東京ゲームショウ 2011レポート

発売直前!プロデューサーが語る「Gears of War 3」の魅力
ソロ、マルチ両面のポイントをおさらい。クリス・キンメル氏との一問一答も!


10月22日発売予定

価格:7,140円

CEROレーティング:Z(18歳以上のみ対象)


Microsoft、「GoW3」エグゼクティブ・プロデューサー クリス・キンメル氏

 Xbox 360の看板アクションシューティングシリーズの最新作「Gears of War 3(GoW3)」がいよいよ9月22日に発売される。

 発売をおよそ一週間後に控え、東京ゲームショウ 2011の開幕前日にもあたる9月14日、日本マイクロソフトのオフィスに「GoW3」のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるクリス・キンメル氏が現われ、取材陣に作品の魅力を紹介してくれた。

 紹介された情報はこれまでの公開情報を追いかけてきたファンにとっては「おさらい」となる内容が中心だが、ゲームのオープンニングシーケンスの詳しい様子や、キンメル氏ならではのコメントなどなど、お伝えしていこう。



■ プロデューサーが語る「GoW3」の魅力。ゲームのポイントをおさらい

ゲームの冒頭シーケンスを紹介するキンメル氏
キャンペーンモードは4人COOPが可能に
マルチプレイモードもさらに洗練されパワーアップ

 今回が初来日というキンメル氏は、「前作までは叶わなかった、日本語版を含む世界同時発売が今作で実現できて興奮しています」と鼻息荒く、まずは本作のオープニングシーケンスをデモンストレーション。

 「まず結論から言おう。本日をもって、統一連合政府は消滅した。」というセリフから始まる冒頭のシーケンスは、「GoW3」に至る惑星セラの歴史を大まかになぞるものだ。

 ローカストとの15年にも渡る熾烈な戦いは人類に深刻なダメージをもたらした。プレスコット議長は行方をくらまし、生き残った人々は難民と化している。軍もまた拠点を失い、バラバラだ。しかし、そこにランベントと呼ばれるさらに凶悪な敵が現われ……「我々全てが難民だ」との一言でシーケンスは終わる。

 こういった破滅的なプロットで始まる「GoW3」は、前作にも増して大ボリュームの内容を備えることになった、とキンメル氏。さらにオンラインモードも充実し、4人COOPも可能なキャンペーンモードを筆頭に、複数のルールを内包する対戦モード、HORDEモード、BEASTモードの4モードを搭載する。

 HORDEモードは前作「GoW2」にも搭載されていたものを更にパワーアップさせたもので、最大5人のチームを組み、次々に襲来するローカストを撃退しながら、できるだけ長く生き残ることを目指す協力プレイタイプのゲームだ。

 一方、本作で新たに搭載されるBEASTモードは、いわばHORDEのローカスト版。様々なタイプのローカストで小隊を組み、人類の軍隊を倒していく。最初に60秒間の時間制限があり、人類を倒す毎にタイムが延長される仕様のため、ガンガン攻めていく姿勢が重要なゲームルールだ。「守りのHORDE」、「攻めのBEAST」というわけだ。

 キンメル氏はこれらのオンラインモードを実現するにあたって「コアゲーマーと、カジュアルゲーマーの両方が楽しめること」を重視したと強調。具体的には、プレイレベルによる棲み分けシステムだ。初心者やあまり上手でない人は「カジュアルモード」に参戦し、上手なコアゲーマーはそれ以上の難易度モードにしか参戦できない。これにより、自分のレベルに合ったグループと対戦や協力ができる。

 またキンメル氏は、対戦モードの1ルールであるチームデスマッチ(TDM)のデキにも自信たっぷり。前作までは1度死ぬと次のラウンドまで他人のプレイを眺めねばならなかったところ、今作では1チームあたり1ラウンド15回まで復活・再出現できる仕組みが搭載された。

 これは「倒されるのがストレスになるのではなく、倒せないことがストレスの主因になる」というユーザーリサーチの結果デザインされた仕様とのこと。ゲームの回転速度がぐっと上がり、ハードコアプレーヤーから新参プレーヤーまで等しく楽しめるTDMになったということだ。

キンメル氏は特にマルチプレイモードの要素について詳しく紹介してくれた。長く遊べるよう様々なアンロック要素が用意されており、プレイを続けるたびに使用できるアバターが増えていく仕組みもある



■ ファンなら気になるアレコレ。キンメル氏への一問一答

質問に答えるキンメル氏。質問内容はゲーム内容から開発体制関連まで広範囲に及んだ

 以上「GoW3」の魅力ポイントをおさらいした上でキンメル氏は、取材陣からの様々な質問に気さくに答えてくれた。ファンなら気になりそうな一問一答の内容をご紹介していこう。

・気が早いけど、将来のアップデートやDLCの計画は?

