5つの新要素でオフェンスが大幅進化した「FIFA 13」プレビュー

第2世代Impact Engine採用でポゼッションフットボールをよりリアルに再現!


4月19日、20日開催

会場:Millbank London



 「EA EU Showcase」レポートのトリを飾るのは、「EA Sports」ブランドを牽引する1,000万本フランチャイズ「FIFA 13」だ。

「FIFA 13」が正式発表されたMillbank Londonのシアター

 「FIFA」シリーズは、サッカーの本場であるヨーロッパ市場で特に人気が高いことから、新作発表はEA UKがある英国でローンチイベントが開かれることが通例となっている。今回、「EA EU Showcase」レポートで取り上げてきた

「SimCity(シムシティ)」「Crysis 3」「Medal of Honor」といったEA Gamesのタイトル、そしてEA MobileやChillingoの
モバイルタイトルの紹介が、4月19日にまとめて行なわれたのに対し、「FIFA 13」は4月20日に1日かけてプレゼンテーションやインタビューを実施するなど、まさに別格の扱いとなっている。

 日本では「FIFA」シリーズより、「Battlefield」シリーズや「Crysis」シリーズ、「Mass Effect」シリーズといったEA Gamesタイトルのほうが人気が高いため、我々日本メディアはどちらかというとそれらのほうに注目しがちだが、ヨーロッパ勢はまさに「FIFA」のために、「EA EU Showcase」を訪れているという印象で、彼らのむせかえるほどの熱気に驚かされた。

 プレゼンテーションは午前中丸々たっぷり2時間。その後、終日掛けて日本を含む世界各地のメディアのインタビューが行なわれた。本稿ではプレゼンテーションの模様をお伝えしたい。なお、今回のプレゼンテーションは、ゲームプレイ周り、つまりゲームエンジンの進化のみが取り上げられ、ゲームモードやマルチプレイなどについてはE3以降での発表となるようだ。

 なお、「FIFA 13」は全世界でプレイステーション 3、Xbox 360、PSP、PS Vita向けに今秋発売予定。日本語版の価格はPS3 / Xbox 360版が7,665円、PSP版が4,980円、PS Vita版が5,980円。

【Millbank London】
「EA EU Showcase」2日目は丸ごと「FIFA 13」に当てられた
インタビューを待つ間は、メディア同士で「UEFA 2012」を楽しむ。ヨーロッパは本当に「FIFA」が大好きだ




■ 「FIFA」のプレイ時間は「Facebook」を上回る。「FIFA」シリーズ成功の秘訣とは?

「FIFA 13」Executive ProducerのDavid Rutter氏
「FIFA 13」日本語版のロゴ

 プレゼンテーションはHead of EA SportsのAndrew Wilson氏のウェルカムスピーチから始まった。Wilson氏はカナダの「FIFA」開発チームを「彼らは非常に正直者であり、自己批判に優れ、常に足りないところを探し続ける素晴らしいチームだ」と誉めあげた。

 次に「FIFA」シリーズが目標として3つの要素を紹介した。1つは「今までなかったクオリティのゲームを提供すること」、2つ目は「プロダクトだけでなく、プロダクトとサービスを組み合わせた総合的なエンターテインメントを提供すること」、3つ目は「EA Sports、シリーズのファン、クラブチームのコネクションを広げていくこと」。

 Wilson氏は、クオリティとはイノベーション(革新的な要素)とポリッシュ(磨き込み)の組み合わせだとし、「その意味で『FIFA』チームほどクオリティにこだわっている開発チームはいないのではないか」と自画自賛を繰り返した。また、現在は製品のみの時代から、製品+サービスの時代だとし、プレイすればするほど体験が進化するようにしたいという。

 また、コネクションについては、EA Sportsとユーザーとの1対1のコネクションを、EAとして家族とのコネクションと同程度に重視していると話した。具体的な例として、今回合わせて発表した「UEFA 2012」を紹介。これまで「UEFA」シリーズは、「FIFA」シリーズとは切り離して単体のパッケージとして販売されていたが、ユーザーコミュニティの意見やニーズを吸い上げ、「FIFA」のダウンロードコンテンツという新しい配信の仕方を行なうことを決めたという。DLCの形式だと、単体パッケージより利益率は下がってしまうが、そのほうがユーザーの為になると判断したわけだ。Wilson氏は、「『UEFA 2012』をぜひ遊んでみて下さい」と述べ挨拶を終えた。

