【特別企画】
クローズドβテストをプレイしてみて、正直、見えてきた「シン・クロニクル」の魅力とは?
手軽さとやり込み要素を兼ね備えた、すべてのRPGファンに向けた意欲作!! ぜひとも“苦渋の選択”を体験して欲しい!
2021年11月12日 12:00
- サービス開始時期未定
「チェインクロニクル」シリーズの後継作という位置づけにある、セガのAndroid/iOS用新作RPG「シン・クロニクル」。運命の決断をプレーヤーが下し、自分だけの物語を作り上げていくのが本作最大の特徴である。
先日、別稿(スマホゲームの粋を超えた新作RPG「シン・クロニクル」先行プレイレポート!やり直せないからこその決断の重さを体験!)にて、物語序盤の先行プレイレポートを掲載したが、今回は10月21日まで行なわれていたクローズドβテストに参加し、以前よりも深い部分までじっくりとプレイすることができた。前回はあまり深掘りできなかった、ゲーム部分を中心に本作の見所をお伝えしよう。
戦略性と爽快感が共存する、奥深い戦闘システム!!
ゲームは、スタミナにあたるAPを消費して出撃し、ステージを攻略していく一般的なスマホRPGのスタイルだが、ステージに入ると3Dで描かれたダンジョンを探索していく本格的な作りになっている。目的としては、最奥にいるボスを撃破すればクエストクリアとなる。
本格的なダンジョン探索ができるというのが筆者的には驚きであった。一本道で構成されているダンジョンではなく、枝分かれした道や仕掛けを解いて進む道なども用意されており、コンシューマRPGさながらのクオリティだ。敵の配置や出現するアイテムなどはガラリと変わるので飽きが来ない作りになっている。
ボスが待っている正規のルートから横道に逸れて、マップの隅から隅まで探索するのは個人的には非常に楽しいが、スマホRPGという性質上、やはりサクッと手軽に楽しみたいという人も多いかと思う。そんな声が上がるのを想定済みだといわんばかりに、なんとダンジョン内のオート探索モードが搭載されている。探索と合わせて戦闘もオートにしておけば自動でダンジョンを攻略してくれるので、あまり時間の無いときで放置気味に遊ぶことができるのは嬉しいポイント。
本作はシンボルエンカウント形式となっており、ダンジョン内のそこらに魔物たちが跋扈している。魔物に触れると戦闘になるのだが、シンボルに攻撃を当てて戦闘に突入すると開幕と同時に全体ダメージを与えられ、戦いがかなり有利になるのだ。
ここからは戦闘について紹介していこう。本作の戦闘はコマンドバトルを採用。しかし単純なコマンドバトルではなく、戦略性が奥深く自由度の高いバトルシステムが特徴的である。
自分のターンでは、BPという行動ポイントを消費して攻撃をすることができ、BPが0になるまで好きに行動することが可能。強力な攻撃ほどBP消費量が多く、1体に強力な一撃を与えるか、弱めな攻撃で複数の敵に分散してダメージを与えることもできるなど、状況に応じて戦略的な戦い方ができるのが非常に面白い。
本作の「チェインシステム」によって、“爽快感”を味わえるのも魅力である。
チェインはその名の通り、味方同士で攻撃を繋げていくシステムなのだが、チェイン数が多くなればなるほどダメージボーナスが付与されて攻撃力がどんどん上昇していく。高火力の連撃を叩き込む瞬間が最高に気持ちいい。
攻撃をしないで一定時間の経過、敵に攻撃を差し込まれてしまうとチェインは途切れてしまう。行動の速い敵から順に迅速な攻撃を食らわせていくことがチェインを長く繋げるポイントになる。ターン制コマンドバトルでありながら、本作はスピード感のある戦闘が楽しめるのだ。
ステージの最後に待ち受けるボス戦はエンカウントするザコ敵とは少し違い、圧倒的な力と体力に加え、強固なシールドに守られている。シールドがあるうちはまともにダメージが通らないため、まずは既定の回数攻撃を与えてブレイク状態にする必要があるのだ。ブレイク状態となると、圧倒的に有利な状況となる。敵の攻撃順番は後退し(敵の攻撃を受けるのが遅れる)、与えるダメージもアップ。この状況に持ち込むことが重要となっている。
1度シールドを破壊してもボスのターンに回ると再びシールドが回復してしまうので、一気に片を付けるならば、先ほどのチェインがとても重要になる。一筋縄ではいかないボス戦は歯応えがあり、撃破したときの達成感は大きい。
とことん遊び込める、やり込み度の高いゲーム性
スマホRPGのやり込み・成長要素というと、どうしても課金に繋がるイメージが強いと思うが、本作はそんな固定観念をぶっ壊すような“時間を掛けてじっくりと遊び込むゲーム性”の作品となっている。
まずは、RPGでは欠かすことのできない装備品だが、ダンジョンに潜って敵を倒したり宝箱から武器を入手していくハックアンドスラッシュ形式。
