インタビュー
「龍が如く8外伝」インタビュー。真島が幹事になってコンパを開く!?「ミナト区系女子」の続報が明らかに【TGS2024】
「ドラゴンカート」のルール追加など、アクティビティの遊び方が広がった
2024年9月29日 17:29
- 【龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii】
- 2025年2月28日 発売予定
- 価格:
- パッケージ版・デジタル版 6,930円
- デラックス・エディション 8,690円
- パッケージ限定版真島吾朗コンプリートボックス 19,800円
- ※Xbox Series X|S/Xbox One/Windows/PC(Steam)版および「デラックス・エディション」はデジタル版のみ販売
「龍が如く8」の半年後を描く「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」。プレーヤーは記憶を失った真島吾朗でどんな体験ができるのか。
2025年2月28日に発売される「龍が如く8外伝」は、9月20日に開催された「RGG SUMMIT 2024」にて発表された「龍が如く」シリーズの最新作。「龍が如く8」の舞台となった「ハワイ・ホノルルシティ」で、あの真島吾郎が、海賊になり暴れ回る。
発表から間もないが、とにかく情報量が多く、シリーズファンの皆様は情報量の多さに嬉しい悲鳴を上げているのではないだろうか。かくいう筆者もその一人。「RGG SUMMIT 2024」も取材したし、「東京ゲームショウ2024」の試遊バージョンをプレイさせていただいた。それでもなお謎多きタイトルなのだ。
そこで、今回は「龍が如く」シリーズチーフプロデューサーの阪本寛之氏と、「龍が如く8外伝」プロデューサーの堀井亮佑氏にインタビューを実施した。
気になるストーリーから謎多きアクティビティの「ミナト区系女子」まで。根掘り葉掘り話を聞いてきたので、最後まで楽しんでいただきたい。
「昔の真島を知る関係者」も登場! 「龍が如く8外伝の」気になるストーリーについて
――本日はよろしくお願いします。さっそくですが、本作を発表して反響はいかがでしょうか。
阪本氏:反響はすごく良いですね。ステージイベントも過去最大の盛り上がりを見せていますし、ゲーム体験でも本当に多くの人に遊んでもらっています。
――ではまずは本作のストーリーについて教えてください。
阪本氏:時系列としては「龍が如く8」の半年後の物語ですね。「真島に何があってなぜ記憶を失っているのか」というのはストーリーの核心に迫るので多くは言えません。ただ、ゲーム的に遊びやすいサイズの「外伝」のメインストーリーで、どういう風に記憶を取り戻していくかが描かれます。
堀井氏:ゲームをプレイしていく中で何があったかを描くというよりは、記憶を取り戻していくというイメージです。最初は自分が誰なのかもわからない何もないプレーンな状態から始まり、「ノア」という少年と出会います。記憶を失っているから自分が強いのか弱いのかもわからないのですが、戦ってみると「実は自分は強かったんだ」ってなるんです。
その中であの時にあんな事があったんだ、というのはストーリーの中で明らかになっていきます。
阪本氏:「龍が如く8」の後の話なので、「龍が如く8」で出てきた組織は出てきますし、極道解散後のくすぶっている部分も影響を及ぼしています。そこで、昔の真島を知る“関係者”との関わりもあり、徐々に記憶を取り戻していくというストーリーです。
――「昔の真島を知る関係者」という存在はストーリーのキーになりそうですね。
阪本氏:これ以上はネタバレになるので詳しくは言えません。ただ、「龍が如く8」の続編なので、影響を及ぼす人物は登場します。
堀井氏:そもそも、「龍が如く8」が「パレカナ」だったりとかが、日本の悪い奴らが仕組んでやっていたということを描いているので、「そこの問題を誰が処理するの?」となったときに、切り離せない日本の極道関係者も繋がってきます。
「こいつは絶対出すぞ」と色んなキャラクターを出すわけではないですが、必要な人物は出てくるでしょうね。
阪本氏:本作は時間も場所も違うスピンオフと勘違いされることが多いんです、「海賊モノのスピンオフだ」って。ですが、そうではないんです。
――「龍が如く8」の続編と考えれば良いのでしょうか。
阪本氏:それもまた違っていて。「龍が如く7外伝」がありましたよね。あれは「龍が如く7」の裏で桐生が何をやっていたかを描くストーリーですよね。つまり「外伝」というのは追加エピソード的な存在なんですよ。
堀井氏:アフターストーリーのような立ち位置で考えていただければわかりやすいと思います。記憶喪失だし、海賊になっていますが、あくまでも連続した話なんです。
阪本氏:ハワイのホノルルシティも「龍が如く8」の延長線上の物語で舞台もそのままですし。
「ホノルルシティ」での新しい遊びの数々!
