インタビュー

さらば、セガ3D復刻プロジェクト!

「セガ 3D復刻プロジェクト」は「第1部 完」!

「セガ 3D復刻プロジェクト」は「第1部 完」!

――しかしまあ、数を重ねてきているからといっても、制作に関しては、まったく楽になってませんね、このプロジェクトは(笑)。

堀井氏:そうですね。ここまでやっちゃうと、この後「やりましょうよ」もしくは「やってほしい」タイトルって「ガンスターヒーローズ」とか「ランドストーカー」とかになりそうじゃないですか。もしやるとすると、今の倍以上大変になると思いますね。

――そういえば、先ほど「『ベア・ナックル』が最後のタイトルとして選ばれた」とおっしゃってましたが、まさか、これでプロジェクトが終わりになっちゃうんですか……?

奥成氏:というわけで、皆さんにお楽しみいただいた「セガ 3D復刻プロジェクト」は、これにて完結とさせていただきます。

堀井氏:マジで!?

――マジでー!!

奥成氏:「俺たちの戦いはこれからだ!」

堀井氏:打ち切りみたいじゃない……。

奥成氏:「エムツー先生の次回作にご期待ください」。

堀井氏:また10週で打ち切りにされる連載をやりに行きますよ。

――(笑)。

奥成氏:ということで「第1部 完」です。……しばらく再び仕込みの時間に入ります。

堀井氏:……体力持たないですよ。50週とかやれないですよ。1年間。

――当初予定されていたものは、このタイトルでひと段落、ということなんですね。

奥成氏:はい。最初に3DSという新しいハードでプロジェクトを立ち上げるにあたって、まずバーチャルコンソールがあって、それと同時に「それ以外の新たなものをやりたい」ということで「1本で終わらないシリーズもの」として並行して立ち上げたのが「セガ3D復刻プロジェクト」なんですね。その時は、まだ「立体視でできるのかどうか」というところを見切り発車というか、「勝因はあるだろう」ということで「シリーズ」という形がしっかりと見えるくらいの本数として作ってきたのがこの8作なんですが、この8作を作るのに、2年あまり期間が掛かってしまいました。長かったですが、ようやくこれで「第1部 完」とさせていただきます。

【3D 復刻プロジェクト 第1部 タイトル一覧】
2012年12月26日 配信:600円
インタビュー[1]/インタビュー[2]
2013年3月27日 配信開始:600円
インタビュー
2013年5月15日 配信開始:600円
インタビュー
2013年5月29日 配信開始:600円
インタビュー
2013年6月26日 配信開始:600円
インタビュー
2013年7月24日 配信開始:800円
インタビュー
2013年8月7日 配信開始:600円
インタビュー
2013年8月21日 配信開始:600円

――……恐る恐る聞いてみますが、「第1部 完」って……仕込みって何ですか?

奥成氏:「このシリーズを続けていけるかどうかは、皆さんの”反響”次第です」と、特に「3D スペハリ」の時に強調させていただきましたが、あれは本当だったんです。そしておかげさまで、「3D スペハリ」をリリースしてから半年あまり、たくさんの方が反響、つまり、ソフトを購入してくださったおかげで、ようやく皆さんの声を将来に活かすことができました。なので、おかげさまでこのシリーズは続けていけそうです。

堀井氏:うわーい! 言っていいんだそんなこと。

――うわーい!(嬉)

奥成氏:「第1部 完」ではありますが、「第2部」をやるためには、時間を頂きたいと。我々は必ず「第2部」で帰ってきます。ただ、次がどのぐらいの規模で帰ってこられるのかは、引き続き皆さんの反響次第なんです。

堀井氏:ちょっと待った! ということは、みなさんが山ほどタイトルを買ってくだされば、これは「サンダーブレード」を作れる流れなんだ。

奥成氏:……。

――(笑)。

堀井氏:そこ、黙るんだ。今日、俺1回も「サンダーブレード」って言わなかったから、「このネタもなしかなー?」って思ってたのに、満を持して言ったらこれですよ。

――(笑)。

奥成氏:皆さんが欲しいタイトルが「サンダーブレード」かどうかは置いておいて……。

堀井氏:絶対すごいから。あれ、立体視に対応させたら。

――(爆笑)。

堀井氏:佐伯さん超笑ってますけど、あれ、立体視に対応させたら脱がなくてもすごいから!

――……個人的にはマジで見てみたいです。

奥成氏:必ず帰ってきます。

堀井氏:うん、帰ってくる。

奥成氏:ですが、これから「3D ザ・スーパー忍II」や「3D ベア・ナックル」などの反響を見つつ、その準備をしますので、しばらくお待ちください。そこはお時間を頂きたいということで。第2部が第1部以上のものにできるのかどうなのかは、本当に皆さんの反響次第です。ですので本当に皆さん、よろしくお願いします。

堀井氏:本当に皆さん、よろしくお願いします! とりあえず、よろしくお願いしますですけれども、次ができることにまず、皆さんにお礼が言いたいです。「3D スペハリ」に驚いていただいた方々にお礼を言いたいです。ありがとうございます。次も驚かせますね。

――いやー、このくだり、お話伺いながらまじめにドキドキしていましたが、第2部があって本当に良かったです。……今さら聞いてしまいますが、このプロジェクトの反応に関しては、想定と比べてどうでしたか?

