【特別企画】
ついに明日開幕! 「第3回全国高校eスポーツ選手権」ロケットリーグ部門の見どころを徹底解説!
オンライン予選には全178チームが出場予定!決勝に駒を進めるのはどのチームだ!?
2020年11月20日 00:00
- 【第3回全国高校eスポーツ選手権】
- 予選:
- 11月21日より(「ロケットリーグ」部門)
- 12月12日より(「リーグ・オブ・レジェンド」部門)
- 決勝:
- 2021年3月13日(「ロケットリーグ」部門)
- 2021年3月14日(「リーグ・オブ・レジェンド」部門)
11月21日より「全国高校eスポーツ選手権」のオンライン予選が開催される。今年で3回目の開催となる本大会は、eスポーツに打ち込む高校生の活躍の場として、これまでに数々の熱い戦いを届けてきた。
筆者は第2回の決勝大会を現地で観戦したが、本大会には賞金がかかったプロの大会とはまた違う魅力があると感じた。プレイの質自体はプロのそれに及ばないかもしれないが、全身全霊をかけてプレイし、ゲーム展開に一喜一憂する高校生プレーヤーたちの生々しい表情、そしてeスポーツを通じて築き上げられた彼らの絆には、見ていてグッとくるものがある。
本大会の競技種目は2つあり、1つは世界的MOBA「League of Legends」、そしてもう1つは本稿で紹介する「ロケットリーグ」だ。「ロケリ」の通称を持つ本ゲームは、ゲーム性はシンプルながら高い競技性を持つタイトルで、eスポーツ初心者でも楽しく観戦できる種目だ。本項ではロケリの見どころと、注目チームの一部を紹介する。是非「全国高校eスポーツ選手権」観戦の予習に役立ててほしい。
車でサッカーするゲーム!シンプルながら奥深い競技!
「ロケットリーグ」は2015年に発売されたゲームで、今なお世界中で活発なeスポーツシーンをもつタイトルだ。プロシーンでは年間を通して世界各地で大会が開催されており、シーズン末には成績上位チームによる決勝大会も開かれている。昨年12月にスペインはマドリードで開催された決勝大会の賞金総額は約53万ドル。「ロケリ」eスポーツシーンがいかに大規模かが伺える。
「ロケットリーグ」の魅力は何といってもそのシンプルなゲーム性だろう。3対3のチームに分かれ、ボールを相手のゴールに入れると得点になる。ルールはこれだけだ。面白いのは、各プレーヤーが操作するのが人ではなく車であるという点だ。プレーヤーが操作する車は「ロケットカー」と呼ばれ、ジャンプやブーストなどといった動きを駆使して、いかにボールに喰いつけるかがゲームのカギとなる。上級者ともなるとフィールドの壁を縦横無尽に走り回ったり、ブーストを使って滑空したりと、現実離れしたアクションも可能になる。本大会の決勝でも、こうしたアクロバティックな動きが見れること間違いなしだ。
数ある技の中でも最も華麗なのは「シーリングショット」だろう。これはブーストを使ってフィールドの天井まで車を走らせ、味方が空中に浮かしたボールを、上下逆さまの状態でシュートするテクニックだ。地上からのシュートと違って敵の妨害がないという利点がある反面、空中での車の制御は難しく、またセンタリングのタイミングも重要なため、個人技とチームワークがかみ合わないと成功しない、まさに神技だ。昨年大会でも何度かこの大技が見られ、会場は大いに盛り上がった。
そして特筆すべきなのが、「ロケットリーグ」が物理演算に基づいたゲームであるという点だ。ゲーマーでない方には馴染みのない単語かもしれないが、これはつまりゲーム内に物理法則が存在しているということを意味する。例えばロケットカーがボールに接触するとき、車の入射角や速度がその後のボールの軌道に大きく影響する。ボタン1つでパスやシュートが出せるサッカーゲームなどと違い、ボールを意のままに操るには繊細な操作が求められるのだ。特にサッカーの基本ともいえるドリブルは、このゲームでは超高等テクニックだ。大会中に見かけた際には、是非その選手に賞賛の言葉を送って欲しい。
以上のように、ロケットリーグはシンプルなゲームながら、マスターするには相当な練習が要求される硬派なゲームでもある。試合を楽しみながら、本大会に向けて多くの練習を積んできている選手たちのテクニックにも、是非注目してほしい。
強豪から初参加まで、参加チームは全178! 注目すべきはどこだ?
