2016年6月30日 12:47
ついに「エルダー・スクロールズ・オンライン(ESO)」が日本語でプレイできる日がやってきた! 筆者は「The Elder Scrolls」シリーズの「The Elder Scrolls V : Skyrim」をプレイしてその世界にがっつりハマリ、ゲームの中の世界「タムリエル」の冒険に魅了された。その世界を再び歩けるのである! 今回は「Skyrim」ファンという視点からも本作を見ていきたい。
プレイすることで、ソロでありながら周りの皆と力を合わせられるゲームシステムや、自分の戦い方を模索できるキャラクタービルド、荒野を馬で駆ける楽しさや、さらには戦争ものぞいてみた。今回はまだほんの入り口に立っただけだが、体験できた「ESO」の魅力を語っていきたい。
自由度溢れるゲームシステムと重厚なストーリー展開が魅力
筆者はベセスダの「Fallout 3」で広大な世界を冒険するRPGに夢中になった。そしてそのシステムで、ファンタジー世界を冒険できる「Skyrim」が発売されるという情報を聞き、プレイを待ち望んでいた。実際プレイしてみて、「Skyrim」に“ドハマリ”した。
プレイして何よりも筆者の心を魅了したのは、「The Elder Scrolls」シリーズの世界観だ。タムリエルの歴史と魅力、世界の構築のすばらしさに感動した。もともとテーブルトークRPGの「Dungeons & Dragons(D&D)」を学生時代に友人たちと遊んだり、小説「ドラゴンランス」シリーズや、ファンタジー冒険者の原典と言える「指輪物語」など、人を超越した力を持つ神々の存在する世界で、時にそうした超常の者たちと干渉しながら展開する壮大なストーリー、それでいて華やかさとはかけ離れた、どこか鬱屈とした暗さを感じさせる海外特有のファンタジー感が気に入っていた筆者にとって、「Skyrim」はストライクだった。ファンタジー世界を実際に歩いているようなプレイ感に、ガッツリとやりこんだのである。
その後、海外で「The Elder Scrolls Online」のサービス開始を知り、プレイするか大いに悩んだが、英語版と言うことで躊躇してしまった。しかし今回日本語版が登場することになった! あの「Skyrim」の冒険を求めて、今回早速プレイしてみることにしたのだ。
「The Elder Scrolls」シリーズにはエルフやオーク、さらには猫人間のカジートなど様々な種族がいる。「ESO」でもいわゆる普通の人間として「ノルド」や、「ブレトン」、「レッドガード」、「インペリアル」の4種類のほか、エルフだけでも「ハイエルフ」、「ウッドエルフ」、「ダークエルフ」と3種類。他にも獣人の「カジート」、人型の爬虫類「アルゴニアン」、モンスター扱いになることも多い「オーク」と実に豊富な種族からプレーヤーキャラクターを選べる。
「Skyrim」をやった人にはすんなり入り込めるし、初めての人は「エルフ、目がつり上がりすぎだろう!」、「カジートかわいい!」など本シリーズならではの部分も楽しめると思う。ちなみにこの世界では、ハイエルフは「アルトマー」、ウッドエルフは「ボズマー」など固有の呼び方もあるので、こうした呼び方も覚えておくとさらに世界に入り込めるだろう。
種族を決める際注意しなくてはいけないのが、彼らの住む“地域”だ。「ESO」ではPvPの要素があり、3つの地域で所属する勢力が異なる。クライアントが通常版の場合は地域と種族は固定化されているが、初回限定版に付属しており、DLCとしても別途購入できる「インペリアルパック」を導入すれば自由に組み合わせられる。勢力が違うと、ゲーム内で一緒に冒険ができないので、友達と遊ぶ場合はこの勢力の違いは気をつけておきたい。そして4種類のクラスも用意されている。髪型、目や肌の色、顔の形状、体形といった外観の調整も細かく行なうことができる。
