先行体験

「ペルソナ3 リロード」の後日談を描いた追加DLC「エピソードアイギス」を先行試遊! ”リロード”仕様で完璧に仕上げられたリメイクっぷりに感動……!

【ペルソナ3 リロード 追加DLC「Episode Aegis」】

9月10日 配信予定

価格:3,580円(税込)

 アトラスが9月10日に配信予定である「ペルソナ3 リロード(以下:P3R)」のDLC「エクスパンションパス」第3弾「Episode Aegis(以下:エピソードアイギス)」。

 「エピソードアイギス」は「P3R」の後日談を描いた大型追加コンテンツとなっており、本編でパーティーメンバーの1人だった対シャドウ用人造兵器の少女「アイギス」が主人公となって新たな問題に立ち向かう事となる。2007年に発売された「ペルソナ3 フェス」にて収録されていたこのエピソードの復活はファンとしては堪らない物であり、強火オタクの筆者個人の意見で言わせてもらうと「エピソードアイギス」が無いと「ペルソナ3」の物語は完結しないとも思っている程なので、今回のDLCは是非「P3R」をプレイした全人類に遊んで欲しいと思っている。

 今回はそんな「エピソードアイギス」の冒頭部分を先行試遊させて頂いたので、早速紹介したいと思う。なお、本稿はバチバチに「P3R」本編のネタバレを含む内容となっているので、ご注意頂きたい。

【『ペルソナ3 リロード: Episode Aegis』メティス(CV.斎藤千和) キャラクターPV】

残されたパーティーメンバーが”死”と向き合う後日談……!

 「エピソードアイギス」で描かれるのは「P3R」本編のエンディングで「約束の日」を迎えた後のパーティーメンバー達の姿だ。

 本編主人公との死別から数週間が経過し、「特別課外活動部(S.E.E.S.)」の拠点となっていた巌戸台分寮の閉鎖が間近に迫った3月31日から物語は始まる。「召喚器」を回収し最後の夜を楽しんだ直後、3月31日が繰り返される異変が発生。さらにアイギスの妹を自称する謎の機械少女「メティス」の襲撃に遭い、事態は急変していく。

 異変の原因はパーティーメンバーにあると語る「メティス」、突如巌戸台分寮の地下に発生したタルタロスのようなダンジョン「時の狭間」、本編主人公と同じ複数のペルソナを使い分ける「ワイルド」の力に目覚めるアイギス……事件の真相を解明し3月31日からの脱出のため「特別課外活動部」最後の戦いが幕を開けるのだ。

「巌戸台分寮」で過ごす最後の夜なのに集まりの悪いパーティーメンバー。彼(主人公)を失いどこか茫然自失な様子が伝わってくる……。オリジナル版が発売された当時は賛否がバッサリ別れた挑戦的なストーリーを現代で体験できるぞ…!
「ワイルド」の力に目覚めるアイギスのムービーなども当然フルリメイク!探索を開始する「特別課外活動部」メンバーの恰好も「P3R」で登場した「新戦闘服」スタイルで目新しい部分が満載だ!

 「P3R」と同様に本筋のストーリーラインはオリジナル版「ペルソナ3 フェス」の「エピソードアイギス」をしっかり踏襲している印象だ。「P3R」本編ではメインテーマである「メメント・モリ」に沿って「死」や「別れ」を意識させるような数多くの物語が紡がれたが、「エピソードアイギス」では同じテーマでありながら大切な人を失った”残された人々”に着眼点が当てられているのが大きな特徴と言える。

 故にストーリー中は空気が本編よりもさらに重苦しい場面も多く、オリジナル版「ペルソナ3 フェス」でも「エピソードアイギス」は色々と賛否を呼んだ。だが「ペルソナ3」の決着に相応しい物語となっていたので、フルリメイク作品である今作にも強い期待が持てる。

 リメイクにあたって今回見どころとなるのは「P3R」の追加エピソードによって主人公とパーティーメンバーの仲がより深まった状態なのがプレーヤーにとって”地獄のスパイス”になっている点と、「エピソードアイギス」からの追加キャラクターである「メティス」が現代リメイクによって昔よりも可愛らしく感じられる点だ。オリジナル版「ペルソナ3 フェス」をプレイした事のあるプレーヤーもかなり違う気持ちで本作の物語に没入する事ができるだろう。

