【特集】
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」メディアツアー特集
全ジョブ詳報をはじめ、吉Pインタビュー、フェイス/新装備情報など圧倒的なボリュームでお届け!
2019年5月29日 22:00
- 【FFXIV: 漆黒のヴィランズ】
- 6月28日 アーリーアクセス開始
- 7月2日 正式サービス開始
スクウェア・エニックスは、6月28日からアーリーアクセスがスタートする「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」を試遊できるメディアツアーをロンドンとサンフランシスコで開催した。
筆者が参加したロンドン会場は、ロンドン東部にある巨大なアートセンター内にある温室「バービカン・コンサバトリー」。「漆黒のヴィランズ」で新たなプレーヤーの拠点となるクリスタリウムをイメージした、瀟洒なガラス張りの温室だ。温室を見下ろすフロアに30台あまりの試遊台が並べられ、各国のメディアが時間内は自由にプレイすることができた。
メディアツアー冒頭には、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が約90分のプレゼンテーションを行なった。内容は5月24日の「第51回FFXIVプロデューサーレターLIVE(PLL)」で発表されたものの簡易版。これまで発表された「漆黒のヴィランズ」の新要素と、バトルやユーザーインターフェイスの変更点などを、スライドで説明した。
試遊では全ジョブのジョブ専用装備を着たレベル80のキャラクターが用意され、「クリスタリウム」、「イル・メグ」、「レイクランド」の3カ所を自由に探索することができた。3日間でトータル約20時間の試遊はたっぷりあるように見えるが、17もあるジョブを検証しつつ、マップを探索したり、フェイスを連れてダンジョン攻略をしたりしているとあっという間に過ぎてしまった。そのため、ジョブによっては十分な検証ができていないものもあるかと思うので、一緒に掲載したアクションのデータなどを参考に、新たなスキル回しを模索して欲しい。
本稿では、「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」メディアツアー特集の導入として、「FFXIV」全体のグランドデザインに関する吉田氏のプレゼンテーションの内容をまとめて紹介したい。各種コンテンツの試遊レポートや、新エリア、新ジョブ専用装備の紹介などは下記の目次からそれぞれのレポートを楽しんで欲しい。なお、試遊は4月30日のバージョンで画面は最終調整前のものであり、リリース後には大きく変更される可能性があることを書き添えておく。
【「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」メディアツアーレポート目次】
【最新ジョブレポート】
▼ジョブ別解説︓タンク編
新ジョブガンブレイカーを迎え、ついに根本的な変更が⼊ったタンク。4ジョブ全てがMT/ST可能なバランスに
▼ジョブ別解説︓近接DPS編
モンクについに「疾⾵迅雷4」が登場。忍者には「分⾝の術」も︕
▼ジョブ別解説︓遠隔DPS編
シナジーの強さをウリとした新ジョブ踊り子、完全に生まれ変わった機工士
▼ジョブ別解説︓キャスター編
召喚⼠は「フェニックス」召喚を習得。⿊と⾚魔道⼠はより使いやすく
▼ジョブ別解説︓ヒーラー編
今度は⽩魔道⼠に⽻根が⽣える。占星はカードの⼤幅仕様変更
【新システム「フェイス」体験レポート】
▼レベル73のダンジョン「水妖幻園 ドォーヌ・メグ」をフェイスと一緒に攻略してみた
【新エリアレポート】
▼プレーヤー拠点「クリスタリウム」、その周辺の町「レイクランド」、妖精の国「イル・メグ」をたっぷり紹介
【新装備レポート】
▼レベル80ジョブ専用装備を一挙公開 ガンブレイカー、踊り子を含む全17ジョブの装備をCGとスクリーンショットと共にお届け
【吉田直樹氏インタビュー】
▼「FFXIV: 漆⿊のヴィランズ」プロデューサー吉⽥直樹⽒インタビュー。ついにすべてが明かされたジョブ&バトル調整。その意図を全ジョブ分聞いた
「FFXIV: 漆⿊のヴィランズ」で追加される新しいゲームシステムを紹介
「漆黒のヴィランズ」では、従来からのゲームシステムに見直しが入っている。これまで追加されてきたコンテンツによってレベリングの手段が増えて、利用頻度が落ちている「F.A.T.E.」や、ジョブが増えて煩雑になっているジョブ関連のクエストなどが、現在の遊び方に合わせて改善されている。
