【特別企画】

ついにやって来た「遊戯王マスターデュエル」制限改定! 宇宙最強デッキだった彼らの行方は如何に!?

【「遊戯王マスターデュエル」アップデート】

5月9日 配信予定

 爆アドォォォ! アドえもんです! 筆者は普段YouTubeにて遊戯王を中心にカードゲーム動画を投稿している愉快でうるさいお兄さんだ。

 いつもは真面目な雰囲気でレビュー記事を書いてる事が多いのだが、今回は内容が遊戯王なので久々にこっちのテンションで記事を書いていきたいと思う。

 さて、史上最高のゲーム「遊戯王マスターデュエル」がリリースされて早数カ月。数多のデュエリスト達が日夜熱いデュエルを繰り広げ、今も尚ランクマッチの頂点を目指して切磋琢磨している事だろう。

 そんな中、本日5月9日をもってついにマスターデュエル内にてリミットレギュレーションの改定が行なわれる。遊戯王OCG(現実の遊戯王)をプレイしているデュエリストなら聞き馴染みのある単語だが、「遊戯王マスターデュエル」においては初の試みとなり混乱しているプレーヤーも多いかと思われる。そこで今回は、この改定によって何が変わるのかを普段暇さえ見つければカードゲームばっかりしている筆者が独断と偏見を交えて紹介したい。

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デュエリストにとっては一大イベント! リミットレギュレーションの改定とは?

 まず基本的な情報として、リミットレギュレーションの改定とは平たく言えば禁止制限の変更の事だ。対戦環境が1強化・マンネリ化する事を防ぐためにデッキで使えるカードの枚数を制限し、一部のパワーが高すぎるカードの抑制を行なったり、過去に禁止制限に指定されていたカードの制限を緩和して再び使用できるようになったりと、デュエリストにとっては毎回喜びと悲しみが入り乱れる阿鼻叫喚のビッグイベントと言って良い。

 リミットレギュレーションではデッキに入れることができない禁止カード、1枚まで使える制限カード、2枚まで使用可能な準制限カード、さらにこれらの制限が解除されるカードが発表される。今回の改定では制限カードが2枚、準制限カードが9枚、無制限となったカードが1枚の計12枚が対象になっている。

 今回「マスターデュエル」では初のリミットレギュレーションの改定となる。改定の特徴としてリリースから今までの間にランクマッチで数多く見受けられたデッキタイプの中から様々なカードが新たに制限改定の影響を受けている。良くも悪くもプレーヤーの記憶に残っているカードばかりなので、早速1枚1枚どのような影響を与えていたのかその特徴を見ていこう。

【5月9日適用のリミットレギュレーション対象カード】
今回改定の影響を受けたのはこの12枚! ランクマッチでは比較的よく見る顔ぶれだが果たしてその影響は……?
5月9日適用予定のリミットレギュレーション

禁止カード
なし

制限カード
・サイバー・エンジェル-弁天-
・黄金郷のコンキスタドール

準制限カード
・D.D.ダイナマイト
・雪花の光
・フュージョン・デステニー
・幻影騎士団ティアースケイル
・鉄獣戦線 フラクトール
・電脳堺悟-老々
・LL-コバルト・スパロー
・プランキッズ・ロック
・魔救の分析者

制限解除されたカード
・レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

新制限カードはあの2枚! 環境トップを常に牛耳る2大テーマの”エンジン”にメスが入る!

 まずは今回新しく制限カード(1枚のみ使用可能)にぶち込まれたカードについて触れていこう。1枚目は「サイバー・エンジェル-弁天-」だ。

 これに関しては言わずもがなというプレーヤーも多いと思うが改めて説明すると、このカードは主に環境トップシェアを常に誇る「宣告者ドライトロン」というデッキタイプに採用されていたカードだ。デッキの動きの核となる「宣告者の神巫」を初めとした天使族へのアクセス、豊富なリソースに繋がる「永遠の淑女 ベアトリーチェ」の素材として活躍していた。

 単純にデッキの主軸となる「ドライトロン」モンスターのコストを自身のサーチ効果で自身をサーチする動きで複数回賄えるという点でもテーマと綺麗に噛み合っており、最終的に着地する「崇光なる宣告者」で相手の動きの全てを封殺する様は数多の後攻を取ってしまったデュエリスト達を泣かせてきた事だろう……。「サイバー・エンジェル-弁天-」はそんな最強デッキのメインエンジンとして暴れ回ったカードなのだ。

制限入りとなってしまった「サイバー・エンジェル-弁天-」さん。主に悪用されたのはリリースされた際のサーチと自身のレベル6というステータスで、「宣告者ドライトロン」における各パーツへのアクセスに利用されていた
一緒に最強ムーヴをしていたのはこの4枚。弁天から「宣告者の巫女」へ、「宣告者の巫女」から「虹色の宣告者」を落として弁天をサーチし、さらに弁天を墓地から儀式召喚してレベルの上がった弁天と巫女で「ベアトリーチェ」を作り、最後に「ベアトリーチェ」で「イーバ」をお互いのターンに墓地へ落として「崇光なる宣告者」のコストとなる弾丸をタコ程用意する“鬼展開”で数多のデュエリストを天国へ屠っていた

