レビュー
「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」レビュー
高いアクション性と原作再現でファン歓喜の完成度!「炭治郎」の壮絶な戦いをその手で体感
2021年10月13日 10:00
- 【鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚】
- ジャンル:鬼殺対戦アクション
- 発売元:アニプレックス
- 開発元:サイバーコネクトツー
- プラットフォーム:プレイステーション 5・プレイステーション 4・Xbox Series X|S・Xbox One・PC(Steam)
- 発売日::2021年10月14日
- 価格:
- 通常版:8,360円(税込)
- デラックスエディション:9,900円(税込、ダウンロード版)
- フィギュアマルチスタンド付き数量限定版:16,280円(税込、PS4版)
あの人気作品が最高峰のアクションゲームとなって登場する。今回レビューしていく作品はアニプレックスより10月14日に発売予定の「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」だ。
本作は「鬼滅の刃」の世界をアクションゲームとして楽しむことができる作品となっており、美麗グラフィックスで忠実に再現された世界観の中で様々なキャラクター達を操作し、「鬼滅の刃」らしいカッコよく派手な技が飛び交うバトルやその壮絶な物語を味わうことができる。コンシューマーゲームとして「鬼滅の刃」を題材としたゲームは本作が初となることもあり、非常に大きな期待が寄せられている作品だ。今回はそんな本作を一足早くプレイすることができたので早速レビューしていきたいと思う。
「鬼滅の刃」の世界を徹底再現した「キャラゲー」×「アクション」の極致!
まず本作をレビューする前に、知っている人も多いかと思うが題材となった「鬼滅の刃」について軽く紹介しよう。「鬼滅の刃」は日本の大正時代を舞台に人々を襲い喰らう「鬼」と、「呼吸」によって様々な力を発揮する「人間」との戦いを描いたダークファンタジー作品だ。
主人公の「竈門炭治郎」は家族を「鬼」に皆殺しにされ唯一生き残った妹の「禰󠄀豆子」も「鬼」にさせられてしまうが、諦めない不屈の心で立ち上がり修行や仲間たちとの出会いを経て成長しながら「鬼」の討伐と「禰󠄀豆子」を人に戻す方法を模索しながら奮闘していくことになる。(良い意味で)およそ少年漫画とは思えないエグイ描写やストーリー展開が特徴的で、その過酷すぎる世界の中で魅力的なキャラクター達が言い放つ心が奮い立つ数々の名言や、それでいて少年漫画らしいド派手でカッコいい数多の必殺技などが多くの読者の心を奪った作品だ。
本作はそんな「鬼滅の刃」の世界をゲーム作品として楽しむことができ、美麗グラフィックスで描かれたキャラクター達を操作して「鬼」との激闘や大正モダンの世界観、そして何よりダークな物語を体験できる。キャラクター達が放つ必殺技の数々も鮮明に再現されており、美麗グラフィックスで活き活きと動く「炭治郎」達を見れるだけでもファンとしては堪らないだろう。
アクションゲームとしての完成度も非常に高く、後述するソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”での「鬼」との戦いでは様々な特殊アクションで原作さながらの緊張感のあるバトルが繰り広げられ、自由にキャラクターを選んで戦えるバーサスモード“対戦”でも2人のキャラクターを駆使した戦略性の高いバトルが楽しむことができ、オンラインでの対人戦も熱くなることが予想できる。まさにキャラクターゲームとアクションゲームを上手く融合させた作品となっているのだ。
「炭治郎」の壮絶な戦いをその手で体感できるソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”!
