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【特集】この夏買いたいゲーミングモニターはこれだ!

自分に1番合うモニターはどれ? ゲームに適したモニター性能を見極める

 プレーヤーがゲームに求める内容は千差万別。対戦で腕前を競いたい、大画面で迫力のあるシーンを楽しみたい、美しいグラフィックを堪能したい、など人それぞれだが、共通するのはすべてモニターを通してゲームの作品世界を見ているということだ。

 だが、ゲームにも「Overwatch」のように高速戦闘を行なうFPSもあれば、局地的な駆け引きを楽しむ「PUBG」のようなTPSもあるし、あるいは「STEINS;GATE」のようにじっくり腰を据えて遊ぶアドベンチャーなどコンテンツの幅は広い。コンテンツの魅力を最大限に引き出すには、それぞれの性質に合致したモニターの方向性があるはずだ。

「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」

 対人戦を楽しむゲームならば敵を視認しやすい方がより速く反応できるし、最先端の映像表現が売りのタイトルを最大限に楽しみたい向きには高精細な表示が可能なモニターが必要だ。ゲーム画面以外の領域に攻略Wikiや動画実況配信などを映しておきたいニーズには、マルチモニター環境が便利だろう。

 現在、ゲーミングの領域において、モニターが持つ性能は多様化している。一例を挙げれば、30型を超える広大な表示領域や高精細な4K映像表示、横長画面の曲面ディスプレイ、240Hzの高速なリフレッシュレート、HDR対応の有無、「FreeSync」や「G-Sync」などの映像同期技術など、ゲーム体験の質の向上に欠かせない機能・性能は多岐にわたる。

 表示性能だけでなく、ハードウェアの面でも、メーカーごとの特色が見てとれる。こちらは例えばスタンドの面積を小さくしてフットスタンプを減らす、ベゼルを細くしてマルチモニター環境時の違和感を低減する、モニター側面にヘッドフォンフックをつけてしまう、ゲーミングデバイスらしく発光させるなど、日常的に使うデバイスだからこその使い勝手にフォーカスした工夫がユニークだ。

 さらに、メーカー独自の便利機能として、モニター内蔵クロスヘア表示などを組み込んでいるケースもある。

 このように、様々な機能・性能を併せ持つゲーミングモニターが市場に混在しており、また価格もピンキリだ。コストパフォーマンスも気にするならば、モニター性能の把握は必須だろう。

 本記事では、主要モニターメーカー10社が発売している現行機種の中から最新モデルを各1機種をピックアップし、それぞれのスペックや特徴の紹介を通して、現行のゲーミングモニターが持っている性能・機能の整理と把握の一助としたい。

「STEINS;GATE」

ゲーミングモニターの性能を評価する基準

 今回の記事では、「ゲームコンテンツのよさをより引き出すモニター性能はどれか」を主眼に置いて、各機種の紹介を進めていきたい。ただ、モニター性能が必要となるゲームの傾向ははっきりしていて、大きく分けると「表示速度重視」か「画質重視」かの二択になるので、この2つに関わるスペックについては、具体的なタイトル名を挙げて紹介していく。

・「Overwatch」、「Counter-Strike: Global Offensive」などのeスポーツ系FPS→リフレッシュレート、応答速度、FreeSync/G-Sync対応

・「Far Cry 5」、「バトルフィールド1」などグラフィック重視のシングルプレイタイトル→画面サイズ、解像度、HDR対応、FreeSync/G-Sync対応

 これに続いて、VESAマウントの有無やベゼル、スタンド形状による設置の自由度や、映像入出力の接続性、スピーカーの有無、OSD(On Screen Display)メニューなどから設定できる独自機能といった要素を付加価値として紹介する。機種紹介の締めでは「オススメのポイント」として機種の特徴を3点にまとめている。

「Far Cry 5」

 なお、今回ピックアップした製品は下記の通り。


Acer「Nitro VG0 VG240Ybmiix」

Acer「Nitro VG0 VG240Ybmiix」スペック
画面サイズ23.8型
最大解像度1,920×1,080(16:9)
応答時間1ms
最高リフレッシュレート75Hz
コントラスト比100,000,000:1
輝度250cd/平方m
パネルタイプIPS
入力端子HDMI×2、D-Sub×1
ディスプレイ同期FreeSync
HDR-
VESAマウント
スピーカー
発売時期2018年5月24日
実勢価格(税別)2万円前後