 続いて登壇したのは「FIFA 13」Executive ProducerのDavid Rutter氏。今日のプレゼンテーションの一切のビデオ収録、カメラ撮影は禁止を早口で告げた後、まずは「FIFA 12」を振り返った。

 Rutter氏は「FIFA 12」について「とても成功したタイトル」とし、その要因として3つの要素を挙げた。ひとつは「FIFA」シリーズの最大級のイノベーションとなった「Player Impact Engine」の導入を挙げた。これによりゲームプレイが“なめらかになった”と独特の表現で自画自賛した。もうひとつの要素が「Tactical Defence」。これにより巧みなディフェンスが誰でも可能となり、現在でも93%のユーザーが「Tactical Defence」を使ってゲームを楽しんでいるという。最後に挙げたのが、オンラインコミュニティサービス「EA Sports Football Club」。これにより、好きなチームとの繋がりをより深くすることができたという。結果として「FIFA 12」は初週で370万本、4カ月で1,000万本を超える大ヒット作となった。

 次にRutter氏はオンラインプレイに話を転じ、「FIFA 12」は全世界で1日平均で57分プレイされており、「Facebook」の46分を上回ることを報告。オンラインプレイは1日500万ゲームがプレイされており、累計で10億回がオンラインでプレイされてきたという。

 2人の報告は、いかに「FIFA」シリーズが偉大なフランチャイズであるかを説明したもので、実は毎回同じパターンだったりする。ただ、中身と実績が非常に高いレベルで推移しているのは事実であり、大きく成功したフランチャイズのみが許されるオープニングセレモニーと言える。





■ Player Impact Engineが第2世代に進化! 今回はオフェンスに徹底フォーカス

Line ProducerのNick Channon氏

 2人の報告の後、Line ProducerのNick Channon氏、Aaron McHardy氏の2人が登壇し、「FIFA 13」の具体的な紹介がスタートした。

 Channon氏は、「FIFA 13」のビジョンから語り始めた。「FIFA 12」はPlayer Impact EngineとTactical Defenceが画期的で、この結果オフェンスとディフェンスのバランスが良くなり、ゲーム展開に無限の可能性を与えることができたと報告。「FIFA 13」では、より様々な新システムを導入することで、限界のない戦術、自然体の動き、ポゼッションの競り合いといったものを提供していくという。

 続いてChannon氏は、「これまでは“オンザボール”の競り合いが重要だったが、これからは“オフザボール”が重要になる」と切り出した。「『FIFA 12』までは、パスを受けてすぐボールをコントロールすることが可能だったが、これは本当のサッカーとは違う。『FIFA13』では、選手や状況、スピードによっては、パスを巧みにコントロールすることが難しくなる。また、ディフェンダーはフィジカルを使って、攻撃側との競り合いが可能になる。本当のサッカーはポゼッションがすべて。攻撃はもっと自由でなければならない」と「FIFA 13」が目指すビジョンを明快に語ってくれた。

 その後、McHardy氏にバトンタッチし、「FIFA 13」の新要素を5つの項目に分けてデモを行ないながら説明していった。




・Attacking Intelligence(アタッキングインテリジェンス)

 オフェンスのAIを全面的に刷新し、ストライカーが複雑な分析に基づく行動をしたり、ミッドフィルダーが攻撃に加わったり、ディフェンダーが攻撃をサポートしたりなど、チーム全体でディフェンスを突き崩し、新たな攻撃機会を創出し、よりアグレッシブで自然で、創造性のあるオフェンスが可能となる。

 デモでは、「FIFA 12」と「FIFA 13」の比較が行なわれた。「FIFA 12」では攻撃側のAIは、次の移動先について1カ所のスペースしか分析しないため、あちこち色んな方向に走ったり、ジグザグに走ったり、明らかに不自然な動きをしている。これに対し「FIFA 13」では、複数のスペースと距離を分析し、どこに行くか決めて、後は一気に走るという自然な動きになる。

