【特別企画】
スマホゲームの粋を超えた新作RPG「シン・クロニクル」先行プレイレポート!
やり直せないからこその決断の重さを体験!
2021年10月14日 18:00
- 【シン・クロニクル】
- 10月14日~10月21日 14時59分まで CBT開催
- 12月15日 正式版リリース予定
「東京ゲームショウ2021 オンライン」にて、セガから大々的に発表されたAndroid/iOS用新作RPG「シン・クロニクル」。「チェインクロニクル」シリーズの“後継作”という本作は、やり直せない“究極の選択”を迫られ、決断した選択によって自分だけの物語を体験できる、これまでにない全く新しいRPGとなっている。
今回、10月14日から開始となるクローズドβテスト版の物語序盤を先行プレイすることができた。ストーリーのネタバレは伏せつつ、プレイして触れることができた「シン・クロニクル」ならではの魅力をお伝えしたいと思う。
死の運命がつきまとう、探査騎士隊の戦い
冒頭はゆるやかな立ち上がりで、物語が進むにつれて大きな展開を見せるのがRPGのお約束だが、本作のストーリーはそんな平和な瞬間など微塵も無く、最初からかなり不穏で重苦しい空気に満ちている。
「奈落」と呼ばれる巨大な大穴から地上へ這い出ようとする魔物「黒の軍勢」に人類は苦しい戦いを強いられており、奈落と地上を隔てる大障壁を「境界騎士団」が命を散らしながら死守している。その様子はまさに“滅びが約束された世界”という表現がとてもしっくりくるほど壮絶だ。
主人公は「探査騎士隊」の隊長として奈落の未踏域を調査することになるのだが、奈落に足を踏み入れるということは常に死と隣り合わせの状況。世界のすべてが記録された書物「クロニクル」の力で自分や仲間たちに起こる未来を予見し、そこで凄惨な運命すら目の当りにすることになるのだ。
この予見した死の運命を変えていくことこそがゲームの軸となる。死の引き金となる「鍵の言葉」を、仲間との絆で変えることで死の運命を回避できるのだ。欠けている絆がどのように深まっていくのか、そこも本作の見所の1つである。
スマホゲームの粋を超えたゲーム性
ここからはゲームシステムについて触れていこう。ゲームの基本は、AP(スタミナ)を消費してステージを攻略していくという、オーソドックスなスマホRPGのスタイル。しかし、ここから先が従来のものとは一線を画す作りになっている。
ステージを選んだら会話イベントの後に即戦闘というスマホRPG特有の味気ないものではなく、コンシューマのRPGのように3Dフィールドが広がり、キャラクターを操作してダンジョン内を自由に探索することができるのだ。
プレイした範囲では各ステージのフィールドは狭すぎず広すぎずといった様子で、1つのステージをクリアするまでに必要な時間は僅か数分程度。プレイ前までは本格的な作り過ぎて手軽さが損なわれていないか心配だったが、まったくの杞憂であった。
アイテムを回収するためにダンジョンを隈なく回ったり、敵と戦闘をしてレベルを上げたりと、まさにコンシューマRPGの面白さがスマホで体験できる。コアなゲームファンも満足できる作りである。
RPGの肝となる戦闘はコマンドバトルとなっており、戦略性の高さが非常に面白い。キャラクターごとに行動順が決められているのだが、如何に敵に行動させないよう的確に撃破していくのがポイントになってくる。
さらに、コマンドバトルでありながら戦闘中はキャラクターを自由に移動させることができ、敵が広範囲の大技を仕掛けようとしていたら範囲外に退避させるなどの自由度の高い戦闘が楽しめるのだ。
戦略性と自由度が高い故に、1戦闘1戦闘が面倒なのでは? と思うかもしれないが、そんな細かな部分にも抜かりはない。今どきのスマホRPGには必須ともいえるオート戦闘もしっかり実装されており、エンカウントするザコ戦などはテンポ良く遊ぶことができる。
コンシューマと遜色のない高いクオリティのゲーム性ながら、スマホゲームの利点である遊びやすさも重視しており、どちらの旨味も兼ね備えたユーザーフレンドリーな設計である。
ダンジョンの最奥にはボスが待っており、これを撃破すればステージクリアとなる。ボスはなかなかに手強く手に汗握るギリギリの戦いが楽しめた。筆者個人としては簡単にクリアできるものよりも、そこそこの難易度があってキャラクターの育成が重要になるゲームバランスの方が燃えるものがある。
キャラクターの育成もなかなかにやり応えがありそうだ。レベルや装備品はもちろん、ポイントを消費して様々なスキルを習得させることもできる。課金などではなく、じっくり時間を掛けてプレイすることでキャラクターを強く育てることができるのは、スマートフォン用RPGを敬遠している人も納得の仕様だ。
自らの手で決断し、物語を紡ぐかつてないゲーム体験
「運命は、自ら決める」というコンセプトだけあり、本作は物語の随所で選択を迫られる場面がある。
選択の大半は仲間との絆が変動するといったものだが、各章のクライマックスでは「究極の選択」といえる重大な決断を迫られる。
ネタバレになってしまうので、選択の内容やシチュエーションなどは詳しくは言えないが、序章からかなり苦しい決断をしなければならない。
選択を決定すれば、もう戻れないのはもちろん、選ばなかった方の結末がどういったものなのかも確かめる術はない。この“1度だけの選択”だからこそ、決断の重みと結末はプレーヤーへの記憶に深く刻み込まれるものとなっている。
物語が進めば進むほど、苦渋の決断を迫られ、キャラクターの生死なども関わってくるとのこと。さらに、この究極の選択はその瞬間だけのものではなく、すべての決断が積み重なり、後のストーリーに複雑に絡み合ってくるのだそうだ。全く同じストーリーは存在しない、自分だけの物語を作るというこのゲーム性は、まさに本作の他では味わえないゲーム体験ではないだろうか。
衝撃の展開が約束されている本作だが、どんなに素晴らしい物語や究極の選択が待っていようとも、物語を彩るキャラクターに魅力が無ければプレーヤーには刺さらない。
今回プレイしたのはあくまで序盤なので、主要キャラクターもまだ数人程しか登場しなかったが、それでもキャラクターの魅力は十分過ぎるほど伝わってきた。
本作はWヒロインなのも特徴的で、感情よりも規律を重んじる「セラ」は、初めて会うはずの主人公のことを知っている様子であったり、もう1人のヒロイン「クロエ」は奈落で倒れていて記憶を失っていたりと、どちらも謎が多くとても気になる存在だ。ストーリーの先の展開もだが、ヒロインたちが秘めた秘密が明かされるのも非常に楽しみなポイントである。
序盤のラストまで今回プレイしたが、スマートフォン用ゲームのチープな印象は一切なく、グラフィックスとゲーム性共にコンシューマのゲームと遜色ない高いクオリティであった。
キャラクターのガチャなどスマートフォンゲーム的な要素はゼロではないが、武器などは主にゲームを進めていくことで手に入り、キャラクターの育成も敵との戦闘を重ねて強化していかなければならない。まさに“まがい物ではない本物のRPG”である。
正直なことを言うと、筆者も昨今のスマートフォン用RPGの形について多少は懐疑的なところもあるが、そんなユーザーにこそ本作「シン・クロニクル」をプレイしてほしい。そして、スマホRPGの進化を是非とも感じ取ってもらいたい。
©SEGA
※画面は開発中のものです