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「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」ジョブ別解説:遠隔DPS編
シナジーの強さをウリとした新ジョブ踊り子、完全に生まれ変わった機工士
2019年5月29日 22:00
スクウェア・エニックスは、6月28日からアーリーアクセスがスタートする「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」を試遊できるプレスツアーを北米と欧州で開催した。試遊会では新ジョブ「ガンブレイカー」と「踊り子」を含むレベル80キャラクターのプレイと、フェイスを伴ってのダンジョン攻略をプレイすることができた。
このレポートでは、新ジョブの「踊り子」や、大きな変更が入った「機工士」と「詩人」について変更点やプレイフィールをお届けしたい。なお、今回試遊したのは4月30日のバージョンであり、最終調整前のものになるため、リリース時には大きく変更される可能性があるので、それを了承したうえで「漆黒のヴィランズ」での自キャラの立ち回りを考える参考にして欲しい。
シナジーが強めという共通項はありながら、まったく違う3ジョブ
遠隔3ジョブは今回メカニクスに根本的な変更が入った機工士と、新ジョブの踊り子、使いやすさが増した吟遊詩人とバラエティに富んだ構成になっている。「漆黒のヴィランズ」では全体的にシナジーが抑え気味になっているが、これらのロールは依然として多くのパーティ支援のためのアクションを持っている。その反面火力は抑え気味になっており、どのジョブも爆発的な火力を生み出すというよりは、支援をしつつ継続的にダメージを出していくという攻撃が特徴だ。
しかしキャスター3ジョブと同様、遠隔の3ジョブも求められる役割に共通点があるものの、攻撃方法や立ち回りはまったくの三者三様でそれぞれに侮れない個性がある。特に幾度もの調整を経て機工士がたどり着いたメカニック的な立ち位置は、これを待っていたという人も多いのではないだろうか。
遠隔DPSのロールアクションは「レッググレイズ」、「内丹」、「フットグレイズ」、「プロトン」、「ヘッドグレイズ」、「アームズレングス」の6種類。「アームズレングス」が遠隔ジョブにも適応されたため、これからは1人だけ吹っ飛ばなくてもよくなった。
踊りとクローズドポジションで支援しつつ戦う踊り子
「漆黒のヴィランズ」の新ジョブ踊り子は、投擲武器を投げつつ戦う遠隔のDPS。しかし、実際に使ってみると、遠隔攻撃に交じって、自分を中心とした範囲攻撃を多く持っており、それを当てるために敵に近づく必要があり、試遊では近接ジョブに交じって戦っていることが多かった。
踊り子の基本コンボは「カスケード」、「ファウンテン」といういずれも距離25mの単体遠隔攻撃。ただ、他のジョブと違いこのコンボはそれぞれ別の技の発生条件となっている。「カスケード」は「リバースカスケード」、「ファウンテン」は「ファウンテンフォール」につながるため、1つのコンボで2つの技が使えるようになる。
リバースカスケードとファウンテンフォールは、どちらも50%の発動確率で自身に「幻扇」を1つ付与する。幻扇は、ジョブ専用UIにさくっと刺さってくる扇で、スタック数は最大4つ。この幻扇を消費して発動する技は後述する。
他に基本の技として、自身の周囲に範囲物理攻撃を加える「ウインドミル」とそのコンボ技「ブレードシャワー」がある。こちらもウインドミルは「ライジングウィンドミル」、ブレードシャワーは「ブラッドシャワー」という技の発動条件になっており、これらの追加攻撃も幻扇を付与する。
こうして貯めた幻扇は、「扇の舞い【序】」、「扇の舞い【破】」、「扇の舞い【急】」という技の発動に使用する。「扇の舞い【序】」は遠隔の単体攻撃。両手に幻の扇を構えて、クジャクの尾のようなエフェクトと共に攻撃する華麗な技だ。「扇の舞い【破】」は自分を中心とした範囲攻撃。「扇の舞い【急】」は【序】と【破】から発生する追加攻撃で、こちらも自身が中心の範囲攻撃と最初に書いたように、4つのproc技とそこからの派生攻撃に、遠隔攻撃と自身を中心とした範囲攻撃が入り混じっている。この移動を支えるのが、前方方向に急接近する「アン・アヴァン」という技だ。この技は敵をターゲットして移動するのではなく、自分が向いている方向に高速移動するというもので、この技1つで前にも後ろにも移動が可能だ。