筆者は今回種族に「ハイエルフ」、クラスは「ソーサラー」をチョイスした。日本でも馴染みの深いファンタジー小説「ロードス島戦記」に登場する「ディードリッド」を意識してみた。そのため、髪はなるべく長めの金髪で、耳は最大限まで尖らせつつ、それでいて目はエルフにしてはちょっと丸く大きめにして優しさを出してみた。かなり細かく調整できたので外見は満足だ。贅沢を言えば、髪型の種類はもう少し豊富でもよかったようにも感じた。こちらは今後追加予定とのことで、期待したい。
こうしてキャラクターを作成してストーリーが始まるといきなり牢獄からだ。「Skyrim」の時も死刑直前からのスタートだった。じつは囚人としてゲームがスタートするのは、シリーズの“お約束”なのだ。しかし今回はただの囚人ではない。牢から出してくれた大きな体躯の女戦士・リリスによれば、そもそもプレーヤーキャラクターは1度殺されたという。今いる場所は「デイドラ」と呼ばれる異世界の存在が支配する“異界”であることが明らかになるのだ。
「ESO」日本語版では音声も吹き替えられている。リリスは力強さを感じる声で話しかけてくれて、これだけでもテンションが上がった。リリスは筆者を導いてくれたが、彼女は自身を犠牲にして、本作のキーキャラクター、預言者の「プロフェット」を助け、リリス自身はとらわれの身になってしまった。
こうしてプロフィットと共に現世である「タムリエル」に帰還したところからが、本格的な冒険のスタートとなる。なお、ここで捕らわれの身となったリリスも本作ではかなりの重要なキャラクターだ。実はこの後、思ったより早いタイミングで彼女を救出するクエストも待っている。
筆者はこの現世に戻るチュートリアルクエストの時点で一気にこの世界に引きこまれた。正直オンラインゲームであることも全く意識しなかった。筆者が遊んだPC版の「Skyrim」以上のビジュアルに加え、日本語音声で濃密な世界を体験できるRPGであり、「Skyrim」に勝るとも劣らない濃厚なストーリーが楽しめる作品であることが確信できた。提示されるクエストを追いながら、ぐいぐいとゲームにのめり込んでいった。
チュートリアルは共通だが、現世に戻ってからのストーリーは勢力で異なる。筆者が選んだ「ハイエルフ」の場合、「アルドメリ・ドミニオン」という勢力に所属することになる。「アルドメリ・ドミニオン」の中心人物はハイエルフの女王「アイレン」で、冒険は彼女を助ける壮大なものになっていく。しかし、いきなり女王と謁見できるわけではない。なにしろ冒険者は現世にいきなり現われた正体不明の存在なのだ。最初のうちはクエストで小さな人助けや、事件の調査を行なっていく。
サブクエストも豊富で、例えば農作物を荒らす害獣を退治したり、探し物を見つけたり、見ず知らずのソーサラーを手助けして亡霊を封じたり……各地で困っている人たちを助けるようなサブストーリーが展開する。いずれも単なるおつかい、というよりは各地の世界観を深く理解する作りになっているので、進めるごとにだんだんその土地ならではの情報が頭に入ってきて、まるで旅行に来たような気分にも浸れた。
クエストをこなしていくことで少しずつ周囲の信頼を得ていき、だんだんと重要な任務の依頼がくるようになってきて、次第に組織の中心人物の1人になっていくという展開が待っている。このように少しずつ段階を経てキャラクターが認められていく過程が非常に心地いい。そこには人と人とのコミュニケーションと同じリアルがある。「ESO」はやはりストーリーが良い。ぐいぐいとのめり込める。
序盤で一緒に戦った連中が、後に登場して再びともに依頼を進めるようになるような展開があったり、追い詰めた敵をそのまま殺すか、逃がすかといったNPCの人生を左右するような選択肢もあり、ストーリーを進めるのが楽しくなる仕掛けも豊富だ。逃がした敵が再登場、といった展開にはまだ巡り合っていないが、あえて逃がしたことが吉と出るか凶と出るか、今から楽しみだ。
シリーズではお馴染みの悪しき超常の者「デイドラ」も序盤から多く登場するところも面白い。不老不死で、通常ではあり得ないような能力を使う彼らと対峙するのはいつも緊張感がある。しかも、プレーヤーたちが暮らす地上とは別の異空間に強制的にプレーヤーを呼び入れ、そこで試練を与えられることもある。常識の通じなさそうな連中ばかりなので、呼ばれるたびにドキドキさせられる。特にシリーズでは毎回登場するタチの悪いデイドラ「シェオゴラス」と対面する羽目になった時には、この先どうなってしまうのか想像もつかなかった。
