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「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」ジョブ別解説:ヒーラー編

今度は白魔道士に羽根が生える。占星はカードの大幅仕様変更

6月28日 アーリーアクセス開始

7月2日 正式サービス開始

 スクウェア・エニックスは、6月28日からアーリーアクセスがスタートする「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」を試遊できるプレスツアーを北米と欧州で開催した。試遊会では新ジョブ「ガンブレイカー」と「踊り子」を含むレベル80キャラクターのプレイと、フェイスを伴ってのダンジョン攻略をプレイすることができた。

 このレポートでは、「白魔道士」、「学者」、「占星術師」について、変更点やプレイフィールをお届けしたい。なお、今回試遊したのは4月30日のバージョンであり、最終調整前のものになるため、リリース時には大きく変更される可能性があるので、それを了承したうえで「漆黒のヴィランズ」での自キャラの立ち回りを考える参考にして欲しい。

学者は攻撃力ダウン。全体には弱点を補う新技能が追加

 ヒーラーは今回新ジョブが追加されず、既存3ジョブ内でのバランス調整が行なわれている。白魔道士にはインスタントヒールが、学者にはダイレクトヒールが、占星術師はカードの調整と両方のスタンスの技能が使える技がそれぞれ追加され、これまで弱点だった部分を補うような調整となっている。

 学者はDot技が削られて、火力面での優位性は低くなった。またフェアリーやエーテルフローの仕様変更によって、今回ヒーラーの中では最も使い勝手が変化している。ダイレクトヒールが増えて使いやすくなったという人もいるだろうが、これまでの学者に慣れている人からは不満もでるかもしれない。そんな賛否の分かれそうな調整だ。

 ヒーラーのロールアクションは「エスナ」、「迅速魔」、「ルーシッドドリーム」、「堅実魔」、「救出」、そして白魔道士の技能からロールアクションに移動した「リポーズ」の6つと、こちらもかなり整理された。以前より検討事項だった「プロテス」は今回ついになくなった。「慈愛」、「クルセードスタンス」、「アイ・フォー・アイ」などもなくなり、過去にはよく使っていたが、現在はあまり使われなくなった技能が大幅に整理されている。

【ロールアクション】

「白魔道士」にインスタントヒール「ハート・オブ・ラプチャー」が登場

ヒーリングリリーとブラッドリリー

 白魔道士は強力なダイレクトヒールを複数持っているが、詠唱が必要なものがほとんどだったためギミックの最中などにシビアなタイミングでのヒールを強いられてきた。今回はそんな弱点を補いつつ、火力を底上げできるアクションが追加された。これらのアクションは、ヒーリングリリーに紐づけられており、これまであまり意味を持っていなかったヒーリングリリーの有効活用にも繋がっている。

 大前提として、ヒーリングリリーは時間で貯まるようになった。このタイマーはヒーリングケーンを登っていく輝きとして表示され、戦闘状態になったタイミングから自動的に溜まっていく。試遊では30秒でヒーリングリリー1つぶんというスピードだった。

【ハート・オブ・ラプチャー】

 レベル76で覚えるインスタントの範囲回復「ハート・オブ・ラプチャー」は、このヒーリングリリーを消費して発動する。MP消費もなく、リキャストタイムも約3秒と短いので、いざという時の立て直しに威力を発揮しそうだ。

 また、「漆黒のヴィランズ」からヒーリングリリーの色が赤から青になり、レベル52で「ハート・オブ・ソラス」を覚えるとヒーリングリリーを消費して、赤い「ブラッドリリー」を育てることができるようになる。

【ハート・オブ・ミゼリ】

 ブラッドリリーは最初は小さなつぼみだが、ヒーリングリリーを消費すると大きくなり、3つ消費すると赤い花を咲かせる。レベル72の「ハート・オブ・ミゼリ」を覚えると、この花を消費してインスタントの強力な範囲攻撃「ハート・オブ・ミゼリ」を放つことができるようになる。

