インタビュー

Head of Xbox Asia Jeremy Hinton氏インタビュー

「日本は『Minecraft』の特別な国」、Xbox Game PassやProject xCloudの日本展開も準備中!

6月11日収録

 E3 2019ではMicrosoftでアジア地域のXboxを統括するJeremy Hinton氏に、XboxおよびWindows PCに関するアジア展開について話を聞くことができた。

 日本でも長年期待されているXbox Game PassやProject xCloudについては、サービス開始時期について具体的な言及を避けつつも、日本でも展開することを前提に準備を進めていることを明言。Microsoftとして日本地域は、“巨大なゲーム市場”というよりは、“巨大なゲーム開発地域”という位置づけは変わっていないようだが、「Minecraft」に関しては世界的に見ても強力なコミュニティを抱える地域であり、「Minecraft Dungeons」や「Minecraft Earth」について大きな期待を寄せていた。

Xbox Game Pass、Project xCloudはいずれも準備中!

――Xboxの日本を含むアジア地域のストラテジーを教えて欲しい

【Xbox E3 2019 Briefing】

Jeremy Hinton氏:  今回のショウケースで我々は、場所を問わず、デバイスを問わず、どこでもゲームが楽しめるビジョンを提示した。これまでの伝統的なゲームビジネスというと、コンソールビジネスを指していたが、今後はそうではなくなる。コンソールの存在に頼らなくても、アジアで多くの人が利用しているPCやスマートデバイスを使ってAAAタイトルがプレイできるようになる。

 PCゲームについては、Xbox Game Pass for PCを発表した。ご存じの通り、アジアではゲームコンソールより遙かに多い数のPCでゲームが遊ばれている。今回の発表はPCゲーマーには喜ばれるはずだ。

 Project xCloudについては、我々が新たに始めるストリーミングサービスであり、Xbox Oneをストリーミングコンソールにすることもできる。これもアジアに向けて展開していきたいと考えている。

 それから、コンテンツポートフォリオの充実も忘れてはならない。韓国Smilegateが開発した「CrossFireX」は、アジアで大ヒットを記録した「CrossFire」の新作だ。これがコンソール向けにパワーアップして帰ってくる。

【CrossFireX】

――現在の日本戦略についてもう少し詳しく教えて欲しい。

Hinton氏: 日本には無数のコンテンツパートナーが存在し、緊密な連携を取ってビジネスを展開している。トップのPhil Spencerも繰り返し日本に足を運び、重要な交渉を行なっている。我々としては、プラットフォームを成功に導くために、日本のコンテンツパートナーと協業を進めることは非常に重要だと考えており、日本のコンテンツを欧米に届けるための橋渡し役を担っている。

 我々はXbox Game Passという新しいビジネスモデルを構築しており、そのためには常に新しく有力なコンテンツが必要になる。日本のコンテンツを世界の人たちは待ち望んでおり、それはたとえばセガの「ファンタシースターオンライン2」のような多くの人に愛されているコンテンツだ。今回もバンダイナムコエンターテインメントやフロムソフトウェアの新作や、「The Good Life」などを発表したが、今後も日本の有力タイトルを世界に届ける役目を果たしていきたいと考えている。

【ファンタシースターオンライン2】

――ご存じだと思うが、日本ではXbox Game Passがまだ始まっていない。これについてアジアのトップとしてどのように捉えているのか、またいつスタートするのか?

Hinton氏: もちろん我々もすべてのマーケットで等しくサービスを届けることを目標にしているが、各地域の要求は当然満たした上でなければならない。残念ながら、今日本でのサービス開始日を明示することはできないが、日本で提供する準備は着々と進めており、現在もその話を進めているところだ。

【Xbox Game Pass】
日本ではまだサービスが始まっていないXbox Game Pass。その特殊な事情については別稿にて詳しく解説しているので合わせて一読いただきたい

――今年はどれぐらいのタイトルがXbox向けにリリースされるのか?

Hinton氏: XboxとPCを含めたオールプラットフォームで現在900タイトルの開発が進められている。どの地域で展開するかはデベロッパーの判断になるが、基本的にはその多くが日本でも発売されるはずだ。

――あなたが今年日本市場でもっとも期待しているタイトルは何か?