 「来年にかけてXbox LIVE上でリリースしていく予定のDLCを踏まえて、シーズンパスというものを用意しています。今シーズンパスを購入しておくと、有料のDLCが33%オフ価格手に入りますよ」とキンメル氏。

 具体的には、既に第4弾までのDLCが予定されており、個別購入では3,600マイクロソフトポイント必要なところ、ゲーム発売日にリリースされる2,400ポイントのシーズンパスを購入しておけば、第4弾までのゲームDLCが手に入るようになる仕組みだ。

・Microsoftは「GoW3」の開発にどう関わっているの?

 これには「Microsoft側には心理学などに強いスタッフからなるユーザーリサーチチームがあり、Epic Gamesのゲーム制作を助けています」とキンメル氏。マーケティング的な分析から、ゲームデザインに対する助言をするのが主な仕事であるという。

 例えば、TDMを復活可能な仕様に変更したのはMicrosoft側チームによるユーザー心理調査が裏付けとなっている。もちろん、最終的な判断はEpic Gamesによるもの。ゲーム開発者の意思を尊重した上で両社のチームワークが取られているわけだ。

・発売が大幅に遅れた理由は?

 本来の発売日であった4月から5カ月以上遅れた理由について。普通なら答えにくいこの手の質問にもキンメル氏はズバリと答えてくれた。その答えとは2010年秋に発売された「Halo Reach」が大成功したから、というもの。

 「GoW3」は当初の発売予定であった今春に向けて既に完成していたが、「Halo Reach」が期待以上の人気を集めために、敢えて時期を離すという決定を下したそうだ。その間の収穫として、マルチプレーヤーβを実施するなど、さらにオンライン要素に磨きをかけることができたという。

・カーマインはまた死ぬの?

 「GoW」シリーズの名物キャラとなっているカーマイン四兄弟。初代作ではアンソニー・カーマインが死亡し、2作目では弟のベンジャミン・カーマインが死亡しと、シリーズを通じての「やられ役」として愛されている。そして3作目である本作には、長男のクレイトン・カーマインが登場されることが判明している。

 クレイトンもまた死ぬ運命にあるのか?というミーハーな疑問には、キンメル氏は至って慎重。昨年、Xbox LIVEのアバターTシャツ販売を通じて行なわれた「カーマインの運命」キャンペーンを引き合いに出して、「カーマインを救え派、死ぬべき派、どちらも多く、僅差でしたね。結果は発売後のお楽しみに」とかわした。ちなみに6月のE3 2011の段階で、本作の開発総指揮を取るクリフB氏は「死ぬ」と言っていたような……。

・トリロジー完結で、「GoW」シリーズこれで終わり?

 キンメル氏によれば、「GoW」シリーズの世界設定を構築しはじめたのは10年前のことだという。その上で今回、3部作の最後の作品として「GoW3」において完結するのは、その10年前に作りはじめたシナリオであると強調した。

 というのも、米国では「GoW」の世界観を元にしたコミックやノベルなどメディアミックス展開が進んでおり、メインシナリオ以外にも「GoW」ワールドが広がっている。将来、それらをベースとしたフランチャイズ作品が登場する可能性があるようだ。具体的な計画には触れられなかったが、熱心なファンならホッと胸を撫で下ろすところだろう。



 ざっくばらんに質問に答えてくれたクリス・キンメル氏。東京ゲームショウ 2011では、HORDEモードを5人でプレイできるコーナーを出展するとのことで、日本のプレーヤーに本作を紹介できることを非常に嬉しく思っています、と笑顔を見せた。

 本作のファンの皆さんは、「Gears of War 3」がプレイアブル展示される、マイクロソフトブースのZ指定コーナーを要チェックだ。


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(2011年 9月 15日)

[Reported by 佐藤カフジ]