――「龍が如く8」をプレイしたユーザーほど、ホノルルシティに強い思い入れを持ちますよね。
阪本氏:そういう意味では確かめられると思うんですよ。「RPGだとこうだったけど、アクションだとこうなる」というような。ですので「龍が如く8」をやったとしても、もう一度違う遊びができるというイメージですね。
堀井氏:「龍が如く8」が好きだった方はすごく楽しめると思いますよ。「クレイジーデリバリー」といったアクティビティもありますし、メインストーリー以外で交流していた馴染みのキャラクターたちが真島と絡んだりとか。そういった要素はありますので、「龍が如く8」の前提があると、より楽しめると思います。
――今、情報発表されている「カラオケ」や「クレイジーデリバリー」などのプレイスポット以外に、今お伺いできるものはありますか?
阪本氏:何も言えないですね(笑)
堀井氏:ただ、「本作は外伝だからホノルルシティの一部しか行けません」ということにはしていません。ですので、「龍が如く8」で行けた場所はほとんど行けるので、思い出巡りもできるでしょうし、今回体験できたバージョンに入っているのは本当にごく一部なので、色々入っています。
例えば、ゲームセンターのゲームなどもそうですし、色々用意しているので安心していただければと思います。
――例えば「龍が如く8」では「スパイクアウト」がプレイできることが話題になりました。そういった作品のようにセガファンの方に喜んでもらえる要素は入っているのでしょうか。
阪本氏:具体的には言えませんが、何か新しいものを入れたり、アップデートはしています。完全に前と同じモノを入れたことはこれまでもないので、そこは続報を期待していただければと思います。「今回はこれで攻めてきたんだ」という風にはなると思います。
――今回の体験版では「クレイジーデリバリー」や「ドラゴンカート」がプレイできました。こういったプレイスポットの推しポイントを教えていただけますか?
堀井氏:「クレイジーデリバリー」で言うと、完全に新規コースになっています。前回とは全然違う楽しみ方ができると思いますし、「アナコンダショッピングセンター」の中を通ったりとか、そういった楽しみ方ができるのはポイントだと思っています。
――「アナコンダショッピングセンター」の中を通ったときは驚きました。
阪本氏:「あの挙動はアリなんだ」というのはありますよね(笑)
堀井氏:主人公が真島だしというのもありますし、「龍が如く8」の発売からあまり時間が経っていないので、同じものを入れてもつまらないじゃないですか。
ですので、当然カラオケにも新曲が入っていますし、「龍が如く8」を楽しんでいただいた方が、「龍が如く8外伝」では違うコースが遊べて楽しいな、という新鮮味が感じられるように色々仕込んではいます。
――カラオケの新曲は何曲くらい入っているのでしょうか。
堀井氏:体験できるバージョンには「36.5度の太陽」という真島の新曲が入っているのですが、それ以外にも何曲か入っていますので、1曲で終わりではないです。
僕自身にとっても、久しぶりの真島ですし、声優をされている宇垣秀成さんもノリノリで歌ってくださって。みなさんまんざらでもない感じで楽しそうに歌ってくださるのでありがたいですね。
そういった、真島が好きな方が喜んでいただけるようなコンテンツを、なるべく入れていきたいなとは思っていますし、良いアイデアが出てきたらそれを実装している感じです。
――ホノルルシティを走れる「ドラゴンカート」もすごく楽しかったです。
堀井氏:「アウトラン」っぽい感じがありますよね(笑)
阪本氏:南国だし、ヤシの木もいっぱいあるし。
堀井氏:現代版「アウトラン」みたいな。
もちろん、コースも色々ありますし、前回登場したのは「龍が如く7」でその時の舞台は横浜だったので、当然流用はできません。ただ、ハワイは道が広いので、レースに適していますよね。横浜はレースには適していない(笑)
無理矢理「神室町」でも走れたんですけど、大変でしたよね、直角しかないから。
阪本氏:「1台しか走れないじゃん」みたいなね。
堀井氏:そういう意味で、道も広いしハワイの方が合うコンテンツなので、実装しようかという感じです。
――「クレイジーデリバリー」で「アナコンダショッピングセンター」を走ったような、「ここ通るのはありなんだ!?」みたいなルートはありますか?
