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独自の世界とサバイバル感が魅力の3部作「S.T.A.L.K.E.R.:Legends of the Zone the Zone Trilogy」
謎に満ちた世界で生き抜き、「2」への期待を高めよう
- 提供:
- セガ
2024年5月22日 00:00
- 【S.T.A.L.K.E.R.:Legends of the Zone the Zone Trilogy】
- 3月7日発売(デジタル版)
- 価格:6,578円
- ※単体発売
- 「Shadow of Chornobyl」:4月24日発売
- 「Clear Sky」:5月2日発売
- 「Call of Prypiat」:5月14日発売
- 価格:各2,860円
ダウンロード版が3月7日に発売され、パッケージ版が6月27日に控える「S.T.A.L.K.E.R.:Legends of the Zone the Zone Trilogy」は、日本では知る人ぞ知るサバイバルホラーFPS「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズ3作を1つにまとめ、コンソール版として制作したものだ。
本作は2007年に発売された1作目「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chornoby」、1作目の基本システムを受け継ぎ、派閥戦争の要素を盛り込んだ2作目「S.T.A.L.K.E.R.:Clear Sky」(2008年発売)、探索という本シリーズの魅力を強化した3作目「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Prypiat」(2009年発売)がセットとなっている。これまで本シリーズはPC版のみ、英語版のみで知る人ぞ知るゲームだった。今回、日本語字幕が導入され、コンソールでのプレイが可能になったのだ。
「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズの舞台はウクライナのチョルノービリ(ロシア語でチェルノブイリ)。チョルノービリは1986年に原子力発電所が事故を起きしその名を世界中に知られるようになったが、「S.T.A.L.K.E.R.」では2006年に再度謎の爆発が起き、「ゾーン」という特殊な世界となる。このゾーンでの探索がシリーズでのテーマとなる。
本作は様々な革新的要素が盛り込まれ話題を集めた。独自のAIでフィールドを闊歩する生態系シミュレーター「A-Life」。HPや放射能の影響だけでなく、空腹や出血などのリアルなステータスといった凝ったゲーム要素は後のゲーム作品にも影響を与えている。なによりミュータントが闊歩し、空間が歪む「ゾーン」という奇妙な世界で一攫千金を求めるストーカー達というコンセプトが魅力だ。本稿ではこのゾーンや基本システムの紹介、3作品の方向性を紹介すると共に、9月にリリースが予定されている最新作「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」への期待も語っていきたい。
過酷な世界で生き残れ! 1作目「SOC」で、ゾーンを歩く基礎を学ぼう
「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズでは「ゾーン」の探索がテーマとなる。ゾーンは様々な怪奇現象が起こる場所であり、危険なミュータントが徘徊する。ゾーンの中には特に「アーノマリー」という場所が所々に発生する。アーノマリーは空間が歪んでいたり、炎や毒ガスが発生したりと非常に危険な場所となっている。
しかしアーノマリーの周辺には「アーティファクト」という希少物質があり、これらは様々な効果を持つ。放射能への耐性を上げたり、体力が上がったり、強力なものもあり、高価で取引される。このアーティファクトを求め、人々は危険も顧みずゾーンへ向かうのだ。
シリーズ第一作目「S.T.A.L.K.E.R.:Shadow of Chornoby(以下、SOC)」ではプレーヤーは記憶を失ない、ゾーンで倒れていた人物として「マークド ワン」と呼ばれる。マークド ワンは自分が何者だかわからないが、持っているPDAには「ストロレクを倒せ」とある。このストロレクは何者なのか? 彼は自分自身を取り戻すため、ストロレクを追い求めていく。