「炭治郎」達の軌跡を辿るソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”は本作のメインコンテンツと言っても過言では無い。「鬼滅の刃」の物語を追体験できるこのモードでは忠実に再現された世界を歩き回って探索を行なったり、原作に登場した数々の「鬼」と戦闘を行ないながらストーリーを進めていくこととなる。漫画・アニメとも違うゲームならではのグラフィックス表現はキャラクターの動きが多い作品である「鬼滅の刃」と非常にマッチしており、物語への没入度が高く完成度の高い仕上がりとなっている。
自由にMAPを動き回り探索を行なうパートでは主に「炭治郎」を操作して様々なイベントを見たりアイテムを回収しながら物語を進めていく。時に「鬼」の後を追ったり、時に街の中で聞き込みを行なったり、時に敵地を探索したりなど物語の展開に合わせて行なうことは多岐に渡る。物語に沿って操作できるキャラクターが変化することもあり、その際にアクションや描写などがしっかりと変化するのも見逃せない。まさに「鬼滅の刃」の世界観を実体験できるパートとなっているのだ。
探索パートでは「鬼」に行く手を阻まれ戦闘パートに入ることがある。本作のバトルアクションは技を繰り出すなどの操作は簡単だが、攻撃タイミングや敵との間合いなどを考えたりなど、アクション性が高く奥深いシステムとなっている。
「基本攻撃」と「技ゲージ」を消費して行なう「技」を組み合わせてコンボを組み上げるのが攻撃の基本となり、「追尾ダッシュ」を用いて相手に近づいたり、「ステップ」を用いて攻撃を避けたり、「ガード」で相手の攻撃を防いだりして、さらにはジャストタイミングで行なえる「捌き」で攻撃をいなしたりと、アクションゲームらしい数々の操作を用いてバトルを行なっていく。
さらにド派手なアクションとして「奥義・開放ゲージ」を消費して行なう「奥義」と「開放」、そして「全開放」と呼ばれるアクションが本作には用意されている。「奥義」はその名の通り各キャラクターに用意された必殺技を放つことができ、原作さながらの派手な演出と共に大ダメージを与えられる。
「開放」は一定時間内の間、攻撃力が上昇するなど戦いを有利にするバフ効果を得る状態だ。そしてその上を行く「全開放」は「開放」中にさらにゲージを使用すると行なうことができ、さらなる攻撃力上昇に加え「技ゲージ」を消費しなくても「技」を打ち放題になるなど圧倒的な攻撃力を得ることができる。「鬼」との戦いでも対人戦であってもどのようにこの「奥義・開放ゲージ」を駆使するかがバトルにおいて重要なポイントとなってくるのだ。
この探索パートとバトルパートを行ない章を最後まで進めると、「手鬼」、「沼の鬼」、「朱紗丸・矢琶羽」等の作中で「炭治郎」達の前に強敵として現われたキャラクターとのボス戦が待っている。ボス戦では通常の「鬼」とは比べ物にならないほど強力な攻撃を仕掛けてきたり、しっかりと隙を突いて攻撃を行なわないと簡単に反撃を喰らってしまったりする。インタラクティブ・アクション、いわゆるQTEなどの特殊な操作が発生したり、ボスそれぞれが強化状態になると大技を放ってきたりと非常に歯ごたえのあるバトルを楽しむことができる。
物語の進め方もゲームらしく自由度が高く、主軸となるメインシナリオ部分は実際にキャラクターを操作して探索や戦闘を行なって描写されるのだが、原作での細かな描写やシーンなどはアニメ絵とナレーションを使用した「想いの欠片」と呼ばれるサイドストーリーで見ることができるようになっている。メインシナリオ部分だけでもストーリーはしっかりわかるように物語の描写が考えられているためゲームを早く進めたいプレーヤーにも優しく、また「想いの欠片」も見ることでよりストーリーを深く知ることができるので、どのように物語を進めるかはプレーヤー次第となっている。
実際、今回筆者は「鬼滅の刃」の物語を詳しくは知らない状態でプレイしていたのだが、メインストーリーだけを見た状態でも物語をちゃんと理解でき、「社会現象になるのも納得だわ…」と思わず納得してしまう位には物語や展開を楽しむことができた。そこから興味を持って自発的に「想いの欠片」を見に行くというパターンが多かったので物語を楽しむという部分においても本作は非常に優れていると言えるだろう。
ボス戦でのQTEや各イベントでの表現も素晴らしく、臨場感溢れるアクションには心が躍り、探索パートを通すことで物語への没入感が強く高まったと感じている。ゲームとしての特性を上手く活かしているため、まさに「ゲームでしか味わえない鬼滅の刃」になっていると筆者は感じた。
「対戦モード」で夢の対決が実現! 発売後の無償アップデートで「累」や「猗窩座」もプレイ可能
本作には物語を楽しめるソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”以外にも、キャラクターを自由に選んで対戦できるバーサスモード“対戦”も用意されている。“ヒノカミ血風譚”で使用できたメインキャラクターは勿論、学生服姿となった公式スピンオフ「中高一貫!!キメツ学園物語」の装いのキャラクター達も使用することができる。さらには発売後の無償アップデートで敵として登場した「鬼」である「累」や「猗窩座」がプレイアブルキャラクターとして使用できるようになると判明しており、数多くのキャラクターでの対戦が楽しめるのだ。オンライン対戦も実装されているのでお気に入りのキャラクターを極めて最強の剣士を目指すのもいいだろう。
今回実際にプレイしてみて感じたがアクションゲームと「鬼滅の刃」との相性が凄まじくよく、それでいてシナリオもしっかり理解できるようになっているので、原作ファンは勿論ながら「鬼滅の刃」を知らない人にもお勧めできる作品になっていると筆者は感じた。アクション性も高いためゲームとして面白いと感じる部分も多く、キャラクターゲームとしてもアクションゲームとしても両立できている作品と言えるだろう。
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
©「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」製作委員会
※画面写真は開発中のものです。