 走り方についても、「FIFA 12」では移動先の途中にディフェンダーがいると、また分析して別の方向に走ったりしていたが、「FIFA 13」では最初から最後まで1度に分析を行なうため、途中のディフェンダーの動きを回避しながら思い切って走ることができていた。

 次にストライカーのインテリジェンス。「FIFA 12」では、オフサイドラインに近づくと行動を変えるというAIだったが、アニメーションが十分ではなく、いきなり180度曲がったり、向かってる方向がおかしいということがあった。「FIFA 13」では新しいアニメーションを与え、一定方向を向きながら足の方向だけを変えるということが可能になる。またオフサイドラインでのアクションも、止まったり逆走するのではなく、流れを殺さないように曲線を走るように進化している。

 さらに実際のアーセナルの映像とゲームのプロトタイプを見せながら、「FIFA 13」ではチーム全体で攻撃機会を生み出す動き方が可能になったことを丹念に解説していった。感心させられたのは、オフザボールの動き。すべての選手が、“次の次”の展開を想定し、ボールを持っている選手のサポートや、自らがボールを取りに行ける位置への移動を行なっている。比較で見せられると、行動を先取りして移動することで、これほどゲームが変わるのかと驚くばかりで、あの「FIFA 12」が無様に見えるほどだった。それほど「FIFA 13」のAttacking Intelligenceの改良はインパクトの大きい進化だと感じられた。

 Attacking Intelligenceを改良した理由については、「多くのユーザーのフィードバックで、攻撃AIによって十分な選択肢がないという指摘が多かったから。今回の進化で選択肢を増やし、ランの選択、チームメイトの振る舞い、どうやって相手のディフェンスラインを破るのか、そのためのより多くの選択が可能になった。もっと自由にクリエイティブに攻撃することが可能になった」とコメントした。

【Attacking Intelligence(アタッキングインテリジェンス)】
静止画ではわかりにくいが、「FIFA 13」ではボールを持たない選手も次の展開を予測した動きを行なっていく




・Complete Dribbling(コンプリートドリブル)

 より速いスピードでのドリブルが可能となり、ディフェンスラインを一気に突破して得点を入れるチャンスを増やす。このインスピレーションはバルセロナの英雄リオネル・メッシから受けたということで、「誰しも彼のようにサッカーをプレイしたいと思う。現実には無理だが、ゲームではそれが可能になる」と述べ、メッシのドリブルを再現することを目標に掲げていることを明らかにした。

 ドリブルシステムは、サッカーゲームのコアといっていいほど重要な要素だが、「FIFA」シリーズも5つの方向へのドリブルから始まり、「FIFA 10」で360度ドリブルという画期的な進化を果たしている。

 「FIFA 13」ではどうなるかというと、360度ドリブル、プレシジョンドリブルといった「FIFA 12」までのドリブルシステムをさらにブラッシュアップし、顔の向きと移動先が異なるフェイント的なドリブルが360度で可能になったほか、より自然で多様性のあるシールディングが可能となっている。これらの操作を従来通り左スティックのみで実現するところが特筆すべきポイントだ。

 デモでは、メッシやロナウドなどを例に、ゆっくり走りながらの方向転換や“かかと”を使ったボールキープ、ディフェンダーを向いたまま真横への動き、ボールを足で弄ぶような、またはボールの周りを踊るようなボールタッチなどを見ることができた。いずれも非常に滑らかな動きで、これらの動きは「FIFA Street」のエッセンスも盛り込んでいるという。

【Complete Dribbling(コンプリートドリブル)】
左スティック操作だけで、一流選手のドリブルが可能となる

【リオネル・メッシ】
インスピレーションを受けた選手として第一に挙げたバルセロナ所属のリオネル・メッシ選手。彼の躍動感のあるスーパープレイを簡単な操作で自ら生み出すことができる




・Tactical Free Kicks(タクティカルフリーキック)

 セットプレーからの多様性のあるフリーキックを実現し、得点を入れるチャンスを増やす。守備側にも様々な選択肢を用意し、セットプレーの攻防をよりリアルに再現する。

 具体的にはセットピースのバリエーションを増やすという。壁超えのシュートだけでなく、壁を騙すフェイントを行なったり、3人でフリーキックを処理するなど、色んなパターンのセットプレイが可能となっている。攻撃側だけ有利になるとおもしろくないため、バランスを取るためにディフェンス側も可能なアクションが増えている。具体的には壁のジャンプが複数回可能になっていたり、新たに壁の選手を増やしたり、壁を前に移動させることも可能。ちなみに壁の移動はルール違反行為ということで、やり過ぎるとイエローカードが出るようだ。

