インタビュー
N高「KDG N1」(沖縄)、まりも選手が描いた“勝利のイメージ”
「第2回全国高校eスポーツ選手権」、「LoL」部門優勝チームインタビュー
2019年12月29日 20:13
- 12月28日、29日開催
- 会場:EBiS303
「第2回全国高校eスポーツ選手権」の「リーグ・オブ・レジェンド」部門決勝大会は、沖縄県角川ドワンゴ学園N高のチーム「KDG N1」の優勝で幕を閉じた。
優勝したメンバーは、最初から優勝候補と言われていただけに「優勝できてほっとした」という気持ちが大きかったという。特にチームの主導権を握っているリーダーのまりも選手のプレッシャーは大きく、常に不安の中戦っていた。
それでも、まりも選手は「メンバー全員を信頼する」プレイができたと話す。その思いが作戦となったのが、クラーク記念国際「Yuki飯食べ隊」と対戦した決勝戦第1試合だ。
この試合で、「KDG N1」はそれまで見せていなかったShakeSpeare選手を入れたチーム編成で戦った。「KDG N1」の特徴はまりも選手が中心となり、周りはまりも選手を活かすためにどう動くかがキーとなるチームだった。
しかしこの構成では、むしろまりも選手が囮となって、逆に周りの選手を活かすことで力を発揮する。最近加入したShakeSpeare選手の「我が強い」(まりも選手)というキャラクターから生まれた構成というが、「やってみたらしっくりきた」ことから採用となった。
さらに、いきなり編成を変えることで「Yuki飯食べ隊」に対して意表を突く作戦にもなる。バンピックで思い通りの反応があったことから、作戦が決まった手応えも感じたという。この奇襲が決まって動揺を誘えた感覚があったので、第2試合では普段どおりの「KDG N1」編成に戻した。
第1試合のラストで、相手の裏を突く形でボットレーンを攻め立てた攻撃は、まりも選手のアイデア。メンバーを信頼して動くまりも選手が、今度は「俺を信じてくれ」とチームの意思を統一し、一気にエンドゲームまで持っていけた。
そして、劇的だった第2試合のラスト。やや不利に見えた集団戦をまりも選手が見事に逆転したことで勝利が決まったシーンだ。この直前、まりも選手の頭には中国のプロ「LoL」プレーヤー、Uzi選手のプレイがあったという。
そのプレイとは、「避けるのが難しいスキルをなぜか避けて反撃し、なぜか生き残っている」というもの。Uzi選手はまりも選手の憧れのプレーヤーでもあるそうだが、このシーンではまりも選手が描いた通りのプレイになった。
イメージ通りに行き過ぎて、本人も「なぜかはわからない」と言うほど出来すぎのプレイだったようだが、ここ一番の場面でビッグプレイを可能にできるほど、高い実力を持っていたということだろう。
チームメンバーの中では、3年生の44O選手が次回大会では抜けることが決まっているものの、「KDG N1」としての活動は今後も続けていくという。来年は「追われる立場」という覚悟を持ちながら、さらに成長する気持ちもある。王者が来年はどんな進化を遂げるのか。まりも選手を中心に、その活躍ぶりを今後も見届けていきたい。