「SOC」はこの明確な目的の下、ゾーンを旅するゲームとなっている。フィールドを探索する自由度はあるが、次々と提示されるミッションをクリアしていく展開となっている。様々なキャラクターと会話したり、探索していく中で、ミッションは更新され、マークド ワンどんどんゾーンの奥へ進んでいくのである。
最初、プレーヤーはこのゾーンの厳しさにびっくりするだろう。場所のあちこちに見えない何かが徘徊しており意味もわからずダメージを受けてゲームオーバーになったり、知らないうちにミュータント犬に囲まれ倒されてしまうこともある。放射能の濃い地帯に踏み込んで致命的な状況になることや、敵に囲まれて蜂の巣になることも多い。何度もゲームオーバーになりセーブしたところからやり直しになるだろう。本作は目標地点だけでなく様々な地域を探索する楽しさもあるのだが、最初は何もせずに倒されてしまうことが多い。
そうして徐々に「ゾーンでの生き抜く方法」を学んでいく。敵との戦闘は避け、しっかりと武器や弾薬は確保する。倒した敵だけでなく、時には味方が倒れていてもそこからしっかりアイテムを回収する。回復アイテムはかなり出るので惜しみなく使う。敵はできるだけ遠距離で倒すことを心がける……。
「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズはRPGではなくFPSなのでプレーヤーは戦闘を繰り返しても成長はしない。もちろん装備をアップデートしていったり、強力なアーティファクトを見つけたりなどの要素はあるが、数発撃たれたら倒されてしまうバランスである。それでいながら多数の敵を相手にする状況が多いのだ。特に「SOC」は最初の作品なだけにバランスも荒削りで、生き抜くためには試行錯誤が必要となる。
ゴミ捨て場を根城としている集団に依頼され襲撃者を撃退する。軍隊が襲撃する中を前に進む。敵に占拠された地下施設を一掃する。こういった多数の敵を相手にする状況が多いのだが、手に入る弾は少なく、敵に撃たれれば体力はガクンと減り、おまけに場所によっては放射能が体に被害を及ぼす。
しかしこの独特のバランスが良いのだ。独特の乾いた世界。この過酷な世界でありながら、対立する人々がいて、ゾーンの謎を探すべく軍隊まで関わってくる。その過酷な世界で1つ1つこの世界のルールを学んでいく。危険な場所、アイテムが入手できる場所、うまい位置取りや戦い方……。まさにプレーヤーそのものがこの世界の住人になっていく。「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズはその感触が味わえる。
もう1つ「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズには「A-Life」という生態系シミュレーターが大きな特徴だ。マップに存在するミュータントや人間は独自のAIで活動している。時には同士討ちを始める場合もあり、例えばこちらを執拗に追いかけてくる犬のミュータントと、空間を歪ませるミュータントをぶつけることで、うまくやればどちらかを撃退することも可能だ。
敵が闊歩している平原を見つからないように歩いたり、道行くストーカーに取引を持ちかけたり、この世界を旅する感触は独特だ。そして敵が潜む洞窟や、息絶えたストーカーが持っていた遺物などを見つける場合もある。過酷な世界だが探索することでこの世界がきちんと存在していることが感じられる。
「SOC」は体感的には次々と提示されるミッションをクリアしていくという展開である。自由度もあるが探索要素よりもストーリー要素が濃い。迷うことなくゲームが進められる明快さは本作のセールスポイントだ。しかし試行錯誤のプレイだと回復アイテムが足りなくなったり、先に進めることが難しくなったりする。そこで時には割り切り、最初からプレイしなおすというのも有効だ。前回苦戦したところをびっくりするほどうまく進めたりできる。そうしながらストーリーを前に進めていくことで、本作ならではの厳しい世界を生き抜く感触を実感できる。
「S.T.A.L.K.E.R.:Legends of the Zone the Zone Trilogy」では3本のシリーズのうち、どの作品からもプレイが可能だ。「SOC」は特に難易度が高くゲームを進めるためにはかなり試行錯誤が必要で、筆者もまだまだこれからという所だが、本作をプレイすることでシリーズの基本ルールや世界の空気感をしっかり感じることができる。まず「SOC」に触れてみることをオススメしたい。
次ページでは2作目「S.T.A.L.K.E.R.:Clear Sky」と、3作目「S.T.A.L.K.E.R.:Call of Prypiat」も特徴を紹介していこう。
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