奥成氏:「3D スペハリ」に関しては、3DSというハードウェアが発表された時から、僕も思っていたし、皆さん、セガファンの方も、「3Dで見てみたいゲーム=『スペハリ』」というところまではたぶん、考えていたんじゃないかな、と思うので、3DSが発表された時から、「自分が3DSでゲームを作るなら『スペハリ』だろう」と思っていたし、たぶん、エムツーさんもそうだろうと思っていたし。

堀井氏:そうですね。

奥成氏:お客さんも「セガが出すんだったら『スペハリ』だろう」と思ってらっしゃっただろうと考えていたので、そういう意味では、想定できた部分で、リリースできた時に「やっぱり『スペハリ』は最高だ」と言えるものが提供できた、というところでも良かったと思っています。

 ですが、その後の部分に関して言うと、お客さんがいろんなタイトルが出て欲しいと考えてくださった中で言えば、想像しないものも含めていろいろ提供してきて、3Dという新しい方向性に関して、「本格的に3D立体視に対応させる」という意味では初めてのことですから、いろんなチャレンジがあって、我々も今までのインタビューでお話させていただいてきたように、想定しない面白さというのが見つけられたかなと。それについてお客さんも1つ1つ、面白く楽しんでいただけたんじゃないかなと。

 例えば、「3D スーパーハングオン」のジャイロなど、3Dとはまた違うところですけれども、うまくいっているところもあったんじゃないかなと。あとは、「3D ベア・ナックル」みたいに、「想像していたけれども、実際に見てみたら、『はぁ、これが!』っていう風に驚けるもの」が作れた、というのは面白いかな、と思っています。

 「3D スペハリ」に関して言えば、思ったとおりという部分はあるのですが、その先は、お客さんも、我々も楽しんで来られた道かな、と思っていますので、これを僕達だけが独りよがりで、一方的に楽しんでいるようでしたら、そこまでですし、もしかすると、これからやっていく中で、これまで以上の面白さというものもあるかもしれないし、今回やっていたことを他のゲームに入れると、また同じ楽しさが得られるかもしれないし、というところを楽しめるかどうかは、今後にかかっていると。そこは本当に、皆さんの反響がダイレクトに伝わってくるので、それをこれから考えていける、ということですね。

堀井氏:この後はみんなの反響が来まくって、「サンダーブレード」が出せてしまうと思うので、「サンダーブレード」が終わったら僕は「何を出したい」って言えばいいのかを考えておかなきゃならなくなりますね。よろしくお願いします。

――(笑)。

堀井氏:そりゃ当たり前ですよ。

――当然そうですよね(笑)。

奥成氏:ってことは、堀井さんのところにあれから25万人ぐらい署名が集まってるんですか?

堀井氏:署名ではないですが、狼煙とか念とかいろいろ来てます。バカ売れ間違いないっすよ。

――(笑)。

堀井氏:曇ってると狼煙は見えないあたりが厳しいですけどね。

――(笑)。個人的には最初から見てみたいタイトルですよ。「サンダーブレード」は。そういう意味で、これまでの実績を覆すとか、見直されるタイトルがもっと出てきて欲しいと思っています。

堀井氏:そういう可能性を秘めていると思うんですよね。このプロジェクトは。

奥成氏:「3D スペハリ」でわかったことなんですが、このプロジェクトが受け入れていただけたのには、2つの軸があるんですよね。1つは「3D立体視でゲームができる」。もう1つは「新たなものを加える」というところですね。その「加える」というのも、まったく違うものにはできないので、表現が難しいんですけれども、「アーケードの『スペハリ』に『HAYA OH』を入れよう」ということだったり、「『ソニック』に『スピンダッシュ』をつけよう」ということだったり、ムービング筐体だったり。やってきたことに関しては、「もともとのゲームをもう1つ面白くできる何か」を加えるというのは、これまでやってこなかったことなので……。そこができたということ、そこにも反響をいただけたというのは、「バーチャルコンソール」とは似て非なる「なにそれ?」という楽しみを提供できたのかなと思っています。

 もちろん、素直に「懐かしのタイトルのオリジナルを今のハードで遊ぶ」ということも続けていきたいと思っていますので、「バーチャルコンソール」も続けていきたいと思っていますが、それとはまた違うことを「第2部」では続けていけたらなと思っています。

堀井氏:ネタはいっぱいありますし、手ごたえのある絵ができつつありますので、ご期待ください。

――プレーヤーの立場として、こうしてお話を伺いつつ、プレイして初めて、お2人が言わんとすることの意味がわかった、ということは結構ありますので、もっといろいろ、このプロジェクトが生み出すタイトルを見てみたい、と思っています。

奥成氏:例えがさらにわかりにくくなってる気もしますが、TVアニメでいうところの、第1期をやった後、2期が半年後とかに引き続きTV放送されるというパターンなのか、OVAが数本になるのか、あるいは劇場版まで行けるのかというところですかね。

堀井氏:このプロジェクトの場合の劇場版ってどういうことになるんですかね? 例えば据え置き機とかで「Oculus RIFT」とか使うんですかね?

奥成氏:なぜそっち方向に(笑)。どういう方向性で進めるのかについても、本当に反響次第ですね。逆にこれだけいろいろやってても、「ギガドライブはもう要らん」とか言われてしまうかもしれないし。皆さんの中でもあれも、これもといろいろお考えがあるでしょうが、それに何本お応えできるのか、今後にご期待くださいというか、応援してください。

――第2部、本当に楽しみにしています! ありがとうございました。

(佐伯憲司)