F.A.T.E.に特別なアイテムが手に入る専用トークンが登場
これまでは単にフィールドでレベリング用という印象が強かった「F.A.T.E.」だが、「漆黒のヴィランズ」からは、単なる経験値のリソースではなく、そのエリア専用の攻略要素が追加され、地域のロアを知るための遊びへと昇華する。これまでの報酬に加えて、専用のトークンが手に入るようになり、専用ショップでその地域ならではのアイテムと交換できるようになる。
この攻略要素はメインシナリオとは関係ないので、メインシナリオが終わった後でゆっくりと攻略することもできる。その中でメインストーリーでは語られなかった世界設定なども見ることができるようになる。
また、新エリアのサブクエストはすべてレベルアジャストに対応する。モンスターの強さも受注したジョブのレベルに応じて変動する。すべてのサブクエストがレベル70から受注可能になるので、サブジョブのレベル上げなどにも使用しやすくなる。
闇の戦士たちの足跡をたどれる「ロールクエスト」
「漆黒のヴィランズ」ではジョブクエストの代わりに、タンク、ヒーラー、ファイター、ソーサラーという4つのロール単位で受けることができる「ロールクエスト」が登場する。このクエストは第一世界で光の戦士と呼ばれていた英雄たちの物語をロールごとに追いかけていくというもの。メインクエストをクリアするには、4つのうちどれか1つを必ずクリアする必要がある。
ジョブクエストはレベル80に1つだけ、メインクエストクリア後のストーリーとして用意される。また、レベル60から始まる「ガンブレイカー」と「踊り子」には60から70までのジョブクエストがそれぞれ用意される。
クラフター&ギャザラー向けの「大工房クエスト」
ギャザラーとクラフターのクラスクエストは、クリスタリウムにある大工房で「大工房クエスト」という5系統のクラスクエストに集約される。これまではジョブごとにすべてのジョブクエストをこなす必要があったが、クラフターは金属、非金属、食品、ギャザラーは資源と魚という5つになる。この大工房クエストは第一世界の世界設定に基づいたストーリーで、ミーン工芸館という場所の発展の物語になっている。クエスト中は専用レシピと専用アイテムが付与されるのでシンプルに遊ぶことができる。
家具のプレビュー機能が実装
ユーザーインターフェイスのデザインが変更できるスキンの第1弾「ライトスキン」が実装され、背景が明るめのUIも選べるようになる。時間はかかるかもしれないが、将来的には複数のスキン実装が計画されており、自分好みの見た目でプレイできるようになる。
クロスワールドリンクシェルは一気に8チャンネルに増加
ワールド間テレポのクロスワールドリンクシェルが8チャンネルまで増加する。また、これまで1%単位だったボスのHP情報が、1%を切ると残り0.1%まで表示されるようになる。家具が設置前にプレビューできる機能も追加される。
専用AIでダンジョン攻略を手伝ってくれる「フェイス」
ダンジョンにNPCを連れていけるようになる「フェイス」システム。ダンジョンやギミックに特化した完全新規の専用AIと専用アクションを持っているため、ある意味プレーヤーよりも賢いかもしれない存在だ。ダンジョンごとにNPCによって異なるリアクションが用意されている。一度クリアしたダンジョンでも、別のNPCといけばそのNPCごとのアクションを見るということも可能だ。
ただし効率面ではプレーヤー同士のマッチングのほうが若干効率的だそうだ。フェイスを連れていく場合、ダンジョンクリアまでの時間は約30分程度。ユーザーが死ぬと、そこで全滅となり、入り口に戻される。
バトルシステムの変更
「漆黒のヴィランズ」では、「紅蓮のリベレーター」で問題だった部分を解消するために、かなり大胆なバトルシステムの変更が行なわれている。チャージアクションという新しい要素も加わり、これまでとは違った戦い方が生まれてきそうだ。
新要素チャージアクションが登場
プレーヤーの自由度を高めるために「チャージアクション」が実装する。これは特定のアクションのリキャストをチャージできるシステム。チャージアクションにはそれぞれ最大チャージ数が設定されており、リキャストタイムごとにチャージされていく。チャージされたアクションは、任意のタイミングで使うことができる。
例えば「羅刹衛」を2回連続で使ったり、「活殺自在」をスタックしておいて忍術のタイミングで使うというこれまでよりも一歩進んだローテーションを作れるようになる。
ロールアクションは整理され、ロール事の役割が明確に