 AcerのフルHDゲーミングモニター「Nitro VG0」シリーズの最新モデル。実売2万円前後という比較的廉価に入手できるモデルながら、最速1msの応答速度、リフレッシュレート75Hz対応、FreeSync対応と、一般的なゲーミングモニターとしては必要十分な性能を有する。

 FreeSyncは、GPU側のフレームレートに合わせて画面表示を行ない、テアリングやスタッタリングを回避するAMDのディスプレイ同期技術。同様の技術としてNVIDIAの「G-Sync」があるが、G-Syncではディスプレイに専用モジュールを装備する必要がある一方、FreeSyncではモジュールの組み込みが不要となっており、より低コストで同様の機能が実現できる。

 機能面では8種類の表示モードと、暗部の視認性を高める11段階の「Dark Boost」を搭載。液晶本体は、両側面と上面のベゼル幅をきわめて細く収めた「ゼロフレーム・デザイン」を採用。

三つ叉型のスタンドと薄型ベゼル採用

 スタンドは三つ叉型でフットスタンプは小さく、内蔵スピーカーも備えている。価格的にもスペース的にも経済的なハイコストパフォーマンスモデルだ。

 本機は、安価で省スペースなゲーミングPCと組み合わせて、“小さくても本格派”なゲーム環境を構築してみると面白いのではないだろうか。「Counter-Strike: Global Offensive」(CS:GO)や「League of Legends」といった負荷の軽めなタイトルは、お手頃スペックでも十分なフレームレートを出すことが期待できるので、75Hzモニターのポテンシャルを引き出せるだろう。視野角の広いIPSパネルというのも日常的に使う上で地味にうれしいポイントだ。

「CS:GO」。物陰やスモーク越しにこちらを伺う敵を素早く撃ち抜くには反応速度が必要だ

Acer「Nitro VG0 VG240Ybmiix」オススメのポイント

・1ms応答速度で競技性の高いタイトルでの使用にも耐える
・細いスタンドと薄型ベゼル、VESAマウント対応で設置自由度が高い
・実売2万円前後の高いコストパフォーマンス

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AOC「AG251FZ/11」

AOC「AG251FZ/11」スペック
画面サイズ24.5型
最大解像度1,920×1,080(16:9)
応答時間5ms(オーバードライブ時1ms)
最高リフレッシュレート240Hz
コントラスト比1,000:1
輝度400cd/平方m
パネルタイプTN
入力端子DisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×1、HDMI 1.4×1、DVI×1、D-Sub×1
ディスプレイ同期FreeSync
HDR-
VESAマウント
スピーカー
発売時期2017年6月2日
実勢価格(税別)4万2,000円前後

 2017年より日本での取扱いが始まったAOCのゲーミングブランド「AGON」シリーズの製品。24.5型のフルHDモデルだが、240Hzのリフレッシュレートに対応し、応答速度は最速で1ms。約1年前に発売されたモデルとなるが、最新の他社モデルと比べても遜色ない基本性能を備えている。

 本機ならではのユニークなポイントとしては、モニター左側面に可動式の「ヘッドフォンフック」を備える点が挙げられる。ちょっと席を外すときにヘッドフォンやヘッドセットの置き場として使えるのが便利。デジタルとアナログ合わせて5系統の入力が可能な点も見逃せないところ。PCとコンソール機を繋いでおいて、切り替えて使うのも容易だ。

離席時などにヘッドフォンを引っ掛けておくフック

 このほか、ゲームジャンルごとに切り替えて画面視認性を高める「ゲームモード」や、画面上の暗部だけを持ち上げて表示する「シャドウコントロール」といった機能を装備する。

 240Hzという高リフレッシュレートのメリットは、一言で言えば映像が滑らかに動く点。液晶モニターにおけるリフレッシュレートは、1秒間に画面を書き換える回数をHzで表記しており、一昔前に主流だった60Hzや120Hzのモニターと比べると、画面上でキャラクターを動かした際の滑らかさがはっきりわかるレベルで異なる。「League of Legends」や「Dota 2」などのMOBAタイトルや、FPSでは「Overwatch」、「Rainbow Six Siege」、「ストリートファイターV」といった格闘ゲームをはじめ、競技性が高く、反射神経を要するタイトル全般で活きてくる性能だ。

リフレッシュレートが遅いと、モーションブラーを生じやすい

 一見、24.5型という画面サイズはやや小さめに思えるが、240Hzのゲーミングモニターとしては標準的な大きさ。価格も他社製品と比べると安価な部類に入るので、240Hzモニターの中では比較的手を出しやすいポジションにある製品だろう。ただ、240Hzのリフレッシュレートを活かすには、PC側にもそれなりのフレームレートを出せるだけの能力が求められる。PCスペックをしっかり強化して、ガチンコで試合に臨みたい競技志向のプレーヤーに向いているモニターといえるだろう。

