やり直すことのできない究極の選択で自分だけの物語を紡いでいくセガの新作RPG「シン・クロニクル」

　セガは、「東京ゲームショウ2021 オンライン」の配信番組「セガにゅー #TGSスペシャル」において、Android/iOS用新作RPG「シン・クロニクル」を発表した。10月1日より事前登録を開始し、12月15日の正式リリースを予定している。

“究極の選択”を迫られ、自分の決断により物語を紡いでいくRPG

　この日まで正式タイトルなどを伏せられていた新作タイトルは、「チェインクロニクル」（チェンクロ）やアーケードゲーム「戦国大戦」、「三国志大戦」などを手掛けてきた松永 純氏が総合ディレクターを務める最新作となる。

　松永氏は、「『シン・クロニクル』は、熱くてこれまで感じたことの無いストーリー体験ができ、重厚な世界観や魅力的なキャラクターなど要素が詰まったRPG」として、制作を進めているという。

　制作は「チェインクロニクル」を開発してきたチームが手掛けており、「シン・クロニクル」は「チェンクロ」の後継作となる。続編ではなく、まったく新しい世界と物語、そしてゲームシステムとなっており、「チェンクロ」を全く知らない人でもプレイして楽しむことができる。ではどういったところが“後継作”なのかというと、ロールプレイングゲームとしての本格的な体験や、“自分自身が冒険をしているという感覚”を体験できる点が引き継がれているのだという。

　世界観としては、徹底した“王道ファンタジー”を目指しており、松永氏曰く「ダークで本格的、それでいて華のあるキャラクターたちが活躍する世界観を用意しており、ゲームもRPGファンに届くようなやりごたえのある内容になっている」と説明。

　そして「シン・クロニクル」における最も重要な点は“自分自身が冒険をしているという感覚”であり、ここに“斬新な仕掛け”を用意しているという。松永氏は、「シン・クロニクル」のコンセプトを「運命は自ら決める。選ぶチャンスは1度きり」として、「運命は、自ら決める」システムを用意している。毎章のクライマックスに“究極の選択”が用意されており、その選択を1度決めると引き返すことができない。「だからこそ、そのストーリーが思い出にずっと残る、そんなRPGをお届けしたいと考えた」と松永氏。

　具体的には、ストーリーのクライマックスで、究極の二択を迫られる。ストーリー各章は、それぞれ10時間以上のプレイボリュームがあり、そのクライマックスで運命を決める大事な決断を迫られるというわけだ。例えば、「どちらの仲間を信頼して任せるか？」であったり、「世界を救うのか？ それとも大事な仲間を選ぶのか？」であったり、人生を左右されるような重大な選択を迫られるのだという。そして何より重要なのは、松永氏によれば「その決断はやりなおすことができない」のだという。

　共に歩んだ仲間たちから誰が生き残り、誰が死ぬのか？ 誰と結ばれ、誰と別れるのか？ 色々なクライマックスが迫り、プレーヤーの選択次第で物語は展開していく。「シン・クロニクル」では、ストーリーが順次配信されていくので、その後の壮大な物語に対して自分が選んだ選択が関わってくるという感じでストーリーが変化していく。

　また、スマートフォンRPGらしく多数のキャラクターが登場するが、その中の誰をパーティに入れるかにより、各仲間の個別ストーリーが展開。その選択はもちろん、最後の究極の選択に影響があるようになっており、毎章の究極の選択が人によってとらえ方や感じ方が変わるという、まさに自分だけの選択を味わうことができるようになっているという。

「シン・クロニクル」の世界観とは？ そして登場キャラクターも明らかに！

　「シン・クロニクル」における舞台は「ヘルドラ」と呼ばれる世界。世界の真ん中に巨大な“奈落”が開いており、そこから際限なく魔物“黒の軍勢”が湧き続けている。この化物たちが、何百年、何千年にわたって襲ってくるという絶望的な世界となっている。

