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【特別企画】競技レベルまでカバーした高コスパゲーミングモニターViewSonic「XG2401」
~144Hz、1msの表示性能と入力遅延軽減機能も搭載したドスパラ専売モデル
2018年7月13日 07:00
「ゲーミングPC」は、ゲームコンソールと比べて高価なマシンだが、それでもゲーミングPCの需要が尽きないのは、PCでないと味わえないゲーム体験があるからだ。それは例えば「Fallout 4」にいろいろなMODを導入して遊びたいからかもしれないし、「Counter-Strike: Global Offensive」(CS:GO)で競技レベルのFPSに踏み込みたいという動機もあるだろう。あるいは友達と一緒に「League of Legends」でプリメイド(チーム)を組んでワイワイ楽しむために買ったという人がいてもおかしくはない。
だが大枚はたいて買った高性能PCも、その性能をうまく発揮できずにいるのでは宝の持ち腐れだ。ほとんどのPCゲームは画面を見ながら遊ぶわけだが、例えば「画面が動いたときのブレがひどい」、「キャラクターの動きがカクついて見える」などといった形でモニターの表示性能に不足があれば、コンテンツを十分に楽しめたとは言えないのではないか。
特に対人要素のあるゲームでは、モニター性能がボトルネックになって、「勝てる勝負も勝てない」なんてことも起きかねない。そうした事故を起こさないためには、ゲーミングモニターの導入を検討してみてはいかがだろうか。
今回紹介するViewSonic「XG2401」は、ゲーミングモニターとして144Hzのリフレッシュレートと1msの応答時間と、現状のPCゲーミングに必要十分な性能を持ちながら、実売2万円台で買えるハイコストパフォーマンスモデルだ。国内ではドスパラ専売。
お手頃価格ながら、eスポーツ機能を一通り揃えた本格仕様
ViewSonic「XG2401」スペック | |
---|---|
画面サイズ | 24型 |
最大解像度 | 1,920×1,080(16:9) |
応答時間 | オーバードライブ時1ms |
最高リフレッシュレート | 144Hz |
コントラスト比 | 1,000:1 |
輝度 | 350cd/平方m |
パネルタイプ | TN |
入力端子 | DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4×2 |
ディスプレイ同期 | FreeSync |
HDR | - |
VESAマウント | ○ |
スピーカー | ○ |
発売時期 | 2018年4月27日 |
実勢価格(税別) | 2万4,000円前後 |
画面サイズは24型でフルHD解像度というベーシックなスペック。画面下部にはOSD操作用のボタンを備える。OSDメニューの操作は選択項目の上下移動や変更した値の確定などに割り振られたボタンを押していく昔ながらのスタイルで、操作感はやや癖がある。調整できる項目としては、基本的な画面の明るさや色味の調整項目に加えて、画面内のシャドー領域を持ち上げる「Black stabilization」、ゲーム向けの設定プリセットを選べる「Viewモード」、ブルーライト軽減、入力端子選択、内蔵スピーカーの音量調整などが行なえる。
また、応答時間や入力遅延の設定も行なえる。具体的な数値は表示されず、オンラインマニュアルにも数値の記載はなかったが、いずれも「超高速」に設定することでもっとも応答速度が早い状態で利用できる。ちなみに入力遅延とは、プレーヤーが操作を行なってから操作結果が画面に表示されるまでの時間。対人ゲームではこの値が短いほど有利だが、この値を公表していないメーカーも多い。
なお、プレイ中のゲームに合わせてリフレッシュレート、応答時間、入力遅延の値を自動的に設定する「SmartSync」という機能も使用できる。
デフォルトではOFFになっているが、ONにすると画面の明るさがデフォルトの値(輝度50)よりもやや暗くなり、ゲーム内オブジェクトの輪郭が強調されるような描写になった。具体的にどの値がどのような数値になるかは明示されないものの、遠くのキャラクターでも背景と判別がつきやすくなるので、遠距離狙撃を行なうシーンのある「Overwatch」や「PUBG」をプレイするときに有効な機能だろう。
MOBAの「League of Legends」では、敵の位置がわかれば後は「敵がどのスキルを使ったか」、「近くに敵が潜んでいないか」、「味方と連携できる距離にいるか」などを把握して上手くタイミングを合わせられるかどうかの方がチャンピオンの描写よりも重要だし、視界に入ったチャンピオンには体力バーが出るので、それがどのチャンピオンであるかがわかれば情報としては十分なので、「SmartSync」の恩恵はそこまで実感できなかったが、他のモニターにはないユニークな機能だ。
ディスプレイ同期技術のFreeSyncにも対応。対応するグラフィックボードを使っている時限定ではあるが、カクつき(スタッタリング)や分断表示(ティアリング)の発生を抑える機能として有用だ。