「Overwatch」。臨機応変に素早く対応を切り替える動きが要求されることも多い

AOC「AG251FZ/11」オススメのポイント

・最高性能の240Hzモニターとしては比較的安価
・5系統の入力に対応する利便性
・「ヘッドフォン置き場」装備

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ASUS「ROG Strix XG35VQ」

ASUS「ROG Strix XG35VQ」スペック
画面サイズ35型
最大解像度3,440×1,440(21:9)
応答時間1ms
最高リフレッシュレート100Hz
コントラスト比2,500:1
輝度300cd/平方m
パネルタイプVA
入力端子DisplayPort 1.2×1、HDMI2.0×1、HDMI 1.4×1
ディスプレイ同期FreeSync
HDR-
VESAマウント
スピーカー-
発売時期2018年3月16日
実勢価格(税別)12万2,000円前後

 ゲーミングブランド「ROG(Republic Of Gamers」を擁するASUSの35型曲面ディスプレイ。ASUS製ゲーミングモニターの中でも最大サイズの高級モデルとなる。大画面、高解像度、曲面ディスプレイによる、映像世界への高い没入感を謳う。

 曲面ディスプレイの売りは、大きく分けて「没入感の高さ」と「視聴時の疲労の少なさ」の2つ。画面が湾曲していることで、モニターの正面に座ったユーザーから見て画面全域が等距離になることから、通常のモニターよりも視界に占める画面の割合が大きく、画面の歪みや視線の移動が少ないために、快適で疲労が少なく済むという理屈だ。

 基本的な機能としては、画面上にクロスヘア(照準)やタイマー、FPSカウンタ、画面位置ガイドを表示するリッチなOSD機能を搭載するほか、輝点から生じるスミアやモーションブラーを低減する「Extreme Low Motion Blur」も装備。FreeSyncにも対応する、隙のないスペックに仕上がっている。本体スタンド下にはなぜかライトロゴ(カスタマイズ可)を照射するという機能も備えた。

モーションブラーを低減して動体を鮮明に描写する独自機能「Extreme Low Motion Blur」

 個人的な感想として、100Hzというリフレッシュレートは、数字的には144Hzや240Hzと見比べてみると、画面の滑らかさには一歩譲るところがあるが、競技レベルでのプレイならともかく、普通にゲームを遊ぶ分には十分すぎるスペックだと思う。

 本機の特徴は大画面+湾曲というところであり、とっさの反射神経というよりは、立ち回りや視界の確保が重要なバトルロイヤル系、例えば「PUBG」や「Fortnite」のようなタイトルが向いているのではないだろうか。作り込まれた世界観や美しい景色を存分に楽しむ「Witcher」、「Assassin's Creed」、「アンチャーテッド」といったビジュアル表現が秀でたシリーズとも相性が良いように思える。

 大画面の曲面ディスプレイということでやや特殊な製品だが、表示性能と機能を鑑みれば、お値段相応の価値はあるだろう。スピード重視の対戦FPSやMOBAというよりは、映像世界に没頭できるシングルFPSやアドベンチャータイトルを遊ぶのに向いている。対人対戦もやるけれど、作品世界に没頭して旅をするのが好き、というプレーヤーには曲面ディスプレイがおすすめだ。

「The Witcher 3: Wild Hunt」は美麗なグラフィックも売りのひとつ。NVIDIAのスクリーンショット機能「ANSEL」にも正式対応している
「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」。PS4 Pro Enhancedで画質が向上するタイトルのひとつだ

ASUS「ROG Strix XG35VQ」オススメのポイント

・大画面の曲面ディスプレイによる、有無を言わさぬ圧倒的な没入感
・モーションブラー低減やハード内蔵クロスヘアなどメーカーオリジナルの強力な追加機能
・30型超の曲面ディスプレイ搭載ゲーミングモニタとしては安価な部類


BenQ「EL2870U」

BenQ「EL2870U」スペック
画面サイズ27.9型
最大解像度3,840×2,160(16:9)
応答時間5ms
最高リフレッシュレート60Hz
コントラスト比1,000:1
輝度300cd/平方m
パネルタイプTN
入力端子DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2
ディスプレイ同期FreeSync
HDR
VESAマウント
スピーカー
発売時期2018年4月11日
実勢価格(税別)4万6,000円前後

