インタビュー
「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)
「パッチ2.1」の新ダンジョンについて。コンテンツルーレットに神話を10個出す理由とは?
(2013/12/13 00:00)
「パッチ2.1」の新ダンジョンについて。コンテンツルーレットに神話を10個出す理由とは?
――次に3つの新ダンジョンについてです。ハウケタとカッパーベルの2つがハードになりますが、まずなぜこの2つを選んだのか教えて下さい。
吉田氏:もともとダンジョンのアップデートの計画は「3.0」までできていて、毎パッチ、完全新規ダンジョン1、ハードダンジョン2のトータル新ダンジョン3追加構成という計画です。そして最初にまず「2.1」のためにハード化するダンジョンを決めなくてはいけない。正式サービス時には想定外のリスクもあるので、できるだけハード化しやすいものを選んでおかないと、コストで困るだろうという話をしていたのです。そのときに「旧FFXIV」で僕が入る前にマップが作られていた、ゼーメルとか、トトラクみたいなものは、ギミックは後から考えたものですが、マップデザインは設計ありきではなかった。それをハード化するのは、かなりの難易度とコストが高いので、新生に合わせて作ったものからチョイスしよう、という話になりました。
――デカすぎるということですか?
吉田氏:そうですね。「旧FFXIV」のダンジョンは長い。だから「新生」の際にカットするのも苦労したし、「旧FFXIV」と「新生」で仕様が違う部分もあり、雰囲気を変えるのも容易ではありません。
その結果、選ばれたのがハウケタとカッパーベルでした。ハウケタは屋敷なので、区画線形で通路幅固定ということもあり、構造を変えやすい。元々のレベルデザイン上で、カットしたルートも存在していました。2階構造なので、攻略ルートを変えることで変わった感も出しやすいです。
ハードモードのダンジョンを1番最初にリリースする際には、「なるほどハードではこうなるんだ」という最初の印象元にもなります。カッパーベルはもともとやりたいと思っていたことを削ってリリースした部分もあり、担当者がネタやギミックを出しやすいこともあります。
――ギミックってあのボムを出してスライムを倒しましょうみたいな奴のことですよね?
吉田氏:ギミックはハードモードの場合は全部違います。ただ単純にHPが高くなっているとか、敵が強くなっているとかじゃなくて、ギミックも全部違うので。
――あのボムそのものがなくなって、別のものになっているわけですか?
吉田氏:はい、攻略方法はすべて異なりますので、どうぞご期待下さい。
――クリア報酬として神話と哲学といったトークンやレア装備がもらえるわけですね?
吉田氏:はい。ワンダラーパレスとアムダプールは飽きてしまったはずなので、次の主役はこの3つのダンジョンになります。新規の方からみるとレベル50付近、もしくは50以降に、5つのダンジョンが選択肢としてあるという状態になります。
今回、新しく入るこの3つが4人用のダンジョンとしては1番難しいもので、トークンを効率よく集めるために、いわゆる周回プレイをしたいなら、ここを周回してくださいという3つの選択肢になります。この下にワンダとアムダが入るので、これらはもっと楽に攻略できるようになります。
――ワンダやアムダが下になるのは意外ですね。
吉田氏:ジョブ専用装備で止まっていたような方達は、そろそろ気楽にワンダラーパレスやアムダプールにいけるかな、と思っていただけると嬉しいです。
――現状は、実質的にID周回ゲームになっていますが、新ダンジョンの登場により、それに終止符が打たれますか?