全178チームが参加予定の「全国高校eスポーツ選手権」ロケットリーグ部門。本大会ではまず11月21~22日にかけてブロック予選が行われ、ブロックAからブロックHのそれぞれを勝ち抜いた8チームが11月23日の予選決勝に進出する。予選決勝ではそれぞれのブロック代表がA対B、C対Dといった風に対戦し、それぞれの対戦の勝者4チームだけが3月13日開催予定のオフライン決勝大会に進出することができる。
それぞれのブロックを勝ち抜くためにも4~5連勝する必要があり、さらに強豪揃いの予選決勝を勝ち残るのは至難の業だ。しかも予選のフォーマットは全試合BO3のシングルエリミネーション。敗者復活戦がない一発勝負で、一度のミスも許されない過酷な形式だ。
熾烈な戦いの連続になること間違いなしの予選だが、ここで全178チームの中から筆者が厳選した注目チームを紹介したい。果たしてこれらのチームが順当に勝ち残るのか、それとも予期せぬ番狂わせが起こるのか。
釧路工業高等専門学校「mirage virtual Calimba」、「VFC(II軍)」
北海道の釧路高専は前回大会TOP4の「Vtuberすこすこ隊Ver2」を排出した強豪校で、本大会には「mirage virtual Calimba」と「VFC(II軍)」の2チームに分かれて参加している。一見すると一軍と二軍に分かれて参加しているようだが、前述の「Vtuberすこすこ隊Ver2」でプレイしていた3名の内、Lambchan選手とYotsubq選手は「mirage virtual Calimba」に、そしてPoriko1496選手は「VFC(II軍)」に分かれて参戦しているようだ。つまり両チームともに前回大会TOP4経験者が所属していることになり、どちらもかなり上位に食い込んでくることが予想される。
そんな中でも、釧路高専の注目選手はLambchan選手だろう。前回大会ではチームリーダーとして味方を引っ張り、積極的な攻めの姿勢が印象的だった。TOP4の試合では空中で壁にボールを当て、跳ね返ってきたところをそのままシュートする「ダブルタッチ」などの高等テクニックも見せており、今大会でも彼のアクロバットには要注目だ。
両チームはそれぞれ「VFC(Ⅱ軍)」はDブロック、「mirage virtual Calimba」はEブロックに振り分けられており、上手くいけば2チームとも決勝大会に勝ち残ることも可能なはずだ。前回はTOP4で惜しくも敗れ去った釧路高専だが、今年は優勝の栄冠を手にすることができるのか、是非注目してほしい。
阿南工業高等専門学校「Kamase Dogs」、「Ate Pony」
徳島県の阿南高専は前回大会では惜しくもTOP4入りを逃したものの、第1回大会では「Kamase Dogs」としてTOP4入りを果たしている強豪校だ。今回の出場チームは2つで、前述チームの名前を継ぐ「Kamase Dogs」と「Ate Pony」に分かれて参加するようだ。「ドラゴンクエスト」を彷彿させる名前が特徴的な選手たちだが、「Kamase Dogs」の“ただのぬのきれ選手”は前回大会出場経験のある要注目プレーヤーだ。
また彼らの紹介文を見るところによると、どうやら第1回大会TOP4の舞台で戦ったこんぼう選手、どうのつるぎ選手がOBとしてチームのコーチングに参加しているようだ。経験のあるOBと共に練習を積んでいるのならば、新生「Kamase Dogs」の実力はかなりのものだろう。先輩たちの屈辱を晴らすためにも、彼らの優勝にかける想いは人一倍高いに違いない。
阿南高専は「Kamase Dogs」がDブロック、「Ate Pony」がEブロックに振り分けられており、なんとどちらも前述の釧路高専と同ブロックで戦うことになる。もしブロック決勝で阿南高専VS釧路高専のカードが組まれることになれば、ハイレベルな戦いになること間違いなしだ。激戦が予想されるD・Eブロックの行方からは目が離せない。
N高等学校「NRLG Cats」、「NRLG Cows」
沖縄県のN高等学校は、前回大会TOP4の「Cat A Pult」を排出した強豪校で、今回は「NRLG Cats」と「NRLG Cows」の2チームに分かれて参戦するようだ。中でも注目なのは「NRLG Cats」で、紹介文によるとメンバー全員がゲーム内最高ランクのグランドチャンピオンに到達しているという。
「NRLG Cats」の注目選手はTetu選手だ。彼は今年で三度目の出場となる、経験と実力を兼ね備えた選手だ。前回大会でTOP4敗退となってしまった後、インタビューにてTetu選手が涙ながらに悔しさを語っていたのはとても印象的だった。今大会は恐らくTetu選手にとって最後の「全国高校eスポーツ選手権」になるため、彼には是非とも前回の雪辱を果たしてほしいところだ。
「NRLG Cows」はAブロック、「NRLG Cats」はBブロックに振り分けられており、順当に勝ち進むことができれば両チームは予選決勝で相まみえることになる。しかも「NRLG Cows」は「打倒N高」を掲げているようで、ひょっとすると「NRLG Cows」が「NRLG Cats」を倒す、なんていう展開もあり得るかもしれない。両チームの内決勝大会に進出できるのは1チームのみ。果たしてどちらが決勝へ駒を進めるのか、それとも両チームともに敗退してしまうのか、要注目だ。
観戦して高校生たちを応援しよう!
今回紹介したチームは多くの出場校の中のほんの一部のみだ。紹介した以外にも第1回から連続出場しているチームもあれば、初出場のチームが思いがけない快進撃を見せる可能性すらある。なんにせよ、大会の行方は是非ともその目で確かめてほしい。
11月23日の予選決勝はTwitchとペリスコープにて、13時から配信される予定だ。配信MCにはeスポーツキャスターのOooDa氏が起用されており、またスペシャルサポーターとしてタレントのケイン・コスギ氏も登壇する予定だ。今回紹介した内の何チームが予選決勝に勝ち上がっているのか、そして決勝へ駒を進めるチームはどこになるのか、是非とも配信で確認してほしい。