もう1つの「ESO」の特徴が“クエストの進行状況に応じて柔軟に変化するフィールド”だ。敵の侵攻に炎に包まれたり、敵兵に占拠されていたり、状況が変わる。このダイナミックな変化は、筆者のMMORPG観を大きく変えた。物語に併せて状況が変化するのはコンシューマRPGのような感覚だ。この演出が合わさることで、ストーリーが一層盛り上がるのだ。
プレイしていて本当にスゴイと思わせられたのは、こうしたメインクエストの難易度が非常にバランスがよく作られていることだ。正直、メインのクエストでどう進めていいかわからなくなることがほとんどなかった。正直、ちょっと簡単かな? と思うくらいに調整されておりサクサク進められた。もちろんレベル上げや装備の変更、スキルの強化などは随時行なっておく必要があるが、それにしてもこのバランスのよさはすばらしい。2年の間に加わった調整で快適な冒険が楽しめる作品になっているのが実感できた。
ソロでもパーティ感覚で遊べるユニークな共闘システム
「ESO」はパーティプレイの必要性を強く感じさせない設計になっている。MMORPGといえば仲間との協力は必須だと思っていた筆者には意外であり、そしてとても好感触に繋がった。「ESO」ではプレーヤーは米国サーバーでプレイする。周りで飛び交っているのは英語ばかり。オープンチャットで日本語を使うプレーヤーはいなかった。パーティを組むには、特にコミュニケーションに不安があったのだ。
しかし、実際にプレイして実感したのは、どこまでもソロでゲームプレイができるということだった。ソロプレイというと、延々1人でダンジョンにこもり、どんなときでも1人で戦うというイメージがあるが、「ESO」のソロプレイはそうではない。「みんなでわいわい協力しながら楽しめるソロプレイ」なのだ。このプレイ感覚はとても新鮮で、楽しい体験だった。
「ESO」はインスタンスダンジョンもいくつかあるが、ほとんどのフィールドがMMOで、同じようにクエストを進めているプレーヤーが常に周りにいるところがポイントとなる。クエストでのボスなどが“かぶる”場合が多々あるのだ。この時プレーヤー達は協力してボスに挑むこととなる。ゲームとしてはソロだが、その瞬間はパーティプレイで戦っているような感じになる。
クエストでは時には強めのボスと戦うことがある。こんな時少し待っていると、他の人が戦いを挑むことがある。すかさず手を貸して戦う。時には数人でタコ殴りにすることもある。もちろんボスを倒した後はみんな思い思いの方向に散っていく。こうして進めることができるのが、「ESO」のクエストなのだ。
他のMMOにおいて、「横殴り」は獲物を横取りする嫌われる行為である。しかし「ESO」の場合はこの行為がありがたい、頼もしい行動なのだ。時にはこちらの力を増してくれるバフをかけてくれたり、回復してくれることもある。もちろん「ESO」には連携が大事な結束力を確かめられる「グループダンジョン」といったコンテンツもあるが、メインストーリーがこの緩い共闘システムで進めるのは楽しいし、ありがたい。
共闘を楽しめる瞬間は「楔(くさび)」が落ちてくるところでも起きる。タムリエルは常に異界からの侵略にさらされている。マップ上に渦巻きの印が出て、そこでは一定時間で空から巨大な楔が落ちてくるのだ。楔と共に異界の怪物がドンドン湧いてくる。プレーヤー達はその敵の集団に立ち向かうこととなる。敵を一定数倒し、異界からの侵略を防ぐと宝箱が現われる。冒険者の目的はその宝だ。ここでもプレーヤー達は共闘を楽しむことができる。
今回はさらに友達と組んでのパーティプレイも体験してみた。友達の戦士に盾役になってもらってフォローに回ったのだが、瞬間的に敵に詰め寄るスキルを使って剣でガンガン攻撃している戦士の後ろから、回復や攻撃魔法での援護をすることで、さらにスムーズに敵を倒せた。