 Tactical Free Kicksのデモは非常にエキサイティングだった。直接狙える距離のフリーキックでボール側に3人。ゴールの前にはディフェンスの壁ができている。1人目はフェイントで走り抜け、2人目はフェイントとパス、ディフェンス側はこの2人目の動きに引っかかってジャンプしたところを、3人目がシュートし、見事ゴール。デモの映像のチョイスからアーセナルファンであることがバレバレのMcHardy氏は、「土曜の試合もこうなるといい」とコメントし笑いを誘った。それにしても唸るほどリアルな動きで、この駆け引きだけでもかなり楽しめそうだ。

【Tactical Free Kicks(タクティカルフリーキック)】
「FIFA 13」ではフリーキックの読み合いをよりディープに再現する




1st Touch Control(ファーストタッチコントロール)

 もっとリアルなボールコントロール、トラッピング。キックシステムの改善。パススピード、雨、プッシュ、プルなど複数のファクターによるボールへの影響をファーストタッチにもたらしていく。ロナウジーニョのような完璧なファーストタッチコントロールをなくし、本物のサッカーを実現する。

 McHardy氏は「ロナウジーニョのボールタッチやボールコントロールは素晴らしい。『FIFA 12』では誰でもそういう立派なプレイができ、本当はあまり上手ではないディフェンダーがロナウジーニョ並みのとても巧みなボールコントロールをしてくれる。しかし、私はアーセナルのファンだが、彼らは滅多にそういうプレイができない」とさりげなくアーセナルを罵倒し、「メッシやドログバですらミスをするし、実はタッチはそれほど巧みではない。『FIFA 13』を本物のサッカーにするために、トラッピングにフィジックスを取り入れる」とし、パス、トラップもまた物理演算処理することを宣言。これは「FIFA」史上、Player Impact Engineに続いて大きな進化となる。

 これにより、常に完璧なトラップができる“ゲーム的なパス”はなくなり、現実に即したリスクと能力を踏まえた戦術に転換する必要が出てくる。「FIFA 12」までは誰でも走りながらボールを取ることが可能だったが、「FIFA 13」ではロナウドやメッシなど一流の選手を除いてはそれができなくなり、トラップミスしたり、タックルされる隙が生まれてしまうことになる。

 これらはすべて本物のサッカーの実例に基づいているということで、「FIFA 13」ではルーズボールが増え、ポゼッションの競り合いが多くなり、ユーザーにとって楽しめる機会が増えることになる。パスする際は、相手が受け止められる力量を持っているか、その状況にあるかを考える必要があり、逆に一流の選手に対しては自信を持ってパスができるようになるという。

 McHardy氏はまとめとして、「これまではすべての選手がボールコントロールが良すぎたが、今後はコントロールやスキルの高い選手がキチンと目立てるようになった。うまい選手がスターとして光るように、リスクとリワードが増えた。昨年は防御の仕方、今年は攻撃の仕方を見つけて欲しい。やりたいことは選手の差別化、違和感の除去、リアルなフットボールの再現だ」とまとめた。




Player Impact Engine(プレーヤーインパクトエンジンの改良)

 本当のポゼッションを実現するために、Player Impact Engineを再度見直し、欠点を改善する。物理処理や衝突判定の違和感を見直し、さらに体の大きさ、体力のシミュレーション、そしてボールを持たない選手同士のオフザボールバトルを実現する。

 「FIFA 12」はPlayer Impact Engineを採用することによって、選手同士の競り合いに物理演算を導入し、サッカーゲームとして決定的な進化を果たした。これにより、ゲームだからやむを得ないと思われていた「すり抜け」、「突き抜け」、「慣性の無視」などがすべて解決し、シミュレーションレベルを格段に向上させることに成功した。

 しかし、あまり先進的なシステムだったために、未成熟な部分もあった。McHardy氏は3つの実例を挙げながら、Player Impact Engine第2世代がどう進化し、ゲームにどのような影響をもたらすのかを解説した。