Hinton氏: それは間違いなく「Minecraft」コンテンツだ。日本はユーザー数、プレイ時間、サーバーの数、どれを取っても世界有数のマーケットだからだ。今回は2つの近津を発表した「Minecraft Dungeon」と、タイトル「Minecraft Earth」だ。「Minecraft Earth」はモバイル向けの特別名タイトルだが、アジアで年内にβテストをスタートさせる予定だ。

【Minecraft Dungeon】

――それは日本も含まれると考えて良いか?

Hinton氏: 現段階で特定の地域のサービススケジュールについてアナウンスできないが、アジアの中でも日本は格別に優先順位が高いという言い方はできる。私としてもこのタイトルを日本に紹介できる日が楽しみだ。

――今年のビッグサプライズはProject Scarlettの発表だった。この次世代コンソールはアジア、そして日本にどのようなインパクトをもたらすと考えているか?

Hinton氏: Project Scarlettは、Xbox One Xの4倍のパフォーマンスを持ち、8Kの解像度、120fpsのフレームレートなど、明らかにゲームハードウェアのレベルを引き上げるものだ。我々はXbox OneおよびXbox One Xで多くのことを学んでおり、家庭にベストなゲームコンソールを届けることになるはずだ。これはクリエイターが持つビジョンを家庭に届けるための助けになるはずだし、史上最高のゲームコンソールになると思う。これに合わせてアジアのデベロッパーをXboxのエコシステムを組み込みたいと考えている。そのためには、アジアでも同じタイミングでローンチできるように準備を始めたところだ。

【Project Scarlett】

――Project xCloudは日本を含むアジアでもローンチされるのか?

Hinton氏: xCloudは、ゲームファンに対してストリーミングによるゲーム体験を提供するサービスだ。我々はまずはコンソールストリーミングからテストを行なっていく。皆さんのXbox Oneとデータセンターを繋ぎ、我々のストリーミングテクノロジーによってゲームを提供する。ユーザーにはそれぞれデータサーバーが用意され、ハードディスクにデータをダウンロードする必要はない。このテストを今年の10月よりスタートさせていく。順次、スマートフォンやタブレットにも広げながら、Project xCloudのビジョンである、場所やデバイスを問わないゲーム体験を提供していくことを考えている。

 もちろん、アジアでも展開を考えているが、その地域ごとに状況が異なる。キーテクノロジーとなる5Gの状況も国や地域によって異なるため、それらに1つずつ対応しながら提供していくつもりだ。

【Project xCloud】

――ビジネスモデルはどうなるのか? 別のサブスクリプションが設定されるのか、それともXbox Game Passに含まれるのか?

Hinton氏: Project xCloudは特別なプロジェクトで、現時点でビジネスモデルについては一切言及できない。ただ、10月からスタートするコンソールストリーミングは無料で提供される。

――現在のグローバルマーケットにおけるアジアのポジションはどういうものか?

Hinton氏: 極めて有望なコンテンツの消費地域だ。良いサンプルが「Minecraft」だ。日本、中国、韓国で、いずれも素晴らしいユーザーを抱えている。「Minecraft」は、プレイするデバイスをXboxに限っていないが、これもアジアとの相性が良い。「Minecraft」は今後も更なる展開が予定されており、アジアとして大きく成長すると期待している。

【Minecraft Earth】

――何かアジア独自のキャンペーンは予定しているか?

Hinton氏: アジア地域として大事にしているのはローカライズだ。消費者、バイヤー、ストリーマーにわかりやすく届けるためには優れたローカライズが欠かせない。繰り返しになるが「Minecraft」は優れたストリーマーのコミュニティが存在する。個々のマーケットに対して刺さるようにローカライズを大事にしている。

――日本のゲームファンに対してメッセージを。

Hinton氏 日本のゲームファンによりよいサービスを提供できるように努力している。日本のクリエイターが開発した新作タイトルをXboxとWindows PC向けに準備しているし、これからも応援して貰えたらと思う。