筆者は魔法使いのため、体力が低い。このため、周囲の様子を意識して必要に応じてヒットアンドアウェイで敵と戦う必要がある。しかし戦士と組むことで敵を引き離してくれて、思う存分魔法をたたき込むことができた。これは普段の緩い共闘とは大きく違う感触だ。「ESO」でももちろんこのような濃いパーティプレイも可能なのだ。濃密なパーティプレイの楽しさも、垣間見ることができた。
ソーサラーをたっぷり体験。スキル選択が悩ましい
今回筆者が選んだクラスはソーサラーなので、基本的には魔法を使うためのステータス「マジカ」のレベルを上げつつ、ソーサラー固有の魔法スキルを取得したり、杖を装備して杖にこめられた魔法で攻撃、杖のスキルを上げたら、杖固有のスキルを取得するといった形で育てていくのが王道だ。
だが、本作では装備可能な武器についてはレベル以外の制限が特にない。そのため、普通だったら魔法使いが装備できないような鎧や剣などを装備して戦うこともできるし、装備し続けることで、こうした武器のスキルも上がっていく。
実際に最初のうちは杖での戦い方がわからず、剣を装備して戦っていたが、全く違和感なく敵を倒すことができていた。ただ杖を利用することでマジカを消費せずに杖にこめられた魔法を使って敵を倒すことができることが分かってからはずっと杖を装備し続けている。
悩ましいのは、杖の場合「回復の杖」と「攻撃の杖」の2種類があり、それぞれ装備してスキルを上げることで、杖の種類ごとに取得可能な魔法があるのだが、このスキルを使うにはスキル取得可能な装備をする必要があるということだ。例えば筆者は回復の杖を装備し続けて、スキルを上げることで、回復の魔法を取得したが、回復の杖を装備している時にしか使えないのだ。
しかもこうした装備可能な武器はクエストを進めたり、街などで商人から買うことで入手できるが、自分が求める回復の杖がなかなか入手できなくて、低レベルのうちに入手した回復の杖を未だに使い続けているという悲しい状況だ。高レベルで入手した攻撃の杖を装備し使っても、回復魔法が使えな上に、回復魔法のスキルも上がらないというジレンマに悩まされた。
この悩みを友人に話したら「それは生産をやっていないからだよ」と言われた。友人は生産、アップグレード、ルーンの組み合わせ、付呪など本作の生産システムを活用して鎧や剣など様々なアイテムを自作し、改造しているという。「ESO」ではクエストなどではなかなか装備がそろえられない。冒険者は、自作装備でよりよい装備を入手しているというのだ。実を言うと生産はまだ研究不足だ。これからチャレンジしていきたい。
防具についても可能な限り防御力の高いものを装備したいが、本作では頭に装備する兜やフード以外の装備は見た目に反映されてしまうため、魔法使いの外観にしたくても、鎧をゴテゴテと着込んだ状態で旅をしなければならない。ローブにこだわるのは少し難しかった。「ESO」には“変装”という外見のみを変えるアイテムもある。皮鎧を着ておきながらローブを着ているように見えるアイテムがあるかどうか、調べていきたい。
筆者が発見した「コツ」も書いておこう。冒険を開始し、エリアを広く移動するようになってきたら、ぜひおススメしたいのは、“祠”を積極的に探すことだ。本作ではシリーズでお馴染みの目的地に簡単に移動できる「ファストトラベル」が、地域ごとに設置された祠に対してしか利用できない。そのため、はるばる旅をして町に着いたらまずは何よりも先に祠を確保したい。これにより、クエストの進行などが楽に進められるようになる。
操作についてはキーボードでの操作が前提の作りになっているが、コントローラに対応しているのも魅力だ。「ESO」は海外ではPS4/Xbox One版も出ているだけに、コントローラでの操作は快適で、敵との戦闘などのアクションは正直1度コントローラで遊んでしまうと元に戻れないレベルの快適さである。これから本作を遊ぶ人にお勧めしたい。ただし、本作ではメニューやショートカットなど、キーボードが必要な場面も多く、例えばカーソルを押さなくても自動で走り続けるのは「NUM LOCK」キーを押すのだが、こうした操作にはキーボードが必要になる。コントローラを使っていても、キーボードとマウスは手放せない感じだ。
馬に乗って戦場に飛び出せ! 小規模防衛戦を体験!