吉田氏:武器・防具の入手方法は、コンテンツが増えることで、ドロップ品の増加にも繋がり、選択肢は格段に多くなります。それでも「神話装備」へ効率を求める方は、結局周回されると思います。
この前のLIVEでコンテンツルーレットの説明をした際に、ローレベルダンジョンのデイリー報酬に「神話10個なんか渡されたって、ローレベルに行くモチベーションにはならないよ」という反応がありました。効率を求める方には、その反応で当然ですし、簡単なダンジョンで沢山の神話は当然貰えません。あれはそういう方向ではなくて、新しいクラスのダークライト装備を集めようかな、哲学が欲しいなと思った場合に、ローレベルへ行く想定です。もしくはまったり集めたい人向け。1日1回行くだけで、哲学100個、神話10個もらえます。ハイレベルダンジョンだと哲学0個、神話40個です。
レベルの低いダンジョンは簡単なので、これを毎日やっていくとだいたい自信が付いてくるはずです。うまくもなってくるし、気がついたら毎日10個ずつだった神話が、あれおかしい80個くらい神話が貯まってる、と。もうちょっとがんばれば、もしかして神話装備手に入るかも? それなら楽になったみたいだし、少し自信も付いてきたから、ワンダやアムダに行こうかなと、そんなきっかけになってくれれば、というための神話10個なんです。
――なるほど、深い10個なんですね(笑)。今しんどいと思っている人は、無理にチャレンジせず、素直にパッチ2.1を待ったほうが良さそうですね。
吉田氏:はい。ただ、今の時代、お客様はゲーム以外にもエンタメや娯楽の選択肢はたくさんあるので、そうは言っても、パッチを待てない方は待てないとやっぱり思います。ですので、ここからは、これまでと同じで、パッチがリリースできたら「これだけ面白いものが用意できたので、遊んでみませんか?」というお知らせをお送りしますし、プレーヤーのみなさんが面白いワーワーと言ってるのを見て、「ちょっと復帰してみようかな」で、僕はそれでいいと思っています。「旧FFXIV」はそうやって続けてきた結果、課金を初めてからお客様が3倍になっているので、地道にただそれを続けていく、自分たちがプレイして面白いと思うものを出し続けることが、MMORPGの運営の全てだと思っています。
――ちなみにLIVEで、90日課金報酬、180日課金報酬、270日課金報酬と、どんどん発表されていますが、あれはどのくらい効果があるものなのですか?
吉田氏:かなり効果は大きいと思います。課金を続けてくださるお客様には、いずれ必ず貰えるものですし。
――課金のモチベーションにはなっているわけですね。
吉田氏:そうですね。
――今後、360日、450日とどんどん続いていくことになるわけですが、90日単位で継続的にアイテムを用意するという考えですか?
吉田氏:90日単位とは限らないですが、続けていくつもりです。
――基本はミニオンとマウントですか?
吉田氏:当然1周年、360日契約をしていただいた方にはもっといいものを! と思っています。いま候補の中から選んでいる最中です。
――候補はどんなものが?
吉田氏:まだ内緒です(笑)。
――これは「2.2」の話になると思いますが、型紙システムが今回実装が見送られましたが、なぜ「2.2」になったのですか?
吉田氏:単純に間に合わないからですね……。
――今回、「FFXIII」コラボイベントでライトニングの装備を全部揃えることができました。あの装備はとてもよくデザインされていると思うのですが、でもレベル13の装備なので、今それで戦ったら「え?」ってなるじゃないですか(笑)。「2.1」のタイミングで型紙のシステムがあれば、ライトニングの格好で戦えて楽しかっただろうなと思って。
吉田氏:仰ることはよくわかります(笑)。入れたかったのは入れたかったのです。デバッグがすごく大変なのです。チェックが総当たりになるので。
――全装備試すとかそういうことですか?
吉田氏:やはり1回全部やらないと。アップデート差分は楽なのですが、全部なのでちょっと怖いのですよね。意外と染色仕様との兼ね合い、アイテムレベルとの兼ね合いなど、細かい仕様やタスクが多く、デバッグのこともあって、慎重に作って2.2でお届けします。
【2013年12月14日追記】「パッチ2.1」におけるコンテンツルーレットのローレベルとハイレベルのクリア報酬として獲得できるトークンの排出量が確定しましたので、正しい内容に修正させていただきました。(編集部)