　人類はこの黒い軍勢に対応するべく巨大な壁で奈落を囲い、そこに超法規的な人類守護の騎士団“境界騎士団”を組織し守っている。

【ストーリー】

「へルドラ」。
そこは滅びが約束された世界。

大陸の中心に開いた巨大な大穴「奈落」から、黒の軍勢と呼ばれる魔物が無限に這い出し、地上を脅かし続けていた。

人類は奈落を囲む巨大な障壁を築き、これを防いできた。
奈落と地上の境界である大障壁を守る騎士たち。
彼らは、「境界騎士団」と呼ばれた。

深淵より湧き上がる瘴気の嵐雲。
歴史上、幾度となく繰り返されてきた黒の軍勢による大侵攻「蝕」。

へルドラ新暦491年。
未曽有の「蝕」が襲い来る中、新人騎士であるあなたも壁の防衛にあたることとなる。

激戦の壁上より、物語は始まる――

　主人公は、境界騎士団の新人として戦いに参加している。戦いの中で奈落をさまよい、そこで手に取った謎の書物「クロニクル」と封印されていた精霊“ミュトス”に出会う。“蝕”での戦いの後、奈落を攻略する探査騎士隊の隊長となり、仲間たちと奈落の決死行へと挑む。主人公を演じるのは坂 泰斗さん。

【主人公】

　主人公の相棒となるのが、精霊“ミュトス”。書物の封印を解いた主人公を相棒と認めて力を貸すことになる。奈落の瘴気を防ぐために、境界騎士は精霊と契約して加護を受けなければならない。ミュトスは特に強い力を持っており、大精霊を自称している。なぜ封印されていたのかや、「大精霊」と自称しているが果たして本当なのかなど、謎の多いキャラクター。演じるのは井澤詩織さん。

【ミュトス】

　そして「シン・クロニクル」のヒロインとなるのは、“セラ”と“クロエ”の2人となる。この2人が、運命の選択を盛り上げてくれるのだという。

　まずセラは、非情な世界で正義を貫く少女。わけあって、出身地の北方から南方大騎士団に転属してきたばかりで、主人公とは“蝕”の最中に出会い、共に戦い抜く。

　もう1人の“クロエ”は、非情な世界だからこそ理想を追い求める少女。主人公と奈落で出会うも、名前以外の記憶を失っている。謎の書物「クロニクル」とも何らかの関りがあるようだとか……。“セラ”と“クロエ”を演じるのは悠木 碧さん。

【セラ】

【クロエ】

　この他にもキャラクターは多数登場する。前述の通り、それぞれのキャラクターが物語に大きな影響をあたえてくれるので、誰をパーティに入れるかでプレーヤー毎にプレイ体験が変わるっていくのだという。

　今回の発表会で紹介されたのは、自由を夢見る蛮族の少女“マーヤ”。マーヤの部族は男女問わず生まれつき身体能力が高いため、古くから各国に傭兵として重宝されていた。ただマーヤ自身は、いつか騎士団を抜けて世界中を旅するのを夢見ている。演じるのは黒木ほの香さん。

　さらに、プレーヤーがパーティに加える仲間とは別に、章ごとにゲストとして冒険に加わるキャラクターも登場する。発表会では、第1章で運命のカギを握るゲストキャラクターとして登場する、「死神」の呼び名を背負うベテラン騎士“ギュンター”（CV：中村悠一）と、亡き母への想いを胸に騎士となった幼き少女“アンネ”（CV：花澤香菜）の2名が紹介された。

　ちなみにギュンターの所属する部隊は「XVI（16）」で、主人公の所属する「XVII（17）」とは違う部隊となる。主人公の隊以外にもさまざまな騎士たちが奈落を探索しており、いろいろな隊がある中で出会うキャラクターたちとなっている。自分の隊の隊員たちとの物語もあれば、奈落の途中で出会う他の隊とのドラマもあって、運命がどんどん転々としていくというストーリーとなっている。このゲストキャラクターたちは、最初はバトルにもゲストで加わるのだが、ユーザーの選択次第では正式に仲間になるという展開も用意されている。

