【特別企画】

「ペルソナ3 リロード」先行プレイレポート! どうすればファンが喜ぶかしっかり理解している神リメイク作品

【ペルソナ3 リロード】

2024年2月2日 発売予定

価格:9,680円(税込)

 アトラスは、「ペルソナ」ファンが待ち望んだリメイク作品「ペルソナ3 リロード(以下「P3R」)」を2024年2月2日に発売する。

 本作は「ペルソナ」シリーズのシリーズの転換期にもなった伝説的ゲーム「ペルソナ3」をベースにしながら、ナンバリング最新作である「ペルソナ5」のスタイリッシュなUIやシステム等を踏襲しつつ、15年以上の月日を経て最高峰のグラフィックに進化し生まれ変わった「ペルソナ3」の世界を再び楽しめる作品となっている。

 オリジナルの「ペルソナ3」が「ペルソナ」シリーズのナンバリング作品の中でも「女神異聞録ペルソナ」や「ペルソナ2 罪・罰」のダークテイストを残しながら、「ペルソナ4」や「ペルソナ5」のようなポップさが出始めた作品となっており、正に中間地点に相応しい作風となっている事から、多くのシリーズファンに愛されている作品だ。

 かく言う筆者も少年時代にこのゲームをプレイした事でJPRG作品にドハマりした人間の1人。間違っても(良い意味で)中学生にやらせてはいけないゲームだったと自分で強く思ってしまうほど本作の魅力は底知れないのである。

 今回はそんな本作の試遊版を一足早くプレイする事ができたので早速プレイレポートして行きたいと思う。今後様々なイベントで触れられる体験版と同じ仕様との事だったので、自身でプレイする際の参考にもなると思われるので是非チェックして欲しい。

【『ペルソナ3 リロード』PV01】

「ペルソナ3」が正当進化! UIや演出がより“クール”に

 まず始めに元となった「ペルソナ3(以下:P3)」のバックボーンを簡略的に振り返りたいと思う。「P3」は2006年に発売されたプレイステーション 2用ソフトとなっており、友人・街の人々といった様々なキャラクター達と交流を深める高校生活を送りながら、「影時間」と呼ばれる普通の人間では感じることができない異質な世界を舞台に、人々を襲う「シャドウ」に対抗できる「ペルソナ」能力に目覚めた主人公と仲間たちが過酷な戦いに挑んでいくJRPG作品だ。

 主人公が複数体の「ペルソナ」を駆使できる事で「ペルソナ」の育成・強化・合体などのビルド要素を楽しむ事ができ、その力を駆使して満月の夜に現れる「ボスシャドウ」の討伐や入るたびに構造が変化する無限のダンジョン「タルタロス」等を攻略していく事となる。その戦いの中で高校生活らしい青春ドラマと人間関係がドロドロしているダークな物語の両面をストーリーの中で楽しむことができるのだ。

 既に新シナリオを含めた様々な新要素が追加された「ペルソナ3フェス」、PSPへとプラットフォームを移して女主人公ストーリーが追加された「ペルソナ3 ポータブル」など本編を遊べる作品だけでも複数回展開されている事からも分かる通り、シリーズの中でも一番思い出深い作品と語るプレイヤーが少なくないほどの人気タイトルとなっている。

 さらに最近の「ペルソナ」シリーズのイメージとも言える日常の高校生活の中で行う様々なキャラクターとの「コミュ活動(作品によってはコープ活動)」や、現実と非現実を行き来しながら高校生活の1年を掛けて物語を描くジョブナイル要素を強めたシステムを最初に導入したナンバリング作品なため、現代「ペルソナ」の礎を築いた作品と言っても過言ではないのだ。

【PS2版「ペルソナ3」】
オリジナルの「P3」の発売日が2006年。高校生活の中で人知れず世界を救っている設定、ペルソナを呼び出す際に自分の頭を拳銃で撃ち抜くイカしたモーション、全体的なダークなストーリーとクールなパーティーの雰囲気など……そらもう当時の少年たちの中ニ心を刺激しまくっていた。

 そんな「P3」のリメイクとなる「P3R」は現状で分かる範囲だけでもビックリする位多くの要素が進化したことが確認できた。キャラクターやダンジョン等のグラフィックは現代の技術によってしっかり美麗な姿にリファインされており、演出やUIも最新ナンバリング作である「P5」と同じようなスタイリッシュな表現に生まれ変わっているのだ。

 それでいて、ただ「ペルソナ5」っぽいUIにすり替えているだけではないのもポイントが高い。歴代ナンバリング作品の中でも特に清涼で”クール”な印象を持つ「P3」らしさが随所の演出から分かる通りしっかり残っているのも素晴らしい。