出現する宝箱やその中身は完全にランダムとなっているので、強力なレア装備が出るまで延々ダンジョン探索にのめり込んでしまう。手に入れたその場で武器のレアリティだけはわかるのだが、ゲットした武器が剣なのか銃なのか、武器の種類や性能などはステージをクリアするまでは一切わからない。これがまたワクワク感を煽り、気がつけばダンジョン探索の虜である。
同じ武器であっても性能には個体差があるうえに、ゲーム内通貨や素材を使って武器を強化することもできる。最強武器への探求に終わりが無さそうだ。
キャラクター周りの成長システムも自由度が高い。キャラクターの成長はレベルの他にアビリティパネルというものがあり、レベルアップで獲得できるパネルPtを消費して、新たなスキルの習得や習得済みスキルの強化、さらにはパラメーターの上昇などを行なうことができるのだ。
レベルには上限があるため、ポイントも有限となる。まんべんなくスキルを強化させるか、強味を一点突破で伸ばしまくるか、すべてはプレーヤーの自由。
主人公は敵からの攻撃を自身に集中させる「挑発」スキルを覚えることができるので、筆者はひたすらに体力と防御力を上げて優秀なタンクとして活躍させていたが、もちろん対極であるアタッカーとして育てることも可能。同じキャラクターでもプレーヤーによって大きく個性が出そうだ。
本格的なのは良いけど、武器の収集やキャラクター育成に時間が掛かりそうと眉をひそめた人もいるかもしれない。ゲーム内で手に入るスキップチケットを使えばクリア済みのステージを一瞬でクリアしてくれるという、やり込み派にはありがたい機能も搭載されている。クリア経験値や武器などももちろん手に入るので、手間を最小限でサクサクとパーティ強化ができるのは嬉しいポイントである。
メインのストーリーだけでも結構なボリュームがあり遊び応えはかなりのものだが、それに加えてキャラクターごとのストーリーが楽しめる「ワールドクエスト」というやり込みモードまでも用意されている。
クローズドβテストの時点でもクエスト数が膨大で、正直を言うとテスト期間内にすべてのクエストをクリアすることができなかったほどだ。メインストーリーでは描かれないキャラクターたちの一面も見ることができ、メインストーリーと合わせてプレイすれば、より「シン・クロニクル」の世界にドップリハマれるハズだ。そしてこのキャラクター毎のクエストがメインクエストにも絡んでくるのだから、全てをプレイし尽くしたくなるのだ!
即決できないほど悩ましい、運命を左右する究極の選択
最後に、本作の中核となる“やり直しのできない究極の選択”についても語っていきたい。
先行プレイで遊んだプロローグのラストも非常に悩ましい選択であったが、今回プレイした1章ラストの選択は正直ケタ違いであった。1章で登場する新キャラクター「ギュンター」と「アンネ」が中心となって、運命を左右する選択を迫られる。
ポッと出の新キャラクターなら思い入れも薄いし、可愛いキャラクターの方に肩入れすればいいじゃんと普通は思うだろう。まぁ、普通の人がそう思うかはさておき、プレイする前の筆者はそう思っていた。
しかし実際にプレイすると、1章の内容が想像以上に濃密で、新キャラクターのバックボーンが深いところまで掘り下げて語られるのだ。最初に見たときの“イケメンの兄さん”と“可愛らしい女の子”という薄っぺらい印象が、ストーリーを進めれば進めるほどキャラクターに感情移入し、気がつけば共に戦う仲間という存在になっていた。
ギュンターは自分の隊全員の死、アンネは母親の死という、両者共に辛く重い過去を背負っている。プレーヤーからしたらどちらも救われて欲しいと願うのだが、どう頑張っても“両方は救われない”のだ。どちらか片方の救いの道しか用意されていないのだ。
キャラクターのエピソードの描き方、バックボーンの重さが両者ともニクいほど釣り合いが取れていて、2人を天秤に掛けると、どちらか片方だけに肩入れがいかないよう絶妙に均等なバランスを保っているのだ。最後の決断ではプレーヤーをどこまでも悩ませてくる。
夜通しプレイをして終わらせようと思い最後の選択肢まで進めたが、深夜で頭が回らないから決められないという言い訳のもと、次の日に持ち越して1章の結末を迎えることができた。言わずもがな、睡眠を十分にとったクリーンな頭であっても決断を下すのにかなりの時間を要した。
ネタバレになってしまうのでストーリーの流れや結末については書けないが、最後の選択は自分自身が決めたことなのだが、“その選択が正しかったのか?”と終わった後にも疑問が付きまとっている。2つの選択肢で選ばなかった方の未来は一切わからないという、ある意味リアルに通ずる部分があるからこそ、ただのゲームのイベントと軽く流せない重みを感じさせられた。
今回プレイしたのはまだ序章の序章だが、この重い決断を積み重ねて辿り着く先は非常に気になるところである。本作「シン・クロニクル」は、すべてのRPGファンにこの苦渋の選択を味わってもらいたい。
©SEGA
※画面は開発中のものです