敵のアクションを中断させる新システムとして、PvEにおける沈黙が明確にシステム化される。使えるのはタンクと遠隔物理DPSで、中断できる敵の詠唱がハイライトされて、明確に分かるようになり、詠唱を中断した時には「interrupted」と表示されるようになる。
ロールアクションはタンクが7、ヒーラーが6、近接物理ジョブ6、遠隔物理ジョブ6、キャスター4と数が大幅に整理され、選択制ではなくなる。そのレベルに達すると自動的に覚えるようになり、自動的にホットバーに登録されるようになる。
メインパラメータとマテリアシステムの変更
ロールによって装備更新の難易度が異なる状況を是正するために、STRやVITなどメインパラメータのマテリアは装着不可になり、排出も停止する。現在挿しているものは「漆黒のヴィランズ」から効果がなくなる。メインパラメータのステータスが付与できなくなる代わりに、全アクセサリーの性能が見直されている。また、週制限のトークン装備と零式装備のアクセサリーと帯はマテリア穴が2つになり、新式装備よりも高性能なものが作れるようになる。
ペットは敵の攻撃を受けなくなりターゲットもされなくなる
ペットの管理や操作性が見直され、ペットは敵の攻撃やPCアクションの対象にならなくなる。ペットアクションはエクストラバーから削除され、プレーヤーのアクションとして発動するようになる。タンクの役割を担っていたタイタン・エギとカーバンクル・トパーズはアクション性能が見直されている。
ジョブバランスの変更
プレーヤーが最も気にするジョブのバランス調整。自分のキャラクターがどう変化するのかは、遊び心地にも大きく影響を与える。今回のバランス調整は、これまで様々な問題が指摘されていたシナジーや、タンクのアクセサリーなどを根本的に見直す大きな調整となっている。
ゲームパッドユーザーが多い本作では、新アクションが入るときには常に不必要なアクションが整理されるが、今回はタンクや機工士、モンクなど一部のジョブでアクションが大幅に見直されている。詳細はそれぞれのレポートで読んでいただきたいので、ここでは概観のみをお伝えしたい。
シナジー要素の影響力が低下、3つの耐性低下バフは削除
ジョブ間シナジーが調整され、シナジーの効果量が減少する。「斬」、「突」、「打」などの耐性低下のデバフも削除される。シナジーは全体的に非常に薄くなるが、唯一新ジョブの「踊り子」はシナジーの強さが特徴で、特定のパーティメンバー1人に対して、大きなシナジーをもたらすことができる。
タンクは攻撃スタンスがなくなり、防御スタンスの仕様が大幅変更
タンクロールでは全タンクがパーティ全体に対する防御バフ、ST時のMTへの支援バフ、自身への短時間防御バフを備える。また、攻撃スタンスが廃止される。防御スタンスは、攻撃力ダウン、被ダメージ軽減、最大HP上昇の効果がなくなり、敵視上昇効果のみが発生するものになる。タンクの硬さやHPの高さは、タンクマスタリーとして獲得するようになる。同時に敵視を上げるためのコンボも廃止され、MTとSTで同じスキルローテーションを使えるようになる。「タンクマスタリー」にはSTRとVITに固有の計算式を発生させる効果もあり、STRがあれば単純に火力が上がるというわけではなくなる。
ヒーラーは苦手分野を強化するアクションが追加
ヒーラーはそれぞれが苦手な部分を強化して、横並びのバランスを取ることに徹底している。プロテスは廃止され、スタートがスムーズになる。白魔道士はヒーリングリリーが時間で貯まるようになり、インスタンスヒールが追加される。詠唱負荷が低減され、動きやすくなる。学者はペットの挙動が変更され、一定時間大妖精を召喚してのダイレクトヒールが追加される。フェアリーは効果が同じになり、デザイン違いというだけになる。占星術士はどのカードを引いても必ずパーティメンバーのDPSが底上げされるようになる。また両方のスタンスを使える技能が追加される。
DPSは正当進化のジョブと、大きな見直しが入るジョブに分かれる
DPSは従来の仕様スタイルをそのまま進化させた、モンク、竜騎士、忍者、侍、黒魔道士、赤魔道士と、大きなメカニクスの変更が入る吟遊詩人と機工士、召喚士で分かれる。モンクは「疾風迅雷4」が実装される。ただしスキルスピードを積みすぎると早くなりすぎるかもとのことだ。機工士は様々な新兵器を使うジョブになる。召喚士にはフェニックスが追加される。またペットを呼び出す際にキャストが必要なくなるので、シチュエーションに合わせてペットを使い分けることができるようになる。
画面は最終調整前のものであり、リリース時には大きく変更される可能性があります。
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