 HDR対応27.9型4Kモニター。BenQのゲーミングブランド「ZOWIE」とは別ラインの製品で、4K解像度とHDRに対応しながら、1msの応答速度を備えた高精細モデル。方向性は画質特化といったところで、リフレッシュレートも60Hz止まりとなる。その分だけ、4K/HDR対応のモニターとしては高いコストパフォーマンスを誇る。

 ゲーミングにおける4K解像度は、現在主流のフルHD(1,920×1,080)から面積比にして4倍の広さ。仮にフルHDのモニターから4Kのモニターに交換したとするならば、単純に画面の作業領域が4倍になったと考えてよい。ブラウザもウィンドウも開き放題である。

 画面を広々と使えるのは良いことだが、ことPCゲーミングに関していえば、話はそう単純ではない。当然ながら、4Kの解像度でゲームの画面を映す場合は、グラフィックボードの性能が重要になる。なにしろ表示面積がフルHDの4倍なので、単純に4倍の性能が必要ということはないにせよ、それ相応の負荷を処理できるグラフィックボードが必要となる。また、本機のカタログスペックであるところの4K解像度を60Hzのリフレッシュレートで映すためには、DisplayPort 1.2以降の規格に対応したケーブルが必要になるので、事前にしっかり確認しておきたい。

 また、本機は27型の画面に4Kという広大な作業領域を表示するわけだが、画面に対して解像度が高すぎ、UIの文字が読みにくかったり、ファイルの扱いに手間取ることも考えられる。これは自分で表示をカスタマイズすればどうとでもなる話ではあるのだが、気になる場合は27型のモニターに4K解像度を映した画面を一度実際に見てから判断することをおすすめしたい。

 主な機能としては、環境光に応じて画面の明るさを自動調整する「ブライトネスインテリジェンス+」(B.I.+)を装備。ブルーライトカットやフリッカー低減くらいは他社製品でもよく見かけるが、環境光によって明るさや色合いまで調整してくれるのは目を引くポイントだ。このほか、画像の解像感を向上させる「Super Resolution」(超解像モード)、選択したウィンドウの外側を暗くしてウィンドウ内を見やすくする「スマートフォーカスモード」などを装備。

環境光によって画面の映りをマネジメントする「B.I.+」

 60Hzというリフレッシュレートは、ゲーミングモニターとしては平凡な数字だが、遊べないほど低いというわけでは全くない。対戦ゲームをやり込むわけでもなければ、十分実用レベルのスペックなので、本機の場合はHDRによる美麗な画面描写とのトレードオフと考えた方が良い。

 グラフィックスが評判のタイトル、例えば「バイオハザード7」や「ヒットマン」、「Mass Effect:Andromeda」といった、美しい風景や、小物にいたるまで世界観が作り込まれたゲームを手軽に楽しむには最適のモニターのひとつといえる。

「ヒットマン」
「Mass Effect:Andromeda」

BenQ「EL2870U」オススメのポイント

・画質重視モデルながら高速な応答速度でアクションゲームにも対応
・環境光を検知して、画面を自然な明るさと色合いに自動調整する「B.I.+」が地味に便利
・比較的手軽に4KやHDRコンテンツを楽しめる


Dell「Alienware AW3418DW」

Dell「Alienware AW3418DW」スペック
画面サイズ34.14型
最大解像度3,440×1,440(21:9)
応答時間4ms
最高リフレッシュレート120Hz
コントラスト比1000:1
輝度300cd/平方m
パネルタイプIPS
入力端子DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4×1
ディスプレイ同期G-Sync
HDR-
VESAマウント
スピーカー-
発売時期2017年10月
実勢価格(税別)16万円前後

 Dellのゲーミングブランド「Alienware」の34型曲面モニター。ASUSの「ROG Strix XG35VQ」と同じくアスペクト比は21:9で、解像度も共通だが、こちらはNVIDIAのディスプレイ同期技術「G-Sync」に対応する。画面のアールは「ROG Strix XG35VQ」よりも緩やかな1900R(ROG Strix XG35VQは1800R)。

 高解像度の曲面ディスプレイながら、オーバードライブ時120Hz(ネイティブは100Hz)の高速駆動に対応。「ROG Strix XG35VQ」よりも滑らかな画面描写が可能なところが大きな特徴となる。30型を超える画面サイズで120Hz駆動が可能なゲーミングモニターは数えるほどもなく、選択の余地はほとんどない。

