【特別企画】

初心者もオススメ、「The Elder Scrolls Online」の新地域「ハイ・アイル」の冒険!

ドルイドたちの危機を救えるのか? 新たなストーリーDLC「ファイアソング」

「ハイ・アイル」は3月のプロローグから2022年、1年をかけて展開した。11月に最終章である「ファイアソング」が実装された

 2022年3月にリリースされたDLC「超越の湖」から続く新たなストーリーは「ブレトンの伝統」として、魔法のセンスにも長けたハイロック出身の人種、ブレトンをテーマに物語が展開する。これは新地域「ハイ・アイル」へと続く物語のいわば序章だ。

 6月にチャプター「ハイ・アイル」がリリースされ、タムリエル南西の島々、シストレス諸島が解放されたほか、カードゲーム「テイルズ・オブ・トリビュート」の追加があり、8月のDLC「失われた深淵」ではその続編が、そして今回11月にリリースされた最新DLC「ファイアソング」では、「ブレトンの伝統」の完結編でもあり、さらには「TES」シリーズにおけるドルイドに関するストーリーが追加となる。

 我々の世界でのドルイドの起源はケルト民族の祭司階級のため、ファンタジー世界ではしばしば、自然を愛し、鉄などの加工品を嫌う僧侶を指す事が多く、「TES」のドルイドもその意味合いが近そうな印象だ。「ESO」のクラスとしては熊を召喚して戦う「ウォーデン」辺りが該当するのではないだろうか。

 今回、最新の「ファイアソング」も体験してみた。なお、「ESO」の追加コンテンツはチャプターとDLCで分かれている。チャプターは比較的大規模なアップデートでこれは単体で購入して適用することで利用可能になり、今年で言うと前述の「ハイ・アイル」が該当する。一方で季節ごとにリリースされるDLCは主に新たなメインストーリーが追加されるもので、こちらはゲーム内のクラウンストアで課金用マネーのクラウンを使って購入するか「ESO」の定額課金サービス「ESO Plus」に入っていればいつでも利用が可能だ。

ログイン時にこんなメッセージが出たら要注意!冒険に出る前にキッチリとスキルを再セットしておこう
DLCが使える状態になったら、「コレクション」-「ストーリー」-「ゾーンDLC」から「ファイアソング」を選択する事で、ガレンでの新たな冒険に出る事が可能だ
ゲーム内の「クラウンストア」にある「DLC」の項目から2,000クラウンを支払うことで購入可能だ
スキル再セットにより、ようやくまともに戦えるようになった。筆者のキャラクターは召喚魔法と闇魔法を駆使するソーサラーのため、常に謎の召喚生物が身を守ってくれる

 DLC「ファイアソング」のストーリーはシストレス諸島の中でも北にあるさらに小さな小島、ガレンを舞台に展開する。登場するドルイドたちはいずれも草木とともに生きているような出で立ちとなっており、物語はこの周辺を仕切るモーナード家の若き戦士、ステファン・モーナード卿からの依頼でスタートとなる。

 ストーリーの細部については実際にプレイして確かめてもらうとして、「ESO」らしさ全開なのは、何でもないようなシンプルな依頼から、一気に規模の大きな内容が展開していく点だ。今回もちょっと海の様子を調べるだけのはずが「ドルイド王の予言」やドルイド王の残した遺産「種」にまつわる壮大なストーリーが展開していく事になるなど、どのようなところに落ち着くのかが気になるエピソードとなっている。

クエストを共に進めるドルイドの1人、ドルイド・ローレルは正に草花をモチーフとした衣装を身に纏うネイチャー感満載のスタイルとなっている。また「根と腐敗にかけて!」という言い回しもドルイドっぽい
ごっつい黒鎧を身に着けるステファン・モーナード卿はこのガレンを収める貴族の息子にしては最前線で積極的に戦うなど頼もしそうな存在だ
アークドルイド・オルレイスが語る「ドルイド王の予言」とは一体?今回もデカい話が展開しそうだ

 今回は編集の勝田氏と一緒に「ファイアソング」のクエストの一部をプレイしたが、やはり仲間とともに音声チャットなどで会話しながら遊ぶのは楽しい。システム的にもパーティーを組むことで、仲間の元に簡単にファストトラベルしたり、仲間の位置がマップ上で表示されるなどのメリットもある。特にクエスト序盤で発生した、バリスタで敵の船を撃退するイベントは射撃の様子を一緒に見ながら盛り上がるなど、楽しくクエストを進められた。

 また、今回は比較として同じクエストを完全なソロでもプレイして比較してみたが、クエストその物も協力して戦闘が進められるので、ストーリー進行が非常にスムーズに行なえる。もし身の回りで「ESO」に興味を持っている仲間がいるなら迷うことなく共同戦線を張るのをおススメしたい。

