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Xbox魅惑の定額サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」は日本でいつからスタートするのか?

北米とのレーティングやラインナップの違いがサービス開始の障壁に

6月12日取材

会場:Microsoft Theater

 Microsoftは、Xboxにおいて定額サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」を事業の主軸に据えつつある。E3 2017で正式発表され、2017年6月より月額9.99ドルでスタートした「Xbox Game Pass」は、欧米を中心に順調にユーザーベースを拡大させており、E3 2018では、ついに「Forza Horizon 4」や「Gears 5」、「Crackdown 3」、「Sea of Thieves」といったファーストパーティーの新作もサービスの対象に含め、今後は発売と同時に新作をダウンロードしてプレイできるようになるなど、その重要度は増すばかりだ。

Xbox Briefing 2018でも大きく取り上げられた
「Forza Horizon 4」、「Crackdown」も「Xbox Game Pass」対象に。Xboxは従来のパッケージからサブスクリプションに大きくビジネスモデルを変えつつある

 「Xbox Game Pass」が収益の柱にすることで、Microsoftはより安定してゲームプラットフォームビジネスを展開できるようになる。一例を挙げれば、ファーストパーティーの新作がない月でも売上を上げることができるし、そもそもホリデーシーズンに強力な新作を集める必要がなくなるため、ライバルタイトルとの競合を避けながら、一定のサイクルで新作をリリースすることが可能となる。ソニー・インタラクティブエンタテインメントがプレイステーションで展開するPlayStation Plusと同様に、ゲームプラットフォーマーとして定額サブスクリプションサービスを成功させることは、ゲームプラットフォームの安定的な運営に必要不可欠と言える。

 日本のXboxファンにとって、気になるのは「Xbox Game Pass」がいつから始まるのかだろう。E3 2017の時点では「未定」というステータスだったが、今どうなっているのか、日本マイクロソフトに問い合わせてみた。

 回答は、「日本でもサービス開始に向けて準備中だが、時期は未定」というもの。すでに日本でも予約受付を開始した「Forza Horizon 4」は、「Xbox Game Pass」対応タイトルの1つだ。発売までに「Xbox Game Pass」がスタートしてくれれば、パッケージを購入しなくてもプレイする事が可能となるが、10月2日に間に合うかどうかもまったくわからないという。

 サービス開始の障壁となっているのが、レーティングとタイトルラインナップの違いだ。レーティングについては北米ではESRB、日本ではCEROで、異なる基準でレーティングが行なわれており、北米では「Gears of War 4」のようなESRB「M」指定のゲームも含まれているが、日本ではCEROレーティングZを含めることは難しく、そのあたりをどうするのか。また、北米と日本ではそもそもタイトルラインナップに違いがあるため、今の「Xbox Game Pass」のデータベースをそのまま利用することができず、作り直しになってしまう。このあたりの事情から日本でのサービス開始が延び延びになってしまっているようだ。

【Xbox Game Passのラインナップ】
北米での「Xbox Game Pass」のラインナップ

 ただ、繰り返しになるが、Xboxはサービスのコアに「Xbox Game Pass」を位置づけており、これなしでXboxを展開し続けるのは難しい。実際、Microsoftは、北米ではE3に合わせて「Biggest Xbox Sale of the Year」を展開している。Xbox One本体やソフトが割引になっているほか、Xbox Live GoldやXbox Game Passが1月1ドルで加入できるキャンペーンも行なわれている。かたや日本ではこのうち、Xbox One Xのみを抜き出し、5,000円オフでセールを行なっている。この差はあまりにも大きい。

【Biggest Xbox Sale of the Year】
北米で行なわれているE3に合わせたビッグセールでは、Xbox Live GoldやXbox Game Passが1ドルで加入できる

 今後も日本でXboxのサービスを継続するなら「Xbox Game Pass」のサービスは必要不可欠だ。それは日本マイクロソフトでも理解しており、サービス開始に向けて鋭意準備を進めているところだという。時期未定というのが残念なところだが、一刻も早いサービス開始を待ちたいところだ。

【Microsoft Theaterでも至る所でアピール】
今年、Microsoftが新作タイトルを展開していたMicrosoft Theaterでは、自販機や電飾ポップ、案内板など様々な形で「Xbox Game Pass」をアピールしていた