G-Syncや120Hz駆動に対応するが割高感はある

 ゲームプレイに関係する機能としては、FPS、RTS、RPGに最適化された3つのゲームモードをプリセットとして内蔵。カスタマイズ枠も3つ用意しており、合計6つのゲームモードが利用可能。外観デザインにも力を入れており、こちらは背面の発光をコントロールできる。

 「ROG Strix XG35VQ」とはパネルが異なるが、垂直/水平視野角は178度と同じ。「G-Sync」の採用もあってか、実売16万円と高価なのがネックだ。「ROG Strix XG35VQ」と比べて目立った性能の差はリフレッシュレートくらいなので、おすすめのゲームもかぶってくる。「34型の曲面ディスプレイで120Hz駆動ができる」という点に約4万円の差額を払えるか?という点が焦点になるだろう。

「Assassin’s Creed Origins」。発表当時、超美麗な古代エジプトの描写が話題になった

Dell「Alienware AW3418DW」オススメのポイント

・曲面ディスプレイ特有の没入感
・大型曲面ディスプレイながら120Hz駆動が可能
・ディスプレイ同期技術「G-Sync」対応


EIZO「FORIS FS2434-R」

EIZO「FORIS FS2434-R」スペック
画面サイズ23.8型
最大解像度1,920×1,080(16:9)
応答時間4.9ms
最高リフレッシュレート60Hz
コントラスト比1,000:1
輝度250cd/平方m
パネルタイプIPS
入力端子HDMI×2、DVI×1
ディスプレイ同期-
HDR-
VESAマウント
スピーカー
発売時期2017年10月17日
実勢価格(税別)3万6,000円前後

 EIZOのエンタメ向けモニター「FORIS」シリーズの23.8型フルHDモニター。もともとは「FORIS FS2434」という名前で2014年に発売されたモニターで、2017年に名称のみ変更して価格改定されたもの。今回紹介する中では実質的に最も古い仕様のモニターとなる。

 ゲーミング用途だけでなく、動画鑑賞にも向けた廉価モデルということで、ディスプレイ同期技術には対応しない。「幅広い用途に使えるモニター」という方向性だ。

 ゲームプレイに直接関連する性能としては、EIZO独自の回路設計によろ内部遅延を0.05フレームに収めた点が売り。画質関連では、明るさ、彩度、コントラストの自動調整と超解像を備える。色合いの自動調整機能は、画面全体だけでなく、ブラウザやプレーヤーの動画再生エリアのみに適用することも可能だ。独自回路による入力遅延の低減も施す。2mm厚の極薄ベゼルを採用。

 ゲーミングモニターとしては尖った部分は欠けるものの、逆に言えばタイトルを選ばないスペックともいえる。強いて言えば操作が画面に表示されるまでの遅延が少ない点が特徴になるので、「ストリートファイターV」などの格闘ゲームとの相性が良いとは言える。だが、お値段的にはもう一声と言ったところだろうか。ゲーミング向けとしてはレアなマルチモニタ向け、ゲーミング向けとしては少なくなってきたIPS/ノングレアパネルが好きな人向けの1台と言える。

EIZO「FORIS FS2434-R」オススメのポイント

・マルチモニターに最適なフレームレスデザイン
・安定した色調でゲームが楽しめるIPS/ノングレアパネル
・暗部視認性向上技術「Smart Insight2」による暗所に強い明るさ補正


アイ・オー・データ機器「GigaCrysta LCD-GC251UXB」

アイ・オー・データ機器「GigaCrysta LCD-GC251UXB」
画面サイズ24.5型
最大解像度1,920×1,080(16:9)
応答時間5ms(240Hz/オーバードライブレベル2設定時0.6ms[GTG])
最高リフレッシュレート240Hz
コントラスト比1,000:1
輝度400cd/平方m
パネルタイプTN
入力端子DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2
ディスプレイ同期-
HDR
VESAマウント
スピーカー-
発売時期2018年5月
実勢価格(税別)4万6,000円前後

 アイ・オー・データ機器のゲーミングモニターブランド「GigaCrysta」の240Hz対応モデル。HDR信号入力にも対応し、SDR以上のビジュアル表現が可能となっている。24.5型のフルHD解像度で、オーバードライブ時240Hzのリフレッシュレートに対応。ゲームプレイに影響する機能で目を引くのは、オーバードライブ時の応答速度を0.6ms(GTG)まで低減しているところ。ディスプレイ同期技術であるFreeSync、G-Syncには非対応だ。