画面の高さは11cmの範囲で調整可能。縦画面へのピボットにも対応した。背面部分のスタンドにはヘッドフォンフックも備える。PCの前から席を外す時に、立ち上がってヘッドフォンを掛けておくのに便利だ。入力端子はDisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4×2。USB 3.0ポートを2つ備えたハブ機能も使える。
勝敗を分ける、とっさの判断で強い高速反応に特化した性能
さて、「XG2401」は、144Hzのリフレッシュレートと1msの応答時間という、現行のゲーミングモニターとして実現されていてほしい性能を2万円台前半の安価な価格で手に入れられる点が魅力だ。具体的な数値は示されていないものの、入力遅延を低減する設定があるというのも評価できるポイントだ。この性能が活かせるタイトルとしては、とっさの判断が勝負を分ける「Overwatch」や「League of Legends」、「PUBG」などが挙げられるだろう。
「Overwatch」(Blizzard Entertainment)
リフレッシュレートや応答時間の性能は、キャラクターやスキルエフェクトの視認性に関与する。本機は144Hzのリフレッシュレートと応答時間1msの性能が出せるので、敵の動きが見えやすく、エイムを追従させやすくなる効果が期待できる。試しに60Hzと144Hzでリフレッシュレート設定を切り替えて遊んでみたところ、明らかにエイムのつけやすさに差を感じた。具体的には60Hzで感じたカクつき感が軽減され、曲がり角などの出会い頭で始まる近距離戦の撃ち合いで勝てる割り合いが増えた気がした。
普段はそれほど見え方に気を付けているわけではないが、交互に見え方を比較すると、やはり60Hzは明らかにカクついて見えてしまう。それは1度144Hzに慣れたら、もう1度60Hzに戻って遊ぶモチベーションがなくなる程度には大きな差だ。
「League of Legends」(Riot Games)
「LoL」に限らず、MOBAではアルティメットスキルをいかにうまく使うかが試合の勝敗に直結する。特に攻撃型のアルティメットスキルは強力なダメージを与えられる分、使うタイミングや当て方を見誤ると、取り返しのつかないことになりやすい。
相手がアルティメットスキルを使ったことがわかると、使われた方は一旦引いて時間を稼ぎ、スキルの効果が切れるのを待つ行動を取ることが多い。視覚からチャンピオンの動きが捉えやすい高速なリフレッシュレートという性能は、こうしたシーンで相手を捕まえて倒しきれるかどうか、あるいは逃げ切れるかどうかの瀬戸際で、一瞬の判断の差を出す形で威力を発揮する。
例えば下の画像は、筆者がフィドルスティックスのアルティメットスキルを使って敵ミッドのスウェインを味方ミッドのタロンとともにギャンクしたところだが、敵の位置と反応次第では、フラッシュで逃げられて空振りに終わる可能性もあった。もしこれがリフレッシュレートの低いモニターだったなら、視認からの操作が間に合わずに逃げられてしまっていたかもしれない。ある意味ではモニター性能のおかげで倒せたという見方もできる。
「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(PUBG Corporation)
PUBGで戦闘になったとき、敵がどの方向に、何を目指して、どう動いているかを把握することが重要だ。左右へランダムに回避行動をしながら、物陰へ隠れようとする敵に、いかに弾を当てるか。この辺りは表示性能だけでなく、プレーヤー自身のエイム力や、偏差撃ちの腕も影響してくるが、結局は、動く標的をきちんと追って、狙えているかに尽きる。
例えば自分が先に敵を発見したとき、敵の位置から遮蔽が遠い場合は敵を撃ち放題になることはよくあるが、きちんと動きを追えていなければ無駄弾を撃つだけに終わる。敵の動きを把握して倒せるかどうかはプレーヤーの腕も必要だが、モニターを替えてより狙いやすい環境を構築することもひとつの手段だ。
下の画像は、まだ筆者の位置が相手に割れていない状況で、前方に見える岩陰に向かって走る敵プレーヤーの頭を撃ち抜いたところ。リフレッシュレートが低い設定では実質的に間のコマが落ちたような見え方をしてしまうので頭を狙うのは難しかったが、高いリフレッシュレートを表示できるモニターであれば、敵の動きが滑らかに視認できるので狙いやすかった。
コストが嵩みがちのPCゲーミング環境の強い味方!
144Hzというリフレッシュレートが有利にはたらくのは、PCゲームならではの要素だ。とかくPCゲーミング環境はお高くつきがちだが、それもすべてPCの重いゲームで快適に遊ぶ(≒高いフレームレートを出す)ための投資である。
液晶モニターのスペックとしてのリフレッシュレートは、1秒間にモニターが表示できるフレームレートのハードウェア的な限界値だ。いくら内部的に性能が出ていても、モニターの方で表示に対応していなければ意味がない。そして、それを活かす競技性の高いタイトルも現に存在している。
「XG2401」は、24型の画面にフルHDというベーシックな基本性能に、ゲーミング向けの尖った性能を備えた、目的のはっきりしたモデルである。ドスパラのみでの取扱いとなるが、予算の都合でPCゲーミングの表示環境を安価に揃えたいユーザーには魅力的な選択肢となりうるだろう。