 他にも仲間同士で遊ぶなら戦争に参加するのも面白い。戦争とは「同盟戦争」と呼ばれる「ESO」初期から開催されている定期イベントで、「キャンペーン」から選択できるマルチプレイのPvPによる攻城戦だ。種族選択時に所属が決まる仕組みで、例えばブレトンやレッドガード、オークを選択した場合はダガーフォール・カバナント、ウッドエルフやカジート、ハイエルフ選択時はアルドメリ・ドミニオン、ノルド、ダークエルフ、アルゴニアンの場合はエボンハート・パクトといった形で3つの陣営に分かれて領地を奪い合ったり、「星霜の書(The Elder Scrolls)」を奪い合うものだ。

 今回はそれぞれ個々に参加して、戦場の状況を互いに報告しあいながら挑んでみた。相手が強敵揃いのため、かなり苦労したが、このような形で挑むと同盟戦争の緊張感が存分に味わえる。ただし、今回は複数のメンバーでギルドを編成するといったところまではプレイできていないので、この辺りは冒頭で紹介した連載記事も見て欲しい。

 こうした仲間同士で遊べる仕掛けは他にもグループダンジョンなど、「ESO」にはソロで遊ぶより多くの仕掛けが用意されているので、是非複数の仲間でグループを組んで遊んでみてほしい。

クエスト序盤では海岸に設置されたバリスタを使って会場の船を撃破するイベントが組まれており、ボタンをポチっと押すだけなのだが、これがすごく楽しい
クエスト中盤のボス「ゴライアス」との戦い。ソロプレイだと苦戦するこうした戦闘も2人で挑むとかなりスムーズに終えられた
「同盟戦争」はキャンペーンから参加できる
敵はプレーヤー以外にもかなり強力なNPCが城壁を守っているため、1人で挑むと苦戦すること必至だ

とにかく練り込まれた世界観が最高!いくらでも遊べる超大作

 これまで何度も「ESO」についてのレビューを書いてきたが、何回プレイしてもやはり本作の奥深さは底が見えない。ベースとしてタムリエルを中心とした「TES」シリーズという長い歴史のある世界観があるため、種族の話から地域の話まで、幅広く、そして深く練り込まれたエピソードの数々が用意されているため、そんなストーリーを少しでも多く味わいたくなる。

 今回の「ハイ・アイル」及び「ファイアソング」もやはりとても魅力的なエピソードの数々が楽しめた。現段階ではまだまだプレイし足りない部分の方が多いが、ブレトンの貴族たちやドルイドたちの生態など、序盤を少し遊んだだけで、既に魅力が溢れ出ている。特にドルイド王の予言や種の能力の結末が気になるので、これについては今回新たに作成したカジート戦士を使って年末年始にでもガッツリ遊んでみようと思っている。

 このようにプレイで使うキャラクターについて、同じキャラクターを掘り下げて鍛えてもいいし、複数のキャラクターを育成して好みに応じて使い分けられるのも飽きっぽい筆者としてはありがたい。実際、筆者も最初のソーサラー以降は、戦士のバリエーションをあれこれ楽しんでいる。「モロウウィンド」のクエストで遊んだ時はアルゴニアンのウォーデンクラスながら、両手武器の斧を使う戦士を作ったし、「スカイリム」のクエストは重装備のノルドのドラゴンナイトを作るなど、同じ剣を使った戦士であっても、選択する武器や種族も絡めて、豊富なバリエーションが楽しめる。

 また、身の回りの「スカイリム」好きの人を誘って一緒に遊ぶのは間違いなく面白いだろう。1人より2人がいいし、2人より3人がいい。オンラインで仲間を探してもいいし、ぶっちゃけTwitterやゲーム内で直接仲間を探すのも面白い。とにかくより多くの仲間とともに遊ぶのが「ESO」を余すところなく楽しむやり方なのだ。

 最後に、来年2023年にはどのようなDLCやエピソードが追加されるのかを予想してみた。個人的にとても興味深いというか期待しているのが、「アカヴィル」だ。アカヴィルとはタムリエルの東方に存在する巨大な大陸で謎の多い大陸だが、この新大陸の一端が今後新たなストーリーとして追加になるのではないかと予想しているし、期待したい。実際、タムリエルに関しては既にあらかた出尽くした感もあるので、いよいよタムリエルの外界とも言える、アカヴィル大陸が追加になると、新たな種族や新たな世界観が「TES」の世界観に追加されることになる。

 といった予想も含めて、世界観などを想像するのが楽しいのも「ESO」の魅力の1つだ。2023年以降も「ESO」の世界がさらに盛り上がる事を期待したい。

「同盟戦争」の舞台はタムリエル中央のエリアではデイリークエストが受けられるなど、毎日遊んでも飽きない仕組みも用意されている
こちら「モロウウィンド」のクエストを遊ぶのに作成したウォーデンの戦士。鉄器を嫌うウォーデンの癖に両手武器の斧を装備する不謹慎なアルゴニアンだ
記事を書きながら、確認のために以前「スカイリム」で遊ぶ時に作った戦士でプレイを再開したらやっぱり面白くてついついスキル再セットしつつクエストを遊んでしまった