 方向性としてはAOC「AG251FZ/11」に近い位置付けの製品だが、「LCD-GC251UXB」では内部フレーム遅延への対策を謳う「スルーモード」を装備。入力から画面への反映を約0.05フレーム(約0.22ms)に抑えている(AG251FZ/11では公称の値が非公開)。応答速度0.6msと合わせて、競技性の高いゲームプレーヤーには魅力的な要素だ。

 このほか、PiP(ピクチャー・イン・ピクチャー)とPbP(ピクチャー・バイ・ピクチャー)機能が利用可能。暗部を持ち上げる「Night Clear Vision」や超解像、コンテンツごとの5つのモードに切り替えられる画面モードなど、ゲーミングモニターとして押さえておきたい一通りの機能を装備している。さらにリモコンも標準搭載している。

PiPとPbP機能。複数の入力内容を同時に確認したいときに便利だ

 240Hzモニターの得意分野は、やはり実力が拮抗した相手との競り合いがある対戦型のタイトルだ。具体的には「Overwatch」や「League of Legends」、「ストリートファイターV」といったシビアな駆け引きのあるゲーム。弾を一発多く撃ち込んだとか、敵のスキルに瞬間的に反応して直撃を免れるとか、技の出を察してガード入力をするといった一瞬の差が勝敗を分けるような世界でモニターの性能が活きる。

 競合製品となるAOC「AG251FZ/11」よりもお値段は少し高めだが、240HzのリフレッシュレートとHDR信号入力への同時対応はまだ例が少ない。真剣勝負のゲームも好きだが、グラフィック表示の質にもこだわりたいプレーヤーにはもってこいの製品だろう。

「ストリートファイターV」。フレーム単位の駆け引きが頻繁に発生する格ゲーの本流

アイ・オー・データ機器「GigaCrysta LCD-GC251UXB」オススメのポイント

・240Hzの高速駆動と表示遅延の低減で画面の視認性が良好
・HDR信号入力の対応(SDR以上のビジュアル表現が可能)
・PiPとPbPが利用可能

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~最速0.6ms[GTG]の応答速度と表示遅延0.22ミリ秒の“速さ”にこだわったeスポーツモデル
https://game.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1131301.html


LG「27UK650-W」

LG「27UK650-W」スペック
画面サイズ27型
最大解像度3,840×2,160(16:9)
応答時間5ms
最高リフレッシュレート60Hz
コントラスト比1,000:1
輝度350cd/平方m
パネルタイプIPS
入力端子DisplayPort×1、HDMI×2
ディスプレイ同期FreeSync
HDR-
VESAマウント
スピーカー-
発売時期2018年1月16日
実勢価格(税別)6万3,000円前後

 HDR対応の27型4Kモニターで、両側面と上面を狭額縁としたモデル。性能面ではBenQ「EL2870U」に近い。リフレッシュレートは60HzでFreeSync対応。応答速度は5msと少し遅め。

 独自機能として、OSDメニューから設定できるクロスヘア表示を装備している。「PUBG」や「Battlefield」、「Call of Duty」シリーズなどに登場する武器の中には、クロスヘアの表示が変わる装備があるので、安定したエイミングが可能になる。この手の機能は色んな意味で大丈夫なのか、いつも心配になる。

ゲーミング機能のひとつとして「クロスヘア表示」がある

 機能面では、表示遅延を低減するDAS(Dynamic Action Sync)モードや暗部補正「Black Stabilizer」、ゲームジャンルごとに設定を最適化した「ゲーミングモード」、超解像などの機能を搭載。お値段が少々高めなのは気になるところだが、モニター側のクロスヘア表示機能は便利なので、クロスヘアが必要なタイトルを遊ぶプレーヤーにはこちらの方がおすすめしやすい。

 特におすすめしたいHDR対応タイトルとしては、「PS4 Pro ENHANCED」対象タイトルのうち「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」や「アサシンクリード オリジンズ」、「バイオハザード7」などを挙げたいところだ。

「バイオハザード7」。HDRモードを有効にすることによって、主に暗部の締まりが増して不気味な雰囲気が際立つ

LG「27UK650-W」オススメのポイント

・4K+HDR対応の圧倒的な解像感と鮮やかな色彩
・FreeSync対応
・モニター内蔵のクロスヘア表示機能


MSI「OPTIX MPG27CQ」

MSI「OPTIX MPG27CQ」スペック
画面サイズ27型
最大解像度2,560×1,440(16:9)
応答時間1ms
最高リフレッシュレート144Hz
コントラスト比3,000:1
輝度400cd/平方m
パネルタイプVA
入力端子DisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×2
ディスプレイ同期FreeSync
HDR-
VESAマウント
スピーカー-
発売時期2018年4月19日
実勢価格(税別)6万3,000円前後

