ニュース

香川県職員、「ネット・ゲーム依存症対策条例素案」についての反対意見を表明

「条例によって時間制限を設けるという発想自体が間違っている」

1月19日 公開

 香川県庁職員は1月19日、Facebookにて「[意見表明]香川県庁職員の私が香川県ネット・ゲーム依存症対策条例素案について思うこと」を公開した。

 これは、1月9日に判明した「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」の素案(以下、本条例素案)について、香川県庁健康福祉部の一職員が個人的な意見を述べたもの。本条例素案は、ネットおよびゲームの依存症を対策するため、高校生以下の子どもを対象にゲームやインターネットなどの利用時間を1日60分、休日90分に制限するとともに、高校生は夜10時、中学生以下は夜9時以降の利用を制限するというもので、本条例素案に反対するとしている。

 反対する理由としては、「家庭で決めるべき事項に介入する問題点、自己決定権の侵害」、「インターネットの利用時間を制限することの非現実性」、「子どもの権利条約との矛盾」、「各部局のネット・ゲームを利用した広報・振興戦略との矛盾」の4点だという。

 「家庭で決めるべき事項に介入する問題点、自己決定権の侵害」では、問題の本質は時間帯や長さではなく、親子間の主体的な調整や納得を得られないまま一方的に時間制限を押し付けるところにあると述べており、家庭のルールを第三者に一方的に決められ、家庭教育における主体性・自己決定権の侵害を受けることを意味し、条例によって時間制限を設けるという発想自体が間違っているとしている。

 また、「インターネットの利用時間を制限することの非現実性」では、すでに日常生活の一部となったインターネットを使用せずに社会生活を送ることは不可能だとし、利用時間を規制することは非現実的で、1日60分ないし90分はあまりにも短いと述べている。

 公開されたページには、そのほかにも本条例素案の反対意見が記載されている。最後に香川県庁職員は、本条例素案に賛成か反対かを問わず、今後実施されるパブリックコメントにて意見を表明してほしいと呼びかけている。

「[意見表明]香川県庁職員の私が香川県ネット・ゲーム依存症対策条例素案について思うこと」

□本ページはこちら