 「ストンジャ」は上位技能「グレア」に、「エアロガ」は上位技能「ディア」に修得レベルに達すると自動的に置き換わるようになった。効果が複雑でわかりにくかった「インドゥルゲンティア」はスタックがなくなり、代わりに効果時間中に「メディカ」、「ケアルガ」、「ハート・オブ・ラプチャー」を実装すると追加の回復効果が発生するという技能になっている。

【テンパランス】

 最後に覚える、レベル80の「テンパランス」も強力なサポート技能だ。使用すると輝く羽根が生えて、その間は回復魔法と回復量を20%上昇させて、さらに周囲のパーティメンバーの被ダメージを軽減する。

 30秒に1回というペースは、ダンジョン中などに気が付くと3つ貯まっていました、というくらいのスピードだ。「ハート・オブ・ラプチャー」が非常に便利で、白魔道士が今まで以上に頼りになる存在になるはずだ。

【クラスのアクション】
【ジョブのアクション】
【特性】

「学者」は、強力な回復技能を持つセラフィムを召喚できるように

 これまで火力も出せるバリアヒーラーとしてレイドなどではほぼ必須の存在だった学者。今回の調整ではその優位性が見直されており、学者で火力を出すことを楽しんでいた人たちにとっては、あまり面白くないかもしれない調整が施されている。

 まず、巴術士から学者になった時点で、「ミアズマ」と「ベイン」が使えなくなる。「バイオ」は、レベル26で「バイオラ」になった後、レベル72で「蟲毒法」という新アクションに変化する。無属性の継続ダメージという点では変わらず、威力もやや上昇している。設置型の「シャドウフレア」は学者からも召喚士からも削除されてしまったが、学者にはその変わりに自身の周囲に範囲攻撃を加える「破陣法」がレベル46に追加されている。継続ダメージはないが、インスタント発動なので使いやすい攻撃だ。

【蟲毒法】

 既存の回復技能では、「深謀遠慮の策」を自分自身にもかけられるようになった。また、レベル78の特性で「野戦治療の陣」にHPの継続回復効果が加わっている。70以降の新技能は、「死炎法」と「蟲毒法」という2つの攻撃魔法と、MPやエーテルフローを使わずに「鼓舞激励の策」、「士気高揚の策」、「不撓不屈の策」、「深謀遠慮の策」をクリティカル発動することができる「秘策」、フェアリーを使ったインスタント発動のダイレクトヒール「フェイブレッシング」、そしてセラフィムを召喚する「サモン・セラフィム」などがある。

 「エーテルフロー」は召喚士から削除され、学者のみのアクションとなった。また、発動は戦闘時のみ可能になり、これまでのように事前に発動させておいて、次が貯まるのをまってから戦闘開始することができなくなった。

【秘策】

 また、フェアリーは召喚士のエギ同様、敵からターゲットされたり攻撃を受けたりすることがなくなった。自分がターゲットできるかどうかはコンフィグからの選択式になる。ペットからはHPという概念がなくなり、パーティリストに表示されなくなるかわりに「転化」で消えた後は、再召喚しなくても一定時間後に自動的に復活してくるようになった。この仕様変更に合わせて「ラウズ」と「サステイン」も削除されている。

 フェアリー関係では「フェアリー・セレネ」と「フェアリー・エオス」の技能差がなくなり、フェアリーが使える技能は「光の癒し」、「光の囁き」、「フェイイルミネーション」の3つに整理され、2つのフェアリーは色違いという差しかなくなった。またこれらフェアリーの技能をホットバーにセットすることもできなくなるなど、これまで学者をしたことがない人にとっては、より遊びやすくなったが、慣れた人にとっては使えなくなる技が多く物足りなくなるかもしれない。