 1つ目は、身体のパーツの強度設定の問題。「FIFA 12」のPlayer Impact Engineでは、この設定が適切ではなかったために、選手同士の競り合いの際に、不自然な動き、結果になることがあった。「FIFA 13」ではカラダのパーツ毎の設定を見直し、現実に即した衝突アニメーション、処理が出力されるようになっている。具体的には、まず手が引っ張られ、次に腕、肩、腰、最後に身体全体となり、身体全体が曲がることで次に引き倒されるような強度設定になるようだ。

 2つ目は、スライドが切り変わるやいなや会場は爆笑の渦に包まれた。「FIFA 12」ファンの多くが知ってるであろう「キャロルとファビアンスキのキス動画」が映し出されたからだ。知らない人は下記の動画を見てみて欲しい。

【キャロルとファビアンスキのキス動画】


 McHardy氏は、「これは実は複雑な問題。2人が同時に倒れて1人が上で、1人が下だとこうなってしまう。『FIFA 12』では選手が重なっている状態からゆっくりと立ち上がらせていた。ほとんどの場合はうまくいったが、うまくいかないこともあった」とし、「FIFA 13」ではローリングのアニメーションを加えることでこの映像のような展開にはならないように改善したという。

 3点目は、現実世界ではごく当たり前に行なわれている競り合う選手同士のプッシング、プリングについて。「FIFA 13」では本格的なプッシング、プリングがゲームに取り入れられ、それらの行為によってシュートやパスの精度が影響を受けるようになるという。

 実はプッシング、プリングは「FIFA 12」の時点で取り込もうとしたというが、やり過ぎは反則行為にあたるため、Impact Engineの進化に合わせて審判のAIを進化させ、プッシング、プリングの“程度”を審判に理解させてからの実装になったという。選手側も審判から反則を取られないようにやり過ぎないように注意しながらプッシング、プリングを行なうようになっているという。

 プッシング、プリングは身体の大きさが重要で、「FIFA 12」ではプッシュするか、プルするかは単純に位置に基づいて決められており、肩を寄せ合う位置だとプッシュしか選択肢がなかったという。しかし、現実のサッカーでは位置に関係なく、身体の大きい選手は常にプルするチャンスがあるし、位置によっては身体を使ったプッシュも選べるはずだ。

 デモでは身体の大きな選手がストライカーをプルして引き倒すシーンが再現されたが、身体の大きい選手ばかりが有利にならないように、攻撃選手のAIも進化させ、バランスを取るという。いずれにしても、身体の大きいディフェンダーは、身体を活かしたディフェンスが可能となるようだ。

【Player Impact Engine(プレーヤーインパクトエンジンの改良)】
Player Impact Engineが第2世代に進化し、球際の攻防がよりリアルに表現される。とりわけ身体の大きい選手は、その能力がより正確に反映されるようになるようだ




数多くの新規アニメーションが追加されている

 最後に、McHardy氏は、「FIFA 13」の基礎的な部分について言及した。審判のAIの進化。CPUの人間的な動きの再現。これは例として、パスのチャンスがない場合は、ドリブルをするなど、自らチャンスを作る動きをより活発に行なうことを挙げてくれた。

 また、ゴールキーパーやディフェンダーの動きも進化し、Tactical Defendingがパワーアップしているという。その一方で、細かくボールを飛ばすパスや、プレッシャーを掛けながらのシュートなど、新たな攻撃パターンも増やしているという。そしてアニメーションの追加。180度で入ってくるボールに対するアニメーションや得点時のアニメーションを追加したという。

 Channon氏はまとめとして「色んなイノベーションを共有できるのが嬉しい。攻撃、守備も新しい要素がたくさんあり、とりわけドリブルメカニックの進化によってたくさんの選択肢が生まれ、自由で独創的な攻撃が可能になった」と自信を覗かせた。そして「FIFA 13」の目標地点として「ゲームプレイの要素の間に調和させることが大事。本物のサッカーにある予測できないところを再現したい」とまとめた。

 E3では、ゲームプレイ以外の要素を明らかにする見込みで、こちらも改めてレポートするつもりなのでお楽しみに。

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(2012年 5月 15日)

[Reported by 中村聖司]