踊り子はバッファーという位置づけのジョブでもあり、与ダメージ上昇から回復まで様々な支援技を持っている。この支援技は大きく「クローズドポジション」を使った単体技と、ステップなどを使うパーティ全体への技に分けられる。
「クローズドポジション」はパーティの誰か1人と自分を関連付けるアクションで、使用するとパーティリストの自分と相手の横に左右対称のアイコンが付く。占星術師の「シナストリー」を想像してもらえればいいだろう。踊り子が使う支援技のうち「癒しのワルツ」、「攻めのタンゴ」、「スタンダードフィニッシュ」の3つは自分とクローズドポジションで指定したメンバーを起点に発生する。クローズドポジションは戦闘中でも再使用できるので、状況に合わせて相手を変えることも可能だ。
「癒しのワルツ」は自身とクローズドポジション【被】の対象者を中心に、周囲のPTメンバーを回復する。「攻めのタンゴ」も同様の範囲で一定時間、クリティカルとダイレクトヒット発動率を上昇させる。被ダメージを軽減する「守りのサンバ」は、吟遊詩人の「トルバドゥール」、機工士の「タクティシャン」と同等のアクションであるため、通常の全体範囲として発動する。
次に、もっとも踊り子らしいアクションである2つのステップについて解説したい。踊り子には「スタンダードステップ」と「テクニカルステップ」という2つの踊りがある。どちらかのステップを選ぶと、カスケードなどの通常攻撃のアイコンが「薔薇のアンポワテ」、「小鳥のアントルシャ」、「緑葉のジュテ」、「金冠のピルエッテ」という4つのステップアクションに変化する。このアイコンを毎回ランダムに変わる順序通りに押していく。
間違ったダンスを押したとしても、スタンダードステップでは2つ、テクニカルステップでは4つのアイコンを押し終わると同時に、ステップのアイコンが「スタンダードフィニッシュ」か「テクニカルフィニッシュ」に変化する。
そして正しいアイコンを押した数に応じた威力の範囲物理攻撃と共に、「スタンダードフィニッシュ」なら自身とクローズドポジションの相手に、「テクニカルフィニッシュ」なら周囲のパーティメンバー全員に、与ダメージ上昇のバフを付与する。さらに「エスプリ」ゲージを発動させ、「エスプリ」を付与する。エスプリゲージは以降、自身とクローズドポジションの相手の攻撃が命中した時に確率で貯まっていく。エスプリゲージは「剣の舞い」という遠隔の物理範囲攻撃の発動に使う。
ほかにもその場でダンスをしている間にエスプリゲージを継続回復しつつ、パーティメンバーのHP回復効果を高める「インプロビゼーション」や、proc技がすべて発動可能になる「フラリッシュ」といったアクションがある。
エスプリゲージで発動する剣の舞いは強力ではあるが、爆発的な火力や追加効果があるわけではなく、シナジーが多いだけに一時的な効果力は期待しづらいジョブになっている。しかし、今回の試遊ではシナジーの底力を十分に発揮できるようなコンテンツはなかったので、今後の研究次第ではパーティの必須ジョブになる可能性もあるだろう。
管理するゲージが減って使いやすくなった吟遊詩人
吟遊詩人は「ストレートショット」のクリティカル10%アップという追加効果がなくなったことで、竜騎士の「ヘヴィスラスト」削除と同様に、初期からずっと残っていた数値管理のバフ管理がなくなった。管理しなければならない数字が多く、操作が煩雑だった部分が整理された恰好だ。
また、シナジーが一部削られている。「魔人のレクイエム」がなくなり、「賢人のバラード」、「軍神のパイオン」、「旅神のメヌエット」からパーティへの支援効果が削除された。代わりに「バトルボイス」の効果が引き上げられ、「トルバドゥール」は、パーティの被ダメージ軽減効果を付与するアクションへと変更された。これまでは攻撃中常に支援効果が発生していたが、それをある程度タイミングで発生するよう変更して、他の遠隔ジョブとのバランスをとっている。
レベル70から80の間に追加される新アクションもすべて攻撃技能となっている。レベル72には「サイドワインダー」とリキャストタイマーを共有する範囲攻撃「シャドウバイト」が追加された。サイドワインダーと同様に2つの継続ダメージが入っているかどうかで威力が変化する。レベル76には、唯一初期アクションのままだった「ヘヴィショット」に上位技能の「バーストショット」が追加された。
そして今回最後に覚える「エイペックスアロー」は、詩心が貯まるときに確率で貯まっていく「ソウルボイス」を消費して発動する前方範囲物理攻撃。威力はたまったソウルボイスの量によって決まる。踊り子の「剣の舞い」と同様に必殺技的な威力の攻撃ではなく、手数が1つ増えたという印象の技だ。