 さて、そんな「サイバー・エンジェル-弁天-」だが制限になる事で環境にどんな変化が起こるのか。まず制限行きの原因となった「宣告者ドライトロン」のパワーが確実に落ちる事は間違いない。元々自分の効果で自分をサーチするというイカれた動きが「ドライトロン」達の貴重なエンジンとなっていた事に加え、枚数の減少で初手に引き込める可能性は減り、このカードの完全な穴埋めになり得るカードが無い事から従来の最強先行制圧展開は“安定”しては行なえなくなるだろう。

 ただし「サイバー・エンジェル-弁天-」が1枚になろうと従来の最終盤面を揃える事自体はルートや採用カードを変える事で十分可能ではあり、さらには動きのメインとなっている「ドライトロン」側には何の規制も掛かってない事から、様々な形でリペアデッキを組むことも可能だ。「ドライトロン」デッキなのにあまり採用されていないイケメンエースモンスター「竜儀巧-メテオニス=DRA」に日の目が当たったり、他にも多くの儀式モンスターの採用を検討できる事からむしろ改定後の方が色々な「ドライトロン」デッキを見れるようになり楽しくなるかもしれないぞ。

 ……え?「サイバーエンジェル」デッキはどうすればいいって?「ドライトロン」と混ぜれば多分儀式モンスターは出せr。

「ドライトロン」の本来のエースである「竜儀巧-メテオニス=DRA」は殲滅能力と妨害能力を持つ実は全然強力なイケメンモンスターのため今後の活躍に期待ができる。「サイバーエンジェル」は本来のエンジンである「サイバー・エンジェル-弁天-」が無くなった事で純テーマとしてはかなり厳しい立場になってしまったが、「サイバー・エンジェル-荼吉尼-」を初めとした面白い効果を持った儀式モンスターは「ドライトロン」に組み込んで遊べるためまだ救いはある……!

 もう1枚の新制限カードは「黄金郷のコンキスタドール」だ。このカードは「エルドリッチ」という罠カードによる妨害とリソース確保に秀でたテーマに属するカードで、その中でもテーマ内で唯一相手の場のカードを直接除去できる性能を持っているのが特徴だ。

 この「エルドリッチ」はマスターデュエルが始まってから常に人気のデッキタイプとなっており、適切な場面で罠カードを使用する事を意識すれば比較的初心者でも扱いやすいデッキだった事もあり、見た目のカッコ良さと相まってお世話になった人も多いテーマと言えるだろう。

 テーマ以外にも強力な罠を多く採用した純構築の「罠エルドリッチ」が特にシングル戦のランクマッチでは強力で、「スキルドレイン」、「サモンリミッター」等の数多くの最強永続罠をオマケのように従えて対面した数多くのデュエリストの遊戯王を終わらせてきた最強デッキの1つなのだ。

数ある「黄金卿カード」および「エルドリクシル」カードの中から「黄金郷のコンキスタドール」が制限入りに。対象を取らない破壊は地味に耐性をすり抜けて除去が行なえる事から強力で、破壊後にモンスターとして出て来た後はランク5やリンク素材に使われることもある。共通の墓地効果である「エルドリクシル」サーチもしっかり持ってるため能力に一切無駄のないカードだ
また、「スキルドレイン」や「サモンリミッター」を初めとしたテーマ外の強力な永続罠を駆使する事ができるのが「エルドリッチ」の強み。自分のターン中は最悪「黄金郷エルドリッチ」の墓地効果によって永続罠を場から離す事もできるため理不尽なロックを相手にだけ強いることもできるのだ

 そんな「エルドリッチ」デッキで大活躍する「黄金郷のコンキスタドール」が制限カードになるとデッキにどのような影響があるのか。筆者の解答は「辛いことには違いないが全然環境で戦えるレベルではある」だ。

 「エルドリッチ」は元々テーマ内に存在する「エルドリクシル」カードと「黄金郷」カードが墓地から除外する事でお互いをサーチし続け、無限にリソースを得ながら相手の妨害をする事がデッキコンセプトのため、枚数が減る事自体が長期戦を見越したコンセプト的に辛い部分となり、加えてその中でも唯一の直接除去でありサーチ先筆頭の「黄金郷のコンキスタドール」が1枚しか投入できないのは的確にテーマの弱体化を行なってきたと言える。

 しかし、今まで採用されていなかった他の「黄金卿」カードを採用する事でリソース問題は誤魔化す事ができたり、「黄金郷のコンキスタドール」の減少で妨害能力が下がったとしても上記で紹介したようなテーマ外の最強罠カードをかさ増しすれば十分勝てるパワーを依然として持っていそうでならない。そもそも簡単に何度も出てくる破壊耐性持ち攻撃力3500モンスターがデッキのエースというだけで十分強いのだ。

 実際に「エルドリッチ」のリソース能力はエグかったし弱体化した事に間違いは無いが、それよりも「スキルドレイン」で何もできずに詰んだパターンの方が多かったりする事を踏まえると、「黄金郷のコンキスタドール」の制限入りはテーマ性と強さを丁度良く担保したナイスなチョイスだったのかもしれない。

「黄金郷のコンキスタドール」以外の「黄金卿」カードはこの3枚で「ガーディアン」以外の2種類は現状のレシピでも採用されるケースが多いカードだ。「黄金郷のコンキスタドール」の制限後は「黄金卿」カードの枚数調整でどれかが現状より多く採用されるようになるかもしれないが、改めて見るとほぼ全ての効果が腐る事の無い「黄金郷のコンキスタドール」の強さが改めてよくわかる