 27型曲面ディスプレイを採用するゲーミングモニター。先に紹介した「ROG Strix XG35VQ」、「Alienware AW3418DW」よりも2回りほど小さい画面サイズ、それに伴い解像度も一回り落としているということもあって、かなり手を出しやすい価格となっている。

 応答速度は1msで、よりゲーミング色の濃いスペック。外部ユーティリティによる拡張性の高さも特徴のひとつで、MSI純正のユーティリティ「Gaming App」をPCに導入することにより、キーボードやマウスを使ったOSDメニュー項目の設定が行なえるほか、ゲーミングデバイス「Steel Series」のユーティリティ「Steel Series Engine」との連動によって、Engineが対応するゲームタイトル上の「弾薬」、「体力」、「キルカウント」などを表示可能。他社製品にも見られる、OSDによるクロスヘア表示機能も備えている。

対応ゲームタイトルと連動して、ディスプレイ側から直接ゲーム内の情報を表示させる「Gaming OSD」

 現行のモニターサイズとしてメジャーな27型に、フルHDを超える解像度、高速なリフレッシュレートに十分な応答速度、FreeSync対応と、ゲーミングモニターとしてバランスのとれた欲張りな性能を有している。他社でも同クラスの製品はラインナップされているが、本機はその中でも特に隙のないスペックに仕上がっており、価格も現実的な範囲に収まっている。本特集のオススメモデルの1つだ。

 144Hzならば対人戦での使用にも耐えるので、「League of Legends」や「Counter-Strike: Global Offensive」、「Rainbow Six Siege」などでポテンシャルを活かせるほか、「PUBG」や「Fortnite」といったバトルロイヤル系のタイトルでは、広い視野を活かして有利に試合を展開できるだろう。

「Fortnite」。「PUBG」のようなリアル系とは趣を異にする、建築要素を組み込んだバトルロイヤル

MSI「OPTIX MPG27CQ」オススメのポイント

・WQHDの高解像度と高速フレッシュレートの両立
・外部機器や対応ソフトウェアとの連携
・そこそこ現実的なお値段


ViewSonic「XG2401」

ViewSonic「XG2401」スペック
画面サイズ24型
最大解像度1,920×1,080(16:9)
応答時間オーバードライブ時1ms
最高リフレッシュレート144Hz
コントラスト比1,000:1
輝度350cd/平方m
パネルタイプTN
入力端子DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4×2
ディスプレイ同期FreeSync
HDR-
VESAマウント
スピーカー
発売時期2018年4月27日
実勢価格(税別)2万4,000円前後

 144Hz対応の24型フルHDモニターでドスパラ専売。応答速度は1msと、この価格帯のゲーミングモニターとしては安価な部類に含まれる。

 高速な応答速度と入力遅延低減機能(Low Input Lag)を同時に有効化する「SmartSync」の搭載を謳うが、公称での実測値は見当たらない。FPS、RTS、MOBA向けのプリセットを設定したゲームモードを内蔵したほか、暗いシーンの視認性を向上させる補正機能「Black Stabilization」を他社のゲーミングモニター同様に装備する。

高速な応答速度と低入力遅延も売りのひとつ

 Acer「Nitro VG0 VG240Ybmiix」に近い立ち位置の製品だが、こちらはDisplayPort入力を備えており、接続性の面では本機に軍配が上がる。「XG2401」はPCのほかに、HDMI接続で2台までのコンソール機を接続できるので、1台で様々なゲームが遊べる環境を安く構築したい場合に向いている。スピーカーも内蔵しており、音にこだわりがないならば、モニターにコンソール機を接続しただけで遊べてしまう手軽さも良い。

 応答速度とリフレッシュレートも十分に速いので、対人戦のあるタイトルのプレイにも向く。価格もお手頃なので、「スプラトゥーン2」のために本機を使うというのもアリだと思う。

「スプラトゥーン2」。コンソール機の対戦タイトルも、ゲーミングモニターでプレイすると戦績に如実に差が出る

ViewSonic「XG2401」オススメのポイント

・安価に手に入る144Hz、1msのゲーミングモニター
・プレイするだけならコンソール機と接続するだけですぐに遊べる
・価格帯のわりに入力端子が多め

「とりあえずこれ買えばオッケー」という“全部入り”モデルも存在するがお高い!