【サモン・セラフィム】

 レベル80の「サモン・セラフィム」は、フェアリーを帰還させて、代わりに翼をもつセラフィムを召喚するアクション。セラフィムはHPの継続回復技や、パーティメンバーへの回復量上昇&被ダメージ軽減技を使用する。パーティメンバーへのダイレクトヒール「コンソレイション」だけは、任意のタイミングで指示を出すことができる。

 「ベイン」と「エナジードレイン」がなくなったことで、エーテルフローは回復にしか使わなくなった。火力が他のヒーラーに比べて高かった部分は是正されたが、召喚士との差別化が進み、より学者らしさは増したのではないだろうか。これまで片方のフェアリーばかり使っていた人は、今後は気分に合わせて両方のデザインを使ってみてはどうだろう。

【クラスのアクション】
【ジョブのアクション】
【ペットアクション】
【特性】

どのカードにも攻撃力アップが付いた占星術師

 占星術師はカードの扱い方が大きく変化している。まず、レベル30で「プレイ」というアクションを修得するようになる。これは「ドロー」で引いたカードに応じたアクションに変化するというもの。従来はドローがそのままカードを発動させるアイコンに変化していたが、プレイがその役割を担当し、ドローはそのままリキャストタイマーが回っている状態になる。「ロイヤルロード」と「キープ」、「ロイヤルロード破棄」がなくなり、かわりに「リドロー」が3スタックのチャージアクションになった。どんどん引いてどんどん使うのが「漆黒のヴィランズ」での占星術師だ。

【ディヴィネーション】

 カードの効果は、「アーゼマの均衡」と「オシュオンの矢」、「ハルオーネの槍」、「クラウンロード」が近接にボーナスのついた単体与ダメージ上昇、「世界樹の幹」、「サリャクの水瓶」、「ビエルゴの塔」、「クラウンレディ」が遠隔にボーナスがついた単体与ダメージ上昇とすべてのカードが単体のダメージ上昇効果になった。「マイナーアルカナ」は、ドローしたカードによってどちらに変化するかが決まるボーナスカードのような扱いになっている。

ディヴィネーションシンボル

 カードにはもう1つ新たな機能が加わっている。それぞれのカードには「太陽」、「月」、「星」というマークがあり、戦闘中にカードを使うとジョブ専用UIに新たに3つついた四角「ディヴィネーションシンボル」の中にいずれかのマークが入る。このマークを3つ集めると、使えるのがレベル50で覚える「ディヴィネーション」で、集めたシンボルの種類に応じてパーティ全体へ与ダメージ上昇を付与する。

 これまではロイヤルロードでカードの効果を単体か全体かに使い分けていたが、カードは単体効果のみになり、ディヴィネーションシンボル集めでパーティ全体への効果と役割が分かれた恰好だ。アーゼマ以外のカードにも与ダメージ上昇効果が付いたことで、がっかりしながらアーゼマを待つのではなく、必要なカードを必要なジョブにどんどん割り振っていきつつマークを貯めるというスタイルになる。

【ホロスコープ】

 他にも占星術師には個性的なアクションが追加されている。レベル76の「ホロスコープ」は、使うと自身とパーティメンバーに「ホロスコープ」が付与される。この効果中に「ヘリオス」か「アスペクト・ヘリオス」を使うと、ホロスコープが「ホロスコープ・ヘリオス」になり、全体回復魔法として使えるようになる。

【ニュートラルセクト】

 レベル74の「星天交差」はダイアーナルセクトとノクターナルセクトで効果の違う「星天対抗」の上位版。互換技ではないので、ホットバーに並べて登録しておける。レベル80の「ニュートラルセクト」は使用すると一定時間回復量を20%増加させつつ、「アスペクト・ベネフィク」と「アスペクト・ヘリオス」の実行時に両方のスタンスの効果が得られるという便利技だ。

 攻撃技でも72に「マレフィガ」の上位技「マレフィジャ」と「コンバラ」の上位技「コンバガ」がそれぞれ追加される。

【ジョブのアクション】
【カードの効果】
【特性】

【「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」メディアツアーレポート目次】

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