本作は基本的なプレイはクライアントを購入すれば以降は無課金で遊べる。しかし、経験値などにボーナスがありDLCを遊べる月額課金システム「ESO Plus」や、DLCの個別購入、さらに騎乗動物やペットなどの課金アイテムも販売されている。
基本的なプレイは課金がなくてもプレイできるのだが……馬だけはちょっと欲しくなった。馬はゲーム内通貨でも買えるのだが、駆け出しの冒険者にはかなり高価なのだ。クエストで得られる報酬は150ゴールドくらい。馬は最も安いものでも1万ゴールドだ。冒険を進めていくことで到達できる金額ではあるが、タムリエルは広いし、ベテラン冒険者はもちろん、豪華版クライアント「インペリアルエディション」についている白馬に乗っている人も多い。
課金システムも使ってみたかったし! ……ということで、課金ポイント「クラウン」で馬を購入することにした。課金で購入可能な搭乗動物については、馬以外にもライオンや狼、馬の姿をした魔物「ナイトメア」など豊富に用意されている。なお、最安の搭乗動物は「黒紋馬」と「白鬣馬」でいずれも900クラウン。通常版のクライアントでも500クラウンはチャージされているのだがこれでは買えない。クラウンの一番安価なパックである“750クラウン”を1,036円分の「DMMポイント」で購入することで、馬を買えた。こうした課金関連の操作はブラウザ上で行なえる。
馬の魅力は何といっても移動速度が速いことだ。街から街へと移動する際に、一度行ったことのある場所であれば祠を経由することで簡単に移動できるが、未知の街への移動は実際に歩いていく必要がある。また、祠から目的地までの距離が遠い場合もあるので、移動の足は速い方がゲームを快適に進められる。こうした実用的な話は抜きにしても、馬を颯爽と駆る姿を見るのは単純にカッコいい。
そして「ESO」の目玉コンテンツ「戦争」要素も体験してみた。「ESO」では戦場にくると24時間いつでも戦争が行なわれている。戦争が行われている地域は「シロディール」で、最初に決定した3勢力がここを奪い合っているという設定だ。キャラクターのレベルが10になると戦争に参加可能となり、メニューのキャンペーンからいつでも戦場となるシロディールに移動できるようになる。
キャンペーンは1つではなく、複数のキャンペーンがあり、細かいルールなどが異なるほか、キャンペーンのメニューから各プレーヤーの3勢力の戦争への参加状況が表示されているので、ここで多くの人が参加しているキャンペーンを選ぶ方が規模の大きな戦争に参加できるチャンスは増える。
今回筆者が参加したキャンペーンは参加するプレーヤーが少なく、正直なところ大規模戦闘というよりは、小競り合いの規模の戦闘にしか参加できなかった。それでも高レベルのプレーヤーが多く戦場を歩き回り、激しい戦闘が展開されていた。シロディール内で戦闘が起こっている時は、「LFG」と全体チャットでコメントするだけでパーティに入れてもらえるようだ。
今回体験できたのは“防衛戦”だ。仲間が奪った製粉所を守る戦いに参加したのだが、呪いにかけられ強制的に後退させられたり、強力な魔法であっという間に倒されたり、他のプレーヤーとの強さの違いに直面させられた。防御力の低いヒーラーというのも積極的に狙われた原因のようだ。正直何が起きたかすらわからない、さんざんな戦争デビューとなった。
うまく仲間と連携を取り、それなりの人数を集められれば、敵を押していき、攻城兵器を使って城を破壊したり、といった大規模戦闘も楽しめる。こうした攻城兵器は城で購入可能だ。ぜひこの武器を使った戦いにも参加したい。
また、シロディールではソロでもプレイできるクエストも用意されている。しかし、全域がPvP可能な状態となっているため、拠点とは無関係な場所を歩いていても、いきなり斬りかかられるという違う意味での緊張感もあった。正直駆け出しの冒険者ではベテランの敵兵には全くかなわなかった。クエストの場所は、ここに来る新人を目当てに襲ってくる敵のベテランプレーヤーもいた。シロディールは通常の地域とは全く違う体験のできる場所だった。ぜひ多くのプレーヤーが参加する戦場にも参加してみたい。
以上、一通りESOの世界を巡ってみたが、何より圧巻なのはストーリーのボリュームだ。今回はレベル14くらいまで進められたが、メインのストーリー的にはまだまだ序の口レベルだ。敵対組織を1つ壊滅させることには成功したが、まだ世界はほとんど変わっていない。この先どのようにストーリーが展開していくのか想像もつかないくらいのボリュームがあると思うと、早く続きが遊びたい。
また、今回はハイエルフを選択したことで、アルドメリ・ドミニオン勢力でプレイしているが、異なる勢力や種族を選ぶことで全く異なる視点からのストーリーが展開するというのも驚きだ。メインのキャラクターをある程度進めたところで、別のキャラクターでやり直してみるのも面白そうだ。
ビジュアル面についても、Skyrimの頃より全体的な描写のディティールが向上しているほか、キャラクターメイキングでも、美形のキャラクターが作りやすい印象だ。
他にもシリーズを通して名前をよく聞くデイドラ王「モラグ・バル」、Skyrimの重要な要素として登場した「ドラゴンボーン」など、本シリーズを好きな人がニヤリとしてしまうワードが随所に散りばめられているのも魅力だ。本作の時代設定はシリーズの中でも最古とのことで、この先もストーリ展開によってはまだまだ歴史の長いシリーズならではのワードが飛び出してきそうで、この辺りも注目したい。
とにかくMMO RPGの垣根を超えた「The Elder Scrolls」最新作と言っても過言ではない本作は、シリーズの世界観を知っている人ならば文句なく楽しめるのは間違いない。