堀井氏:もちろんあります。コースが全て新しいのはもちろん、ただ単にレースするだけじゃないルールも入れていたりするので、他の楽しみ方は色々用意しています。
――レースといえば他の車を追い越したり、追い越されたりしながら、最終的に1位を目指すルールだと思います。別のルールというのは、どのくらい異なるルールなのでしょうか。
堀井氏:このくらいですかね(手でルールの違いを表現する)。
阪本氏:そこは察していただければと思います。
堀井氏:続報をお待ちください、というところです。
――「ミナト区系女子」という新しいアクティビティについても教えてください。「龍が如く7外伝」などでは、キャバクラで実写の女性が登場し、それがプレーヤーにとってのご褒美的な存在でしたよね。
堀井氏:ロバート秋山さんのシャワーシーンもあるし、ご褒美ですよね?(笑)
阪本氏:ただ、僕たちもご褒美が実写とは定義していないので。なので、ご褒美が全てセクシーでそれが実写か、というのはこだわっていないんです。ただ、「実写の方が面白いよね」というのはネタ的にいくつかあります。ロバート秋山さんもご自身で色んなコンテンツをやられていますし、何変化だというくらい色んな役を演じられる面白さがあるじゃないですか。そこを上手くフィーチャーして実写コンテンツとして、ゲームでもそのノリを楽しめるという形にしています。
設定は我々が作って、演じてもらうキャラも我々が作って、お笑いのセンスだったり、間や芝居などについてはロバート秋山さんに料理してもらった感じですね。
ただ、あくまでも物語の一部なんですよ。ロバート秋山さんが演じるマサルというキャラクターに対しての。
堀井氏:マサルはすごく大事なキャラクターなので、LOVE JOURNEYだけをしているわけではないんです。キャラのユーモラスなところを掘り下げていくというコンテンツなので、プレイしていただければ「なるほどね」という感じになると思います。
――マサルはメインストーリーにも深く関わるキャラクターなんですね。
堀井氏:簡単に言うと「ミナト区系女子」はマサルのコンパをするために、真島が幹事をするようなイメージですね。「ミナト区系女子」と飲みたいから集めないといけない。そこで「コンパをやりたいのでミナト区系女子女子を集めてください」って言われたら、「え、どうしよう」ってなりますよね。そこから色々頑張るというところをプレーヤーがやる必要がある、というコンテンツですね。あくまでも「Masaru's LOVE JOURNEY」なので。
阪本氏:ですので、ご褒美じゃないですよ。キャバ嬢ご褒美みたいなものではないです。
堀井氏:船員のモチベーションアップも大事ですからね(笑)。記憶があやふやな中、頑張ってコンパをセッティングしてくれる良い船長ということですね(笑)
――「マッドランティス」には「パイレーツ・コロシアム」という意味深な建物がありましたよね。「体験版ではプレイできません」と表示されたのですが、どんなコンテンツなのでしょうか。
阪本氏:細かくは今語れないですね(笑)。まだまだ伝えてない新情報や、新しい遊びを、発売前の盛り上げで少しずつ公開していくという計画があるので、今のタイミングではあえて伏せさせていただいています。
堀井氏:まだいっぱいありますからね。
阪本氏:「これはどういうものだろうか?」みたいなね。
堀井氏:「新しい遊びとは果たして!?」みたいな感じですね(笑)。
――それは「海賊らしい」遊びなのか、「『ミナト区系女子』のような夜遊びの一環」の遊びなのかで言うとどちらでしょうか。
阪本氏:体験版でプレイできるのはまだバトルの一部ですよね。トレーラーでも物語の枠組みのようなところしか伝えていないので、海賊をモチーフにして、どういう海賊ライフを堪能できるのかというのは、本編ではもちろん押さえています。
例えば東京ゲームショウのステージで公開した「ミュージカル」も入っているなんて言ってないですよね。でも、見ていただくとわかるように海賊的な演出なんですよ。「そこはちゃんと消化してるんだな」というのはあるので、今伝えているのはゲームのごく一部です、というのはそういうことです。
気になる今後の情報公開とバトルシステムについて
――バトルについても教えてください。特に「ここは見て欲しい」というポイントはどこでしょうか。
堀井氏:真島を操作している納得感を作りたいというのが1つです。そして、直近が「龍が如く7外伝」で桐生もガジェットを使って戦ったりと操作感が向上していました。そこからあまり時間が経っていないので、同じにならないようにしたいというのは一番気にかけた点ですね。
例えばジャンプができるというのも桐生との差で、それをちゃんと感じて欲しい。新しい体験や手触りを届けたいから採用しただけなので、今後もずっとジャンプがあるというわけではないです。そういう思想なのでその辺りを見て欲しいですね。
――ジャンプの効率の良い使い方はありますか?