 物語冒頭にしか触れられてないため確証は無いが、「P3R」本編がストーリーの本筋は変えずに追加エピソードや要素が多数用意されていたので、今回の「エピソードアイギス」でも同様に何かしら物語を掘り下げる追加エピソードが期待できる。

本編の追加要素の影響で冒頭だけでも「そら主人公とアレだけ仲良かったらなぁ……」とオリジナル版よりも感じるシーンが多い…!今後の展開を考えると「P3R」の追加要素でより主人公と強い絆で結ばれていたことが逆に怖いとすら感じてしまう……
グラフィックの進化も大きな要因だとは思うが、戦闘中やストーリー中で愛嬌を昔より感じ取りやすくなっているのが「メティス」。総攻撃フィニッシュの後に「褒めてください姉さん!」や「これが妹の力です!」とドヤ顔してるのが可愛すぎる!

ゲームシステムは当然リロード仕様に!新規BGM「Don't」が神過ぎる…!

 続いて本作のゲームシステム面について取り上げていこう。今回プレイできたのは最初の番人ボス「怒りの聖典」戦までとなるので、そこまでの内容をベースに紹介していく。

 ダンジョン探索・バトルのシステムは「P3R」とほぼ変わらないため、「P3R」から続けて遊ぶプレーヤーは違和感なく本作を遊べるプレイ感となっている。とはいえ「エピソードアイギス」としてはオリジナル版が「ペルソナ3 フェス」なので、そこから考えるとでとんでもない進化だと感じられるだろう。

 弱点を突いた際に味方へ行動権をパスできる「シフト」、一定の行動でゲージを溜めてキャラクター特有の必殺技を繰り出せる「テウルギア」、UIやシステム周りもリロード仕様のスタイリッシュな仕上がりになっているので遊び心地は抜群。ただ本編との違いとして上記の新システムを最初から使えたり、キャラクター達は覚醒後のペルソナでありながらレベルは弱体化しているので、攻略面においてはかなり異なるゲーム性が味わえる。

 何より大きな違いとして「アイギス」が実質本編主人公と同じ役割を果たし、空いた枠に「メティス」が追加されるのでパーティー構築もかなり異なる印象だ。敵シャドウも序盤からバシバシ状態異常を狙ってきたりなど”一度本編をクリアしたプレーヤー向け”の難易度で襲ってくるため、やり応えも十分な作品だと感じ取れる。

「テウルギア」や「シフト」が最初から使える一方、敵シャドウの戦い方も既プレイ者向けの難易度に……! 本編終盤で当たり前に使っていた「風花」のサポートスキルも殆ど使えなくなっているため、油断していると一気に崩される緊張感がある
追加キャラクターである「メティス」は物理スキルを中心としながら複数属性の攻撃も行えるマルチアタッカーだ。「テウルギア」は「アイギス」が使えなくなってしまった「オルギアモード」を使用できるため、性格ともマッチした火力オバケっぷりを披露してくれる

 また「アイギス」が主人公となった事で変化した部分も数多く存在している。本編主人公と同じく「ワイルド」の力に目覚めた事でバトル面においては本編とほぼ変わらない感覚でプレイできるのだが、「テウルギア」のミックスレイドが当然「アイギス」仕様に変化していたり、ストーリー中のUIの変化やメニュー画面の変化など視覚的にはかなり変化した要素が多くある。

「テウルギア」の演出が「アイギス」仕様へと変化。ストーリー中の選択肢を選ぶ場面やメニュー画面なども「アイギス」仕様に変化していて主人公が変わった事を実感させてくれる

 また、一番特徴的な変化として上げられるのがダンジョン探索中に行なえる「アタック方法」だ。「P3R」本編では主人公の武器が剣だった事で敵に近づき先制アタックを仕掛けていたが、「アイギス」が主人公となる今作では銃火器が彼女のメイン武器となるため遠距離からの先制アタックが可能となっている。

