しい性質のものが増えているので、戦い方に多少の変化が出てくるのは間違いない。ここでの戦いはダークゾーンでのPvP時の立ち回りの練習にもなるので、製品版でも早めにアンロックされることを期待したい。

蘇生すればチームのライフ数は減らないので、味方が近くにいるときは蘇生を待ってもいい
ステージのどこかに「ブースト」のボックスが出現。取ればチームに有利に働く

 2回のベータテストを終え、いよいよ3月15日に発売を迎える「ディビジョン2」。ハードな世界観やストーリー、オープンワールドのワシントンD.C. 、RPGとしてのキャラクター育成とハクスラによる装備集め、無数の敵と戦う緊張感、そしてダークゾーンでのPvEやPvPなど、本作の魅力は今回のOBTでも味わえたはずだ。

 またオンライン必須のゲームということで、気になるサーバー接続に関しても、筆者がこのOBTをプレイした4日間は大きなトラブルもなくプレイすることができ、不安を感じることはなかった。誰でも参加できたOBTでのこの成果は大きいと思われ、引き続き製品版のゲームプレイにもこの成果が反映されることに期待したい。

 ゲームは前作をプレイしていなくても入っていくのは難しくないタイトルであり、ソロでも十分楽しめる内容なので、ぜひその魅力を製品版でも実感してみてほしい。