コットン リブート!

「アレンジモード」はド派手なスコア稼ぎシューティングに大胆アレンジ!

　「コットン リブート!」のアレンジモードはかなり大幅にシステムが変化している。まずボタン配置が変更になった。メインショットのボタン1つでショットとボムが連射で撃てるようになったのは非常にありがたい。そして魔法ボタンが独立し、通常の魔法は押すだけで発動が可能となり、よりスムーズに魔法が発動できる。魔法ボタンを長押しすることで、もう1つの魔法が発動する仕組みも健在だ。

　ゲーム中に登場するクリスタルを取得する事で経験値を稼ぎ、ショットを強化する仕組みは変わらないが、このクリスタルの挙動が変更されている。まず、従来は地面に落ちていたクリスタルが、敵を倒した場所に浮遊するようになった。

　そして、浮遊するクリスタルにショットを当てると、ショットがクリスタルを通過し、特殊ショットに変化して敵に飛んでいくようになったのだ。この状態でショットを放つと左端に新たに追加されたメーターのパーセンテージが上昇していく。このメーターが100%になったところで、新たに追加になったフィーバー発動ボタンを押す事で、フィーバーモードとなり、一定時間、特殊ショットの攻撃でさらにスコアがアップするアイテムが稼げる。

　クリスタルにショットを当てて色を変化させることでより多くの経験値や魔法が取得できるのは変わらないが、以前のシステムでは最終的に消滅していたクリスタルが、本作では最終的に黒いクリスタルに変化する。この黒いクリスタルは前述のようにショットを通過させられないため、そのままにしておくと邪魔にしかならないが、取得する事で大幅にスコアがアップするスコア稼ぎのアイテムとなる。

　このように「コットン リブート!」はスコア稼ぎを意識したシステムにかなり様変わりしているのが大きな特徴と言える。

【ド派手なアレンジモード】

クリスタルが地面に落下せず、空中に浮遊するようになった。また、色の変化したクリスタルに近づくと、クリスタルがこちらに寄ってくるようになったので、取得しやすくなっている

空中に浮かぶクリスタルを通過したショットは、斜め上下に飛ぶ緑色の強力なショットに変化する

クリスタルを通過したショットで敵を倒していると、左下のゲージが貯まるようになっており、メーターが満タンになったところでフィーバーボタンを押す事でフィーバーモード発動! フィーバー中に倒した敵はスコアを稼ぐアイテムとなって取得できるようになる。このアイテムを一定数稼ぐと、メーターのレベルが上がり、より好スコアが獲得できるようになる

ショットを一定数当てるとクリスタルは黒く変化し、ショットが通過しなくなる。この状態で取得すると大幅なスコアアップが可能だ

　魔法についてもAC版の「イカヅチ」や「火竜」に加えて、コットンの前方に大規模な爆発を発生させる「ぼんばー！」や、巨大な隕石を呼び出し、上空から落下させる「落石注意！」など新たな魔法が追加された。またアレンジモードでは同じ魔法のクリスタルを取得すると魔法のレベルが上がる仕組みになっており、例えば「イカヅチ」をレベル3まで上げると、画面全体を稲妻が襲う凶悪な魔法に強化される。

【多彩な魔法】

「イカヅチ」をレベル3まで上げて使うと画面全体に電撃が走り、画面内の敵を一掃する全滅ボムのような動きになる

新たに追加になった魔法「ぼんばー！」は手前に大爆発を巻き起こして大ダメージを与える

もう1つの追加魔法「落石注意！」は、巨大な隕石を大量に呼び出して頭上から落下させる

「ぼんばー！」の魔法を長押しで使うと、画面上のクリスタルが全て黒クリスタルに変化する

「落石注意！」の魔法を長押しで使うと、ザコキャラをクリスタルに変化させる

　難易度については、出現する敵の種類や数が大幅に増えた事もあり、相変わらずハードな難易度だ。さらには敵弾が従来のAC版よりも増えた上にド派手なショットで敵弾が見えにくくなる場合もある。弾が飛んでいる、という事を強く意識して画面に注力していないと、理不尽な死に直面する事になる。

　一方で当たり判定がかなり小さくなっているため、敵弾が増えても慎重に動けばかわせる場面は多くなった。また、シルクが近くの敵を攻撃するので背後からの敵も倒せるようになった。

【追加された敵】

コウモリなど、新たな敵キャラが各ステージ毎に追加になっているのもアレンジモードの魅力の1つ。一方でAC版ではあまりなかった敵弾が増えており、弾除けの要素も少し増えている点は賛否がわかれるところか