 6月22日、北米において、ASUSのROGブランドより、G-Sync HDR対応の27型4Kモニター「Swift PG27UQ」が発売された。

ASUS「ROG Swift PG27UQ」スペック
画面サイズ27型
最大解像度3,840×2,160(16:9)
応答時間4ms
最高リフレッシュレート144Hz
コントラスト比1,000:1
輝度600cd/平方m
パネルタイプIPS
入力端子DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×1
ディスプレイ同期G-Sync
HDR
VESAマウント
スピーカー-
発売時期2018年6月22日
実勢価格国内価格は未発表

 4K解像度でG-Sync HDR対応、最高リフレッシュレートは144Hz、Adobe RGB比99%の表示色域を誇るというゲーマーが欲しい機能を“全部乗せ”したスペックであり、日本での発売も決まっているが、肝心のお値段はほぼ確実に20万円台、下手をしたら30万円近くなる可能性も指摘されており、おいそれとは手が出ない価格となっている。

 ちなみに旧モデルの「ROG SWIFT PG27AQ」はリフレッシュレートが60Hzで表示色域はsRGB100%という表示性能。画面サイズや解像度、応答速度には変更がない中、リフレッシュレートの向上はゲーミングモニターとして順当な進化とするにせよ、広色域に対応したというのは興味深い変化だ。ASUSはプロフェッショナル向けモニターとしてAdobe RGB比99%の製品をすでにいくつも発売しているが、ゲーミングモニターとして広色域対応製品を出すのは初めてのこと。今後はコンテンツの色再現にも力を入れるトレンドが来るのかもしれない。

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~144Hz、1msの表示性能と入力遅延軽減機能も搭載したドスパラ専売モデル
https://game.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1131027.html

まとめ

 モニターは、ゲームを始めとするデジタルコンテンツ全般を楽しむにあたって非常に重要なデバイスだ。様々な方向に多様化するモニターの中から自分に合った性能を読み解き、間違った買い物をしないためには、結局のところ、1つ1つの用語を知り、自分で判断するしかない。

 モニターを選ぶ基準は人それぞれではあるが、「ゲーミング」というくくりがある以上、傾向は大きく絞られる。冒頭にも述べた通り、eスポーツ性能を重視するか、映像表現性能を重視するかである。

 いま、対戦ゲームでモニターをボトルネックにしたくないのであれば、リフレッシュレートや応答速度を見ればいいし、データとして公開しているメーカーは少ないが、入力から表示までにかかる時間であるところの「入力遅延」についても情報を集めるべきだろう。

 美しい映像を楽しむことを望むならば見るポイントはシンプルで、画面サイズや解像度、HDR対応の有無をチェックすると良い。曲面ディスプレイは、どこかで試用してみて、自分に合うと思ったら検討するくらいでいいと思う。どちらの場合でも、できるだけG-SyncやFreeSyncに対応しているモデルを選びたいところだ。

 だがスペックよりも重要なのはお値段である。そのスペックに十分納得してお金を出せるか。モニターのスペックとトレンドを把握するのはそのための判断材料を集めることでもある。モニターは比較的長く使うデバイスであるが、「日常的に使うからこそ、良いものを選びたい」という考え方もあれば、「『ゲーム用』という限定的な用途なのだから、そこそこのものでいい」という考え方もある。

 「これにいくら出せるか?」、「ほかと比較してこの価格は適正なのか?」それを判断するために、モニター性能の知識をつけて、トレンドを掴むのは大切なことだ。今なら「240Hz」、「HDR」、「4K」、「曲面ディスプレイ」、「G-Sync/FreeSync」あたりがキーワードになってくるが、現行機種を眺めると「大画面で高解像度だが高価格」、「4KとHDRに対応するがリフレッシュレートが物足りない」、「高リフレッシュレートだが解像度が低め」といった製品の傾向が見て取れる。

 いま、「240Hz」と「4K」は両立しないが、「240Hz」と「HDR」は両立するようになっている。来たるべきHDMI 2.1時代になれば、「240Hz」と「4K」も両立する時代が確実にやってくる。だが、最後に取り上げた「Swift PG27UQ」を見てもわかるように、価格は現行より数段高くなるし、現行の価格帯まで下りてくるには数年、ひょっとするともっとかかるかもしれない。

 今売っているものの中から、懐具合に応じて選ばなければならない以上、何かを諦めなければならない。自分のニーズを理解し、何を買うべきかは、ゲームを楽しむにあたって、自分が何を大切にしているのかを思い起こして、ひとつひとつのキーワードに優先順位をつけて判断すると良いと思う。今回の記事が、ほんの一部でもその助けになったなら幸甚である。