 狙撃可能なポイントまで移動するとアタック可能なエネミーに赤いポインターが表示されるようになり、安全に先制アタックが行なえる仕様に変化している。ただし1回の狙撃で近くの敵全てに察知されてしまうデメリットがあり、撃ち損ねたり、アイテムをドロップするフィールドオブジェクトを誤って狙撃してしまった場合は逆にピンチになる事がある。剣とアタックのリーチも異なるため、利点も大きいが扱いに注意が必要となっている。

ポインターは狙撃可能なエネミーを自動で補足してくれるため便利だが、シャドウが密集していたり破壊オブジェクトが近くにあると誤射する事も多い……!シャドウに近づかれても対処できていた剣とはかなり使い勝手が違うため、慣れが必要な変更点だった

 そして今回一番目を惹いた追加要素が新規バトルBGM「Don't」の存在だ。先制攻撃を行えるチャンスエンカウントの際に流れるこの「Don't」の雰囲気がバッチリ「エピソードアイギス」と噛み合っているのだ。

 「P3R」本編で追加されたチャンスエンカウント時のBGM「It's Going Down Now」はアップテンポの中に「ペルソナ3」らしい”クール”な印象を強く感じ取れる素晴らしい楽曲だったが、今回の「Don't」は「ペルソナ3」らしさはそのまま、に曲全体の雰囲気が落ち着いていながら少し物悲しさを感じさせる曲調となっている。

 一度世界の危機を覆し成長している本編キャラクター達の強者感と、本編主人公を失った悲しみや不安など複雑な現在の心境を絶妙に表現しているような楽曲なのだ。正直この楽曲を聞くためだけに追加DLCを遊んでも良いと思えるほど素晴らしかった。

 他にも通常戦闘時に流れるお馴染みの「Mass Destruction」はオリジナル版の「エピソードアイギス」で流れていた物からアレンジが加えられた楽曲となっているため、バトル中のゲーム雰囲気は本編とかなり違った印象で楽しめるだろう。

ゲーム全体の難易度はオリジナル版と同じく高そう?

 最後に今回の試遊版で感じた本作の難易度について考察したい。と言うのもオリジナル版の「エピソードアイギス」は色々と鬼のような難易度の作品だったため、難易度が気になるプレーヤーも多いと思われるからだ。

 結論から言うと「敵の強さは同じぐらい歯ごたえのある内容だが、プレーヤー側の手札も増えている事でやり応えも上がっている」といった印象だった。上記でも取り上げた通り今作は”1度本編をクリアしている”人向けの難易度になっていると言っても差支えなく、最初から敵シャドウが弱点を突いてくることは勿論、かなりの頻度で状態異常なども駆使してプレーヤーを追い詰めてくる。探索中に初めて出会う「シャドウ」の弱点を突けず、初見殺しを喰らう可能性が今後ありそうだな、と序盤の敵からも察する事ができた。

 「P3R」本編のプレイ感を考慮すると、プレーヤー側も「テウルギア」や「シフト」などリロードから追加された新要素で有利に戦う事ができるが、それを見越した上で上手い具合に”やり応えのある難易度”位になっているのではないかと思う。実際のキャラクターのレベリングや「ベルベットルーム」の仕様などがまだ判明していないため確証は持てないが、「エピソードアイギス」に求めていた難易度はしっかり押さえつつ新要素を楽しめるような形になっていると期待したい。

今回戦えたボス「怒りの聖典」は相手を強制アタック状態にする「バリゾーゴン」からの「テトラカーン」で物理攻撃反射をばら撒くコンボを駆使してくる。最初の門間から絡め手を使ってくる事からも、今後のボスエネミーの難易度にも期待できる

 今回プレイした範囲で「エピソードアイギス」は全体的にリメイク作品として非常に期待が持てる完成度となっていた。

 まだ未判明の追加要素があるのか、バトル難易度が実は現状見えている以上に高いのかなど気になる点はまだまだ残っているが、続報を待とうと思う。本作は完全な後日談作品となっているため、まだ「P3R」本編をクリアしていないプレーヤーは是非この機会に最後まで物語を駆け抜けて欲しい、