この調整から「コースティックバイト」と「ストームバイト」にもストレートショットのproc効果が加わった。実際に使ってみると、かなりの高確率で「リフルジェントアロー」が発動して気持ちいいほど打ち込むことができた。最強のシナジージョブの座を踊り子に譲った代わりに、新アクションで火力が底上げされており、これまでとは別の面からもパーティに貢献するジョブになりそうだ。
機工士はロボから毒噴射まで様々な兵器を操るジョブに
機工士は再びジョブコンセプトからの見直しが入り、メカニクスからジョブ専用UIのデザインまですべてが一新された。「紅蓮のリベレーター」の機工士はヒートゲージを上げ下げしながら戦い、火力が必要な局面ではオーバーヒートでブーストするというジョブだった。「漆黒のヴィランズ」からは、ヒートゲージはまっすぐになり、一定以上貯めると「ハイパーチャージ」でオーバーヒート状態になるようになった。
「特殊弾」と「ガウスバレル」はなくなり、それに付随して「リロード」、「整備」、「バレルオフ」、「クイックリロード」が削除されている。またオートタレットもエギなどと同様にターゲットすることができなくなり、「バッテリー」というゲージが残っている間だけ呼び出せる一時的なバフのようなものに変わった。オートタレットの種類はルークのみになり、「タレット回収」もなくなっている。
ほかにも「ハートブレイク」、「ブランク」、「ウェポンブレイク」がなくなり、「スプリットショット」、「スラッグショット」、「クリーンショット」は、「ヒート」が付くアクションを習得すると、自動的にそちらに置き換わるようになった。まさに大手術という言葉がふさわしい大きな調整だ。
「漆黒のヴィランズ」からのレベル80機工士は、「ヒートスプリットショット」、「ヒートスラッグショット」、「ヒートクリーンショット」を使うとコンボボーナスとして「ヒート」が貯まるようになった。50貯まると「ハイパーチャージ」で8秒間オーバーヒート状態を作り出すことができ、前方に大量の矢を打ち込む「オートボウガン」や攻撃しつつ「リコシェット」と「ガウスラウンド」のリキャストタイムを縮める「ヒートブラスト」が使用可能になる。
ヒートゲージの下にある青色のバーのゲージは「バッテリー」の貯まり具合を表す。バッテリーはその名前の通り、「オートタレット」やレベル80で呼び出せるようになるロボット「オートマトン・クイーン」などの兵器類を動かすために必要だ。バッテリーが多ければ多いほど、起動している時間が長くなる。筆者がプレイした時には、最大まで貯めるとオートタレットで約15秒、クイーンは20秒間動き続ける。
バッテリーは、「ヒートクリーンショット」のコンボボーナスで上昇するほか、前方に毒をばらまいて継続ダメージを付与する範囲攻撃「バイオブラスト」や、相手に極太のドリルを打ち込む、その名も「ドリル」という単体攻撃、「ホットショット」の上位技である「エアアンカー」などの攻撃を使用することで貯まっていく。
タレットとクイーンは基本は自立して攻撃するが、「オーバーロード・ルーク」と「オーバードライブ・クイーン」という攻撃を指示することもできる。この攻撃の威力はバッテリーの残量に依存し、使用すると兵器は消滅する。その時の状況に合わせて、バッテリーの限界まで起動させるか、途中で帰還させるかを決めることができる。
また「リコシェット」と「ガウスラウンド」は最大3チャージのチャージアクションになり、連続で6発撃つことができるようになった。これと「ヒートブラスト」を組み合わせることで、一気に火力を高めることもできそうだ。ロールアクションだった「タクティシャン」は、機工士の固有アクションとなり、効果とアイコンのデザインも一新された。タクティシャンは「トルバドゥール」や「守りのサンバ」と同じ被ダメージ軽減の全体バフになる。
もはや新ジョブと言ってもいいほど大きく変わった機工士。ヒートとバッテリーを貯めつつ、ロボを召喚したり、火炎放射器や毒放射器で攻撃したり、ボウガンを撃ったりと、相変わらず異色のジョブではあるが今回は使い方に迷うこともなく、ひたすらに楽しさを追求できるジョブになったのではないかと思う。
【「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」メディアツアーレポート目次】
【特集トップページ】
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