　なお、「シン・クロニクル」のリードキャラクターデザイナーはN.P.A氏が務めている。

　発表会では、現在開発中のゲームのプレイ映像が公開された。ハクスラ要素やRPGにおける戦略的なバトル要素も盛り込まれているようで、ゲームをプレイしてきた人こそが楽しめるような要素が満載となっているように感じた。

【開発中のゲームプレイ映像】

物語を盛上げる音楽には、レジェンドが多数参加

　「シン・クロニクル」の音楽を担当するメインコンポーザーは、「メイドインアビス」などを手掛けてきたケビン・ペンキン氏。ケビン氏は「ゲームのビジュアルやストーリー、また最近興味を持っている色やスケール感など、そうした物理的なゲームの世界観を音楽で体現したいと思いました。皆さんにはぜひ音楽を楽しんでいただきたいです」と意気込みを語った。

　さらに同作では、ゲストコンポーザーとして伊藤賢治氏、浜渦正志氏、下村陽子氏、甲田雅人氏、光田康典氏、古代祐三氏といったそうそうたるメンバーが参加している。

　このゲストコンポーザー陣は、運命の選択を選んだ後のクライマックスシーンのBGMを担当。つまり、選択肢は片方しか選ぶことはできないため、選んだ方のコンポーザーの楽曲しか聴くことはできないのだ。各章2人ずつ登場してクライマックスを盛り上げているという。

事前登録を10月1日より開始！ そしてCBTを10月14日より開始!!

　「シン・クロニクル」は、10月1日より事前登録を開始する。Google Play、App Storeのほか、Twitter、LINE、メールアドレスでの登録が可能。

　なお、事前登録者数に応じ、ゲーム内で使用できるアイテムやキャラクターなどのプレゼントが増えていく。

【事前登録】
・Google Play：https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.sinch
・App Store：https://apps.apple.com/app/id1558607520

　さらに、クローズドβテスト（CBT）を10月14日より開始することが明らかになった。CBTでは、メインストーリー第1章を丸ごと正式リリースに先駆けて遊ぶことができる。参加者の募集は、10月1日より10月7日23時59分まで行なわれる。

【CBT募集】
・「シン・クロニクル」公式サイト：https://sin-chronicle.sega.jp/cbt/

　公式ツイッターアカウントも始動となった。公式アカウントでは、「シン・クロニクル」に関する最新情報はもちろん、境界騎士団の見習い記録士“イコナ”が各種情報を届ける。また、さまざまなキャンペーンも予定。

【公式ツイッター】
・「シン・クロニクル」公式ツイッター：https://twitter.com/sin_chronicle

　松永氏は最後に視聴者に対し、「スマートフォンゲームというものは毎日遊べたり、気軽にポケットから出してすぐに遊べるなど、本当に良い所がたくさんあるんですけど、その反面、映画を観るとか、コンシューマーのRPGをやるとかの感覚と比べるとやはり少し軽い印象があって、ともすれば暇つぶしだと今でも思われてる部分はあると思うのですが、そうじゃなくて、改めてプレイしたら一生心に残る、思い出になるような物語体験を今回やって頂きたいなと思っています。スマートフォンだからこそできる形で、今回こだわりにこだわって用意しました。どこでも物語にいつでも入れて、なのに自分だけの1度きりの物語体験というのがずっと続いていくと、この感覚をぜひ味わって頂きたいなと思います。どんな反響になるか私も想像しきれてないんですけど、今までにない、一度だけの時間というのをぜひ一緒に体験頂けたらと思いますので、ぜひご期待ください」と挨拶し、「シン・クロニクル」をアピールして発表会を終えた。