 コマンドバトルとしての戦略性を残しながらスタイリッシュさを出す、それだけに止まらずオリジナルの風味をしっかり残すアトラスの作りには感服だ。

ストーリー中の演出やモーション、アニメーションやムービーの数々、それら全てが現代の最高グラフィックになっているだけでもファンとしては涙が止まらない
【新グラフィックで生まれ変わったパーティーメンバー】
主人公の同級生である岳羽ゆかり
同じく同級生の伊織順平
ボクシング部部長を務める真田明彦
生徒会長を務める桐条美鶴
各種UIや演出も現代風にしっかり生まれ変わっているが、その中にもしっかりオリジナルの「P3」らしさが残っている。MAPのUI等は綺麗になっているが特に昔のままで安心感がある
カットイン演出も「P5」っぽくなるのではなく、「カッ!」してからそれが割れてペルソナが現れるというオリジナルの演出を順当にパワーアップさせた印象で、しっかりタイトルごとの色を出してきたのも嬉しいポイントだ
特に筆者が感動したのが総攻撃とメニュー画面だ。どちらも「P5」の演出やUIをベースにしていながらも表現の変化で完璧に「P3」となっている
総攻撃は「P5」の派手な雰囲気とは一転して仕事人的なクールさを持つ「P3」の良さがしっかり出ており、フィニッシュ画面やメニュー画面も清涼感のある青を基調とした表現でもう……!
当たり前だが完璧に”分かってる”人が作ったとしか言い表せない。

先行試遊版と「NewMoon」と「FullMoon」を遊んでみる

 このままだと一生「P3」の昔話と「P3R」の良きポイントを語ってしまうので本題に移りたいと思う。今回プレイしたのは今後様々な体験イベントで触る事が可能なバージョンとなっており、「NewMoon」と「FullMoon」という2つのモードから本作を遊ぶことができる。

 簡単に説明すると「NewMoon」が初心者向けの内容で、最序盤の「タルタロス」探索をプレイしながら基本的なシステムやバトルの基礎を試せるモードとなっており、一方の「FullMoon」は物語序盤の「ボスシャドウ」との戦いやイベントを実際に遊べる少し慣れた人向けのモードになっていた。今回は何とその両方をプレイする事ができたので、まず初めに「NewMoon」について触れて行こうと思う。

メニュー画面からプレイしたいモードを選ぶ方式に
操作方法や各モードの解説なども事前に把握できるようになっていたのでプレイ自体はとてもスムーズに行なえた

「NewMoon」ではタルタロスを探索! ダッシュ実装などプレイフィールが向上

 「NewMoon」では、いわゆるダンジョンとなる「タルタロス」のエントランスからスタートするのだが、正直もうこの段階で「グラフィック綺麗!?」、「階段の迫力凄っ!?」、「奥行広っ!?」等と様々な感情が湧き出て色々とウロチョロしてしまった(制限時間があるのに)。

 ゲームシステム自体は変更はなく、エントランスではタルタロス内部に連れて行くパーティーメンバーの選択ができたり、後々階層のショートカットに使用できる転送装置の存在が確認できたりなど懐かしさと安心感を実感できた。今回は超序盤の「タルタロス」体験のため初期メンバーの「順平」と「ゆかり」を引き連れて1Fから探索を行なっていく。

グラフィックが進化してるからか記憶にあるエントランスよりメチャメチャ広大に感じてしまう。ちなみに階段裏の奥までしっかり歩いていくことができた
序盤なため使える機能は少ないが、後々パーティーメンバーが追加されたり、ベルベットルームが追加されたり等して見た目がどのように変化していくのか楽しみだ

 「タルタロス」内部に潜入すると如実にその違いを感じることができた。まずカメラワークがオリジナルのやや上から見る俯瞰的な視点から、「ペルソナ5」っぽい三人称視点になっている。この影響とグラフィックの進化の相乗で「タルタロス」の不気味さをオリジナルより強く感じ取れた。階層を移動する階段とか雰囲気出すぎで最高である。

 他にも新機能としてダンジョン内を素早く移動可能な「ダッシュ」が追加され、それに伴いシャドウに先制攻撃を可能とするアタックも「ダッシュ」中に行うとモーションが多少変化したり等の違いを確認できた。

 これらは「ペルソナ5」から登場した機能だが特に「P3」では「タルタロス」を無限に探索する事になるため、あるのとないのとでは雲泥の差だろう。「P3R」では破壊できるオブジェクトや鍵付きの宝箱といった新規要素に加え、アイテムを入手できる宝箱やレアシャドウなどが今回も存在するため、オリジナルと同じくハクスラの様に探索自体を快適に楽しめそうだ。

【新グラフィックによって生まれ変わった「タルタロス」内部】
元々「タルタロス」でのレベリングやアイテム収集などのハクスラ要素がメチャメチャ楽しかったので単純にダッシュが追加されて探索がスムーズになるのは超嬉しい
オマケに今作から疲労関連のシステムがなくなったとのことなので、本当の意味で”無限”に探索ができるようになったのも嬉しい所だ