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独自の世界とサバイバル感が魅力の3部作「S.T.A.L.K.E.R.:Legends of the Zone the Zone Trilogy」

謎に満ちた世界で生き抜き、「2」への期待を高めよう

【S.T.A.L.K.E.R.:Legends of the Zone the Zone Trilogy】

3月7日発売(デジタル版)

価格:6,578円

※単体発売

「Shadow of Chornobyl」:4月24日発売

「Clear Sky」:5月2日発売

「Call of Prypiat」:5月14日発売

価格:各2,860円

ゾーン内での激しい派閥抗争2作目「Clear Sky」

 「S.T.A.L.K.E.R.:Clear Sky(以下、Clear Sky)」では"派閥抗争"が大きくフューチャーされる。ゾーンには様々な勢力が対立をしており、プレーヤーは「傭兵」としてこの勢力抗争に巻き込まれることとなる。

 時代設定としては「SOC」の少し前となっており、前作と繋がる要素も見えてくる。主人公は前作とは別人でストーリーとして明確なつながりはないようだが、前作と同じ場所も登場し、前作をプレイした人はつながりが楽しめる。

「Clear Sky」ではゾーン内の強力なエネルギー放射現象「Emission」に生き残ったことから、耐性を持つ人材としてゾーンを調査するClear Skyに協力することに。主人公は1作目とは別の人物だ
Clear Skyに協力し、周辺の施設を占拠しているRenegadesと戦うことに

 前作で提示された「A-Life」がこの派閥抗争で活かされていくことになる。各陣営は抗争を繰り返しており、プレーヤーはこの戦いに干渉していくこととなるのだ。派閥が勢力を増すことで強い派閥の所属員の装備が向上していく。プレーヤーも報酬や取引でこれらを得ることができるので、どう派閥を強化していくかがゲームの鍵となる。

 次々と提示された目標をクリアしていく「SOC」とは異なり、時には味方部隊の到着を待って進軍するといった、A-Lifeを活用した戦闘の駆け引きが増しており、戦いの感触が大きく向上している。仲間に所属しどう勢力を増していくか、ストーリーと共に、この世界でどう生きるかを考えて行動できるのが「Clear Sky」の楽しさだろう。

風景やミュータントなど基本デザインは前作と同じ。グラフィックスは進化し、アップデートされている
ゲーム序盤の沼地のマップ。拠点を占拠するRenegadesをClear Skyと協力して倒していく。
次のマップCordonは、前作プレーヤーにも見覚えのある場所だ

 ゾーンの調査を行うことが目的の「Clear Sky」や、一般的なストーカーが集まっている「Stalkers」など最初から友好的な組織もあるが、ゾーン内で犯罪を行い、こちらを見かけると攻撃してくる「Bandits」でも加入することで攻撃されずフィールドを探索することができる。どの勢力に所属すれば有利かというのを考えていくのも重要だ。マップ上では明確に敵対している組織も少なくない。装備品の修理や改造が可能になるなど、システムが追加された要素もある。

 前作のスタート地点だった地域も登場し、「SOC」をプレイしているとより親しみが増すだろう。チュートリアル的要素が強い沼地(Swamps)は難易度が低めだが、次の地域ではいきなり軍の機銃操作から逃れ、StalkersとBanditsの正面からの撃ち合いに巻き込まれることとなる。勢力抗争を利用しつつ自分の行動範囲を増やしていく「Clear Sky」は前作とはひと味違ったゲーム性が楽しめるのだ。

Stalkersに加わり敵と戦うことに
Cordonからは敵の攻撃が激しくなる
クエストをクリアし、装備をアップグレードしていく

世界の探索要素が強化! 3作目「Call of Prypiat」

 3作目の「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Prypiat(以下、Call of Prypiat)」はゾーン内を探索する1作目のコンセプトに戻ったような作品となっている。進化したグラフィックスはより明確に世界を描写しており、現実のチョルノービリ地方のランドマークもきちんと入れられている。

 時代設定としては1作目の直後だ。「SOC」で主人公がゾーンの奥への道を切り開いたことでストーカー達が深奥部を目指し活動していく中、主人公は軍からの依頼を受けたストーカーとしてゾーンを探索する。

「Call of Prypiat」では、より遠くが見渡せるようになり、ランドマークなど目標を見据えて移動できるようになった
不思議な空間アーノマリーはより明確なビジュアルとなった
廃船の中に街がある

 ステージクリアの意味合いが強かった「SOC」、派閥戦争を前面に出した「Clear Sky」と比べ、「Call of Prypiat」はゾーンの広大な地域を探索することにフォーカスされている。マップを探索していると巨大な廃船があり、中にはストーカー達が町を作っていたり、これまで以上に視覚的にゾーンでの人々の生き方が提示されている。

 遠くからはっきりと不思議な空間アーノマリーを視認できる。アーノマリーは毒を噴出するものや、炎を吹き出すもの、電撃を放つものなど危険な場所だ。その近くで検知器を片手にアーティファクトを探す。1作目からある要素だが、「Call of Prypiat」は探索がよりしっかりできるゲームバランスだけに、アーティファクト探しもこれまで以上に力を入れてやることができる。

街では様々なクエストを受けることができる
旅するストーカーに同行すれば長距離を一気に移動できる。有料で任意の地域にも連れて行ってもらえる

 前作「Clear Sky」では拠点ごとに通貨を払うとワープさせてくれるガイドがいたが、本作では旅する人達にガイドを頼むだけでなく、彼等が行きたいところに同行することで広大なマップの移動をショートカットできる。旅する感覚、世界を探索できる感覚をしっかり味わえる作品と感じた。

 印象的なのが「Emission」。前作より導入された強力なエネルギーの嵐でこれに巻き込まれると命を失ってしまう。「Call of Prypiat」ではランダムに発生するのだが、これが発生するとマップ上に避難する場所が指示される。嵐が来る前に施設内の地下に潜り込めばこの嵐を回避できる。非常にドキドキする体験だ。

 本作にも派閥抗争の概念はある。これまでのシステムをしっかり盛り込んでおり、シリーズが持つ探索要素をしっかり中心に置いているので、ゲームの完成度としては「Call of Prypiat」が一番良くできていると感じた。しかしやはり最初の作品として「SOC」は荒削りながら魅力があり、派閥抗争を全面にした「Clear Sky」も面白い。どの作品も難易度が高くクリアするには一筋縄でいかなそうではあるが、これらをすべてプレイすることで、「S.T.A.L.K.E.R.」という本シリーズならではの魅力をしっかり触れることができると感じた。

アーノマリーの中でアーティファクトを発見!
エネルギーの嵐「Emission」が迫る!
建物にはいって、嵐をやり過ごす
今作でもミュータントは手強い

 そして「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズはさらなる進化を遂げるのだ。現在、9月に最新作「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」の発売が予定されている。次ページでは現在明らかになっているこの作品の要素を紹介し、期待を高めていこう。

9月に発売が予定されている「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」