堀井氏:ジャンプをしないと勝てないゲームではなくて、ジャンプにフィーチャーしすぎたゲームにはなっていないです。ただ、今回は海賊道具などを用意しているので、それらを上手く組み合わせられるようにしています。
例えば、ジャンプしながら「チャージガン」を撃ったりとか、「チャージガン」を撃った後に、「ワイヤーフック」で距離を縮めてそこから切りつけたりするように、用意しているものが上手く繋がるように作っています。
ですので、組み合わせというか攻撃の順番を変えるだけでも、バトルの感覚が変わったりするので、そこが面白いところですね。
――最後にコメントをお願いします。
阪本氏:みなさん色々聞いてくださってすごくありがたいんです。ですが、このタイミングでこの情報を公開して、というようにさらに驚いてもらいたいので、言っていないことは多いです。
ただ、皆さん「『外伝』だからこの程度かな」という先入観があるんです。スピンオフだと思って質問されるから、「それは違うよ、本編の延長線上にあるゲームですよ」と言っています。
じゃあ「海賊ってどういうことなんですか? 海賊の遊びってどんなものがあるんですか?」という順番になって、そこは皆さん気になっている部分だと思います。そこを盛り上げるために情報公開のタイミングは作らせていただいています。
堀井氏:ゲームは本当に色々用意していて説明することが多すぎるから、すべてを発表すると発表会は1時間で終わりませんし、みなさん訳がわからなくなると思います(笑)そういう意味では徐々に丁寧に伝えて行きたいと思っています。
まずは海賊であることを発表して、「なるほどね」ってなった後に、その次の情報を発表する。そういう段階を設けた方が良いかなと思っています。
阪本氏:東京ゲームショウの試遊バージョンでバトルにフィーチャーしたのも、「今回は真島のアクション」と言っているのでそこを担保しないとダメだと思っていたからです。まずはそこを触ってもらって「真島のアクションってすごく面白いな」って思っていただく、そのためにああいう仕様にしていました。
堀井氏:「よくわかんないけど動きが面白いね」ってなってくだされば良いかなと思っています。
阪本氏:結果的にバトルが面白かったな、ってみなさん言ってくださるので、間違っていなかったなと思います。
――どちらのスタイルも面白かったのですが、「人間は分身できないよね」って思いながら、「でも真島ならできそうだな」って思わせてくれましたね。
堀井氏:「真島なら分身できるかもね」という風に桐生よりも許容の幅が広いので、そこは面白い感じにできたかなと思っています。また、今回は蒼天堀みたいな狭い路地じゃなくて広いところで戦うので、ボタンを連打しているだけでも真島は広く動くように作ってあります。そういったところが手触りが違うポイントかなと思います。
――30分のインタビューではお伺いしきれないことが多いですね(笑)
阪本氏:まだまだこれからも情報を公開していきますので(笑)
堀井氏:「乞うご期待!」ですね(笑)
――期待しています。本日はありがとうございました!
(C)SEGA