頭巾を被った小人の悪魔、インプのような敵も追加されている。このインプはこちらを妨害する青白いわっかを撃ってくるがこのわっかに触れただけでは自機はやられない

シルクが近くの敵を攻撃するので、背後からの敵も倒せる

　さらにはクリスタルの出現量がAC版やX68000モードと比べても段違いに増えている上に、浮遊した状態なので取得しやすくなっているため、経験値が非常に稼ぎやすくなっている。魔法自体の強化もあるため、魔法を駆使する事でかなりプレイしやすくなっている。

　他にも接触しても自機を失わずに、邪魔をされるだけの敵や障害物という物がAC版よりも大幅に増えており、この辺りで難易度が優しく感じられる場面も増えている。例えば妖精を運んでくる土偶のような敵がいるが、AC版ではこれに接触するとやられてしまっていたが、こちらのモードではこれに接触しても自機を失う事がなくなっているのはかなり大きな変更点だ。

　ステージ構成は前述のX68000モードと基本的には変わらないが、道中に新しい敵キャラクターが登場したり、ボスの攻撃パターンもより多彩になっているため、ド派手に楽しめるように仕上がっている。

【演出も強化】

ボス出現前には画面下部に巨大な文字で「WARNING!!」表示が出るようになった

ボス自体はX68000モードと同じだが、攻撃パターンが増えたり、ビジュアルが派手になるなど更なるアレンジが追加になっている

デモムービーはアニメチックなビジュアルにアップデート

ステージ開始時には、コットンとシルクの掛け合いの音声が入るようになったほか、画面右端にステージ毎のBGMのアレンジ担当者の名前が表示される

コンティニューするとやられたところから再開できる。回数に制限はないため、クリアだけならコンティニューを繰り返す事でどうにかなるのはありがたい

アレンジモードはシステムがかなり変更されているので、1度マニュアルを一読しておくのをおススメしたい。全てコットンとシルクによる音声での掛け合いで説明してくれるので、正直すごく幸せだ

コットンを待ってた人も知らない人も楽しめる!

　筆者は先日までアストロシティ ミニを使ってアーケード版コットンの1コインクリアを目指して日々プレイしていた。その感覚でコットン リブート! のX68000モードに挑戦してみたが、正直なところそのハードな展開とあらゆる面においてアレンジが施されたステージの数々には圧倒的敗北の連続だ。少なくともこれを1コインクリアできるようになるには相当のやりこみが必要だろう。

　一方でコットンはやりこんで、敵の出現パターンなどを体に覚えさせれば、いつか1コインクリアできるタイプのタイトルであることは、過去にアーケード版で1コインクリアを達成できた筆者が一番よくわかっているし、今回のコットン リブートのX68000モードについても何度かのプレイでアーケード版と同じ感覚を感じられた事は間違いない。AC版コットンの再構築バージョンとしては申し分のない作りに仕上がっている。

【こだわりが光る】

ステージやデモの間は「NOW LOADING」の待ち時間が発生する。アレンジモードでは、このタイミングでコットンからのちょっとした一言が入るのがうれしい

X68000モードの場合、タイトルに入ってからオプションを開くことで残機数や難易度調整、ボタン配置の変更などが行なえる

TEA TIMEでお茶を1つも取らずに全て交わすと得られる「SECRET BONUS」も健在だ。X68000モードの場合は、通常と同じく2万点だが、アレンジモードではステージ毎にシークレットボーナスのスコアも上がっていく。1ステージの場合で200万、ステージ3ならなんと600万!

　そしてアレンジモードだが、こちらはコットンの事はあまり知らないけど、昨今のシューティングゲームを楽しんでいる人にこそ是非プレイしてほしいカジュアルなモードとしていい感じに仕上がっていると感じられた。というのも、とにかく爽快なのだ。通常のショットについても強化していくとかなり強力でド派手になっていくし、それに加えて新たな魔法の追加、クリスタルショットなどによるユニークでド派手な強化もあるため、アレンジモードの方がよりスムーズにプレイできた印象だ。

　最近発売されたシューティングゲームでは、クラウズの「おしゃべり! ホリジョ! 撃堀」など、シンプルながらも爽快感を重視したシューティングゲームが多く発売されている。コットン リブート! のアレンジモードでは、こうした昨今のシューティングゲームのトレンドをきちんと汲み取った作りになっており、とにかく爽快に楽しめる。それでいてコットンらしさがきちんと感じられるため、コットン初心者にこそむしろ遊んでほしいタイトルとして仕上がっている。

　今年で30周年を迎えるコットンが、このような形で令和の時代にAC版がリブートされた事は、1ファンとして非常に喜ばしい。AC版コットンを知る人も知らない人でも楽しめるので、是非スコアアタックなどを試してみてほしい。